
オールド・ファッションドとは? カクテルの作り方、ベースにおすすめのウイスキー
- ウイスキー基礎知識
マンハッタン(Manhattan)は世界的に有名なウイスキーベースのクラシックカクテルであり、世界的に有名なカクテルのひとつです。
愛好家やバーテンダーの間では「カクテルの女王」と称されることもあります。
ウイスキーの芳醇な香りとベルモットの甘さが調和し、ビターズが味に奥行きを与える、洗練された味わいが魅力です。
この記事では、マンハッタンの味わいの特徴、作り方とレシピを解説し、ベースになるおすすめウイスキー銘柄、アレンジのバリエーションを紹介します。
この記事のポイント
カクテルの王様と称されるマティーニ、このカクテルに並ぶ知名度を持つアメリカ発祥のカクテルがマンハッタンです。
基本のレシピでは、ウイスキーのなかでもライ麦を原料とするアメリカのウイスキーであるライウイスキーを使用しています。
19世紀から世界中のさまざまなバーで飲まれてきた人気の高いウイスキーベースのカクテルです。
マンハッタンの基本情報を確認していきましょう。
アメリカンウイスキーにはバーボンウイスキーとライウイスキーがありますが、それぞれの違いは以下の記事で紹介しています。
バーボンウイスキーとライウイスキーの違いは? 6つのおすすめ銘柄も紹介
マンハッタンの起源には複数の説があるため、正確な誕生の経緯は明らかにされていません。
このカクテルがニューヨークを中心に伝わったことから、ニューヨーク市を構成する5つの行政区の1つであるマンハッタンと名付けられました。
マンハッタンの起源で有力とされる複数の説を紹介します。
マンハッタンの起源で最も広く知られている説がニューヨークのマンハッタン・クラブ説です。
1876年のアメリカ大統領選挙時、同クラブで候補者支援パーティーが開催されます。
当時のイギリスの首相であるウィンストン・チャーチル、その母親であるジャネット・ジェロームがパーティーに出席しました。
母親のジャネットはパーティーの幹事であり、ウイスキーとベルモットを合わせた特別なカクテルを用意して振舞いました。
マンハッタン・クラブで振舞われたカクテルであったことから、マンハッタンと名付けられたという説です。
しかし、この説はチャーチル自身が、母は当時はフランスにいて妊娠していたのでパーティーに出席していなかったと否定しています。
よって、最も広く知られている説ではありますが、信憑性には疑問があるといえるでしょう。
メリーランド州のバーテンダーが、負傷したガンマンに提供した気付け薬がマンハッタンにアレンジされたという説もあります。
この気付け薬は、ウイスキー、シュガーシロップ、ビターズを混ぜたものであり、シュガーシロップをベルモットに置き換えるとマンハッタンになります。
気付け薬がやがてニューヨークに伝わり、シュガーシロップがベルモットにアレンジされて、マンハッタンが誕生したという説も有力です。
その他にも複数のバーテンダーの考案説があり、マンハッタン行きのフェリーを待つロングアイランド住民が考案したという説もあるため、明確な起源は謎に包まれています。
マンハッタンのカクテル言葉には以下のようなものがあります。
カクテル言葉
マンハッタンの深紅を思わせる色合い、ほろ苦い味わい、切なさや大人の印象があることから、連想された言葉であるといえるでしょう。
カクテルには、それぞれカクテル言葉、誕生カクテルが設定されており、マンハッタンであれば誕生カクテルは「9月25日」です。
マンハッタンのアレンジであるロブ・ロイにもカクテル言葉があります。
カクテルにまつわる知識を知ることで、豆知識として語れる知識が広がったり、これまでとは異なるお酒の楽しみ方ができるようになります。
マンハッタンは、芳醇で深みのある味わいが魅力的なカクテルです。
ベースとなるライウイスキーはスパイシーな味わいが特徴であり、ナッツやスパイスを思わせる独特のニュアンスが感じられます。
ウイスキーはベルモットの甘みと調和し、ビターズで苦みを加えることで風味に奥行きが生まれ、バランスの取れた味わいに仕上がります。
滑らかな口あたりから洗練された印象が感じられ、大人の時間を過ごすのに適したカクテルといえるでしょう。
バーで注文すれば、お酒を飲む時間がより充実したものになります。
気になるマンハッタンのアルコール度数とカロリーの目安は以下のとおりです。
項目 | 内容 |
アルコール度数 | 25%〜35% |
カロリー | 120kcal~150kcal |
マンハッタンはショートカクテルであり、アルコール度数の高いことから、お酒に弱い人は注意が必要です。
