ミクターズ蒸溜所

当初はシェンクス、後にボンバーガーズと呼ばれ、最終的にミクターズとして知られるようになったウイスキー会社は、1753年にスイスのメノー派（キリスト教の一派）の農家であるジョン・シェンクがペンシルベニア州シェファーズタウンに設立しました。設立当初、シェンク社は、蒸溜所があったペンシルベニア州ブルーマウンテン渓谷で好んで栽培されていたライ麦を原料にウイスキーを製造していました1800年代半ばにペンシルベニアのオランダ人であるエイブラハム・ボンベルガーが蒸溜所を購入し、蒸溜所はその後何十年にもわたってボンベルガーズとして知られるようになりました。1919年に禁酒法が成立すると、他のアメリカの蒸留酒メーカーとともに、この蒸溜所も一般への門戸を閉ざさざるを得ませんでした。禁酒法廃止後、蒸溜所は再開されましたが、その後数十年の間に何度も経営が変わり、しばしば不安定な財政状態に陥りました。1950年代、当時のオーナーの一人であったルー・フォーマンは、息子の名前であるマイケル(Michael)とピーター(Peter)の一部を組み合わせて、現在のミクターズ(Michter’s)というブランド名を作り上げました。1989年、アメリカのウイスキー産業全体が長引く不況に見舞われる中、ミクターズの当時のオーナーは破産を宣言し、ペンシルバニア州の事業を放棄してしまいました。 1990年代、ジョセフ・J・マグリオッコと、彼のコンサルタントであり恩師でもあったリチャード・”ディック”・ニューマンが手を組み、ミクターズのブランドを復活させました。彼らはケンタッキー州にミクターズ・フォートネルソン蒸溜所とミクターズ・シャイブリー蒸溜所の2つの蒸溜所を設立しました。