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- ウイスキー基礎知識
グラッパは、イタリアの伝統的なブドウを使った蒸溜酒であり、ブランデーの一種として知られています。
フランスで造られるコニャックなどのブランデーとの違いは原料の状態であり、グラッパはブドウの搾りかすを使用して造られます。
コニャックがフランスで造られたブランデーしか名乗れないことと同様に、グラッパもイタリアで造られていなければ名乗ることができません。
また、必ずしも樽熟成を行わないこともグラッパの特徴であるといえるでしょう。
この記事では、グラッパについてブランデーとの違いを詳しく解説した上で、おすすめの銘柄やグラッパを使ったカクテルの作り方も紹介していきます。
この記事のポイント
グラッパは、イタリアで製造されるブドウを使った伝統的な蒸溜酒です。
ヴェネチア北西のバッサーノ・デル・グラッパを中心に、イタリア全土で造られています。
ブドウを原料としているものの、使用するのはワインを造った後に出る搾りかすです。
搾りかすを使用して造るようになった背景には、当時はワインが高級品であったことが関係しています。
ワインの搾りかすは畑の肥料として使用されていたため、農家が搾りかすを利用してワインの代用品を造るようになったという説が有力です。
搾りかすを使用して美味しいお酒が造れるのか疑問に思うかもしれません。
しかし、現代では製造技術が向上しており、原料である搾りかすも上質なものを使用することから広く愛されています。
かつてはワインの代用品でしたが、現代におけるグラッパはワインとは異なるお酒の種類として見られており、独自の地位を確立しています。
グラッパと代表的なブランデーであるコニャックの違いは以下の通りです。
項目 | グラッパ | コニャック |
生産地 | イタリア | フランス |
原料(ブドウ)の状態 | 搾りかす | そのまま使用する |
樽熟成 | 必ずしも行わない | 必ず行う |
グラッパの生産地はイタリアであり、フランスでもグラッパと同様の蒸溜酒が造られることがありますが、グラッパと区別するためにマールと呼びます。
一方で、ブランデーは代表的な産地はフランスであり、コニャック・アルマニャックなど代表的なブランデーはフランス産でなければ名乗ることはできません。
原料の状態は、コニャックが果実を圧搾して果汁をそのまま使用しますが、グラッパはワインの搾りかすを使用します。
また、近年では樽熟成をするグラッパも増えてきていますが、グラッパは必ずしも製造において樽熟成を行うわけではありません。
コニャックは規定において樽熟成が義務付けられており、2年以上樽で熟成させなければコニャックを名乗れません。
ただし、グラッパは果実を原料とする蒸溜酒であることから、ブランデーの一種として考えられることが多いです。
グラッパを含む広義的な意味でのブランデーの種類を詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
ブランデーの種類は? 原料・産地・ランクによって異なる違いを解説!
グラッパを選ぶポイントは以下の通りです。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
グラッパをウイスキーやブランデーのようにストレートや少量の加水、ロックなど、できる限りそのまま飲みたい方は樽熟成されているグラッパを選びましょう。
グラッパはコニャックのように必ずしも樽熟成を行わないことから、同じグラッパでも樽熟成しているボトルと樽熟成していないボトルが存在します。
もちろん、樽熟成していないグラッパもストレートなどの飲み方で飲めますが、ウイスキーのようにストレートで飲んだときの複雑な風味を求めている方は樽熟成のグラッパがおすすめです。
樽熟成しているグラッパは、基本的に液体の色が琥珀色であることから分かりやすいため、琥珀色の液体をしたグラッパから選んでみましょう。
グラッパはカクテル・製菓に使用されるお酒としても人気であるため、アレンジするならリーズナブルな価格のボトルを選ぶのが良いでしょう。
樽熟成していないグラッパは低価格で購入できるため、カクテルを作るために購入するなら最適といえます。
飲み方をご自身でアレンジしたい方や、お試しでリーズナブルな価格のグラッパを試したい方は、樽熟成していないグラッパを中心に低価格のボトルを探してみましょう。
樽熟成していないグラッパは、蒸溜したばかりの無色透明の液体をしていることが特徴です。