カロリーの目安は120kcal~150kcalであり、ウイスキーベースのカクテルであることからカロリーは控えめといえます。
マンハッタンの基本の作り方・レシピは以下のとおりです。
材料 | 分量 |
ライウイスキー | 45ml |
スイートベルモット | 20ml |
ビターズ | 1~2ダッシュ |
マラスキーノチェリー | 1つ |
作り方
マンハッタンに基本の作り方は上記のとおりであり、基本形をもとにさまざまなバリエーション・アレンジが生まれています。
作り方自体はシンプルであるため、ご自宅で作ることも可能となっています。
しかし、シンプルながら奥深いため、以下のポイントに気をつけて作ると、より質の高いカクテルを作れることでしょう。
作り方のポイント
また、使用する具体的なスイートベルモット、ビターズ、マラスキーノチェリーの例を以下にまとめました。
使用するスイートベルモットの例
使用するビターズの例
使用するマラスキーノチェリーの例
特に使用するベルモットは、使用するウイスキー銘柄によっても最適な種類が異なるため、ベースとなるお酒と同様にこだわるべきポイントです。
ウイスキーを使った簡単なカクテルの作り方は以下の記事で紹介しています。
ウイスキーを使った簡単なカクテル10選! 作るのに便利な道具を紹介
マンハッタンのベースになるおすすめのウイスキー銘柄を紹介します。
画像引用:https://item.rakuten.co.jp/kent-okuda/10002192/
オールドオーバーホルトは、アメリカで定番のライウイスキーであるため、マンハッタンのベースとして使用されることが多いです。
ライウイスキー特有のスパイシーさ、かすかなフルーティーで甘みのある味わいがマンハッタンとマッチしています。
マンハッタンを作るのに定番のウイスキーを知りたいということであれば、オールドオーバーホルトを選べば問題ありません。
アメリカでは定番であるものの、日本国内における知名度はけっして高くないため、入手難易度に差があるのは気になるところです。
そもそも現在ではアメリカンウイスキーのなかでもライウイスキー自体がメインではなくなり、バーボンウイスキーが定番となりました。
バーテンダーによってはライウイスキー以外のウイスキーを使ってマンハッタンを作ることもあるため、他の入手しやすいウイスキーを選んでも良いでしょう。
オールドオーバーホルトの種類と味わい、おすすめの飲み方
画像引用:https://store.shopping.yahoo.co.jp/unix11112000/721059002837.html
ワイルドターキー ライは、アメリカンウイスキーを代表するバーボンのひとつであるワイルドターキーのライウイスキーです。
ライ麦のスパイシーな味わいが際立つことから、マンハッタンに限らずライウイスキーをベースにするカクテルに適しています。
マンハッタンのベースにライウイスキーを選ぶなら、ワイルドターキー ライも有力な候補です。
画像引用:https://ieno-bar.suntory.co.jp/shopdetail/000000000293/
マンハッタンを作る際にベースのウイスキーの質にこだわるなら、ライウイスキーのなかでも品質の高いノブクリーク ライを選びましょう。
ライ麦らしいスパイシーさのなかに、ハーブをはじめとする複雑なフレーバーが感じられることが特徴です。
力強くリッチな味わいを持つノブクリーク ライを使ったマンハッタンは上質なものになりやすいといえるでしょう。
画像引用:https://products.suntory.co.jp/d/085246500576/
マンハッタンに使用するウイスキーはライウイスキーではなく、バーボンウイスキーにしても問題ありません。
ただし、バーボンとしてクセのある銘柄ではなく、飲み口がなめらかで飲みやすいものをおすすめします。
メーカーズ・マークは甘みが強く、なめらかな口あたりからマンハッタンのベースに適しているバーボンです。
単体でも飲みやすいバーボンであるため、すでに自宅にある人はメーカーズ・マークで作っても良いでしょう。
画像引用:https://www.asahibeer.co.jp/products/whisky_brandy/bourbon/woodford/woodford.html
カクテルの材料として多くのバーテンダーが使用するアメリカンウイスキーがウッドフォードリザーブです。
バーボンとは思えないほどなめらかで飲みやすい口あたりは、マンハッタンに限らずさまざまなカクテルに適しています。
