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アルマニャックのおすすめ銘柄は? コニャックとの違い、美味しい飲み方を解説

2024.12.20 / 最終更新日:2024.12.20

アルマニャックは、コニャックと同様に世界三大ブランデーに数えられる白ブドウを使用した蒸溜酒のことです。

近年のブランデーにおいてはコニャックのほうが有名ですが、実はアルマニャックはコニャックよりも歴史は古く、フランス最古のブランデーと呼ばれています。

生産量が少なく半数以上が地元のフランスで飲まれるため、日本に輸入されるアルマニャックは限られることから、ブランデーを選ぶ場合も意識的に選ばなければ選択肢に入らないこともあります。

販売されている銘柄の多くが長い歴史を持つ名門のブランデーであるため、歴史に裏打ちされた洗練された味わいのブランデーを飲みたい方にアルマニャックはおすすめです。

この記事では、アルマニャックについてコニャックとの違いを含めて解説した上で、おすすめ銘柄、美味しい飲み方を紹介します。

この記事のポイント

  • アルマニャックについてコニャックとの違い、製造方法を解説
  • アルマニャックのおすすめ銘柄、美味しい飲み方を紹介

アルマニャックとは?

アルマニャックは、フランス南西部のガスコーニュのアルマニャック地方で製造される高級ブランデーです。

アルマニャックの基準はAOC(Appellation d’Origine Contrôlée)によって定められており、該当する地方で一定の条件を満たしたブランデーのみがアルマニャックを名乗ることができます。

アルマニャックは白ブドウを原料とする歴史あるブランデーであり、アルマニャックに関する最古の記録が14世紀まで遡ることから、700年以上の歴史を持つことになります。

歴史と伝統によって古くから製造されてきたブランデーであり、ブランデーの中でも代表的な種類であるコニャックとは異なる魅力を持つお酒です。

アルマニャックとコニャックの違い

アルマニャックとコニャックは、カルヴァドスを加えて共に世界三大ブランデーに数えられます。

カルヴァドスは世界三大ブランデーの中でもりんごを原料とすることから、他のブランデーと明確な違いがあります。

しかし、アルマニャックとコニャックは原料も同じ白ブドウを使用することから、違いがわかりにくいかもしれません。

アルマニャックとコニャックの違いを以下にまとめました。

内容 コニャック アルマニャック
製造地域 ボルドー地方 ガスコーニュ地方
蒸溜器 単式蒸留器 連続式蒸留器
蒸溜回数 2回 1回
味わい 雑味が少なくまろやか 複雑で野性味がある
熟成年数 2年 1年
年間生産量 億単位 数百万単位

まず、明らかに異なる点を挙げるなら製造地域であり、コニャックはボルドー地方で製造されますが、アルマニャックはガスコーニュ地方で製造されることから、製造される場所が異なることがわかります。

次に製造方法の違いとしてコニャックは単式蒸留器を用いて2回蒸溜しますが、アルマニャックは連続式蒸溜器で蒸溜回数は1回のみです。

製造方法の違いにより、コニャックは2回蒸溜することで雑味が少なくまろやかな味わいになり、アルマニャックは複雑で野性味があるワイルドな味わいと表現されます。

販売するための最低熟成年数もコニャックが2年以上、アルマニャックが1年以上となっていることも違いです。

また、年間生産量はコニャックが億単位で生産されているのに対して、アルマニャックはわずか数百万単位しか生産されておらず、市場規模が大きく異なることがわかります。

同じフランスで製造されるブランデーであり共通点も多いですが、明確に異なる種類のブランデーといえるでしょう。

アルマニャックと同じ世界三大ブランデーのコニャック・カルヴァドスについてはこちらの記事で紹介しています。

アルマニャックの製造方法とランク

アルマニャックを名乗るために必要な製造の条件は以下の通りです。

  • フランスのガスコーニュのアルマニャック地方で製造する
  • 指定された10種類の白ブドウのみを原料として使用できる
  • 蒸溜は連続式蒸溜器で回数は1回のみ
  • 最低1年間、オーク樽で熟成させる
  • 指定された添加物のみを使用する

