
【現地レポート】「BUSHMILLS CASK DISCOVERY BAR」にて“樽を飲む。”を体感!
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表参道に佇む大型バー&ラウンジ「TOKYO Whisky Library」。壁一面に並ぶウイスキーは、まるで図書館のような壮観な光景を生み出しています。広々とした空間、美しい音楽、そして洗練された食事とウイスキーが織りなすハーモニーは、ここでしか体験できない特別な時間を提供してくれます。
今回Dear WHISKYは、「TOKYO Whisky Library」のアシスタントマネージャーである大中義弘さんにインタビューをさせていただきました。
ウイスキープロフェッショナルやラムコンシェルジュの資格を持ち、現在はバーテンダーとバイヤーという二刀流で活躍される大中さん。その豊かなご経歴や、「TOKYO Whisky Library」のこれまでの歩みについてお話を伺いました!さらに、お店の特徴であるウイスキーと食事の「ペアリング」についてもお届けします!
ウイスキー好きはもちろん、これからウイスキーの魅力に触れたい方も必見です!TOKYO Whisky Libraryの店舗紹介も併せてお読みください!
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TOKYO Whisky Library アシスタントマネージャー 大中義弘(オオナカ ヨシヒロ)氏 神奈川県出身。大学生時代、立川にてバーテンダーのアルバイトを始め、その後姉妹店のバーにて責任者として活躍。 現在「TOKYO Whisky Library」のアシスタントマネージャーを務め、バーテンダーのみならずバイヤーも兼任する。23歳でウイスキーエキスパート、24歳でウイスキープロフェッショナルに合格。ウイスキーに限らずラムコンシェルジュにも合格をしている。 |
店名 | TOKYO Whisky Library |
所在地 | 東京都港区南青山5-5-24 南青山サンタキアラ教会2階 東京メトロ表参道駅より徒歩1分 |
営業時間 | LUNCH:12:00〜15:00 DINNER:17:30〜23:00 |
定休日 | 無休(年末年始を除く) |
アクセス | 東京メトロ 銀座線・半蔵門線・千代田線「表参道駅」B3より徒歩1分 |
公式HP | TOKYO Whisky Library 公式HP |
公式Instagram | TOKYO Whisky Library 公式Instagram |
Dear WHISKY:
大中さんの学生時代について教えてください。
大中さん:
生まれは神奈川県の川崎市で、高校までは主に神奈川県で生活してました。大学が東京の八王子市の方にあり、非常に多くの時間を過ごした町が八
特に立川ではバーテンダーのアルバイトをしていたこともあり、思い入れのある街ですね。
Dear WHISKY:
学生時代からバーテンダーとして働いていたんですね。
大中さん:
20歳の時からウイスキーやカクテルが豊富なオーセンティックバーでアルバイトを始めました。1,2年後に姉妹店に移動し、お店の責任者として運営に携わりました。
ウイスキーコニサーとTWSC審査員のバッチが輝く大中さん
Dear WHISKY:
バーテンダーのアルバイトを始めた時からウイスキーがお好きだったんですか?
大中さん:
からきしでした(笑)最初の頃はカクテルが好きで、ウイスキーを好きになったのは23歳ごろです。
Dear WHISKY:
そうだったんですね!
ウイスキーを飲み始めた頃の中で、特に印象に残っているウイスキーは何ですか?
大中さん:
アードベッグです(笑)
大学の先輩に連れて行ってもらったバーで、先輩が飲んでいたのがアードベッグだったんです。何かわからず私もロックで頼んで、「おおっ」と思ったのを覚えています(笑)
Dear WHISKY:
初めてのアードベッグをロックで飲むとかなり印象に残りますね(笑)
大中さん:
そうですね、「これがピート香なのか!」と感じたのを覚えています(笑)
Dear WHISKY:
ウイスキーの勉強を始めたきっかけは何だったんですか?
大中さん:
新型コロナウイルスが蔓延した際に自宅にいる時間が増えたので、ウイスキーの勉強を始めました。
それ以前は、知人にウイスキーエキスパートの資格を持っているバーテンダーの方がいたので、その方によくウイスキーに関する質問をしていました。
ウイスキーの蒸溜所ごとの歴史やその地域などについて勉強したうえで実際に飲んでみると、それぞれの味わいの違いがわかり始めて、そこから楽しいと感じました。
Dear WHISKY:
現在大中さんは27歳ということですが、
すでにウイスキーエキスパートとプロフェッショナルの資格を取得していらっしゃるんですね。
大中さん:
そうですね。エキスパートの方を23歳、プロフェッショナルを24歳で取得しました。
Dear WHISKY:
2年連続で合格されているんですね!資格取得の際に大変だったことはありますか?
