【独占インタビュー】Bar K6オーナー西田稔さんにインタビュー!
- Bar(日本)
- 繋ぎ手
今回は、Bar BenFiddichのオーナーを務める鹿山さんにインタビューをさせていただきました!こちらのBar BenFiddichさんは、東京の西新宿にある看板のないBarです。
また、世界のTop50に日本で唯一選出され続け、アジアTop50では2022年に5位にランクインしたなど国内外から注目のBarになります。
第1弾となる、今回の記事では鹿山さんについて、Bar BenFiddichのこだわり、そして世界トップ50のBarに選出されたことについてインタビューさせて頂きました。
Bar BenFiddichのオーナー鹿山博康さんは、埼玉県出身で中高時代は野球人生を送り、その後はホテルに勤めていました。20歳でバーテンダーになり、その翌年には自分の店を持つことを志します。
バーテンダーになって9年後、29歳の時に念願となる自身のバー Bar BenFiddich を創業し、もはやBar好きの間で知らない人はいない、世界Top50に選定され続けるほどの著名なBarになっています。
Dear WHISKY:
バーテンダーになるまでの経歴が様々ですが、何故バーテンダーになろうと思ったのでしょうか?
鹿山さん:
小箱のBar文化にとても惹かれたからですかね。当初はホテルに務めていたのですが、21歳の時にいわゆるゴールデン街にあるようなBarではなく、今のお店よりも店内が狭いくらいの街場のBarを回る中で夢が出来ました。それこそが、いつか自分のお店を持って、小箱のBarのマスターになりたいという夢です。
Dear WHISKY:
西新宿でお店を開かれた理由は何かありますでしょうか?
鹿山さん:
自分の馴染みのある思い出深い場所で開きたいと思っていたので、もともと池袋か新宿で物件を探していました。最終的な決め手は物件のご縁です。
当初は西新宿にお店を構えたことで、新宿の他のバーテンダーの方や、近くのオフィス街の方などが常連さんとなってくださったことが非常に嬉しかった思い出です。
Dear WHISKY:
Barの看板でもあるこのBenFiddich という名前には由来などあるのですか?
鹿山さん:
実は私の苗字が由来です。私の苗字は、鹿に山と書いてカヤマと読みます。
スコットランド・ゲール語だと、この「鹿」が「フィディック」で「山」が「ベン」となりますので、それを合わせたのが由来になります。
ちなみに余談ですが、「グレンフィディック」というのは「グレ」が「谷」なので「鹿の谷」という意味があります。
Dear WHISKY:
独創的な店内の中でも特にこだわったポイントはありますか?
鹿山さん:
カウンター上の照明にあるアブサンというお酒の原料ですね。僕自身、実はアブサンが大好きなんですよ。
Dear WHISKY:
これがアブサンの原料なんですね!初めて見ましたが、鮮やかな色のアブサンを思わせない繊細で可愛らしいハーブで驚きました。ちなみに、アブサンのどういったところがお好きですか?
鹿山さん:
やはり世界観ですかね。
アブサンに限らず植物全体に言えることかもしれませんが、植物の主体としてなるものが全て1つの液体に溶け込んでいるという”神秘性”が非常に好きです。
Dear WHISKY:
アブサンの原料の他に何かご紹介していただける店内のポイントを教えてください。
鹿山さん:
最近、バースプーンを使うことをやめたことがポイントになると思います。代わりに木の枝をバースプーンとして使っています。
Dear WHISKY:
何故バースプーンを使うことをやめてしまったのですか?
鹿山さん:
ある時、バースプーンってバースプーンじゃなくても良いんじゃないかと気づきました。少し哲学的にはなりますが、バーテンダーになったら当たり前のようにバースプーンを使う一種のルールのようなものがありました。しかし、そんな必要は全くないということに気付いて、そして同時に気づかなかった自分に危機感を覚えました。
他のバーとの差別化という意図もありますが、加えて、自分の畑とか、自分の畑の周りの植物でカクテル作ってるのだったら、回す棒も変えたいと感じました。
自分の畑のテロワール(その土地の特徴を最大限引き出す)のもの使ったら、もっと満足性が高いのかなという思いが強いです。
Dear WHISKY:
世界のTop50に選ばれた際の率直な感想はいかがでしたか?
鹿山さん:
本当に嬉しい限りでした。すみません、それでしか表せないくらいの喜びでした。いきなり電話がかかってきて、選出されたと聞いたときは、なんとも表現し難い感動でしたね。
Dear WHISKY:
日本で唯一世界のTop50に選ばれたのちに何か変わったことはありましたか?
鹿山さん:
海外からのお客様が非常に増えました。やはり The World’s 50 Best Bars を見てお越しになるお客様は海外の方が多く、中には全世界を回っているようなお客様もいらっしゃいます。いわゆる日本にもいらっしゃるバーホッパーのような方にお越し頂きました。
世界中のBarを知っている方にお越しいただきお話をお伺いできるのもまた楽しいですね。
Dear WHISKY:
Top50に選出される前後でずっと変わらないことや貫いているこだわりはありますか?
鹿山さん:
毎日日記を書くことです。中学3年生の15歳から現在の39歳までずっと書いているので、もうかれこれ24年経っていますね。
この日記が記憶のトリガーになっていて、様々な記憶を思い出すことが出来ます。
すごく嬉しかったり辛いことは記憶にあると思いますが、私としては何でもないような日常が愛おしい限りです。
Dear WHISKY:
約25年に渡って習慣である日記はバーを営む上でどのような影響を与えましたか?
鹿山さん:
継続することの大切さを改めて感じました。
今は開業して10年が経ちますが、バーは継続することが大事だと思っています。
たとえ場所が別の地に変わってしまったとしても、この先20、30、40年と「Bar BenFiddich」として変わらず継続して店を構えて居たいと強く感じます。
第1弾では、BenFiddichの名前の由来やBenFiddichのこだわり、そして世界トップ50のBarに選出されたことについてのインタビューさせて頂きました。
当たり前を当たり前と思わない観点や、継続するという簡単そうに見えて非常に難しいこと、鹿山さんの様々な価値観がこのBar BenFiddichを創り出していると強く感じました。
第2弾では、鹿山さんがカクテル作りにおいて大切にしていることや従業員の方へのインタビューになります!ぜひお楽しみください!