初心者におすすめのカルヴァドスは? 人気の種類と美味しい飲み方を紹介
- ウイスキー基礎知識
日本で広く販売されているラフロイグには、セレクトと10年の2種類があり、具体的な違いやどちらを飲むべきかわからない方もいることでしょう。
簡単に説明すればラフロイグ セレクトはアイラウイスキーの初心者向け、10年はアイラウイスキーを飲み慣れている方が飲むと満足しやすくなります。
それぞれ特徴があり、味わいにも違いがあるため、店舗に在庫がなく選べない状況を除いて、選べるのであれば特徴を理解して自分に合った銘柄を選ぶことがおすすめです。
この記事では、ラフロイグセレクトと10年の概要とその違いを紹介し、どちらを飲むべきか選ぶためのポイントも解説します。
この記事のポイント
ラフロイグは、スコットランドのアイラ島で製造されるスコッチウイスキーのシングルモルトであり、アイラの王と呼ばれるほど力強くクセのある味わいが特徴です。
「好きになるか嫌いになるか」という強烈なキャッチコピーを持っており、人によって非常に好き嫌いが分かれるウイスキーとして知られています。
ラフロイグの最大の特徴はピート香と呼ばれる燻製の匂いとも表現されるスモーキーな香りであり、非常に強烈で嗅ぐだけでもそれがわかり、口に含めば鼻腔を勢いよく通り抜けていきます。
アイラウイスキーはラフロイグに限らず同様の特徴を持ちますが、その知名度の高さと他の銘柄と比較しても強力なピートスモークから興味を持ちやすく、スコッチ好きなら一度は飲んでみたくなる銘柄です。
ラフロイグは日本のサントリーから販売されており、サントリーで現行で販売されているラフロイグが「ラフロイグ 10年」「ラフロイグ セレクト」の2種類になります。
それぞれの概要について以下にまとめていきます。
ラフロイグ全体の種類と味わいについてはこちらの記事で紹介しています。
アイラウイスキーのラフロイグとは? 種類や風味の特徴を解説!
引用:https://products.suntory.co.jp/d/5010019640253/
概要 | 内容 |
容量 | 750ml |
アルコール度数 | 43% |
純アルコール量(100mlあたり) | 34.4g |
参考価格 | 6,440円(税込) |
ラフロイグ 10年は、アイラ島のラフロイグ蒸溜所で製造された10年以上熟成されたモルト原酒のみを使用するシングルモルトウイスキーです。
熟成樽は、アメリカンホワイトオークのファーストフィルのバーボン樽が使用されており、海辺の貯蔵庫で熟成されています。
強いピートスモークと薬品を思わせるようなヨード香があり、海風を思わせるような潮の香りも感じられます。
ドライな味わいであり、バニラのような甘みが感じられ、オイリーな口あたりをしていることが特徴です。
個性の塊とも言えるラフロイグを象徴する味わいが楽しめる銘柄となっており、「好きになるか嫌いになるか」のキャッチコピーの意味を一口飲むだけでも理解できることでしょう。
画像引用:https://products.suntory.co.jp/d/5010019637529/
概要 | 内容 |
容量 | 700ml |
アルコール度数 | 40% |
純アルコール量(100mlあたり) | 32g |
参考価格 | 4,600円(税込) |
ラフロイグ セレクトは、その名の通り厳選したさまざまな樽で熟成させたラフロイグであり、熟成年数の表記がないノンエイジボトルです。
ペドロ・ヒメネスのシェリー樽、ヨーロピアンオークのシェリー樽、アメリカンホワイトオークのファーストフィルのバーボン樽、3つの熟成樽を使用して熟成させています。
スモーク香が目立ちますが、ココナッツや焼いたバナナのようなフルーティーな香りも感じられ、香りに深みが出ています。
味わいはバニラだけでなく、シェリー樽由来のフルーティーな甘みが感じられ、クセはありますが飲みやすい印象です。
ラフロイグの個性を抑えながらもバランスのいい味わいに仕上がっており、初めてラフロイグを飲む方で不安がある場合も飲みやすいといえるでしょう。
ラフロイグセレクトと10年の違いを3つ紹介します。
ラフロイグ セレクトとラフロイグ 10年の最大の違いは、熟成に使用しているウイスキー樽です。
ラフロイグ 10年が、バーボン樽のみを使用しているのに対して、ラフロイグ セレクトは2種類のシェリー樽とバーボン樽を使用しています。
熟成に使用しているウイスキー樽の違いによって味わいにも違いが生まれるため、ウイスキー樽の違いはどちらを選ぶか判断するにも重要な要素といえるでしょう。
ウイスキー樽の種類と熟成樽による味わいの違いについてはこちらの記事で紹介しています。
ラフロイグ 10年が熟成年数を10年と表記しているのに対して、ラフロイグ セレクトは熟成年数を表記していないノンエイジウイスキーとなっています。
ウイスキーの熟成年数の表記は、複数の熟成年数の異なるモルト原酒をブレンドしたとき、最も熟成年数の低い原酒の熟成年数を記します。