発酵させる白ブドウは10種類の指定がありますが、実際に使用されているのは主に4種類であり、ユニ・ブラン、バコ、フォル・ブランシュ、コロンバールです。

蒸溜は2回蒸溜を行うコニャックとは異なり、アルマニャックは連続式蒸溜器で1回のみ行い、52%~72%のアルコール度数の蒸溜液を取り出します。

また、アルマニャックを名乗るには最低1年間のオーク樽による樽熟成が必要であり、ウイスキーと同様に樽熟成の年数が増加するほど深みのある味わいを持つ希少なお酒となっていきます。

アルマニャックには指定された添加物をボトル詰めの際に使用することが認められており、水、糖、カラメル色素、オークチップの4種類です。

アルマニャックは白ブドウを収穫して発酵させ、蒸溜を行い、オーク樽で熟成させ、必要があればブレンド・添加物を使用してボトル詰めすることで完成します。

アルマニャックのランク

アルマニャックは、BNIAによってコニャックとは異なる独自のランク基準が定められています。

コニャックのランクについて知っていれば、見たことがあるかもしれませんが、実は同じランクでも基準が異なります。

アルマニャックのランク基準は以下の通りです。

ランク コント 平均熟成年数
スリースター(★★★) コント1以上 特になし
VS(Very Special) コント2以上 特になし
VO(Very Old) コント4以上 特になし
VSOP(Very Superior Old Pale) コント4以上 5年~10年
ナポレオン(Napoléon) コント5以上 5年~12年
XO(Extra Old) コント5以上 25年~30年

コントとは熟成年数の基準であり、コント00を樽詰めしてから4月1日になるまでとして、コント0を最初の4月1日以降として以降は4月1日を迎えるたびにコント1、コント2とグレードアップしていきます。

ただし、実際に販売されているアルマニャックの場合は必ずしも商品名にランクが入っているわけではなく、ウイスキーのように熟成年数が表記されているケースもあります。

そのため、必ずしも上記のランク表からアルマニャックの質を個別に計ることはできないかもしれませんが、ランクのあるアルマニャックを見つけたら参考にしましょう。

ブランデーのランク・コントについてはこちらの記事で詳しく紹介しています。

ブランデーのランク(等級)の違いは? VO、VSOP、XOなどの意味を解説!

初心者に向いているアルマニャックのおすすめ銘柄

ここまでの内容を踏まえて、アルマニャックを初めて飲む人におすすめできる銘柄を紹介していきます。

  • ジェラス 10年
  • ジェラス 30年
  • シャボー VSOP
  • サンヴィヴァン VS
  • サンヴィヴァン XO
  • タリケ VSOP
  • ル・マルク VSOP
  • ル・マルク XO EXTRA
  • カステルフォール

ジェラス 10年

画像引用:Amazon.co.jp

アルマニャックを代表する銘柄がジェラスですが、こちらのボトルはウイスキーと同様に熟成年数を数字で表記していることが特徴です。

レーズンを思わせるような濃厚なフルーティーさが特徴であり、アルマニャックらしい情熱的で複雑な風味が堪能できます。

10年以上熟成した質の高い原酒を使用しており、アルマニャックの中でもコスパに優れることから入門酒に最適です。

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ジェラス
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ジェラス 30年

画像引用:Amazon.co.jp

ジェラス家の歴史は1246年まで遡ることが可能であり、1865年の会社設立以来同族経営を守り続けている伝統的なジェラスの長期熟成ボトルです。

ジェラスの熟成年数は60年を超えるボトルも存在しており、熟成年数の長いブランデーを飲みたい方に最適な伝統のあるブランドとなっています。

繊細な香りと複雑なアロマのある贅沢な味わいの長期熟成のジェラスを飲みたい方は、30年物から挑戦してみましょう。

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ジェラス
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シャボー VSOP

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シャボーはフランスの初代海軍元帥であるフィリップ・ド・シャボーの末裔が、1828年に興したブランドであり、歴史あるアルマニャックです。

VSOPのランクを持つことから平均熟成年数は5年以上であり、フルーティーで上品でバランスの取れた完成度の高い味わいです。

ジェラスと並ぶ知名度を持ったアルマニャックであり、どちらも価格帯は同じであることから好きなボトルを選んでみましょう。

サンヴィヴァン VS

画像引用:https://item.rakuten.co.jp/kawachi/3147690083207/

サンヴィヴァン VSは、中世の手拭き瓶をイメージした個性的なボトルを使用する特徴的なアルマニャックであり、ランクはVSとなります。

アルマニャック地方の各地から原酒を集めて、アルマニャックらしいワイルドさを残しながらマイルドな味わいに仕上げています。

ランクの低いアルマニャックであることから、より低価格のアルマニャックを探している人におすすめです。

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サンヴィヴァン
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サンヴィヴァン XO

