
ジョニーウォーカー ブラックルビーとは? 味わいとおすすめの飲み方
- ウイスキー銘柄
ヘネシー(Hennessy)は、フランスのコニャック地方で製造される王道的なコニャックであり、年間約5,000万本の販売実績があり、コニャック市場の約4割のシェアを持っています。
軍人経験を持ち、ブランデーの製造に携わってきたアイルランド出身のリシャール・ヘネシーによって創業されたことから、このブランド名となりました。
低価格で購入しやすいスタンダードボトルに位置するVS、高級嗜好で品質が高いXOなどの種類があり、ブランデー初心者から愛好家までおすすめできる銘柄です。
この記事では、コニャックを代表するヘネシーの歴史を含めた豆知識、気になる種類と味わい、おすすめの飲み方を紹介します。
この記事のポイント
ヘネシーは、世界的に有名なコニャックメーカーであり、世界のコニャックの4割のシェアを持っています。
売上の多くは、中国・日本の需要に支えられており、世界でも特にアジア市場で人気の高いコニャックとして知られています。
もちろん、本場のヨーロッパ、アメリカ市場においても評価が高く、世界的なコニャックを代表するブランドとしての地位を確立しています。
長い歴史と伝統を持ち、品質と革新性を追求し続けるコニャックメーカーであり、世界中から愛されています。
コニャック愛好家から、コニャックを初めて飲む人にもおすすめできるヘネシーの豆知識を紹介していきます。
ヘネシーの歴史を以下の年表にまとめました。
年代 | 出来事 |
1765年 | リシャール・ヘネシーがフランス・コニャック地方でヘネシーを創業 |
1817年 | ジョージ4世の要望により、V.S.O.P(Very Superior Old Pale)ランクが生まれる |
1865年 | ヘネシーが初めて「VS」(Very Special)ランクのコニャックを導入 |
1870年 | ヘネシーが「XO」(Extra Old)ランクのコニャックを発売 |
1947年 | ヘネシーXOが現在のブドウの房をモチーフにしたボトルデザインとなる |
1971年 | モエ・エ・シャンドンとの合併によりモエ・ヘネシーが誕生 |
1987年 | モエ・ヘネシーとルイ・ヴィトンが合併し、「LVMH(ルイ・ヴィトン・モエ・ヘネシー)」グループを形成 |
リシャール・ヘネシーは、フランス王ルイ15世の軍隊に仕官していたアイルランド人将校です。
1765年、彼はコニャックの商業的可能性に着目し、コニャック地方で自身の蒸溜所を設立しました。
ブドウ栽培と蒸留技術の向上に努め、現在に至るまで250年以上の歴史を持つコニャックブランドとなりました。
ヘネシーは上記の年表の通りブランデーの歴史を牽引してきた存在でもあります。
1817年、V.S.O.P(Very Superior Old Pale)は、コニャックをこよなく愛したイギリス国王のジョージ4世の注文から来ています。
Very Superior Old Paleは、直訳すると「非常に優れていて、古くて、澄んでいる」の意味です。
ヘネシーはこの注文に答えた後に、以降は頭文字を取ってV.S.O.Pを考案し、コニャックのランクとして使用されるようになりました。
1865年、創業者のひ孫であるモーリス・ヘネシーによって、初めてVS(Very Special)ランクのコニャックを導入しています。
このときにコニャックの格付システムが確立しており、当時は品質の違いを星で示していました。
星3つの品質で販売されたブランデーのランクがVSです。
さらに、1870年に世界で初めてXO(eXtra Old)の名が与えられた、高ランクの高級ブランデーであるヘネシー XOが販売されます。
現在のブドウの房のモチーフとなったのは1947年のことであり、以降は同様のデザインで販売が続けられてきました。
ブランデーのランクは以下の記事で紹介しています。
ブランデーのランク(等級)の違いは? VO、VSOP、XOなどの意味を解説!