ラフロイグ10年は、10年物の原酒のみを使用しているのではなく、10年以上熟成させた原酒のみを使用しているといえるでしょう。
そのため、熟成年数が10年以下の極端に若い原酒が使用されていないことがわかります。
しかし、ノンエイジウイスキーは熟成年数を表記していないことから、3年~9年の熟成年数の短い原酒も使用することが可能です。
ラフロイグ セレクトはラフロイグ 10年と比較して色が、濃い金色(ラフロイグ 10年)、 スパークリングゴールド(ラフロイグ セレクト)と評されており、比較すればラフロイグ セレクトのほうが目に見えて薄いことがわかります。
ウイスキーは同じ銘柄であれば熟成年数が低いほど色が薄くなる傾向にあるため、ラフロイグ セレクトに使用されている原酒の熟成年数も低いことが推測できます。
熟成年数の表記がないノンエイジウイスキーについて詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
年数表記がない「ノンエイジウイスキー」の魅力とおすすめの銘柄とは
使用しているウイスキー樽、熟成年数などからラフロイグ セレクトとラフロイグ 10年は味わいに違いが生まれています。
香りは共通して強いピートスモークがありますが、ラフロイグ セレクトには深みのある複雑で甘い香りがあります。
ただし、ピートスモークはラフロイグ セレクトのほうが弱くなっており、ラフロイグ 10年のほうがピート香が重厚です。
味わいは、ラフロイグ セレクトのほうにはシェリー樽由来のフルーティーな甘さがあり、少しまろやかで飲みやすい印象です。
ただし、ラフロイグ 10年と比較すると熟成年数の低い原酒を使用している影響から、ラフロイグ セレクトにはピリピリとしたアルコール感が感じられます。
香りや味わいを比較してどちらのほうが優れているということはできませんが、同じラフロイグでも好みが分かれます。
ラフロイグ セレクトと10年のどちらを飲むべきか判断するために、選ぶポイントを3つ紹介します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ラフロイグをはじめとするアイラウイスキーは、強いピートスモークが特徴的な個性のあるウイスキーであり、その中でもラフロイグは好きになるか嫌いになるかの2択しかないと言われるほどクセのある銘柄になります。
ラフロイグのシングルモルトを購入するには最低でも5,000円近くかかることから、購入しても苦手で飲めなかったという状況は避けたいところです。
アイラウイスキーをまったく飲んだことがない場合は、10年を購入するよりもセレクトを購入するほうが取っつきやすく初心者向けです。
ラフロイグに興味があってもアイラウイスキー自体を飲んだことがないために、不安がある場合はセレクトから購入すると良いでしょう。
ボトルを購入していなくてもバーなどでラフロイグをはじめとするアイラウイスキーを飲み慣れている方や、他のアイラウイスキーを飲み慣れている場合は、セレクトを購入すると物足りないと感じる可能性があるため、10年から購入することをおすすめします。
アイラウイスキーの種類についてはこちらの記事で紹介しています。
スコッチ・シングルモルトでおすすめのアイラモルトの特徴と種類について
ラフロイグ 10年とラフロイグ セレクトは参考価格を比較すれば、ラフロイグ セレクトのほうが安く購入できます。
香りや味わいに違いはありますが、どちらもラフロイグの特徴を味わえることから、単純に価格を重視してセレクトを選ぶのも選択肢のひとつになります。
特にシングルモルトは価格が高くなりやすいことから、重厚で強いピートスモークが良いなどのこだわりがなければ、ラフロイグ セレクトに十分に満足したうえで節約できることでしょう。
アイラウイスキーの安い銘柄を求めている方はこちらの記事で紹介しています。
アイラウイスキーの安い銘柄は? ピート香が特徴の6つの銘柄を紹介
ラフロイグ セレクトとラフロイグ 10年の大きな違いは、使用するウイスキー樽と熟成年数の表記であるため、違いにおいて何を重視するかも選ぶポイントになります。
例えば、シェリー樽熟成のウイスキーが好きな方であれば、シェリー樽の原酒を使用しているラフロイグ セレクトのほうが好みになりやすいです。
一方で、ウイスキーの熟成年数にこだわる場合は、ラフロイグ 10年のほうが熟成年数が長く、若い原酒特有のアルコール感を感じない完成度の高い味わいを楽しめることでしょう。
違いを理解したうえで、想定される香りや味わいを想像する上級者向けの選び方もあります。
ラフロイグ セレクトとラフロイグ 10年の違いについて解説しましたが、必ずしもどちらかをおすすめできるわけではないため、自分に合った銘柄を選ぶことが重要です。
ラフロイグに対する興味の方向性や、何を求めるかによって適した銘柄も変わるため、それぞれの違いについて理解しておきましょう。
10年とセレクトに関わらず、ラフロイグはスコッチでも一度は飲みたい唯一無二の個性を持った銘柄であるため、興味を持ったなら飲むことをおすすめします。