アルマニャックのおすすめ銘柄は? コニャックとの違い、美味しい飲み方を解説
- ウイスキー基礎知識
お酒について知っていく中で、バーボンとウイスキーはなにが違うのか疑問を持った人もいるかもしれません。
簡単に説明すればバーボンはウイスキーの種類の一つであり、バーボンはその中でも知名度が高いことからウイスキーとは別の独立したお酒と思われることがあります。
種類が豊富なウイスキーですが、反対にブランデーとウイスキーは共通点はあっても違うお酒であるため、お酒を知るなら種類を正しく理解したいところです。
この記事では、バーボンとウイスキーの違いを解説したうえで、バーボンウイスキーの味わいの特徴や味を理解できるおすすめ銘柄を紹介します。
この記事のポイント
バーボンとウイスキーの違いは、バーボン自体がアメリカの主にケンタッキー州で製造されるウイスキーであるため、違いはなく同一のお酒です。
ウイスキーには、スコッチ、アメリカンなど、国ごとに種類が分けられています。
さらにアメリカンウイスキーは、特定の条件を満たして製造したウイスキーをバーボン、ライなどに分類しています。
肉で例えるなら、牛肉、鶏肉、豚肉などの種類があり、牛肉の中でも特定の部位はカルビ(バラ)と呼ばれ単体でも知名度が高いです。
つまり、バーボンとウイスキーの違いを聞くことは、カルビと肉の違いを聞いているようなものになります。
バーボンはウイスキーの種類の一つであり、バーボンウイスキーであることを理解したうえで、バーボンに興味を持ったなら味わいの特徴について理解しておきましょう。
個別具体的なウイスキー・お酒の種類とバーボンとの違いを解説していきます。
アメリカンウイスキーを代表するウイスキーには、ジャックダニエルがあります。
こちらのウイスキーはバーボンウイスキーの条件を満たしているため、バーボンウイスキーに分類されることもありますが、ジャックダニエル蒸溜所はジャックダニエルをテネシーウイスキーに分類しています。
テネシーウイスキーはバーボンウイスキーの条件を満たしたウイスキーがさらに以下の条件を満たすことで名乗ることが許されるボトルです。
テネシーウイスキーの条件
テネシーウイスキーはその名の通りテネシー州で製造されることが条件であり、さらにチャコールメローイング製法と呼ばれるサトウカエデの炭で蒸溜後の原酒をろ過する工程を行う必要があります。
アメリカの法律上ではバーボンウイスキーと分類しても間違いではありませんが、ジャックダニエルを中心とするテネシーウイスキーはバーボンウイスキーと比較して2つの違いがあることを理解しておきましょう。
ジャックダニエルの種類と味わいについてはこちらの記事で紹介しています。
アメリカンウイスキーでは大きく分けてバーボンウイスキーとライウイスキーの2種類があります。
バーボンウイスキーは主原料がとうもろこしであるのに対して、ライウイスキーはライ麦を使用していることが違いです。
ただし、バーボンウイスキーと一部の100%ライ麦を使用しているボトルを除いてライウイスキーも、とうもろこし・ライ麦が使用されており、小麦・大麦も含まれています。
とうもろこしを51%以上含有しているのがバーボンウイスキー、ライ麦を51%以上含有しているのがライウイスキーと定義されているので、定義で理解しておきましょう。
ジムビームのようにバーボンウイスキーとライウイスキーのボトルの両方をリリースしている場合もあります。
どちらもアメリカンウイスキーで複数の穀物を使用している場合が多いですが、使用している主原料が異なる点が違いといえるでしょう。
バーボンとライの違いについて詳しく知りたい場合はこちらの記事をチェックしてください。
バーボンウイスキーとライウイスキーの違いは? 6つのおすすめ銘柄も紹介
バーボンと並んでウイスキーの代表的な種類となっているのがスコッチウイスキーです。
日本のコンビニ・スーパーマーケットでウイスキーのコーナーを見た場合、多くの場合はスコッチとバーボン、スコッチの製法を参考に作られた国産ウイスキーを中心に販売されています。
バーボンとスコッチは製造方法において様々な違いがあり、同じウイスキーではあるものの別物といって良いでしょう。
