山崎 ノンエイジ/NV(ノンヴィンテージ)とは? 味わいとおすすめの飲み方を紹介
- ウイスキー銘柄
ベルはスコットランドで造られているブレンデッドウイスキーですが、イギリスで非常に人気を博しており、売り上げシェアは全体の20%程度もあります。
イギリスではかつて『NO.1スコッチ』ともいわれていました。
スコットランドでは3番目に売れているウイスキーでもあります。
1983年には英国女王陛下特別輸出奨励賞を受賞し、英国市場はもとより世界市場での功績を称えられております。
日本でも1000円前後で購入できるコスパの良さが嬉しいウイスキーですね。
ベルという名前も『鈴』や『鐘』を思わせるとても個性的で素敵な名前ですね。
このベルという名前は創業者の『アーサー・ベル』が由来ではありますが、結婚式のウェディングベルを思わせるため、お祝いごとでよく飲まれています。
創業者のアーサー・ベルは当初は営業マンだったそうですが、ゆくゆくは会社の代表にまでなりました。
夢のある話ですね。
非常に努力家だったわけです。
本記事ではベルの種類と製法と歴史について解説し、おすすめの飲み方も紹介します。
この記事のポイント
ベルの起源は1825年、スコットランドのハイランドとローランドの境界に位置するパースという街で生まれました。
この街にあるサンデマン商会という会社に1845年、アーサー・ベルは入社します。
サンデマン商会は酒販店でトーマス・サンデマンという人物が1825年に興した会社ですが、1837年にはジェームズ・ロイとアレックス・ミラーという人物に事業が引き継がれました。
アーサー・ベルが外回り営業マンをしていた当時は基本的にウイスキーのブレンドが禁止されており、ブレンドが解禁になっても粗悪なブレンデッドウイスキーばかりでした。
どういったものかといえば、モルトとグレーン原酒を数種類混ぜ合わせただけのもので、あまり美味しいとはいえませんでした。
そこで隠されたアーサー・ベルの手腕が発揮されます。
先見の目をもっていたベルは上質なしっかりとした熟成感をもったモルトとグレーン原酒をブレンドすればより美味しいブレンデッドウイスキーができるだろうと考えていたのです。
そういった構想から当時、営業マンだったベルは外回りで培ったスキルをもとにスコットランド中の蒸留所を巡って上質なモルトやグレーン原酒を探し回りました。
その結果、彼がブレンドしたブレンデッドウイスキーはそれまでとは比較にならない美味しさで好評となりました。
その功績が認められ、ベルは1851年にサンデマン商会の代表にのぼりつめます。
会社はイギリスのロンドンに代理店を置くまでに成長しましたが、『アーサー・ベル&サンズ社』という名前になったのは息子の代からになります。
この名前は1895年に二人の息子によってつけられたものです。
1904年に会社名が最初にラベルに登場しました。
アーサー・ベル&サンズ社は息子たちの営業功績により、アーサーが亡くなる1900年頃までには北アメリカからオーストラリア、ニュージーランド、インド、セイロン、南アフリカと世界中に販路を伸ばしました。
ウイスキー不況を乗り越えたアーサー・ベル&サンズ社は蒸留所の買収を開始し、ブレアアソール、ダフタウン、インチガワーを傘下に収めました。
ここからベル・オリジナルのキーモルトはブレアアソールを中心に以下になります。
エリア | キーモルト |
南ハイランド | ブレアアソール |
スペイサイド | インチガワー |
スペイサイド | ダフタウン |
ローランド | グレンキンチー |
アイラ | カリラ |
ハイランド・1993年まで | ブラドノック |
前述でもご紹介しましたが、ベルという名前は結婚式のウェディングベルを連想させる、夫婦の門出を祝うおめでたい名前なので、それにちなんで結婚式で飲まれることが多かったのです。
そのため、ボトルのキャップに『afore ye go』、つまり「船出の前に」や「汝ら、いざ進め!」という意味の言葉が印字されています。
これは、創業者のベルがお祝い事の席でよく口にしていた言葉で、ウイスキーが販売されたばかりのころは広告にも掲載されたそうです。
また、注目をひくのがラベルには中央にスーツ姿の男性。
こちらはアーサー・ベル氏がモデルになります。
ベルの味わいは全体的にかるめですがしっかりとしたスモーキー感を実感できます。
スモーキーでスパイシーではありますが、バニラやカカオの甘さ、オーク樽熟成の風味も
感じられます。
オールドボトルは香ばしさとハーバルな甘さ、土気のあるほのかにピート香やスパイシーさがおいしい秀逸な作品。
