ラフロイグ蒸溜所 : 世界中の人々を魅了するアイラモルトの王【現地レポート】
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2024年12月5日(木)、東京・西新宿にあるダイニングバーBAR FIVE Arrowsにて、「第2回 英国クーパレッジ特別セミナー&熟成用空き樽即売会」を株式会社クレア・ライフ・パートナーズ(Dear WHISKY運営企業)主催で開催いたしました!
ウイスキー熟成用の空き樽の需要が高まる昨今、透明性や来歴を重視した質の高い空き樽をご提供するだけでなく、空き樽についてのノウハウを広めていきたいと考え、クレア・ライフ・パートナーズ提携のクーパレッジCEOによるセミナーや質疑応答を中心としたイベントを開催いたしました!空き樽のリペア方法の実演も交え、より実務的な観点からの空き樽の取り扱いや、世界中のウイスキー業界でトレンドとなっている熟成用空き樽を使った原酒のつくり分け、「イノベーション」について解説いただきました。
イベント当日、12月5日に発表された2025年度のWWA(ワールドウイスキーアワード)において、スコットランド1位に選ばれたクーパレッジのCEOによる、リペア実演やセミナーの様子に加え、懇親会や即売会の詳細について詳しくご紹介いたします。
次回は2025年4月末の開催を予定しております。ご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。
日時 | 2024年12月5日(木) 11:00~17:30 |
会場 | BAR FIVE Arrows 〒160-0023 東京都新宿区西新宿1-13-1 今佐ビル6F BAR FIVE Arrows ホームページ |
アクセス | JR 新宿駅 徒歩3分/都営大江戸線 都庁前駅 徒歩5分 |
費用 | お一人様15,000円(税込み) (軽食・ドリンク付き) |
定員 | 10社 |
お申し込み方法 | 本イベントは蒸溜所様向けのイベントです。関心のある方は、media@dearwhisky.comへお問合せください。 |
お問合せ | 株式会社クレア・ライフ・パートナーズ(Dear WHISKY運営企業) ウイスキー事業部 メール:whisky@crea-lp.com 電話:03-6279-0812 酒類販売業免許:新法9174(小売・通信・輸出入・卸売) |
11:00 | 空き樽リペア実演 |
12:00 | 昼食休憩 |
13:00 | ご挨拶 |
セミナー(講師:クーパレッジCEO) | |
質疑応答 | |
ワイン試飲・在庫空き樽紹介 質疑応答 | |
懇親会 | |
終了 |
今回のセミナーで講師を務めたのは、クレア・ライフ・パートナーズ提携クーパレッジの代表の方です。彼は、スコットランド・フランス・アメリカ・アイルランドに拠点を持つ、樽製造会社のCEOを務めており、12月5日に発表された2025年度のWWAにおいて、彼のクーパレッジがスコットランドNo.1に選ばれました!
ワインやスピリッツの業界で20年以上の経験を持ち、その豊富な専門知識と世界中のネットワークを活かして、最高品質のカスクを世界中へ提供しています。
ボルドー大学でワイン醸造学の修士号を取得後、ボルドー最古のワインメゾン、Barton & Guestierに入社。その後、24年以上にわたり、ワインやスピリッツ業界のさまざまな会社で活躍してきました。
特に最近の10年間では、スピリッツの開発と革新に注力。クーパレッジでは高品質な樽を見分ける技術を習得し、樽材の選定にも携わりました。また、コニャックの蒸溜所ではマスターブレンダーとして60以上の商品開発に関与。その豊富な経験を基に、樽製造会社を立ち上げました。
代表の独自のコネクションから仕入れた樽は、その品質の高さで評判を呼び、マッカラン蒸溜所やディアジオ社など、著名なウイスキー関連企業にも多くの樽を提供しています。
蒸溜所様方より要望の声が多くいただいたため、空き樽の取り扱いやリペアの方法をセミナーにて解説いただくだけでなく、実際のリペア道具をスコットランドよりお持ちいただき蒸溜所の皆様の前でリペアの方法や検品する際に着目すべき点について、実演を交えて解説いただきました。