グラッパはボトルデザインが個性的であることも魅力であり、コレクションにも適しています。
種類も多くあり飲む銘柄に迷う場合は、ボトルデザインを見て気に入ったものを選ぶのも良いかもしれません。
多種多様なボトルデザインがあるグラッパからお気に入りのボトルを探してみましょう。
グラッパのおすすめ銘柄を紹介していきます。
画像引用:https://alice-online.com/item/beer-grappa-liqueur/grappa/18183/
グラッパ・モノヴィティーニョ・シャルドネ・バリックは、単式蒸溜器で蒸溜した原酒をバリック樽で1年間熟成させたお酒です。
1897年に創業した歴史あるグラッパのメーカーであるノニーノから販売されています。
パンやビスケットを思わせる香ばしさとバニラのような甘さを感じる香りが特徴的です。
アーモンドやチョコレートの風味があり、全体的に上品な味わいに仕上がっています。
樽熟成されているグラッパであるため、ウイスキーやブランデーが好きな方にとって入門しやすいといえるでしょう。
画像引用:https://www.kameya.jp/shopdetail/000000005705/
デッラヴァーレ グラッパ 15年は、イタリアピエモンテ州で生産されるグラッパであり、15年熟成のバルベーラを100%使用しています。
アリエおよびリムーザンの新樽で10年、スラヴォニア産の樽で5年熟成した、長期熟成のグラッパです。
バニラの香りとオーク由来のスパイス感のある香りが特徴となっています。
レーズンやドライフルーツを思わせる濃厚な甘みも魅力的です。
長期の樽熟成で洗練されたグラッパを飲みたい方におすすめとなっています。
画像引用:https://www.budouya.jp/products/detail/4652?srsltid=AfmBOopVpx3nVA7OTTmrO6gr9Tn4Ekb6V5fjnLj2bwpA4JcYKme6mWL0
ブリック デル ガイアン グラッパ モスカート ダスティは、有名イタリアンレストランではオンリストされているグラッパの名門ベルタが製造しています。
ミディアム・トーストしたフランスのアリエ・トロンセ産の樽で88ヶ月熟成させた高級グラッパです。
ブドウ、グレープフルーツのフルーティーさがある複雑なアロマが魅力となっています。
ナッツとハーブのすっきりした風味、口あたり滑らかでシルクのような舌触りが魅力です。
樽熟成の高級グラッパを飲みたい方はこちらのボトルを探してみましょう。
画像引用:https://www.foodliner.co.jp/grappa/717
グラッパ ディ サッシカイアは、スーパートスカーナの名で知られるサッシカイアの搾りかすから蒸溜したグラッパです。
ボトルからは中の液体の色が見えませんが、グラスに注ぐと琥珀色をしており、サッシカイアの熟成に使用した熟成樽を含めて48ヶ月以上熟成されています。
コーヒーやカカオを思わせるアロマが特徴的であり、口に含むとどこまでも広がる深みのある味わいが魅力です。
ウイスキーのように飲みごたえのあるグラッパを求めている方に向いています。
画像引用:https://item.rakuten.co.jp/yunyuusyu/73209/
グラッパ シェリーウッドフィニッシュは、イタリアピエモンテ州の歴史ある蒸溜所であるシボーナ蒸留所で製造されるグラッパです。
3年以上樽熟成させたグラッパをウイスキーではお馴染みのスペイン産のシェリー樽でカスクフィニッシュしたボトルとなっています。
シェリー樽熟成の柔らかな香りと風味が魅力的であり、甘く上品な味わいが楽しめます。
ウイスキーを中心にシェリー樽熟成のボトルが好きな方に手に取って欲しいグラッパです。
シェリー樽についてはこちらの記事で紹介しています。
シェリーカスクの特徴とは? 種類と歴史とおすすめ銘柄を5つ紹介
画像引用:https://www.miraido-onlineshop.com/item/4-luce-grap/
ルーチェ・デッラ・ヴィーテ グラッパは、フィレンツェの名門といわれるフレスコバルディ家、グラッパの造り手として有名なポリ家、2つの名門がタッグを組むことで生まれたお酒です。
使用されているブドウの品種はメルローを主体にサンジョヴェーゼを加えたものであり、フランス産のオーク樽で熟成されています。
ドライフルーツのような風味を中心に、ナツメグ、シナモンのスパイス感、ハチミツのような甘い味わいが特徴的です。
名門によって作り出される洗練された味わいのグラッパを飲みたい方に向いています。
画像引用:Amazon.co.jp