大中さん:
蒸溜所の名前や場所、オーナー会社、歴史などを紐づけてすべて覚えなくてはいけないことがとても大変でした。
ウイスキー資格取得への挑戦を振り返る大中さん
Dear WHISKY:
どれくらいの期間勉強をなさったんですか?
大中さん:
エキスパートの際は、試験日の3か月前ぐらいに教科書を開きました。
はじめの頃は1日2,3時間程度の勉強量でしたが、1か月前から気合を入れ、早起きをして最低5,6時間程度の勉強を行っていましたね。
Dear WHISKY:
かなりハードな挑戦だったんですね、3か月でウイスキーエキスパートを取得した話は初めて聞きました!
今後マスターオブウイスキーの受験も考えているんですか?
大中さん:
以前に一度受験したことがありますが、一次の論文で落ちてしまいました……
やはり受かっている方々はすごいなと感じました。またタイミングをみて20代のうちに挑戦したいです。
Dear WHISKY:
TOKYO Whisky Libraryに入られたきっかけはなんですか?
大中さん:
自分がお酒の資格をいくつか持っているので、それらの知識を活かせる場所を探しているときにTOKYO Whisky Libraryとご縁がありました。現在4年目になります。
Dear WHISKY:
TOKYO Whisky Libraryアシスタントマネージャーとしては具体的にどのような業務を行っているんですか?
大中さん:
主にバイヤーとバーテンダーの業務を行っています。
バーテンダーとしてお店に立つ機会は入社直後よりはかなり減って、多くても週に1,2回程度にはなりました。ですが、お客様と接することのできる貴重な機会なので大切にしています。
バイヤーとしてはお店で取り扱うウイスキーの仕入れ全般を私が担当しています。
Dear WHISKY:
大中さんの選んだボトルが並ぶお店で、大中さんと直接お会いできる日はラッキーですね!
Dear WHISKY:
お店の名前「TOKYO Whisky Library」の由来を教えてください。
大中さん:
カウンターと少数のテーブルのような一般的なバー形態とは異なる、新しいウイスキー専門店をオープンさせたいという想いから始め
天井が高く広々とした空間に、本のように壁一面にウイスキーが飾られ、「ウイスキーの図書館」と言っていただけるようなお店を目指し「TOKYO Whisky Library」という店名になりました。
広々とした空間とウイスキーの棚が生み出す図書館のような店内
Dear WHISKY:
確かに天井がとても高いですね、内装も落ち着いていて図書館のような心地良さを感じます。
お店に入った際は、壁一面のウイスキーには心が躍りました!
大中さん:
うれしいです!
1,300種類以上のウイスキーを置いていて、それらすべてを見えるようにディスプレイしているお店は少ないかと思います。
名前順に陳列されているウイスキーボトルたち
Dear WHISKY:
1,300種類以上のウイスキーが並んでいるのは、他では見ることのできない光景ですね。
棚の上の方のウイスキーの注文が入った場合はどうしているんですか?
大中さん:
梯子に上ってボトルをとります。
一種のパフォーマンスとしてもお楽しみいただけます。
TOKYO Whisky Libraryならではのパフォーマンス
Dear WHISKY:
梯子なんですね、本当に図書館のようです!
自分の1杯のためにパフォーマンスがあるのはとてもうれしいですね。
大中さん:
そうですね、最近はお客様にハリーポッターみたいと言われることが多いです(笑)
Dear WHISKY:
お店のテーマ「Whisky+Music+Serendipity」に決まった経緯を教えてください。
建物の外観は草木に覆われ、別世界に迷い込んだかのような唯一無二の特別な雰囲気を放っている
大中さん:
まずは提供のメインアイテムの「Whisky」ですね。
Dear WHISKY:
ウイスキーがお店の雰囲気を作る中心的な存在ということですね。
大中さん:
そうです。そして、お酒を楽しむ空間で仲間との語らいやリラックスした時間に不可欠なのが「Music」です。「Music」は単なるBGMではなく、来店されたお客様の声や雰囲気と一体となって、場を盛り上げる重要な役割を果たします。
また、音楽には普遍的な力があり、カップル、団体、接待など、利用動機が異なる多様なお客様を一つの空間で繋ぎ合わせ、楽しませる役割を持っていると思います。
Dear WHISKY:
音楽が人や場を繋ぎ、盛り上げる力を持つという想い、とても共感できます。
「Serendipity」という単語を私は初めて聞いたんですがどのような意味なんですか?
