【独占インタビュー】ニッカウヰスキーのオフィシャルバー「THE NIKKA WHISKY TOKYO」で“生きるを愉しむウイスキー”を体験!
- Bar(日本)
- 繋ぎ手
日本で最初の超高層ホテルとして1971年に開業した京王プラザホテル。都庁前駅のB1出口からすぐの好立地に位置し、様々な施設や高品質のサービスを提供している伝統あるホテルです。
その南館2階にあるメインバー〈ブリアン〉は、大人が集う正統派ホテルバーとして、数々のお客様を魅了しています。
今回Dear WHISKYは、〈ブリアン〉の店長である小鷲崇文(こわし たかふみ)さんにインタビューを行いました!
本記事では、ホテルメインバーとしての強みや大切にしていること、オリジナルカクテルのこだわり、〈ブリアン〉の展望などを詳しくご紹介していますので、ぜひお楽しみください!
京王プラザホテルの南館2階にあるメインバー〈ブリアン〉は、開業当時から多くのお客様に愛されている古き善き正統派バーです。店内には高級感と落ち着いた雰囲気が漂い、大人の社交場として継承されてきました。様々な季節のカクテルや日本のクラフト酒を取り揃えており、バーに訪れる方はバーテンダーの洗練されたパフォーマンスと世界の銘酒を楽しみながらバータイムを満喫することができます。
店名 | メインバー〈ブリアン〉 |
所在地 | 東京都新宿区西新宿2-2-1京王プラザホテル南館2F |
アクセス | 「新宿駅西口(JR・私鉄・地下鉄)」から徒歩5分 「都庁前駅(都営大江戸線)」からB1出口階段を上がってすぐ |
電話番号 | 03-5322-8151 |
営業時間 | 17:00~23:30(ラストオーダー お料理 22:00 お飲物 22:30) |
定休日 | 日曜日 |
備考 | 予約可 |
HP | 公式HPはこちら |
Dear WHISKY:
〈ブリアン〉のコンセプトについて教えてください。
小鷲さん:
〈ブリアン〉では、“正統派バー ”をコンセプトとしています。
しかし、正統派としてのコンセプトに固執するのではなく、バーテンダー自身の考えを反映していくバーでもあると考えています。
Dear WHISKY:
〈ブリアン〉の内装にはどのようなこだわりがありますか?
小鷲さん:
なんといっても赤土レンガを積み上げた総レンガづくりの壁です。ジャパニーズモダンの礎を創ったと言われる工業デザイナー渡辺力氏がバー全体のデザインを手掛けました。「微笑むレンガ」とも称される伝統的な素焼きレンガは、ウイスキーの故郷である英国スコットランドから運んできており、重厚感漂う落ち着いた空間を作り出しています。
レンガに囲まれた極上のくつろぎ空間は、〈ブリアン〉の自慢です!
Dear WHISKY:
〈ブリアン〉の名前の由来を教えてください!
小鷲さん:
明確に名前の由来が残っているわけではないのですが、開業時から〈ブリアン〉という名前は変わっていません。
〈ブリアン〉には星空をイメージした輝く天井があります。そこで輝きという意味の英語「brilliant」のフランス語「Brillant(ブリアン)」と名付けたと言われています。
Dear WHISKY:
〈ブリアン〉には、どのようなお客様がよく来店されますか?
小鷲さん:
宿泊者のご利用もございますが、比較的近場で働いている方が普段使いとして利用されることが多いように感じます。海外のお客様もいらっしゃるのですが、特に欧米系の方がよくご来店されます。また、ご宴会の二次会として利用してくださっている方も多いです。
Dear WHISKY:
〈ブリアン〉では日曜日を定休日としていますが、なぜ日曜日を定休日としたのでしょうか?
小鷲さん:
当店は西新宿に位置しているためビジネスマンのお客様が多く、平日の仕事帰りに利用される方が多いです。そのため、日曜日は平日と比べるとご来店されるお客様が少なく定休日としていますが、そのかわりに日曜には様々なイベントを開催したいと考えております。
Dear WHISKY:
京王プラザホテルでは大会入賞経験のあるバーテンダーを多く輩出してますが、なにか特別な取り組みをされていますか?
