
山崎12年のミニボトルはどこで売ってる? 定価などの基本情報を含めて解説!
- ウイスキー銘柄
サントリーから発売されているシングルグレーンウイスキーの知多は、山崎・白州などのシングルモルトと比較して大量生産ができることから値上げの理由が気になる方もいることでしょう。
基本的にグレーンウイスキーは、ブレンデッドウイスキーのブレンド用の原酒であるため、グレーンウイスキー単体で販売されることは稀です。
スコッチを含めて前例がないわけではありませんが、知多は国内でもシングルグレーンのなかで最も知名度の高い銘柄といえるでしょう。
山崎、白州、響とあわせて培われたサントリーのブランドイメージから、ほかの銘柄と比較しても高い人気を誇り、広く販売されています。
この記事では、知多ウイスキーが値上がりした理由を解説し、実際の販売状況と購入できる場所一覧も紹介します。
この記事のポイント
画像引用:https://products.suntory.co.jp/d/4901777279421/
概要 | 内容 |
容量 | 700ml |
アルコール度数 | 43% |
値上げ前の希望小売価格 | 4,000円 |
現在の希望小売価格 | 6,000円 |
参考:サントリー 公式サイト
2015年9月、サントリーはウイスキーブランドとしては、11年ぶりに新商品「知多」を発売しました。
ブレンデッドでもシングルモルトでもないシングルグレーンウイスキー、つまり、一つの蒸溜所だけでつくられたグレーン原酒を瓶詰めした商品ということです。
知多は、山崎・白州と並びサントリーが国内に持つ3つ目の蒸溜所である知多蒸溜所の名を冠する銘柄です。
サントリーを代表するブレンデッドウイスキーである響や角瓶を支えてきた原酒を、単体で味わえるようにした点が画期的でした。
「ふわり、軽やかな風のように」のキャッチコピーのもと、風香るハイボールという飲み方を提案し、日本人受けするブランディングがされています。
発売後は国内外で評価が高まり、世界的なジャパニーズウイスキーブームも追い風となり、近年では品薄状態が続いています。
知多を使用して作られるサントリーのブレンデッドウイスキーの種類は以下の記事をチェックしてください。
サントリーのブレンデッドウイスキーの種類と味わい、おすすめの飲み方
知多の香り・味わい・余韻の特徴を簡単にまとめました。
概要 | 内容 |
香り | ハチミツ、バニラ、甘い柑橘とメロン |
味わい | 穀物の甘みとクリーミーな口あたり |
余韻 | 軽やかですっきりした印象 |
知多の第一印象は、ハチミツとバニラの甘い香りです。
さらに甘い柑橘の皮、完熟したメロンのフルーティーさがあり、オーク由来の優しいウッディな香味が重なります。
口に含むとクリーミーで、同時に穀物系の穏やかなコクが感じられ、ホワイトペッパーのようなほのかなスパイスがアクセントを加えてくれます。
余韻はスッと消えるキレの良さと、軽やかでわずかに甘く、すっきりとした印象を持つフィニッシュです。
おすすめの飲み方は、サントリーも推奨するハイボールであり、炭酸を加えることで香りが開き、食前・食中酒に適します。
個性が穏やかであるため、ウイスキー特有の風味の複雑さと濃厚な味わいがなく、人によっては単調と感じてしまうかもしれません。
しかし、シングルモルトなどモルトを使用したウイスキーと比較すると飲みやすいことから、ウイスキーが苦手な人に向けた入門酒にもなる銘柄です。
海外でも知多の味わいが高く評価されており、アペリティフ(食前酒)に適しているといわれています。
知多蒸溜所は、1972年、サントリーと全国農業協同組合中央会(JA)が折半出資で設立したサングレイン株式会社として誕生しました。
伊勢湾に面した臨海工業地帯に位置し、隣接する全農サイロからベルトコンベアでグレーンウイスキーの原料であるトウモロコシを直接搬入できる原料輸入の玄関口という立地が魅力です。
連続式蒸溜器は、4塔構成の多塔式と、2022年に新設されたカフェ式の2系統があります。
多塔式ではヘビー・ミディアム・クリーンという3種類の原酒を造り分け、ブレンデッド用・シングルグレーン用の多様なフレーバーを確保しています。
年間生産能力は5,400万リットルと国内最大級で、サントリーの多くのブレンデッドウイスキー支える重要拠点といえるでしょう。
仕込み水には木曽川水系の愛知用水を使用し、硬度18mg/Lの軟水がクリーンな味わいを後押ししています。
原料比率はトウモロコシ9:大麦麦芽1であり、麦芽は糖化用に最低限加えるだけなので、穀物感を主体にしながらも雑味は少なめです。
蒸溜所は一般人の見学が許されていませんが、海風が絶えず吹く場所にあり、軽やかな風を象徴する知多に適した場所となっています。
知多蒸溜所の紹介ページ
ウイスキーの種類は、スコッチを中心にするとモルトウイスキーとグレーンウイスキーの2種類に分かれます。
モルトは大麦麦芽だけを原料にポットスチルで蒸溜するのに対し、グレーンはトウモロコシなど複数の穀物を連続式蒸溜機で大量に蒸溜します。