1971年、モエ・エ・シャンドンと合併して、モエ・ヘネシーが誕生します。
1987年には、モエ・ヘネシー社はルイ・ヴィトンと合併して、フランスの高級ブランドを傘下に持つLVMH(ルイ・ヴィトン・モエ・ヘネシー)グループを形成します。
これにより、ブランド戦略や国際的なマーケティング力が強化され、ヘネシーの世界的地位はさらに確固たるものとなりました。
フランス・パリを本拠地とするラグジュアリー産業を提供しており、現在のヘネシーの地位に大きな影響を与える出来事であったといえるでしょう。
現在では、ヘネシーは年間約5,000万本の売上、コニャック市場の4割のシェアを掌握するトップクラスのブランドとなりました。
しかし、現状に慢心することなく、ヘネシーでは新たな取り組みをおこなっています。
例えば、新商品のリリースであり、ヘネシーはXOを超える高級なヘネシーを複数リリースしており、愛好家に新たな価値を提供しています。
また、森林再生プログラム「フォレスト・デスティネーション」を始動し、2030年までに世界で5万ヘクタールの森林再生に向けた取り組みを行うことを発表しました。
ウイスキーと同様に熟成樽による熟成を使用するコニャックにとって、木材の供給に欠かせない森林は重要な存在です。
今後もトップクラスのコニャックブランドとして業界を牽引していくことでしょう。
ヘネシーのコニャックは以下のプロセスによって造られます。
コニャックの原料は主にユニ・ブラン種のブドウを使用します。
ヘネシーでは、その中でも厳選されたブドウを使用し、その品質を確保しているのです。
第一等級の畑である以下の畑でそれぞれ栽培することで、最高級の品質を目指します。
原料のブドウを栽培する畑
コニャック地方でも上位の畑でのみ栽培されているブドウを使用することで、ヘネシーの品質が保たれています。
コニャックは、収穫したブドウは発酵させてから、その後に2回の蒸留をおこなう製造工程があります。
ヘネシーは発酵させた原酒に混ざっている不純物を取り除くため、念入りに蒸溜することが基本です。
蒸溜ではブランデーをテット、クール、スゴンド、クーの4種類に分けて、頭2つのテット、クールを取り除く作業を続けることで進んでいきます。
ヘネシーは蒸溜するごとに液体を厳選しており、実際に樽熟成に回される原酒はごくわずかになります。
蒸溜によって厳選されたヘネシーの原酒は、樹齢100年以上のフレンチオーク樽で熟成されます。
ヘネシーの熟成期間は数年と短い場合もあれば、数百年以上熟成されることもあります。
30万樽以上の熟成原酒を保有するヘネシーは、200年以上も熟成している熟成樽も保管しているようです。
ヘネシーは熟成年数の異なる原酒をブレンドさせて製造するため、幅広い原酒を保管しているということは、味わいの幅も広がりやすくなります。
熟成を終えたヘネシーは、ラインナップごとに異なるブレンドの基準通りにブレンドされていきます。
一般的にVSは、ブレンドに使用する最も若い原酒の熟成年数が2年以上(コント2)、平均熟成年数は4年~7年であることが求められます。
ヘネシーのブレンド技術は代々受け継がれており、現在のマスターブレンダーは8代目を迎えているそうです。
ブレンドが完成すると、ヘネシーは基本的に40%のアルコール度数でボトル詰めされます。
ボトル詰めではアルコール度数などの調整で加水がおこなわれますが、ブレンドの品質を損なわないために慎重におこなわれます。
これらの手法と厳格な品質管理によって、ヘネシーは世界中で高い評価を受けるコニャックを生産しているのです。
ブランデーの一般的な製造方法は以下の記事にまとめています。
ブランデーの作り方・製造方法は? 収穫から瓶詰めまでの工程を解説
ヘネシーの種類と味わいを紹介します。
画像引用:Amazon.co.jp
ヘネシー V.Sは、ヘネシーのエントリーモデルであり、リーズナブルな価格で販売されているコニャックです。
トーストや軽くローストされたナッツ、ブラウンシュガーのニュアンスが感じられ、微かにスパイスとフルーツの香りが広がります。
フローラルなアクセントもあり、華やかでありながらもバランスのとれた香りです。
滑らかでクリーミーな舌触りであり、アルコールの刺激は強すぎず、柔らかな印象があります。
フルーティーな風味とともに、ほんのりとバニラやスパイスのニュアンスが感じられます。
軽快な後味であり、ほのかに甘いフィニッシュが特徴です。
初めてコニャックを試す方から、日常のひとときを格上げしたい方まで、誰もが楽しめる魅力的なお酒です。
画像引用:https://www.sakenozenjin.com/view/item/000000001797
ヘネシー V.Sは、通常700mlの容量で販売されているところ、200mlの容量で販売されているフラスクボトルタイプがあります。
内容も通常のヘネシーV.Sのボトルと変わらないため、初めて飲む方で気軽に試したい方はこちらを購入してもいいでしょう。
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ヘネシー V.S.O.P フィーヌ シャンパーニュは、V.Sのワンランク上のヘネシーであり、約60種類以上の厳選された原酒が使用されます。
コニャック地方の中でも、最高品質のブドウ畑がグランド・シャンパーニュとプティット・シャンパーニュです。
フィーヌ シャンパーニュは、最高品質のブドウ畑のみで収穫されたユニ・ブラン種のブドウを原料としています。
オーク由来のトーストしたパンを思わせるフレーバーがほのかに香り、バニラやシナモンといったスパイスのニュアンスも。