小鷲さん:
京王プラザホテルでは、自ら大会に挑戦していく風土が根付いていて、会社も手厚いサポートをしてくれています。
京王プラザホテルとして、バーテンダーを育てる環境や先輩から受け継がれてきた情報を共有する文化があるので、大会入賞経験のあるバーテンダーを多く輩出することができるのだと思います。
Dear WHISKY:
会社自体が支援してくださっているのは心強いですね!ちなみに小鷲さんが感じた〈ブリアン〉という環境の強みはありますか?
小鷲さん:
実際に大会で優勝した先輩たちが身近にいることもすごく刺激になっていると思います。そういった環境のおかげで「大会に挑戦しよう」「優勝できる」といったマインドセットが周囲に伝わりやすいのも強みの一つですね。
バーテンダー同士で、カクテルコンペの話が話題として挙がる機会も多く、刺激しあって高みを目指すきっかけが多いのも〈ブリアン〉ならではだと思います。
Dear WHISKY:
〈ブリアン〉のシグネチャーカクテルを教えてください!
小鷲さん:
シグネチャーカクテルを1つに絞っているわけではないのですが、1つ挙げるとすれば、かつて京王プラザホテルでバーテンダーとしてカクテルに情熱を注いだ渡辺一也が手掛けた『セレブレーション』というカクテルが京王プラザホテルのシグネチャーカクテルだと考えています。
Dear WHISKY:
『セレブレーション』とはどのようなものでしょうか?
小鷲さん:
数々の賞を受賞し、バーテンダーとして史上初めて黄綬褒章を受章した渡辺一也が「HBA(日本ホテルバーメンズ協会)創作カクテルコンペティション」第15回で優勝した際に作ったカクテルです。
華美な装飾はなく、シャンパンに甘酸っぱい木いちごのリキュールが寄り添い、しっかりとお酒も感じることができる華やかな味わいのカクテルであり、たくさんのお客様に愛され続けている一杯です。
代々受け継がれている『セレブレーション』は、京王プラザホテルにとって特別なカクテルです。
Dear WHISKY:
特別なカクテルとは飲んでみたいですね!ちなみに『セレブレーション』にはどのような意味が込められていますか?
小鷲さん:
お祝いの意味が込められたカクテルです。誕生日や結婚記念日、企業の周年行事などのお祝い事に、〈ブリアン〉を利用されるお客様も多いのですが、その際にお祝いのカクテルである『セレブレーション』はよく作りますし、お出しすると喜んでくださいます。
Dear WHISKY:
〈ブリアン〉のオリジナルカクテルはどのように創作されているのでしょうか?
小鷲さん:
モデルのカクテルを元に変形、改良、改善していくことでオリジナルカクテルを生み出しています。カクテルコンペでは、バーテンダーそれぞれの個性を生かして創作しています。
バーテンダーの個性はもちろんですが、オリジナルカクテルを創作したり仕上げたりする段階でストーリー性があることも重要です!
Dear WHISKY:
具体的にストーリー性とはどのようなことでしょうか?
小鷲さん:
「どのようなシーンで飲まれるカクテルなのか」「この材料は何を表しているのか」「どういう想いが込められているのか」までしっかりと考えてカクテルを生み出すことです。渡辺一也が話していたのですが、お客様にカクテルを楽しんでいただくために、そのカクテルの背景やストーリーが大切になってきます。
『語れるカクテルを作る』ということは、とても重要であると考えています!
Dear WHISKY:
ちなみに、小鷲さんが今まで作られたカクテルにはどのようなカクテルがありますか?
小鷲さん:
私が作った中で好きなカクテルは2つあります。
1つ目は、「風わり(ふわり)」というカクテルで焼酎ベースにフルーツジュース、シロップ、リキュール、ミントをシェイクしたカクテルです。2つ目は、「ハイランドドリップ」と呼んでいるカクテルで、ウイスキーでコーヒーをドリップするという素材を生かしたシンプルなカクテルです。私の中では、この2つのカクテルが特に完成度が高かったと感じていて、お気に入りです。
Dear WHISKY:
ちなみに小鷲さんの”オリジナルカクテル”の名前はどのように決めたのでしょうか?
小鷲さん:
1つ目の「風わり(ふわり)」は、一週間真剣に考えて絞り出しました!
