【独占インタビュー】ロンドンで多岐に渡って活躍するバーテンダーの岡田隆一郎さんへインタビュー!
世界最大級のカクテルの祭典「ロンドンカクテルウィーク」。
世界中のバーテンダーがカクテルの聖地ロンドンに集まり、自慢のカクテルを振舞うイベントです。その中でもイギリス国内で活躍する7名の日本人バーテンダーが集まる「JAPAN NIGHT」は大盛況だったそうです。
今回Dear WHISKYは「JAPAN NIGHT」の発案者で、カクテルのケータリングサービス「Kampai Cocktails」で活躍するバーテンダーの岡田隆一郎氏に独占インタビューを行いました。
インタビュー記事第1弾では「JAPAN NIGHT」での様子をお伝えしましたが、第2弾では岡田さんのこれまでの歩みや「Kampai Cocktails」でのお仕事、イギリス初のティースピリッツ開発背景についてお伝えします。
ぜひお楽しみください!
岡田隆一郎さんのご紹介
ロンドンの大学に進学し、経営学を勉強する傍ら、華やかなお酒の世界に興味を持ち、バーでアルバイトを始める。その後ロンドンのトップバーで経験を積み、カクテルの勉強や接客サービスを学ぶ。26歳には日本に帰国し、東京ディズニーランドの会員制フレンチレストランで働き、フロントチームのマネージャーを務める。同時期にワインソムリエの資格も取得。
再びイギリスに戻ると、Kampai Cocktailsというカクテルのケータリングサービスを開始。現在は年間約150件ほどのサービスを行っている。さらに、イギリス初のティースピリッツを開発し、WICKER BASKETを立ち上げた。
kampai cocktails 開業までの歩み
ロンドンへの留学とバーとの出会い
Dear WHISKY:
岡田さんはどのような学生時代を過ごされていたのですか?
岡田さん:
ロンドンの大学に留学して経営学を勉強していました。お酒を扱う華やかな世界に憧れがあり、20歳のときにデトロイトというバーに行きました。そのとき、バーテンダーがカクテルを作る姿に感動して、バーでのアルバイトを始めました。最初はバーテンダーのお手伝いの作業がメインでしたが、バーテンダーの技術を目で盗んだり、本を読んだりして勉強していました。
Dear WHISKY:
岡田さんがよく練習されたカクテルや思い出深いカクテルはありますか?
岡田さん:
思い出深いのはブラッディメアリーですね。トマトジュースが入っていて、イギリスではメジャーなカクテルです。
著名なバーやディズニーランドでの修行
Dear WHISKY:
デロイトというバー以外でも働かれていたのですか?
岡田さん:
他にも様々なバーで働きました。実は最初はフリーダムというバーで働き始め、その後バーテンダーを志すきっかけになったデトロイトやロニースコッツという歴史ある有名なジャズバーで働きました。その後、日本へ帰国してディズニーランドのクラブ33というレストランで3年半ほど働き、ソムリエの資格も取得しました。
Dear WHISKY:
日本へ帰国して、ディズニーランドで働かれていたのですね!
岡田さん:
日本のディズニーランドは特にサービスのレベルが高いです。接客術を始め、「おもてなしの精神」を学びました。その後、再びイギリスに行ったのですが、バー以外の場所で働いてみたいと考えるようになりました。
Dear WHISKY:
そこからなぜKampai Cocktailsを始めようとお考えになったのですか?
岡田さん:
イギリスではホームパーティーなどの食事のケータリングサービスがあるのに、カクテルのケータリングサービスや出張サービスがほとんどないことに気付きました。そこで、カクテルのケータリングサービスである、Kampai Cocktailsという事業を始めました。
Kampai Cocktailsでの取り組み
開業当初の様子
Dear WHISKY:
Kampai Cocktailsを開業した当初はいかがでしたか?
岡田さん:
正直なところ最初はあまり依頼がなく、開業して2、3年は年に10件ほどでした。しかし、パーティーで出会ったお客様からクチコミが広がり、色々なパーティーで呼んでいただけるようになりました。
Dear WHISKY:
現在は年間何件ほどの依頼を受けているのですか?
岡田さん:
年間約150件ほどの依頼を受けています。インターネットやSNSで特に大きな宣伝などはしていないのですが、口コミや友人の推薦のような形で広まっていきました。
カクテルを作る上で、大切にしていること
Dear WHISKY:
岡田さんがカクテルを作る上で、大切にしていることはありますか?