かつてはピティバイクが使われてといわれており、1980年代流通の20年もののボトルをみつけたら是非お試しいただくことをおすすめします。
ベルのおすすめラインナップをご紹介します。
画像引用:Amazon.co.jp
色は少し赤みがかった濃い目の琥珀色が特徴。
アルコール度数は40度ですが粘性の方もしっかりと感じ取ることができます。
アロマはキャラメルや黒糖、バニラ香もしっかりと感じられます。
バニラ香と同時にアーモンドのような香ばしさもあります。
僅かなアクセントにピート香も捉えられます。
鼻を突くようなアルコールの刺激感はほとんどなく、濃厚な甘い香り立つウイスキーといった感じです。
格安ウイスキーですが、香りは本格派のフルーティが漂っているかと思います。
味わいは軽い飲み口でありながら、ビターでスモーキーで美味しいです。
沢山の原酒を使っておきながらもバランスよくまとまっていて、とげのない非常に飲みやすい仕上がりとなっています。
ボディ自体は非常に軽くグイグイと飲みやすいですがビター感と穏やかなスモーキー感が初心者からツウのかたまで楽しめる仕上がりとなっています。
口に含むと驚くほど軽い舌ざわりを楽しめまして黒糖やキャラメル風味がビターに変化します。
スパイシーさはほとんどなく、するっと喉を通ってスモーキー感もでてきまして、余韻はほとんどありませんが、コンパクトにまとまったという印象です。
画像引用:京家 リカーバーン祇園 ワイン直販
ベル8年はカリラが、中心となっているため香りからかなり独特な癖、スモーキーなヨード香やハニー。
若干、好き嫌いわかれるかもしれません。
味わいは、スムースで軽く喉をするりと通り抜けますが、レモングラスというか、草っぽさの中にピート、後から、甘みとフルーツの爽やかさがあります。
画像引用:Amazon.co.jp
こちらは酒齢12年以上のモルト・グレーン原酒をブレンドした上位ボトルになります。
中々、見かけることができず、たまにみかけてもオークションで高値がついているかも・・・。
香りはキャラメルやバニラ香に少し草っぽさ、オーク樽の木質感もあります。
味わいはカカオのビターやアーモンドの香ばしさが主張していますが、植物の茎のような渋みが少しあり、ビスケットの香ばしい甘みを感じさせ、後から焦がしたキャラメルのような印象を残します。
余韻は熟したオークと微かなスモーキー感。
全体的に口当たりが軽く、ドライでありながら熟成感を感じられる複雑な味わいが特徴です。
画像引用:Amazon.co.jp
ベル20年は今は流通していない銘柄です。
もしかしたらバーなどで取り扱っている場所もあるかも??
アロマは黒糖、バタークッキー、ナッツといった小麦の甘みをしっかりと感じられる仕上がり。
味わいはハチミツやクッキー、懐かしい麦菓子のような甘味が特徴的です。
フィニッシュにシェリー樽由来の風味を感じさせるところが見事です。
画像引用:Amazon.co.jp
こちらは現在終売となったボトルなので、ネットなどで運よく見かけたらゲットできるといったところでしょうか。
酒齢21年以上のオールドボトルの長熟らしい、深い木質感や、麦の甘み、シェリー樽由来の香りもします。
味わいはミディアムで、麦の甘みを強く感じます。
後半はオーク材からくるスパイシー、しっかりとしたウッディな香りが長く鼻腔に居座ります。
画像引用:楽天市場
人気の陶器(セラミック)ボトルは様々なバリエーションがあり、お祝いごとなどに人気があります。
上記の写真はセラミックですが、ボトルにメタルシールが貼ってあるものもあります。
英国の皇室でお祝い事がある度にリリースされているようで、エリザベス2世の生誕75周年を記念して2001年にリリースされたデキャンタはロイヤルブルーに金で彩色された陶器に8年もののベルを入れた限定品で非常に美しくプレミアものです。
ベルは完全にハイボール向きです!
ストレートで飲む時よりもさらに飲みやすい仕上がりになり、ビター感が控えめになり、スモーキー一色になり、非常に食中酒向きになります。
爽やかなフレッシュさもあります。
ベルの一番評価すべき点はやはり、味のクオリティが高いのに1000円前後で購入できてしまうところでしょう。
ベルに近い価格帯のウイスキーだとティーチャーズのハイランドクリームなどは同じようなスモーキー感をもっていますが、ベルのようにビターな甘さがあってしっかりスモーキー感があるというのはこのような価格帯では中々探しても見当たらないかと思います。