大中さん:
「Serendipity」とは、素敵な偶然に出会ったり、予想外のものを発見することを意味しています。
当店が皆さまにとって「次なる発見やストーリーが生まれる場所」でありたいという願いを込めております。
Dear WHISKY:
とても素敵な言葉ですね。
大中さんはお仕事をされている中で「Serendipity」を感じる瞬間はありますか?
「Serendipity」が生み出されるカウンター席
大中さん:
「Serendipity」を感じる瞬間は2つあります。
1つは、ウイスキーを通じてお客様同士や私たちが思いがけない素敵なつながりを生み出せたとき。
もう1つは、自分自身が予想もしなかった方との出会いを通じて新しい発見やアイデアが生まれるときです。予約なしに、パッと生産者やメーカーの方がいらっしゃることもあり、この店ならではの出会いだなと感じています。
Dear WHISKY:
まさに「Serendipity」ですね。
そんな「予想外の幸運」を体験できる場であることが、このお店の魅力の1つなんですね。
Dear WHISKY:
1,300種類以上のウイスキーを取り揃えているとのことですが具体的にどのようなウイスキーボトルを置いているのでしょうか?
大中さん:
スコッチ、バーボン、ジャパニーズ、アイリッシュ、オールドボトルなど幅広くそろえております。
最近はプライベートボトルにも挑戦しており、長濱蒸溜所と協力をしシングルカスク・プライベートボトル「シングルモルト長濱 5年 Port White Cask for TOKYO Whisky Library」の提供を始めました。
また、ウイスキーが樽の中で眠っていた状態のまま瓶詰めをしているソサエティのウイスキーも多く取り揃えており、特徴の1つかと思います。
ライトアップされ美しく輝くウイスキーボトル
Dear WHISKY:
オフィシャルだけでなく、ボトラーズのボトルも多いんですね。
特に人気なウイスキーは何でしょうか?
大中さん:
ジャパニーズウイスキーはやはり人気ですね。
特に響は21年30年もよく注文されます。他にはイチローズモルトもとても人気です。
Dear WHISKY:
ジャパニーズウイスキーはやはり人気なんですね!
何か今後手に入れたいウイスキーボトルはありますか?
大中さん:
1つ叶ってしまったんですが、5年ほど手に入らなかった山崎25年を仕入れることが出来ました!
これで白州25年、山崎25年、響30年がそろいました!
ウイスキーフライトという3種類前後のウイスキーを飲み比べるメニューに、これら3つを飲み比べるセットもありますのでぜひみなさんに楽しんでいただきたいです。
Dear WHISKY:
蒸溜所に行かないとできないような飲み比べですね!ぜひ挑戦してみたいです!
Dear WHISKY:
先ほどプライベートボトルの作成も行っているとのことでしたが、今後も継続していくんでしょうか?
大中さん:
そうですね、今後は少なくとも年に1回のペースで継続していきたいと思っています。
蒸溜所の方々の協力が不可欠なので、お声がけいただければ喜んでお受けしていきたいです!
【限定415本】シングルカスクウイスキー「シングルモルト長濱 5年 for TOKYO Whisky Library」(写真引用:TOKYO Whisky Library公式ホームページ)
Dear WHISKY:
TOKYO Whisky Libraryではウイスキーと食事のペアリングに力を入れたコース料理が魅力の1つだと思いますが、ペアリングはどのように決めているんでしょうか?
大中さん:
簡単には、まず提供するウイスキーを複数選び、それらの特徴(ピート感、甘み、スモーキーさなど)を細かく分析して言語化します。そしてそれぞれに合う食材や調理法を考え、皿ごとの味わいや全体のコースバランスを見ながら調整します。
「このウイスキーにはこれ」という固定概念ではなく、ウイスキーの持つさまざまな要素に合わせて、最適な1皿を作りだしています。そして、コース全体を通して、ウイスキーと食事が最も美味しく楽しめる構成に仕上げています。
Dear WHISKY:
とても緻密に構成されているんですね。ここでしか味わえない美味しさがあるということですね。
大中さん:
そうですね。
ここでしかできない体験を作り出すためにも、私たちはテイスティングノートを作成して日々研究を行っています。
最近は日本酒やワインのペアリングを参考にしながら、ウイスキーに落とし込めるところはないかと探しています。
Dear WHISKY:
日々進化し続けているんですね。
ぜひ一度こだわりの詰まったコース料理を体験してみたいと思いました!