その中でも主な違いについて以下の表にまとめました。
項目 | バーボン | スコッチ |
国 | アメリカ | スコットランド(イギリス) |
スペル | Whiskey | Whisky |
主な原料 | とうもろこしなどの穀物 | モルトウイスキーは大麦 |
熟成樽 | ホワイトオークの新樽 | 新樽・古樽問わず自由 |
まず、バーボンはアメリカ製ですが、スコッチはスコットランド(イギリス)製であり、製造している国が違います。
その影響からバーボンウイスキーのスペルはWhiskeyと表記することが多いのに対して、スコッチウイスキーのスペルはWhiskyと表記されるなどの綴りの違いがあることも面白いところです。
主な原料はバーボンがとうもろこしなどの穀物に対して、スコッチの中でも代表的な種類であるモルトウイスキーの場合は原料に大麦が使用されます。
同じ蒸溜所の原酒で大麦のみを使用したウイスキーはシングルモルトと呼ばれますが、銘柄によるものの個性が強く、一般的に万人受けしにくいといわれることがあります。
そのため、スコッチではモルトウイスキーに、とうもろこし、ライ麦、小麦などを原料とするグレーンウイスキーをブレンドすることで味わいの完成度を高めるブレンデッドウイスキーが主流です。
バーボンもスコッチのブレンデッドも最終的には複数の穀物を使用したウイスキーになる点は共通しているといえます。
熟成樽はバーボンではホワイトオークの新樽と定められており、古樽や他の種類の樽で熟成することが認められていません。
スコッチはオーク樽で熟成させること以外には樽の種類における条件はなく、かつてはシェリー酒を熟成した古樽のシェリー樽が主流でした。
現在ではバーボンが新樽のみを使用するため古樽が余ることから、スコッチは使用済みのバーボン樽を使用して熟成させることが主流となっています。
スコッチウイスキーとバーボンウイスキーの詳しい違いはこちらの記事で紹介しています。
スコッチウイスキーとバーボンウイスキー!原料や製法の違いとは?
バーボンはウイスキーに分類されますが、ブランデーは同じ蒸留酒ではあるもののウイスキーには分類されないため、種類の異なるお酒です。
バーボンが穀物を原料にするのに対して、ブランデーはブドウなどの果実を原料にする点が違いとなっています。
ブランデーは主にフランスで生産されていますが、バーボンと同じアメリカでも生産されているお酒です。
しかし、フランス産のブランデーは品質を守るために規定が非常に厳しく、一般的によく聞かれるブランデーの銘柄であるコニャック、アルマニャック、カルヴァドスを名乗るためには厳しい条件があります。
そのため、一般的に知られる代表的なブランデーはフランスで製造されています。
ブランデーのおすすめ銘柄とウイスキーとの詳しい違いについてはこちらの記事をチェックしてください。
ブランデーの初心者向けおすすめ銘柄10選! ウイスキーとの違いも解説
バーボンというお酒に興味を持った方は、バーボン全体の味わいの特徴を理解しておきましょう。
バーボンウイスキーはとうもろこしを主原料にしているウイスキーであり、ライ麦、小麦をブレンドして複数の穀物を使用します。
とうもろこしは51%以上使用する必要があり、反対に80%以上とうもろこしを使用したウイスキーはコーンウイスキーと呼ばれます。
バーボンウイスキーの味わいは、アメリカンホワイトオークの新樽で熟成し、樽の熟成によって得られる風味によってバニラとキャラメルを思わせるような甘く力強い味わいです。
とうもろこしを主原料としていることから、なめらかな口あたりであり、飲みやすい印象を持つウイスキーとなっています。
ただし、原料の比率によって味わいは変化することから、銘柄によって味わいに個性が出ることになります。
甘みのある銘柄が多いことから、ウイスキーを初めて飲む人でも飲みやすいため、バーボンはお酒をあまり飲み慣れていない人も気に入りやすい味わいを持っているといえるでしょう。
ウイスキーの原料についてはこちらの記事で紹介しています。
ウイスキーの原料はモルト(大麦)だけではない! 種類によって変わる味わいとは?