画像引用:https://item.rakuten.co.jp/liquorsbest/202000801/

アルマニャックの中でもトップクラスのランクであるXOを持つサンヴィヴァンであり、濃厚で個性的な味わいが特徴的です。

プル―のような甘さとレザーやタバコを思わせる香りがあり、コクのあるなめらかな口あたりが魅力となっています。

ランクの高いアルマニャックを手軽に飲みたい方はこちらのボトルを選んでみましょう。

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タリケ VSOP

画像引用:https://www.sapporobeer.jp/product/overseas_liquor/tariquet-bas-armagnac-vsop/

アルマニャックの名手といわれるタリケが製造するVSOPランクのアルマニャックです。

ミントのようなすっきりした香りに、バニラとフルーツを思わせる甘みが特徴であり、口あたりまろやかとなっています。

コストパフォーマンスの高さから、アルマニャックの銘柄の中でも近年において支持されています。

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Domaine du Tariquet(ドメーヌ・デュ・タリケ)
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ル・マルク VSOP

画像引用:https://item.rakuten.co.jp/maisondenormandie/ar0240s/

ル・マルクは1回蒸溜ではありますが、コニャックにならって反復蒸溜方式と呼ばれるゆっくりした蒸溜にすることで、アルマニャックの中でも飲みやすい味わいに仕上げています。

プラムとほのかなバニラの香り、プルーンやシトラスを思わせる甘みと驚くほどなめらかな口あたりが特徴です。

アルマニャックの中でも飲みやすいボトルを選ぶならこちらがおすすめとなります。

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ル・マルク XO EXTRA

画像引用:https://item.rakuten.co.jp/maisondenormandie/ar0440jp/

ル・マルクブランドの中でも最高峰に位置するXOのアルマニャックであり、特別な樽で30年以上熟成させています。

くるみやアーモンドなどナッティな風味が特徴であり、柔らかな甘さと深いアロマが魅力です。

ル・マルク VSOPを飲んで、より高ランクのアルマニャックを飲みたくなった方に向いています。

カステルフォール

画像引用:https://item.rakuten.co.jp/wineuki/907003/

カステルフォールは、ド・カステルフォール社のブランデーであり、ヴィンテージ物のアルマニャックです。

堅牢な要塞の意味を持つカステルフォールは長らく愛されているブランドであり、年度が記載されています。

熟成年数の長さからは想像がつかないほど価格が安いため、ご自身の誕生年のアルマニャックを見つけて購入することも可能です。

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アルマニャックの美味しい飲み方

最後に、アルマニャックの美味しい飲み方を紹介します。

  • ストレート
  • ソーダ割り

それぞれ詳しく見ていきましょう。

ストレート

アルマニャックに限らずブランデーの基本的な飲み方はストレートとなっています。

アルマニャックの力強く野性味のある香りや味わいをダイレクトに味わえるためおすすめです。

まずは香りをゆっくりと楽しみながら、水や炭酸水などのチェイサーを挟みながら飲んでみてください。

ソーダ割り

ブランデーはストレートが基本といわれますが、ウイスキーと同様に炭酸水で割る飲み方も合います。

特に強炭酸のソーダと合わせるとアルマニャックのワイルドな風味と相性が良く、爽快感のある味わいが魅力となります。

ブランデーの炭酸割りはフレンチ・ハイボールと呼ばれますが、アルマニャックを含めてブランデーは自分の飲みやすい飲み方で飲むのが一番です。

ブランデーのソーダ割りについてはこちらの記事でも紹介しています。

ブランデーのソーダ割りのフレンチハイボールとは? 作り方・おすすめ銘柄

まとめ

アルマニャックは、コニャック、カルヴァドスと並び、世界三大ブランデーに数えられる野性味があると表現される複雑な風味を持つお酒です。

コニャックと共通点はありますが、製造方法をはじめとする違いから味わいの方向性も異なります。

ウイスキーにも共通する複雑な味わいを持つブランデーであることから、今回紹介した初心者向けのボトルからアルマニャックを試してみましょう。

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