実際に弊社が9月に購入したバーボン樽を新宿に取り寄せ、オフィスビルに囲まれながら前代未聞の空樽リペアを行いました。
ご用意した空き樽の状態としては、中身を抜いてから期間が空いたため、乾燥が進みフープが緩んで来ていたのですが、適切な水張り・保水とフープの締め直しを行うことで、全く問題なくウイスキーの熟成に使用いただけるとのことです。実演を通して質疑応答の時間も設けさせていただき、実際に蒸溜所の方々がご自身で再現していただけるよう、細かな疑問点などにもクーパレッジCEOが丁寧に解説してくださいました。
今回のセミナーでは、多くの大手スコッチ蒸溜所とも取引のあるクーパレッジCEOの解説のもと、より実務的な面を基本に立ち返り解説していただきました。加えて、世界中にクライアントを持つ彼が考えるウイスキー業界の新たなトレンド「イノベーション」について、生まれた背景と有効的な取り入れ方について解説していただきました。
クーパレッジCEOがまず説明したのが、空き樽の仕入れから実際に原酒を詰める段階までの空き樽の取り扱い方法です。空き樽は新樽や中古樽関係なく、ほとんどの場合蒸溜所についた段階では乾燥が進んで木材が縮んだ状態にあります。水を張ってこの乾燥をなくし、保水していく工程をリハイドレーションと呼びます。このような水を張って樽を元の状態に戻していく水張りの工程は、実際日本でもほとんどの蒸溜所様が行われていますが、そのリハイドレーションの正しい実施方法を樽の特性に合わせて、丁寧に解説いただきました。
さらには、生産量の制限などによって空き樽にすぐに原酒を詰められない蒸溜所が多い日本の現状に合わせ、中身が入っていない状態でも出来る限り品質を損なわない空き樽の保管方法などもご紹介いただきました。
25年近いお酒業界でのキャリアを通して、CEO自身が経験してきた空き樽業界のトレンドの移り変わりや需要と供給などの状況の変化についてお話しいただきました。その中で、伝統的な空き樽の価格高騰や供給量の制限というのは裏を返せば、新たな空き樽での熟成を試みる「イノベーション」のチャンスであるとし、そういった取り組みを通して個性あふれるウイスキーをつくることがグローバルトレンドであると説明しました。
蒸溜所数が日本国内のみならず世界中で増え続けているウイスキー業界において、「イノベーション」をブランドの差別化やマーケティングの材料として利用する造り手が増えてきています。
その際、出来上がるウイスキーの味わいや香りをコントロールするにはどう言った要素を変えていけばいいのか、どの部分が一番大きな影響を及ぼすのかなど、より実務的なお話を通して、空き樽の品質の重要性や最大限のポテンシャルの活かし方などをご説明いただきました。
ノウハウが溜まりづらい状況下にある日本のウイスキー業界において、空き樽というのは特に専門性が高くまだ知識不足を不安視する蒸溜所の方々のご意見を多くいただいたため、より実務的かつ直接的な知識回収を行うべく、本イベントでは第1回に比べ、質疑応答の時間を前回の2倍に相当する、120分を用意させていただきました。※記事内に記載しているQ&Aは実際に行われたQ&Aを簡略化して記載したものになります。
質問者:
水張りを経てもなかなか漏れの止まらない樽はどうしたらいいでしょう?
クーパレッジ代表:
フープの締め直しやさらなる水張り(リハイドレーション)、それでも止まらなかったらワックスなどを使ってリペアしましょう。
フープを締めるためのドライバーとハンマー、そしてナチュラルワックスさえあれば、90%ほどの漏れに対応できます。
質問者:
空き樽の内部にカビが発生してしまった場合の対処方法を教えてください。
クーパレッジ代表:
個人的には、将来性や機会損失を踏まえて使用しないことをおすすめします。もしそれでも使用したい場合には、まず内部のカビの種類の特定から始めなくてはいけません。知見がある人に確認してもらい、原因特定することで対処可能なカビなのかどうか、どのような対処方法が有効かを見極めなくてはいけません。
質問者:
リハイドレーションを行うにあたり、使用する水の種類や性質などに気をつけるべき点はありますか?