マンハッタン以外のメジャーなカクテルでは、オールドファッションドやミントジュレップにも使用されます。
ウイスキーを使用したカクテル作りを本格的に始めるなら、ウッドフォードリザーブを購入すると便利です。
画像引用:https://products.suntory.co.jp/d/4901777283893/
ジムビームは、アメリカを代表するウイスキーであり、スーパー・コンビニなどで手軽に購入できます。
味わいのバランスも良いため、カクテルのベースとしての適性があります。
入手しやすいウイスキーで気軽にカクテルを作りたい方は、ジムビームを選びましょう。
画像引用:https://products.suntory.co.jp/d/080686816072/
カナディアンクラブは、アメリカではなくカナダのウイスキーではありますが、カクテルのベースに適したクセが少なく飲みやすい味わいをしています。
そのため、バーではアメリカンウイスキーではなく、カナディアンウイスキーを使用してマンハッタンが作られることも多いようです。
カナディアンウイスキーでもトップクラスの売上を誇り、日本で入手しやすいウイスキーであることから、カクテルの材料として購入しておくと便利です。
画像引用:https://store.shopping.yahoo.co.jp/nandemosaketen/10000158.html
ベイゼルヘイデン 8年は、バーボンウイスキーでありながら、ライ麦比率がジムビームなどのメジャーなバーボンと比較して2倍あります。
そのため、マンハッタンに求められるライ麦のスパイシーな風味を持っていることから、ベースにおすすめとされています。
価格と入手難易度の高さからこだわりたい人が購入する、知る人ぞ知るマンハッタンのベースウイスキーです。
最後に、マンハッタンのアレンジのバリエーションを確認していきましょう。
それぞれ詳しく解説します。
ドライ・マンハッタンは、スイートベルモットをドライベルモット、チェリーをオリーブに変えるアレンジです。
材料 | 分量 |
ライウイスキー | 50ml |
ドライベルモット | 10ml |
ビターズ | 1~2ダッシュ |
オリーブ | 1つ |
作り方
ドライ・マンハッタンは、通常のマンハッタンよりもウイスキーの量を増やすことが一般的です。
そのため、通常のマンハッタンよりもドライで辛口なキレのある味わいになります。
ロブ・ロイは、マンハッタンでは一般的にライウイスキーなどアメリカンウイスキーを使用するところ、スコッチウイスキーを使用するアレンジです。
材料 | 分量 |
スコッチウイスキー | 45ml |
スイートベルモット | 20ml |
ビターズ | 1~2ダッシュ |
マラスキーノチェリー | 1つ |
作り方
ウイスキーとベルモットの比率も通常のマンハッタンと変わらないため、スコッチウイスキーを多く保管している方は簡単にできるアレンジとなっています。
アメリカンウイスキーではなくスコッチウイスキーを使用するアレンジでもマンハッタンは楽しめます。
地域によっても呼ばれ方が異なるカクテルであり、「スコッチマンハッタン」「パーフェクトマンハッタン」と呼ばれることがあります。
カクテルのベースにもおすすめの美味しくて安いスコッチウイスキーは以下の記事をチェックしてください。
キャロルはマンハッタンのライウイスキーをブランデーに変えたカクテルであり、ウイスキー以外のお酒をベースにすることも可能です。
材料 | 分量 |
ブランデー | 45ml |
スイートベルモット | 15ml |
パール・オニオン |
1個 |
作り方
飾り付けはマラスキーノチェリーではなく、パール・オニオンを使用することが多いですが、飾り付けはマラスキーノチェリーでも問題ありません。
ベルモットの甘さがブランデーの深みを引き出しており、マンハッタンとは異なる味わいが楽しめます。
ウイスキー以外をベースにマンハッタンを作りたい方は、ブランデーでも試してみましょう。
ブランデーを使ったカクテルについては以下の記事で紹介しています。
ブランデーを使ったおすすめのカクテルは? 定番のレシピ・作り方をご紹介
マンハッタンは、アメリカ発祥の伝統的なカクテルであり、ウイスキーをベースにしたカクテルのなかでも人気が高いです。
シンプルなレシピながら、使用する素材の選定や混ぜ方によって生み出される豊かな風味が魅力といえます。
バーで注文するだけでなく、ご自宅で作ることも可能であり、多彩なアレンジにより楽しみ方が広がります。