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【イベント告知】オーストラリアのケープ・バイロン蒸留所が初のウイスキーを発売

2024.04.19 / 最終更新日:2024.04.19
オーストラリアのケープ・バイロン蒸留所が初のウイスキーを発売

オーストラリアのケープ・バイロン蒸留所(ニューサウスウェールズ州バイロンベイ)が今年8月、創業以来初となるシングルモルトウイスキーを発売した。

同蒸留所は、ウイスキーの蒸留所としては珍しく熱帯雨林地帯に建造されている。アイラウイスキーの象徴であるジム・マキューアンとマスターディスティラーのエディ・ブルックが手掛けるウイスキーとして、世界が注目する蒸留所だ。ケープバイロンでは、熱帯雨林を保全するため、ウイスキー造りにさまざまな工夫が取り入れられている。

オーストラリアウイスキーとは?

世界6位の国土面積を誇るオーストラリアでは、1つの国に多様な気候帯が混在している。熱帯雨林や砂漠地帯に加え、積雪がみられる山岳地帯など変化に富み、地域ごとに全く異なった風土をもつ。

多様で豊かな自然環境は、醸成されるウイスキーにも影響を及ぼしている。多くの蒸留所が位置するタスマニアでは、ウイスキー造りに最適な気候(1日の気温差や季節変動など)と高品質な仕込み水が注目されている。多様な気候を活かしたバラエティ豊かなウイスキーは、一国内で生産されたとは信じられないほどだ。

また、オーストラリアではシングルモルトウイスキーが主流。多くの蒸留所がウイスキーと並行してジン、ウォッカ、リキュールなど他の蒸留酒を生産している。ウイスキー造りの歴史は浅いが、規制が少なく比較的自由なスタイルのウイスキー造りが行われている。

ジム・マキューアンとの出会い

今回、オーストラリアの一蒸留所がこれほどまでに注目を浴びている所以は、アイラウイスキーの象徴であるジム・マキューアンの存在にあるだろう。

capebyrondistillery.comより引用 (左)エディ・ブルック(右)ジム・マキューアン

・ジム・マキューアン

元ボウモア蒸留責任者。

アイラ島のボウモアで生まれたマキューアンは、15歳でボウモア蒸溜所の見習いの樽職人としてキャリアをスタートし、その後ウイスキーの在庫を管理するセラーマスターとなった。

1976年にはグラスゴーに移りモリソン・ボウモアのブレンダーとして活躍。1986年、ボウモア蒸溜所にマネージャーとして戻り、同社の革新的な製品を生み出したことを評価され、広報大使として世界中を駆け巡った。2001年には、ブルイックラディ蒸溜所の生産ディレクター兼マスターディスティラーとなり、同蒸留所の改修やウイスキーの品質向上に貢献した。

マッキューアンはウイスキー業界で最も知られた人物の一人だ。世界的なウイスキー雑誌「ウイスキーマガジン」では殿堂入りを果たしている。ディスティラー・オブ・ザ・イヤーに2度も選ばれるなど、多くの受賞歴をもつ。2015年、52年間にわたって携わってきたウイスキー業界を引退。その後も、2018年にオープンしたアードナホ蒸溜所(アイラ島)の設計に関り、同蒸留所の生産も監督している。

彼が2014年にオーストラリアを巡るプロモーションツアーに参加した際、ディスティラリーマスターのエディ・ブルックと出会った。当時ツアーコンダクターを務めていたエディは、熱帯雨林やオーストラリアの可能性についてマキューアンと語り合い、彼にインスピレーションを与えたという。

2人が意気投合し、レインフォレスト(熱帯雨林)・ジン開発の計画が持ち上がるまで時間はかからなかった。その後、熱帯雨林を有するバイロンベイでウイスキーを蒸留するアイディアが生まれた。2019年2月にプロジェクトが始動。こうして、ジム・マキューアンが手がけるケープ・バイロン蒸留所初のウイスキーが世に出されることとなった。

オーストラリアならではの環境意識の高さ

オーストラリアは高い環境意識で知られており、ケープ・バイロン蒸留所も突出した環境対策を行っている。世界的にも認められ、同蒸留所は2020年にアイコン・オブ・ジンアワードで「サステナブル・ディスティラリー・オブ・ザ・イヤー」を受賞した。

こうした環境配慮の背景には、ディスティラリーマスター エディ・ブルックの強い信念がある。彼はバイロンベイで育った。彼の森林保護への情熱と長年の経験、ジム・マキューアンとの出会いが重なり合い、この地に蒸留所を誕生させたのだ。

また、同蒸留所は「ビッグスクラブ」と呼ばれる熱帯雨林地帯に位置している。ビッグスクラブが現存するのは豪国土の1%未満で、希少な熱帯雨林として保護対象となっている。

蒸留所の土地は、以前は酪農地として使用されていた。1988年、当時の所有者であった夫妻が35,000本以上の植林を行い保全に務め、現在は多様な動植物が定着している。実際に、ケープ・バイロン蒸留所のジンには、同地域で採取されたハーブ・スパイス17種類が使用されているそうだ。

現在は、蒸留所公式HP内のECサイトで購入することができる。

出典
ケープ・バイロン蒸留所(Cape Byron Distillery)
https://capebyrondistillery.com/

ウイスキー.com
https://www.whisky.com

ウイスキーマガジン
http://whiskymag.jp

ウイスキーキャスト
https://whiskycast.com

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