ここまで樽熟成のグラッパを紹介してきましたが、樽熟成のグラッパはどれも値が張ることから、価格を含めて飲みやすさを重視するならガラッティ グラッパがおすすめです。
原料由来のブドウの風味が感じられる味わいとなっており、飲み心地は焼酎に近いものとなっています。
グラッパはワインの代替品として流通してきた過去から、現代においてもリーズナブルな価格で飲みやすい銘柄があります。
画像引用:Amazon.co.jp
アレキサンダー グラッパは、グラッパの名門であるボッテガ社の製造するグラッパであり、こちらもリーズナブルな価格で飲みやすいボトルとなっています。
ヴェネト産の白葡萄であるプロセッコを使用した熟した果実の甘さと花のアロマのある味わいが魅力です。
コスパを重視して初めて飲むグラッパを選ぶならこちらもおすすめです。
画像引用:Amazon.co.jp
イタリア産ではないため正式にグラッパを名乗ることはできませんが、日本でもグラッパと同様のお酒が製造されています。
山梨県で収穫した甲州種の葡萄を使用した葡萄焼酒であり、余計な雑味を入れないために減圧蒸留方式で蒸溜されています。
そのためクセが少なく飲みやすい味わいに仕上がっており、甲州葡萄の風味が感じられることが特徴です。
熟成していないグラッパは焼酎と飲み心地が近いため、より焼酎に近いブランデーを飲みたい方におすすめです。
画像引用:https://item.rakuten.co.jp/kawachi/3939230002669/
ロッシ ダジアーゴ社では、様々なユニークなボトルでグラッパをボトル詰めしていることが特徴です。
イヌ、カタツムリ、フクロウなどの動物や、クリスマスツリーをモチーフにしたボトルを販売しており、上記のボトルはアザラシです。
お気に入りのボトルデザインがあれば購入したいグラッパとなっています。
最後に、グラッパのおすすめの飲み方としてカクテルの作り方を紹介していきます。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
カフェ・コレットはグラッパとエスプレッソを使用するイタリア発祥の飲み物であり、グラッパを使ったカクテルの中でも最も知名度が高いです。
カフェ・コレットのレシピと作り方は以下の通りです。
材料 | 内容 |
グラッパ | 5ml |
エスプレッソ | 30ml |
ホイップクリーム | 適量 |
作り方
グラッパを使用したカフェ・コレットは非常にシンプルなカクテルであり、グラッパとエスプレッソの比率は6分の1程度になるように調整します。
甘く味付けすることが可能であり、見栄えも良くなることからホイップクリームをのせていますが、砂糖を加えて味付けしても問題ありません。
ビターな味わいが好きであれば、何も加えなくても良いかもしれません。
イタリア発祥のカフェ・コレットは現地のバーでは定番商品となっており、イタリアにおいてもグラッパ以外のお酒でアレンジすることが多いため、注文の際にはエスプレッソに入れるお酒を指定して注文するのが一般的です。
グラッパをベースにしたカクテルで有名なのは、アーモンドのような香りを持つリキュールであるアマレットと混ぜ合わせて作られるショートカクテルのイタリアンスティンガーです。
スティンガーはブランデーをベースにしたカクテルですが、イタリアのグラッパを使用することからイタリアン・スティンガーと呼ばれるようになりました。
イタリアン・スティンガーのレシピと作り方は以下の通りです。
材料 | 内容 |
グラッパ | 40ml |
アマレット | 20ml |
作り方
スティンガーはブランデー、ペパーミント・リキュールを使用しますが、イタリアン・スティンガーではアレンジとしてアマレットを使用します。
ただし、イタリアン・スティンガーでもペパーミント・リキュールを使用するレシピもあれば、ステアではなくシェイカーを使用して作っても良いため、シンプルでありながら自由度の高いカクテルです。
甘く飲みやすい味わいですが、アルコール度数の高いカクテルであるため注意が必要です。
ブランデーのおすすめの飲み方はこちらの記事で紹介しています。
ブランデーのおすすめの飲み方は? 初心者向きの簡単なカクテルの作り方も紹介
グラッパはイタリアを発祥とするお酒であり、ブランデーの一種でもあるブドウの搾りかすを使用した蒸溜酒です。
かつてはワインの代替品として流通していましたが、現在では独自の地位を築いており、高級な銘柄も多く存在します。
長期的に樽熟成された銘柄もあるため、ウイスキーが好きな方にもおすすめのお酒となっています。