大中さん:
そういっていただけると嬉しいです。
1年に3回、約4か月の周期で季節の食材に合わせてコース料理は変更していますので定期的に足を運んでいただけると嬉しい限りですね。
お食事の提供の際にはそれぞれのペアリングのポイントや、おすすめの味わい方をご説明しておりますので、どなたでも楽しめると思います。
Dear WHISKY:
説明を聞きながら、自分で想像を膨らませて味わうのは本当に魅力的です!
それがきっかけとなって、ウイスキーをもっと好きになる方も多いのではないでしょうか!
TOKYO Whisky Libraryで提供している中で大中さんのおすすめのペアリングはありますか?
大中さん:
現在は提供を行っていませんが、とてもおすすめだったのが
「シカ肉のロースト+ベリーソース × エンジェルズエンビーポートワインカスクフィニッシュ」
お肉の旨味とベリーソースの甘みのあとにバーボンのコクが広がり、果実味が引き出されて素晴らしいペアリングでした。またどこかのタイミングで再開すると思うので、ぜひ召し上がってみていただきたいです。
現在(2024年12月9日現在)やっているものでは
「キャラメリゼナッツ入りセミフレッド × デュワーズダブルダブル21年」
デュワーズのシェリー風味とナッツの触感、ひんやりとした冷たいセミフレッドが素晴らしく合います。贅沢にデュワーズダブルダブル32年もいいですね。
Dear WHISKY:
どれも美味しそうです!今までウイスキーのペアリングを強く意識していなかったですが、これからは日常的に取り入れて、よりウイスキーを楽しみたいと思いました!
自宅やバーなどで手軽に行えるおすすめのペアリングはありますか?
大中さん:
そうですね……
チョコ 、ドライフルーツ× グレンアラヒー15年
これはグレンアラヒーのスパイシーさとシェリー樽由来の豊かな風味がチョコやドライフルーツと相性抜群です。
サラミ、生ハム × アイラ系ウイスキー(ラガヴーリン、アードベッグなど)
ご自宅でも気軽に試しやすいこれらの加工肉にはスモーキーなアイラウイスキーのハイボールはバッチリです。
チーズ(ゴルゴンゾーラドルチェ) × グレンモーレンジィ ネクタドール
グレンモーレンジィ ネクタドールのソーテルヌワインカスク由来のはちみつのような甘みとチーズの濃厚さがマッチします。このほか、熟成されたミモレットもウイスキーとよくあいますね。
Dear WHISKY:
よく食べるおつまみでもペアリングを意識することでこれまでよりも素敵な時間になりそうです!
Dear WHISKY:
今後TOKYO Whisky Libraryが目指す姿を教えてください。
大中さん:
最終的にはウイスキーを通じて造り手と飲み手の架け橋になることを目指しています。
例えば、造り手の方々を招いたセミナーをここTOKYO Whisky Libraryで開催し、飲み手の方が現地に行かずとも造り手の方の情熱や物語に触れることができるような機会を生み出していきたいです。さらに、造り手も飲み手の方の声を聞くことで、新たなインスピレーションに繋がればと思っています。
そして、ウイスキーの魅力を広げる情報の発信地として、知識や体験を共有し、新たなつながりと物語を生むプラットフォームであり続けたいです。
Dear WHISKY:
飲食店としてだけでなく、ウイスキーを軸としてすべての方々が交わることのできる場を目指しているんですね。未来のTOKYO Whisky Libraryが楽しみです。
Dear WHISKY:
最後に、Dear WHISKY読者へひとことお願いします!
大中さん:
TOKYO Whisky Libraryでは1,300種類以上のウイスキーを取り揃えています。ウイスキー愛好家の方はもちろん、これから学びたい方にとってもまさに夢のような空間かと思います。
興味のある蒸溜所や好みの味わいを伝えていただければ、きっと探している一杯との出会いをお手伝いできると思います。
また、ペアリングを楽しめるコース料理やウイスキーフライトメニューなど、多彩な楽しみ方をご提案しております。訪れるたびに新しい発見や驚きを感じていただけるはずです。ご不明な点やご要望があれば、ぜひお気軽にお問い合わせください。
この場所が、皆さんにとって新たなウイスキーの世界への扉を開くきっかけになれば幸いです。
以上、TOKYO Whisky Libraryアシスタントマネージャー大中さんへのインタビューでした!
TOKYO Whisky Libraryでしか味わえないペアリングや特別な体験が待っています!
読者の皆様も是非TOKYO Whisky Libraryに足を運び、新たな発見や素敵なひとときを楽しんでみてはいかがでしょうか?