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【イベントレポート】アイル・オブ・ラッセイ蒸溜所「ナ・シア 5年」セミナーに参加してきました!

2025.06.12 / 最終更新日:2025.06.12

2025年4月24日(木)、TOKYO Whsiky Libraryにて、アイル・オブ・ラッセイ「ナ・シア」セミナーに参加してきました!

東京、表参道にあるBar「TOKYO Whsiky Library」で開催された本イベントは、アイル・オブ・ラッセイ蒸溜所が手がける初の年数表記シリーズ、「ナ・シア 5年」の日本上陸を記念して開催されました!

本記事では、テイスティングの様子や現地より来日されたスコット氏の解説内容や、本イベントの看板商品である「ナ・シア 5年」の特徴や魅力についてまとめましたので、ぜひ最後までご覧ください!

アイル・オブ・ラッセイ「ナ・シア」セミナーの様子

イベントと「ナ・シア」について

イベント概要

本イベントは、スコットランド・ラッセイ島にあるアイル・オブ・ラッセイ蒸溜所より新たにリリースされた「ナ・シア 5年」の日本上陸を記念して開催されました。

当日は、「ナ・シア 5年」の全6種とシングルモルト1種の計7種類のウイスキーが用意されました。また現地からセールスマネジャーのスコット・フレイザー氏が登壇し、蒸溜所や取り巻く環境の魅力、テイスティングのポイントを説明していただく形で、セミナーが行われました。

イベント名 アイル・オブ・ラッセイ「ナ・シア」セミナー
主催者 株式会社都光
日時 2024年4月24日(火) 14時00分~15時30分
会場 TOKYO Whisky Library
登壇者 スコット・フレイザー氏

「ナ・シア 5年」について

本イベントの目玉商品でもある「ナ・シア 5年」についてご紹介します。

「ナ・シア」とは、アイル・オブ・ラッセイ蒸溜所でつくり分けられる6つの原酒を指しています。ピーテッド・アンピーテッドの2種類のニューメイクが、ライウイスキー樽・チンカピンオーク樽・ボルドー赤ワイン樽の3種類の樽で熟成されることで、計6種類のウイスキーが生まれており、ゲール語で「6」を意味する“sia”から由来して、「ナ・シア」と名付けられました。

この6つの原酒をブレンドして仕上げたウイスキーがアイル・オブ・ラッセイ蒸溜所のシグネチャーボトルでもある「ヘブリディアン シングルモルト」になります

この度、初の年数表記シリーズ「ナ・シア 5年」の日本上陸に伴い、本イベントが開催されました!

アイル・オブ・ラッセイ蒸溜所について

アイル・オブ・ラッセイ蒸溜所の外観(参照:公式HP)

アイル・オブ・ラッセイ蒸溜所は、ラッセイ島にあることから、その名前がつけられました。スコットランドの西海岸、インナーへブリディーズ諸島にある人口わずか161人のラッセイ島は、圧倒されるほどの自然美や荘厳な風景、そしてユニークな地形やスコットランドでも指折りの生物多様性を有する島として知られます。

また、スコットランドで徴税から逃れるための密造が横行した時代、ウイスキー製造者はウイスキーを秘密裏に製造していた時代、ここラッセイ島でも違法なウイスキー製造が行われていたそうです。この違法な製造は1850年頃まで行われており、実際にかつて使用された蒸溜器があった痕跡も見つかっています。

そのため、2017年に設立されたアイル・オブ・ラッセイ蒸溜所は、ラッセイ島初の合法的な蒸溜所なんだそうです!

蒸溜所名 アイル・オブ・ラッセイ蒸溜所
設立年 2017年
創業者 ビル・ドビー氏とアラスデア・デイ氏
所在地 Isle of Raasay Distillery
Borodale House
Isle of Raasay, Kyle
Scotland, IV40 8PB
公式HP アイル・オブ・ラッセイ蒸溜所 公式HP

イベントの様子をご紹介!

会場の様子

ここからは4月24日に行われたイベントの様子をお届けします!

アイル・オブ・ラッセイ蒸溜所 セールスマネジャー スコット・フレイザー氏

今回イベントの会場となったのは「TOKYO Whsiky Library」。壁一面に並ぶ1300種のウイスキーはまさに圧巻で、ウイスキー好きにはたまらない空間でイベントに参加させていただくことができました。

会場となったTOKYO Whisky Library

また、会場に到着すると、すでに今回のテイスティングで使用するウイスキーが用意されており、高揚感に満ちた雰囲気が会場に漂っていました!

テイスティングの様子

セミナーでは、本イベントに向け現地からお越しいただいたスコット氏から、蒸溜所の魅力やウイスキーづくりの特徴、ナ・シアやヘブリディアン シングルモルト詳細まで解説していただきました!