非常に複雑かつエレガントな風味であり、全体的に華やかでバランスの取れた味わいがあります。
本格的な高級コニャックを飲みたい方におすすめのボトルです。
画像引用:https://www.miraido-onlineshop.com/item/4-hennessy-vsop-pv/
ヘネシー V.S.O.P プリヴィレッジは、フィーヌ シャンパーニュと同様にV.S.O.Pランクのボトルです。
プリヴィレッジでは、コニャック地方の上位4地区から原酒を厳選していることであり、ブレンドの幅が広くなっています。
タバコを思わせるニュアンスとウッディな香りがあります。
砂糖漬けフルーツのほのかな甘みと軽いスパイシーさが調和し、滑らかでコクのあるフィニッシュが特徴です。
飽きのこない上品で華やかな味わいから、世界中のブランデー愛好家から愛されています。
画像引用:Amazon.co.jp
ヘネシー X.Oは、ヘネシーが誇るトップクラスのコニャックであり、伝統的なブドウの房をイメージしたボトルが特徴です。
平均30年近い熟成期間を経た100種類以上の原酒がブレンドされており、高い品質を持つ高級ブランデーです。
オーク樽から引き出されたスパイス、バニラ、トースト、さらにはドライフルーツのニュアンスが複雑に絡み合う香りがあります。
口に含むと、熟成された原酒がもたらす深みのある味わいが広がり、甘み、スパイス感、渋みが絶妙なバランスで調和しています。
ナッツ、シナモン、クローブなどの複雑なフレーバーが感じられる、長く心地よい余韻が特徴です。
高級感あふれるボトルデザインは、特別な日を彩るギフトにもおすすめであり、飲むシーンを選びたいプレミアムな銘柄です。
画像引用:https://www.cognac-expert.com/ja/xxo-cognac/hennessy-xxo-cognac
ヘネシー X.X.Oは、X.Oのワンランク上に位置する「eXtra eXtra Old」の希少なヘネシーです。
原酒には50年以上熟成されたものを含んでいるといわれており、贅沢なブレンドが魅力といえます。
熟成期間の長さから丸みのある味わいであり、驚くほど濃厚で滑らかな味わいを持つ、複雑な風味が特徴的な最高級ブランデーです。
現在ではほとんど販売されておらず、市場における流通も限定的となっています。
画像引用:https://item.rakuten.co.jp/kawachi/3245990164616/
ヘネシー パラディーは、1979年にヘネシーのマスターブレンダーであったモーリス・フィルーによって創り出された高級ボトルです。
一番短い原酒で熟成年数は25年、長期熟成原酒では130年熟成の原酒がブレンドに使用します。
エレガントで洗練された味わいが特長で、他に類を見ない逸品とされています。
画像引用:Amazon.co.jp
ヘネシー パラディー アンペリアルは、ヘネシー社が誇る高級コニャックであり、パラディ―よりもワンランク上のボトルです。
1818年、ロシア皇帝アレクサンドル1世のために特別に製造されたヘネシーをオマージュしています。
2011年にヘネシーのマスターブレンダーであるヤン・フィリューによって創り出されました。
使用される原酒は全体の1%に満たない厳選された原酒を使用しており、19世紀の原酒もブレンドに使用しています。
現在では終売していることから、価値がさらに高騰しているようです。
画像引用:https://item.rakuten.co.jp/brandbanktokyo/h-ric/
リシャール ヘネシーは、ヘネシー社の創業者リシャール・ヘネシーの名を冠する最高峰のコニャックです。
バカラ社製のクリスタルガラス製デキャンタを採用した、芸術性と高級感のあるボトルデザインです。
現在時点におけるヘネシーの最高級銘柄であり、愛好家にとって一生に一度飲みたい銘柄となります。
画像引用:https://lucacollections.com.au/ja-jp/products/hennessy-pure-white-cognac
ヘネシー ピュアホワイトは、タンニンが含まれない古い樽で熟成させた独特の透明感ある黄金色の液体のブランデーです。
春の花々の軽やかで新鮮な香り、ブドウ、リンゴ、洋梨などのフルーティーな香味が特徴です。
口に含むと爽やかな印象が感じられ、ハチミツを思わせるフルボディな味わいがあります。
日本では終売しており、並行輸入品のみが流通しているため、購入しにくい商品ではありますが、初心者向けの銘柄です。
画像引用:https://cognac-select.com/ja/products/hennessy-vs-black-cognac
ヘネシー ブラックは、当時の新しくコニャックに興味を持つ人と若年層に向けて開発したヘネシーです。
フローラルでエレガントなアロマが特徴であり、 滑らかでバランスの取れた味わいが広がります。
すでに終売している銘柄であり、古酒市場のみで流通しています。
ヘネシーのおすすめの飲み方を解説します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ヘネシーの基本の飲み方はストレートであり、高級コニャックはそのままの風味をじっくり味わうことが魅力です。
ヘネシーが持つ豊かなアロマと複雑な風味は、ストレートで飲むことで最大限に楽しめます。
V.S.O.P以上のランクのヘネシーは、ストレートで飲むだけでなく、グラスにもこだわりたいところです。
ヘネシーのなかでも高級ボトルを飲みたい方に向けてブランデーグラスを紹介しています。
ブランデーグラスの選び方は? 人気が高いおすすめの種類15選!