バーボンの味に興味を持った方や、バーボンの味わいが気に入った方は、バーボンの醍醐味を体験できる銘柄を飲んでみましょう。
今回はバーボンを代表するおすすめ銘柄を紹介します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
画像引用:https://products.suntory.co.jp/d/085246500576
メーカーズ・マークは、全国のコンビニ・スーパーなどで販売されている手軽に購入できる銘柄であり、バーボンの飲みやすさを実感できる味わいがあります。
バニラを思わせる香りには、ハチミツやオレンジなどのフレーバーが伴います。
ふっくらした小麦のまろやかな甘みが特徴となっており、シルクのようになめらかな口あたりから女性からの人気が高いバーボンです。
飲みやすいバーボンから飲んでみたい方はこちらのメーカーズ・マークから挑戦してみましょう。
画像引用:https://products.suntory.co.jp/d/5060045590251/
ジムビーム ハニーは、典型的なバーボンウイスキーの特徴を持つバーボンを代表する銘柄であるジムビームにハチミツの風味を加えて飲みやすくしたボトルです。
ジムビームは、バーボンらしいバニラやキャラメルのような力強い味わいがありますが、セメダインとも表現される薬品香やアルコール感の強さから初めて飲む人は飲みにくいかもしれません。
この様な飲みにくさをハチミツを加えることで緩和しており、まろやかで飲みやすい味わいに仕上げています。
バーボンは銘柄によっても飲みやすさが異なることから、飲みやすいバーボンを選びたい場合は、ジムビーム ハニーのように特定のフレーバーを加えたウイスキーを選ぶこともおすすめです。
画像引用:https://www.wildturkeybourbon.com/ja-jp/products/wild-turkey-8-yo/
ワイルドターキー 8年は、バーボンの力強い味わいを堪能したい場合におすすめの銘柄であり、パンチの強さを重視したウイスキーです。
ナッツのような香ばしさ、ピリッとしたスパイスの刺激があり、ハーブの爽やかな香りがあります。
バニラとキャラメルの濃厚なパンチのある甘みに、フルーツを思わせる優しい甘みも感じられるため、ウイスキーらしい複雑な風味が味わえます。
飲みごたえがありながら、飲みやすさも両立したボトルであるため、本格的なバーボンの味わいを試してみたい場合はワイルドターキーに挑戦してみましょう。
バーボンウイスキーは一般的にアメリカのケンタッキー州で製造されるウイスキーのことを指しますが、近年ではケンタッキー州以外でもバーボンの条件を満たすウイスキーが製造されています。
具体的には、「コーヴァル シングルバレル・バーボン」などが該当しますが、法律上ではケンタッキー州以外で製造されたウイスキーがバーボンを名乗ることは認められています。
一方で、テネシーウイスキーのようにバーボンとは別のウイスキーを名乗る銘柄もあり、アメリカ国民の意識もケンタッキー州以外で製造されたバーボンをバーボンとは認めないという意見を持っていることもあるようです。
法律上の解釈で判断するなら、条件を満たしていればバーボンを名乗ることが認められています。
ケンタッキー州以外で製造されるバーボンのコーヴァルについてはこちらの記事で紹介しています。
ウイスキーの中でもバーボンは色々な角度から考えても特別なポジションにいるウイスキーとなってきています。
現在のバーボン以外のウイスキーは、伝統的な熟成樽であったシェリー樽の数が減ったことから、バーボンを熟成させたバーボン樽を使用して熟成させることが主流となっているからです。
バーボン以外の現在生産されているスコッチなどの別のウイスキーも、使用する熟成樽を考えるならバーボンなしでは製造できなかった銘柄も多いです。
バーボンは、ウイスキーという枠組みとは別物として認識してしまうほど影響力のあるお酒といえるでしょう。