2つ目の「ハイランドドリップ」に関しては、周囲の人がつけてくれました。スコットランドのハイランド地方のウイスキーでコーヒーをドリップして作っているので、そこから名付けたようです。
Dear WHISKY:
〈ブリアン〉のおすすめのウイスキーを教えてください。
小鷲さん:
日本のクラフト蒸溜所のウイスキーです。
〈ブリアン〉で取り扱っている数も多く、日本にクラフト蒸溜所が建ち始めた頃から注目しているため、おすすめすることが多いです。
Dear WHISKY:
小鷲さん自身のおすすめのウイスキーがあれば教えてください。
小鷲さん:
個人的には白州18年と余市15年が好きですね。白州18年は、初めてウイスキーをストレートでたくさん飲むことができたほど、美味しかった思い出があり、印象に残っています。また、余市15年にも忘れられない思い出があります。
Dear WHISKY:
余市15年の思い出とは具体的になんでしょうか?
小鷲さん:
古い話になるのですが、会社の寮に入っていたころ、真冬にエアコンが壊れてしまったことがあるんです。当時の寮は床がタイルになっていたので、とても寒くて、そんな中でウイスキーを飲んで体を温めようとひらめきました。その時置いてあったのが余市15年でした。一本空く頃には余市15年のファンになっていました。今では、考えられない贅沢でした(笑)
Dear WHISKY:
〈ブリアン〉では日本のクラフト酒を多く扱っていますが、日本の銘柄を多く扱っている理由はなんでしょうか?
小鷲さん:
インバウンドの需要が高まって観光客の方が日本に訪れることが増えているので、そういった方々に飲んでもらいたいという想いと他のホテルバーとの差別化が大きな理由ですね。また、バーテンダーの趣味も大きく影響していると思います。
Dear WHISKY:
〈ブリアン〉では様々なテイスティングセットがありますが、ウイスキーのテイスティングセットを始められたきっかけはありますか?
小鷲さん:
昔から「面白い企画をやってみたい」「お客様に色々なウイスキーがあることを知っていただきたい」「色々な蒸溜所のウイスキーを気軽に楽しんでいただきたい」という想いを持っていました。ウイスキーフェスやメーカーのセミナー、試飲会などに行った際にテイスティングセットが並んでいるのを見て、〈ブリアン〉のお客様にも様々なウイスキーを飲み比べていただきたいと思い始めました。現在は、静岡蒸溜所のウイスキー3種やサントリーのウイスキー3種などの飲み比べができ、それぞれの味わいの違いを堪能することができます。
ぜひ〈ブリアン〉で、様々なウイスキーの魅力を感じていただきたいと考えています。
Dear WHISKY:
〈ブリアン〉オリジナルの『Glenfarclas Single Cask 2008年』はどのようなウイスキーでしょうか?
小鷲さん:
オリジナルラベルには、メインバー〈ブリアン〉を象徴する総レンガづくりの壁とカウンターが描かれていて、ホテル開業から続く伝統と格調を表しています。
〈ブリアン〉オリジナル『Glenfarclas Single Cask 2008年』は、グレンファークラス蒸溜所のウイスキーをファーストフィルのシェリー樽で14年熟成させており、力強いシェリーの風味を感じることができます。
Dear WHISKY:
〈ブリアン〉オリジナル『Glenfarclas Single Cask 2008年』はどのような方が購入されているのでしょうか?
小鷲さん:
〈ブリアン〉というバーが好きな方がよく買ってくださいます。通ってくださるお客様は、〈ブリアン〉自体を好きな方も多く、そういった方々に〈ブリアン〉の背景がわかる商品は興味を持っていただけることが多いです。
現在ではボトルだけではなくショットでの販売も始めたので、ぜひこの機会に手に取っていただきたいです。
Dear WHISKY:
〈ブリアン〉オリジナル『Glenfarclas Single Cask 2008年』のおすすめの飲み方を教えてください。
小鷲さん:
やはりストレートをおすすめします。また、度数が高いので、ロックかトワイスアップで加水するのも面白いかなとも思います。
Dear WHISKY:
〈ブリアン〉のようなホテルバーの強みは何でしょうか?