岡田さん:
お客様がバーテンダーに求めているのは、美味しいお酒を作ることだけでなく、雰囲気作りや笑顔でサービスすることだと思います。サービスの質を落とさないために、年間150件以上の依頼を受けることがないように調整しています。
岡田さんが目指すバーテンダーの姿
Dear WHISKY:
岡田さんはどのようなバーテンダーを目指していますか?
岡田さん:
美味しいお酒を作ることはもちろん、より居心地の良い雰囲気を作れるようなバーテンダーを目指しています。お客様の日常の嫌なことや、悩んでいることを少しでも和らげられる空間を提供していきたいです。
イギリス初のティースピリッツ開発について
WICKER BASKETというティースピリッツを造ったきっかけ
Dear WHISKY:
どうしてティースピリッツを造ろうと考えたのですか?
岡田さん:
コロナウイルスの蔓延によるロックダウン中に、ボトルのカクテルの試作をしていましたが、なかなか上手くいきませんでした。そこで、イギリスではどのような商品が売れるのかと考えた結果、紅茶にアルコールを混ぜたお酒を造ることに決めました。
Dear WHISKY:
どのようなお客様をターゲットとされていたのですか?
岡田さん:
ターゲットはKampai Cocktailsのお客様に多い富裕層の女性ですね。女性向けということもあり、甘さを抑えつつ飲みやすいお酒を作りました。
引用:https://www.wickerbasketdrinks.com/
原料のこだわり
Dear WHISKY:
すべてのドリンクを無添加やグルテンフリーにしているのはなぜですか?
岡田さん:
イギリスで発売されているほとんどの飲料は、添加物が入っているので、差別化を図ろうと思いました。
Dear WHISKY:
スピリッツなども岡田さんがご自分で決めているのですか?
岡田さん:
もちろんです。使用しているスピリッツや茶葉も自分が美味しいと感じたものを選びました。
Gin, Jasmine Tea, Lychee & Rose の味わいの特徴やこだわり
Dear WHISKY:
Gin, Jasmine Tea, Lychee & Roseはどのような味わいなのでしょうか?
岡田さん:
お茶にはジャスミンティーを使用しています。ライチとローズの華やかな味わいで、酸味を抑えています。ジャスミンティーのほのかな苦みを大切にしています。
引用:https://www.wickerbasketdrinks.com/order/p/country-feast-set-3nybt-kpync-j3fsn
Vodka, Darjeeling Tea, Pear & Cardamom の味わいの特徴やこだわり
Dear WHISKY:
Vodka, Darjeeling Tea, Pear & Cardamomはどのような味わいなのでしょうか?
岡田さん:
お茶にはダージリンティーを使い、Gin, Jasmine Tea, Lychee & Roseよりも甘さを控えめにしました。ダージリンの味を出すことに苦労し、試行錯誤の結果オータムフラッシュというダージリンティーの茶葉を使用することで、ダージリンの味を引き出すことができました。
引用:https://www.wickerbasketdrinks.com/order/p/country-feast-set-3nybt-kpync-prr6s-znz4s
ティースピリッツについて今考えていること
Dear WHISKY:
今後造りたいと考えているティースピリッツはありますか?
岡田さん:
アールグレイやアッサムなど、様々な地域の紅茶を使用したいです。焼酎などの日本のお酒も使いたいですね。
Dear WHISKY:
紅茶と焼酎を使ったドリンクというのは面白いですね。いつか日本でも飲んでみたいです!
岡田さん:
現在はイギリス国内の限られた地域でしか販売されていませんが、いずれ日本でも販売したいですね!
岡田さんからDear WHISKYの読者へのメッセージ
Dear WHISKY:
最後に、Dear WHISKYの読者に向けてメッセージをお願いします!
岡田さん:
お酒に興味のある方は海外へ足を運び、その土地ならではのお酒と楽しみ方を発見してみてください。現地のバーを訪ねたり、酒屋さんを覗いてみることで、文化の違いを肌で感じることができます。そのような体験がお酒を楽しむ人生を一層豊かで魅力的なものにしてくれるのではないでしょうか。
さいごに
以上、岡田さんへのインタビュー第2弾でした!
Kampai Cocktailsでのバーテンダーとしてのお仕事やWICKER BASKETでのティースピリッツの開発秘話などをお伺いしました!2種類のティースピリッツもいつか飲んでみたいですね!これからも岡田さんの活躍からは目が離せません!岡田さん、この度はありがとうございました!