セミナーの講演をするスコット・フレイザー氏

テイスティング

今回は新発売の「ナ・シア 5年」6種類と「ヘブリディアン シングルモルト」の計7種類のウイスキーのテイスティングを行いました。

「ヘブリディアン シングルモルト」の原酒となる6つの原酒「ナ・シア」は、ユニークな樽による熟成によって、際立った独自の香味を持ちます。そんな個性的な特徴を持つ「ナ・シア」シリーズの組み合わせこそが、「ヘブリディアン シングルモルト」を比較的若い熟成年数にも関わらず深い味わいに仕上げる鍵となっています。

今回のテイスティングではまず初めに「ヘブリディアン シングルモルト」、そしてアンピーテッドの「ナ・シア」を3種類、最後にピーテッドの「ナ・シア」3種類の順でテイスティングが行われました。

ここからは今回テイスティングさせていただいたウイスキー7種の特徴について解説します。

ヘブリディアン シングルモルト

ラッセイ島があるヘブリディーズ諸島の名を掲げる「ヘブリディアン シングルモルト」は、アイル・オブ・ラッセイ蒸溜所のシグネチャーボトルです。今回のイベントでテイスティングを行った6種類の「ナ・シア」がヴァッティングされ、比較的若い熟成年数でも深みのある味わいを持ちます。

スタンダードなアイル・オブ・ラッセイを飲みたい方には一番おすすめできる一本です!

ボトル名 ヘブリディアン シングルモルト
香り 甘く、スモーキー。潮風に吹かれた木の煙、アプリコット、砂糖漬けのフルーツ
味わい 甘いスパイス、シナモン、ブラックペッパー、カシス、ウッドスモーク、ヘザー、ハチミツ、塩キャラメル、ポップコーン、ブラックチェリー
フィニッシュ ドライ、ほのかな塩味、かすかなウッドスモーク、ドライフルーツの香りが長く続く

ナ・シア シングルカスク アメリカンライ 5年(アンピーテッド&ピーテッド)

ヘブリディアンのうち最も構成比率の高い「ナ・シア シングルカスク アメリカンライ 5年」です。樽の木には、バーボン樽の代名詞でもあるアメリカンオークを使用しています。ライウイスキーカスクならではの、ブラックペッパーに似たしっかりとしたスパイシーな香りが特徴です。

またアイル・オブ・ラッセイで蒸留されるピーテッド原酒は50ppm(※)と、ピートで有名なアイラ島のウイスキーのものと遜色ないピートレベルです。一方、アイル・オブ・ラッセイ蒸溜所ではスコットランド本島で採取されたピートを用いており、アイラウイスキーのような薬品のようなフレーバーがなく、また蒸留の工夫により穏やかなスモーク感を実現しています。

ボトル名 ナ・シア シングルカスク アメリカンライ 5年(アンピーテッド&ピーテッド)
香り バニラ、バタースコッチ、ミックススパイス
味わい ブラックペッパー、甘いスパイス、バニラ、バタースコッチ
フィニッシュ ホワイトペッパー、バニラ、バターススコッチ(ピーテッドならウッドスモーク)
(※)ppmとは
ppmとはピート香の強さを表すフェノール値の単位のこと。一般的に、値が大きくなるほどピートの香りが強く、アイラ産のウイスキーは25-50ppmが一般的であり、100ppmを超える銘柄も存在します。

「ナ・シア」シングルカスク アメリカンライ 5年 アンピーテッドとライウイスキー樽

ナ・シア シングルカスク チンカピンオーク 5年(アンピーテッド&ピーテッド)

甘いタフィーの香りと、早熟ながらリッチな色合いを持つことが特徴な「ナ・シア シングルカスク チンカピンオーク 5年」。チンカピンオークは、北米東部および中部原産のホワイトオークです。また、本ボトルに使用されるウイスキー樽は、内部を火で焦がすトースト・チャーが共に強いレベルであることが最大の特徴です。

特にピーテッド原酒は、「アメリカンダイナーで、スモーキベーコンが乗ったパンケーキにメープルシロップをかけて食べるようなニュアンス」と表現されます!

ボトル名 ナ・シア シングルカスク チンカピンオーク 5年 (アンピーテッド&ピーテッド)
香り トフィー、スコティッシュタブレット
味わい スイートジンジャー、メープルシロップ(ピーテッドならBBQスモーク)
フィニッシュ 大麦パン、塩キャラメル

「ナ・シア」シングルカスク チンカピンオーク 5年 アンピーテッドとインカピンオーク樽

ナ・シア シングルカスク ボルドーレッドワイン 5年(アンピーテッド&ピーテッド)

ボルドー赤ワイン樽を用いて熟成された「ナ・シア シングルカスク ボルドーレッドワイン 5年」です。主にボルドー左岸のシャトーの樽を用いて熟成された本ボトル。色合いや香りからも赤ワインの影響が見て取れ、スパイス感とドライフルーツ感が合わさったとても印象的な一本でした。赤ワイン由来のフルーティーさや渋み、奥行きのある風味を楽しみたい方にはぴったりな一本です!