モルトウイスキーは複雑で個性的な味わいが特徴であるのに対して、グレーンウイスキーは味わいがやわらかくクセが少ないのが特徴です。
さらに、シングルはひとつの蒸溜所の原酒だけでつくるという意味を持っています。
シングルグレーンは、単一蒸溜所の原酒のみで瓶詰めをしたグレーンウイスキーであり、シングルモルトと比較して一般的ではありません。
そのため、シングルモルトと比較すると世界の流通量は圧倒的に少なく、ジャパニーズウイスキーでは知多が代表格になります。
グレーン原酒は通常ブレンデッドウイスキーのベース役として使用されており、単体で販売されるケースは非常に珍しいです。
しかし近年、ライトで飲みやすい酒質が初心者に向くこと、カクテルやハイボールで香味が伸びやすいことから、シングルグレーンの人気が高まり始めています。
知多は、これまでウイスキーにおいて脇役であったグレーン原酒を主役に導いた銘柄といえるでしょう。
グレーンウイスキーについては以下の記事で詳しく紹介しています。
グレーンウイスキーとは? 製造方法や飲み方、おすすめの種類について
知多ウイスキーが値上がりした理由は、さまざまな要因が重なったことにありますが、考えられる理由は以下のとおりです。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
近年のトウモロコシや大麦麦芽など穀物価格の上昇は、グレーンウイスキーの代表格である知多に直撃しています。
原材料だけでなくガラス瓶・ラベル・段ボールといった包材、さらには輸送費まで軒並み高騰しました。
製造現場では、蒸溜に必要な電力料金も上がり、貯蔵庫の空調や樽保管コストも増加しています。
総合的な製造コストが押し上げられていることから、値上げに踏み切らざるを得なかったといえるでしょう。
ジャパニーズウイスキーは世界的に人気が高まっており、輸出額は右肩上がりに拡大しています。
知多は国内外のバーや和食店にも浸透しており、訪日観光客からも多く購入されている状況です。
消費スピードに供給が間に合わず、在庫を守るためメーカー出荷価格を改定せざるを得なかったことが考えられます。
需要の急激な増加に対して供給が追いついていない状況にあるため、価格を上昇させる判断に踏み切ったといえます。
サントリーのラインナップで値上げをしたウイスキーは知多だけではありません。
同時期に、山崎・白州・響をはじめとするプレミアム銘柄全体が値上げされました。
サントリーのほかのウイスキーを含めた2024年4月の改訂は以下のとおりです。
商品 | 改定前 | 改定後(値上げ率) |
山崎(ノンエイジ) | 4,500円 | 7,000円(56%) |
山崎12年 | 10,000円 | 15,000円(50%) |
山崎25年 | 160,000円 | 360,000円 (125%) |
白州(ノンエイジ) | 4,500円 | 7,000円(56%) |
白州12年 | 10,000円 | 15,000円(50%) |
白州25年 | 160,000円 | 360,000円 (125%) |
響 JAPANESE HARMONY | 5,500円 | 7,500円(36%) |
響30年 | 160,000円 | 360,000円 (125%) |
知多 | 4,000円 | 6,000円(50%) |
碧Ao | 5,000円 | 6,000円(20%) |
参考:サントリー公式サイト
知多の値上げ率は4,000円から6,000円であり、50%に相当する高い値上がり率ではあります。
しかし、山崎・白州も同様に50%程度の値上がり率で値上げしていることがわかるでしょう。
つまり、他のサントリーウイスキーの値上げと比較して、知多が特別に高いわけではありません。
結果として、知多は他ブランドと歩調を合わせる形で値上げを実施したとも考えられます。
原価上昇・需要過多・ブランド戦略という3重の背景が知多の値上げに踏み切った理由といえるでしょう。
知多の値上げを受けて、現在における実際の販売状況をあわせて解説します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
山崎・白州などのシングルモルトは値上げ後も定価より高いプレミア価格で取引されています。
具体的には、山崎(ノンエイジ)の改定後の販売価格が7,000円であるのに対して、オンラインストアでは1万円を超える価格で販売されることも。
しかし、知多に関してはサントリーが提示する希望小売価格を大きく上回る価格がつけられることはありません。
山崎・白州と知多の価格差は、供給量の違いが原因と考えられます。
山崎・白州などのシングルモルトはポットスチルで単式蒸溜するため生産効率が低く、長期熟成モルトの在庫も限られます。
一方で、知多は連続式蒸溜塔を用いるグレーンウイスキーであるため大量生産が可能です。
結果として、需要が高まっても供給が大幅に不足することは少なく、希少性が市場価格を押し上げる現象は起こりにくいでしょう。
サントリーの主要ウイスキーの違いは以下の記事で詳しく紹介しています。
山崎・白州・知多・響の違いは?サントリーの主要ウイスキー4銘柄!
