【海外マーケット】WWA2024受賞ボトルを一挙ご紹介!
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ペルノ・リカール傘下のシーバス・ブラザーズ社は、所有しているアベラワー蒸溜所とミルトンダフ蒸溜所に8800万ポンド(約140億円)を投資することを発表しました。世界的に高まるスコッチの需要増に対応し、持続可能なウイスキー造りを推進する目的です。この度の拡張により、シーバス・ブラザーズの生産量は年間1,400万リットル増加する見込みです。
シーバス・ブラザーズ社の会長兼CEOであるJean-Etienne Gourgues氏は、「シーバス・ブラザーズ社は再び、スコッチの未来へ大きく賭けをする」と述べています。
今回の大規模投資が行われたアベラワー蒸溜所とミルトンダフ蒸溜所は、スコットランド北部のスペイサイド地方に位置するウイスキーの蒸溜所です。これらの蒸溜所では大幅な改修が行われ、ビジターセンターが拡張されます。スペイサイド地域における更なる観光客の誘致と、地域経済の活性化が期待されています。また、ミルトンダフ蒸溜所では、新たに最先端のサステイナブル技術を取り入れた蒸溜所施設が建設される予定です。バイオプラント・蒸発装置を活用することで、年間1,000万リットルの生産能力増加が見込まれています。
ミルトンダフのシングルモルトは、バランタインブレンドの中核を担っており、他のシーバス・ブラザーズ社のブレンデッドウイスキー(Chivas Regal, Royal Salute, The Glenlivetなど)にも多く取り入れられています。シーバス・ブラザーズ社の更なる生産力の向上が予測されています。
ペルノ・リカール社によれば、今回の投資は、シーバス・ブラザーズ社のスコットランドへのコミットメントをさらに推進するものであり、中南米・中東・アフリカ・アジアでの市場拡大に対応するものです。シーバス・ブラザーズ社の2月の半期決算では、シーバス・ブラザーズ社の売上高は23%増加し、パンデミック前の水準を超える回復を見せています。
さらに、シーバス・ブラザーズ社は、2026年までに蒸溜所ネットゼロを達成すると掲げており、この度の両蒸溜所の整備は目標達成の足がけとなるのではないでしょうか。中でも、この度導入されたバイオプラントとMVR(Mechanical Vapor Recompression)は、ポットスチル1基で90%のエネルギー削減が可能です。
シーバス・ブラザーズ社は、2026年までにポートフォリオにある実装可能な蒸溜所全てにMVR技術を導入すると宣言しています。両施設は、2025年半ばまでにフル生産体制に入る予定です。