シグネチャーボトルをヴァッティングする際の構成比率が最も少ない本ボトルについて、スコット氏は「料理でいう調味料のような役割を持つ一本で、(シングルモルトに)入れすぎてしまえばバランスを崩しかねないほどの個性を持つ」とおっしゃっていました!

ボトル名 ナ・シア シングルかカスク ボルドーレッドワイン 5年(アンピーテッド&ピーテッド)
香り 甘く、スモーキー。潮風に吹かれた木の煙、アプリコット、砂糖漬けのフルーツ
味わい 甘いスパイス、シナモン、ブラックペッパー、カシス、ウッドスモーク、ヘザー、ハチミツ、塩キャラメル、ポップコーン、ブラックチェリー
フィニッシュ ドライ、ほのかな塩味、かすかなウッドスモーク、ドライフルーツの香りが長く続く

「ナ・シア」シングルカスク アメリカンレッドワイン 5年 アンピーテッドとボルドー赤ワイン樽

セミナーの注目ポイント

今回のイベントでは、現地からお越しいただいたアイル・オブ・ラッセイ蒸溜所のスコットさんから、蒸溜所の魅力や興味深い裏話などをお話いただきました!以下ではその一部をご紹介!!

シグネチャーシングルモルトの新愛称

2025年、アイル・オブ・ラッセイ蒸溜所の看板シングルモルトである「ヘブリディアンシングルモルト」に新たな愛称を付けたそうです。その名も「DRAAM(ドラーム)」といい、スコットランドで1杯のウイスキーを意味するDRAM(ドラム)と特徴的な綴りを持つRAASAY(ラッセイ)を掛け合わせています。DRAAMとラベルに記載された新たなパッケージでのリリースも始まったそうです。

アイル・オブ・ラッセイ ヘブリディアン シングルモルトのボトル

特徴的なアルコール度数

「ヘブリディアン シングルモルト」のアルコール度数は46.4%ですが、このアルコール度数の決定にも裏話があります。商品開発の段階でアルコール度数を決定する際、0.1%単位までこだわり抜いて度数を決定しようとしたそうですが、46.0〜46.9までどれもそれぞれの良さがあり、決めきることができなかったそう。そこで事務の方に好きな数字を選んでもらい、それが「4」だったため46.4%というアルコール度数が決定したそうです。

「ナ・シア」シリーズの進化

アイル・オブ・ラッセイ蒸溜所が手がける「ナ・シア」シリーズは6つの原酒を軸に、熟成年数によって変化を楽しむ新鮮な手法に取り組んでいるそう。この度、初の年数表記シリーズ「ナ・シア 5年」がリリースされましたが、アイル・オブ・ラッセイ蒸溜所では、あえてこのシングルモルトを“5 years young“(通常は“5 years old“)と名付けました。今後は、“7 years evolved”、“9 years matured”、そして“11 years old”をリリースする構想があるそうです。

常に新しいことに挑み続ける姿勢を忘れないという、アイル・オブ・ラッセイ蒸溜所らしさが全面に押し出されたアイデアです!

アイル・オブ・ラッセイの年数表記シリーズの展望

100%ラッセイ産のウイスキーに向けて

将来的には100%ラッセイ島産のシングルモルトをリリースをしたいとスコット氏はおっしゃいました。実は、地理的要因もあってラッセイ島は大麦の生産に向いておらず、ラッセイ島産の大麦を大量に入手することは非常に困難です。

そんな中、スコットさんらは、火山岩層を通り抜けた地下水を使ったり、ボトルに島で採れた化石を型押ししたりと、世界のどこで飲んでもラッセイ島を体感できるウイスキーを製造しています。「100%ラッセイ島産のウイスキー」をつくるために努力される姿がとても印象的でした。

アイル・オブ・ラッセイ蒸溜所と従業員の方々

最後に

以上、アイル・オブ・ラッセイ「ナ・シア」セミナーのイベントレポートでした。

若い熟成年数ながらも深みのある味わいで高い評価を得る「ヘブリディアン シングルモルト」。そんな1本の元となる、特徴的な樽で熟成された「ナ・シア 5年」シリーズのテイスティングを通して、味や風味の違いに樽が与える影響の大きさ、ひいてはアイル・オブ・ラッセイ蒸溜所らしさを感じることのできるセミナーでした!

この度日本での発売が始まった「ナ・シア 5年」。記事を読んで興味を持たれた方は、ぜひ一度ボトルを手に取ってみてはいかがでしょうか?

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