ランクが低く飲みやすいヘネシー V.Sを中心に気軽にブランデーを楽しみたい方は、ソーダ割りもお試しください。
炭酸水で割ることですっきりした味わいとなり、カットしたレモン・ライムを加えると酸味が加わり、より爽やかな印象になります。
食事と合わせる場合を含めて、ヘネシーをカジュアルに飲みたい場面でおすすめの飲み方です。
ブランデーのソーダ割りのフレンチハイボールとは? 作り方・おすすめ銘柄
ヘネシーを気軽に飲むなら、カクテルのベースと使用する選択肢もあります。
コニャックのなかでもトップクラスの人気を誇るヘネシーは、カクテルのベースとしても優秀です。
コニャックを使用するカクテルには具体的には以下が挙げられます。
カクテル名 | 内容 |
サイドカー | ヘネシーとオレンジリキュール・レモンジュースを組み合わせた定番のカクテル |
スティンガー | ヘネシーとホワイトミント・リキュールを組み合わせた爽やかな飲み心地のカクテル |
アレキサンダー | ヘネシーとカカオリキュールを使用するチョコレート風味のカクテル |
ブランデーを使用したカクテルの一覧とレシピは以下の記事をチェックしてください。
ブランデーを使ったおすすめのカクテルは? 定番のレシピ・作り方をご紹介
現行で販売されているヘネシーを価格の高い順に並べました。
順位 | 種類 | 参考価格 |
1位 | リシャール ヘネシー | 400,000円 |
2位 | ヘネシー パラディー | 160,000円 |
3位 | ヘネシー X.O | 20,000円 |
4位 | ヘネシー V.S.O.P フィーヌ シャンパーニュ | 12,000円 |
5位 | ヘネシー V.S | 4,500円 |
6位 | ヘネシー V.S フラスクボトル | 2,000円 |
終売しているボトルに関してはこれ以上流通することがないことから、需給によって価格が上昇するため、場合によっては現行品よりも高騰する可能性も。
限定品についても同様の理由で価格が上昇する可能性が考えられるため、すべてのヘネシーを対象にするならより高い価格のヘネシーが販売されていることもあります。
高価格で販売されている高級ブランデーはこちらの記事で紹介しています。
プレゼントにおすすめの高級ブランデーは? 男性・女性どちらにも人気の銘柄を紹介
現在の時点で最高級のヘネシーは価格の高い順に並べた際にも1位の価格であったリシャール ヘネシーです。
ヘネシーの創業者の名前がそのまま使われたプレミアムな銘柄となっています。
V.S、V.S.O.P、XOなど、主要な銘柄は共通して40%のアルコール度数に設定されています。
蒸溜酒としてはスタンダードな度数であることから、すっきりした飲み口で飲みやすいです。
ヘネシーは、18世紀に軍歴を持つ創設者によって始まり、250年以上にわたる伝統と技術で世界中で高く評価されています。
厳選されたブドウと長年にわたって培われた蒸留・熟成の技法によって、ブランデーを気軽に試したい初心者から通好みの愛好家まで楽しめます。
国際市場で大きな存在感を示す高級ブランデーのヘネシーは、最初に飲むならV.Sのエントリーモデルから試してみましょう。