知多は改定後の新価格である6,000円に対して、それ以上に安い価格で販売している店舗も珍しくありません。
具体的には、5,000円台であれば購入することは難しくない状況です。
知多はサントリーの他のウイスキーブランドと歩調を合わせる形で値上げしたものの、山崎・白州と比較すると希少性などの条件は異なります。
市場において6,000円の価格を割高と感じる消費者が多いため、店舗によっては値下げに踏み切る場合もあるでしょう。
よって、実際には6,000円より安い価格で購入できる可能性があります。
知多の定価は市場において割高と評価されることも多いですが、依然として需要の高い状況は続いています。
現在も酒店において、知多が入荷してもすぐに売り切れてしまう経験を語る店舗もあります。
需要水準は、ウイスキー全体で比較すれば非常に高いといえるでしょう。
かつてはコンビニで販売されていた時代もありましたが、一部の店舗を除いて入荷報告を確認できていない状況です。
そのため、実際の販売状況において定価よりも安い価格で販売されるケースはあるものの、店舗の探し方によっては購入できないことがあります。
品薄が続いている知多がどこで買えるのか、購入場所を一覧形式でまとめました。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
知多は、Amazon、楽天市場などのオンラインショップで販売されています。
相場もプレミア価格がついていないため、定価に近い価格で取引しやすい状況です。
オンラインショップはインターネットを通じて気軽に購入できるため、手間をかけずに知多を入手したい方におすすめです。
【Amazon】
【楽天市場】
酒類を幅広く取り扱う実店舗では、知多を取り扱っているお店が多く存在します。
インターネット上で購入する場合、保管方法に疑問が残るかもしれません。
しかし、実店舗で購入する場合は適切に管理された在庫を実物を確認しながら選べます。
地域によっては、相場よりも非常に安い価格で販売しているお店に出会える可能性もあるでしょう。
実店舗での知多の購入は手間もかかりますが、オンラインショップで購入するよりもメリットの大きい買い物ができる場合もあります。
知多蒸溜所がある愛知県知多市では、地元のスーパーやコンビニで知多の販売が確認されています。
ご当地のスーパー・コンビニに立ち寄れる機会があるなら、狙い目の購入場所といえるでしょう。
ただし、知多蒸溜所は見学を受け付けておらず、蒸溜所内にショップもないため、直接ウイスキーを購入することは不可能です。
愛知県に在住している方や、ほかの用事で愛知に立ち寄る機会がある人でなければ、交通費を考えると適した購入場所とはいえないかもしれません。
愛知県知多市のふるさと納税では、返礼品に知多を用意しているため、ふるさと納税を利用して入手することも可能です。
寄付額の相場は3万円~5万円であり、700mlの容量の知多のボトルが1本~2本届きます。
ふるさと納税を活用できるなら、愛知県知多市に寄付をおこなって知多を手に入れることも選択肢の一つになるでしょう。
知多は、コスト増加・需要の急増により、サントリーのほかのプレミアム銘柄と同時に値上げすることになり、希望小売価格は50%アップとなりました。
しかし、プレミア価格にはなっておらず、山崎・白州と比較して入手しやすい状況といえるでしょう。
現在もオンラインショップをはじめ、さまざまな場所で知多を購入できるため、ハイボールをはじめとする飲み方で知多を飲んでみましょう。