小鷲さん:
よく言われているのは安心できることですね。ホテルの中にあるので潰れるまで飲んでも泊まることができます(笑)また、レストランも和洋中揃っているのでおつまみの種類の多さもホテルバーの強みとして挙げることができると思います。
Dear WHISKY:
メインバー〈ブリアン〉の”人”としての強みは何でしょうか?
小鷲さん:
経験豊富なスタッフが多いことです。京王プラザホテルでは、研修を行い、宿泊サービスや客室などの他の仕事をして、基礎を築いた上で経験を積み上げていきます。
そのため、様々なことに対応できる能力が身についているバーテンダーが多いのは、強みの1つだと思います。
Dear WHISKY:
〈ブリアン〉がホテルのメインバーとして大切にしていることはありますか?
小鷲さん:
京王プラザホテルを代表して、お客様に満足していただけるようなお飲み物を提供しつづけることです。
お飲み物に関して、メインバー〈ブリアン〉が『最後の砦』にならなければならない。
このことは、バーテンダーの先輩たちから代々受け継がれているメインバーとしての責任であり、常に心がけています。
Dear WHISKY:
とても素敵ですね。他にメインバーとして大切にしていることはありますか?
小鷲さん:
そうですね。ブリアンで働くバーテンダーたちは、メインバー〈ブリアン〉で働くことにプライドを持っています。また、京王プラザホテルの他のバーで働いているバーテンダーも、最終的にはメインバー〈ブリアン〉で働きたいという目標を持っていることが多いので、メインバーとして最高のサービスを提供することを意識しています。
Dear WHISKY:
〈ブリアン〉として今後開催してみたいイベントはありますか?
小鷲さん:
色々考えているのですが、個人的には様々な種類のウイスキーを少しずつ味わいながら触れ合いを楽しむウイスキーフェスを開催してみたいです。また、現在はピアノ演奏を再開したので、音楽とのペアリングを楽しむイベントを開催するのも素敵かもしれないですね。
Dear WHISKY:
これからもお客様に愛される〈ブリアン〉であり続けるために受け継いでいきたい伝統はありますか?
小鷲さん:
京王プラザホテルのメインバーとして、正統派バーの王道を貫いていくことです。
〈ブリアン〉らしさを代々受け継いでいくことで、たくさんのお客様に大人の社交場として継承されてきた、古き善き正統派のバー文化を体感していただきたいです。
Dear WHISKY:
小鷲さん自身は、今後〈ブリアン〉をどのようなバーにしたいとお考えですか?
小鷲さん:
ホテルバーと聞くと敷居が高く堅いイメージがあると思いますが、〈ブリアン〉はお客様に寄り添いながらゆったりとした時間を過ごすことができるバーを目指しています。
正統派バーとして伝統を守りながらも、若い方にも気軽にカウンターで楽しんでもらえる親しみやすい気さくなバーにしていきたいと考えています。
Dear WHISKY:
最後に、Dear WHISKYの読者に向けてメッセージをお願いします!
小鷲さん:
私が生まれた1983年にウイスキーの需要はピークを迎えて、入社した2004年~2008年にどん底を味わっています。そんなウイスキーですが、現在は一昔前に比べて需要が非常に増えていると感じます。
そのように世間でウイスキーがブームになりつつある時に、雑誌や本を読んでウイスキーの勉強をしました。そうしたら、お客様と会話が弾むようになって、楽しくて。そういった学んだことを次に活かす楽しさを教えてくれたのが、ウイスキーでした。だからこそ、「繋ぎ手」としてたくさんの人にウイスキーの魅力を広めていきたいと考えています。
ジャパニーズクラフトや輸入洋酒なども数多く取り揃えておりますので、ぜひ京王プラザホテル メインバー〈ブリアン〉でバーテンダーの洗練されたパフォーマンスと世界の銘酒をお楽しみください。お待ちしています!
今回は京王プラザホテルのメインバー〈ブリアン〉に独占インタビューをさせていただきました!
伝統と歴史ある〈ブリアン〉ならではのオリジナルカクテルに対するこだわりやホテルバーとしての強み、さらには小鷲さん自身のバーテンダーとしての想いなど興味深いお話をたくさん伺うことができました。
ホテル開業当時から多くの人に愛されている、正統派バー〈ブリアン〉の今後に目が離せません!