クーパレッジ代表:
フィルターを通した、塩素を含まない水を使用することをお勧めしています。塩素が樽内の木材と化学反応をおこし、埃やカビのような香りを生み出してしまう可能性があるので、水道水を直性使用することは避けてください。
一度そのような香りがついてしまうと、なかなか取り除くのが難しくなってしまいます。
今回のセミナー内容の一部抜粋となるのですが、ワインやスピリッツなどの中古樽を、ウイスキー熟成に使用した際に一番大きな影響を与えるのは、元々詰められていた原酒だそうです。その原酒の酒類だけでなく、品質や味わいなどにも重きをおいて空き樽を選定していただきたいという思いから、弊社が取り扱う空き樽に関しては以前使用していた製造元の情報をできる限り集め資料化するだけでなく、中身の原酒を取り寄せテイスティングをしていただけます。
今回ご提供可能な空き樽より、直接取り出した原酒を味わうことで、熟成するウイスキーへどういった影響を与えるのかイメージが膨らむ、効率的かつ理に適った空き樽の選定方法です。
当日ご紹介するすべての空き樽に、来歴証明・仕様書を添付しており、ご希望の場合は1樽から購入することができます。
パロ・コルタドシェリー | 偶発的に生まれた背景と、製造の再現性の難易度の高さから「幻のシェリー」と称される希少なシェリー。さまざまなシェリーを掛け合わせたような複雑な味わいを持つ。 |
シャトー・パルメ | 「真のマルゴーワイン」との呼び声高い、第3級シャトーながら5大シャトーに匹敵するほどの品質と人気を誇る最高級赤ワイン。力強さとエレガントな香りのバランスが特徴。 |
シャトー・ディケム | 世界三代貴腐ワインの一つ、ソーテルヌワインの中で唯一特別一級を授かったデザートワイン。貴腐由来の複雑な香りと、自然な甘さが特徴の最高級デザートワイン。 |
シャンパン | 「ビルカール・サルモン」という200年以上続く老舗メゾンがつくる、大人気シャンパン。厳格な製造規程や味わいへのこだわりが生み出す、最高品質のシャンパンブランド。 |
ピノ・デ・シャラント 30年 | フランスの伝統的なお酒を組み合わせた、知る人ぞ知る高級酒精強化ワイン、ピノ・デ・シャラント。ブドウを煮詰めたような甘さと、コニャックの熟成香が人気の秘訣。 |
コニャック 20年 | フランス西部、コニャック地方で生産されるブランデーの一種。イヴォン蒸溜所にて20年間使用されていた空き樽にはドライフルーツやチョコレートの香りが染み付いている。 |
アグリコールラム | その製造の大変さから、ラムの総生産量のうち5%以下しか作られていない、100%サトウキビジュースを原材料としてつくられるアグリコールラム。複雑な風味と甘さが特徴。 |
グランマルニエ 20年 | お菓子づくりなどにも使用される、香り高く甘味の強い最高級のオレンジリキュール。ベーススピリッツにコニャックを使用し、樽熟成も経るため複雑で滑らかな味わいを持つ。 |
バーボン | 直接提携のバーボン蒸溜所より仕入れ、厳格な品質検査を通過したバーボン樽のみをお取り扱い。 |
オロロソシェリー | シェリーのトップブランド「ゴンザレス・ビアス」にて、1年以上シーズニング。カラメル、ナッツ、エキゾチックなフルーツ。 |
ルビーポート | ポルトガルの「サンタ・マルタ」で生産される酒精強化ワイン。鮮やかなルビー・レッド色と赤い果実やストロベリーを思わせる香り。 |
1週間の来日期間では、代表とDear WHISKYスタッフが国内の蒸溜所を訪問しました。
蒸溜所への訪問を通して、ウイスキーの味わいを分析するだけでなく実際に使用されている空き樽の様子やつくりの環境を見学させていただきました。訪問中には蒸溜所の方々から疑問や質問を多くいただき、その場で解決方法などの解説が行われました。
お問合せ | 株式会社クレア・ライフ・パートナーズ(Dear WHISKY運営企業) ウイスキー事業部 メール:whisky@crea-lp.com 電話:03-6279-0812 酒類販売業免許:新法9174(小売・通信・輸出入・卸売) |