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- ウイスキー基礎知識
ウイスキーの価格を考えた時、3,000円~5,000円程度の価格から1万円以上の価格で販売されている銘柄があるのに対して、ブラックニッカは1,000円程度で販売されており、安い理由に疑問を持った方もいるかもしれません。
ブラックニッカは複数の種類が販売されていますが、その多くが1,000円台で購入可能であり、ブラックニッカ クリアなどの安い商品であればお店によっては1,000円を切る価格で販売されることもあります。
安いのに美味しく感じるため安さに疑問を持つ方もいれば、安過ぎるからこそ安易に購入できないと考える方もいることでしょう。
この記事では、ブラックニッカが安い理由、なぜ低価格で販売できるのかを詳しく解説します。
この記事のポイント
ブラックニッカとは、ニッカウイスキーが製造する国産ブレンデッドウイスキーであり、髭を蓄えた老人がラベルにデザインされていることから、ヒゲのおじさんのウイスキーとして長らく親しまれてきました。
ブラックニッカを象徴するヒゲのおじさんは、1965年の新ブラックニッカの誕生の際に初めてデザインされたキャラクターであり、キング・オブ・ブレンダーズという名前もあります。
全国のスーパーマーケット、コンビニエンスストアでお馴染みのブラックニッカですが、販売されているブラックニッカシリーズの価格をまとめました。
銘柄名 | 参考小売価格(税別) |
ブラックニッカ クリア | 990円 |
ブラックニッカ リッチブレンド | 1,460円 |
ブラックニッカ ディープブレンド | 1,650円 |
ブラックニッカ スペシャル | 1,490円 |
ブラックニッカには複数の種類がありますが、参考小売価格を参照すると、どの銘柄も税込で販売される場合であっても1,000円台程度で安く購入できることがわかります。
参考小売価格はあくまでメーカーが販売を推奨する希望価格であるため、小売店によっては上記よりも安い価格で販売されることもあります。
実際に小売店で販売される場合では、1,000円を切るということも考えられるでしょう。
結論として、ブラックニッカは1,000円台の予算で購入できるため、他のウイスキーと比較しても安い場合が多く、低価格で販売されている銘柄であるといえるでしょう。
ブラックニッカを含めて1,000円台で購入しやすい低価格のウイスキーはこちらの記事で紹介しています。
1,000円台で購入できるウイスキー12選! おすすめの飲み方も紹介
なぜブラックニッカが安く販売できるのか、その理由は主に3つあります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ブラックニッカが安い理由は、熟成年数が短い若い原酒を使用していることです。
基本的にウイスキーは、熟成年数の長い原酒を使用するほど価格が上昇しやすく、反対に熟成年数の若い原酒を使用すると安く販売しやすくなります。
ウイスキーの熟成にはコストがかかるため、熟成年数を短くするほどコストを削減できることから、安く販売しやすくなっています。
ただし、熟成年数が若いほどアルコール感が強く、風味の薄い原酒になりやすいことから、熟成年数の長い原酒と比較すればウイスキーとしての質は劣りやすいです。
価格を安くするにあたって熟成期間を短くすることは有効ではありますが、熟成年数の短い原酒を使用したことで、ブラックニッカはこだわる人にとっては満足できる質に届かないかもしれません。
ウイスキーの熟成期間による味わいの変化と、熟成に使用するカスク(樽)の役割についてはこちらの記事で紹介しています。
ウイスキーの熟成期間による味の変化とカスク(樽)の役割について
ブラックニッカは、原材料の成分表示を確認するとモルト、グレーンと表記されているため、ウイスキー以外のスピリッツを使用したものではないことがわかります。
ウイスキーの成分表示では、原材料にスピリッツと表記されていることがありますが、こちらが表記されているウイスキーはウイスキー以外のスピリッツを使用しているものです。
そのため、モルト、グレーン以外のウイスキー原酒を使用して低価格で販売する問題はありませんが、ブラックニッカはすべての原酒を日本で製造していない点が問題になります。
商品概要でも「一部輸入原酒を使用している」と注意書きがされており、すべてニッカウイスキーの日本の蒸留所で原酒を製造している竹鶴などのジャパニーズウイスキーと比較すると価格が大きく異なることがわかります。
日本の原酒はジャパニーズウイスキーの需要増加による品薄が続いており、すべてを日本の原酒で賄おうとするとコストが大きくかかってしまうことが現状です。
そのため、ブラックニッカは日本洋酒酒造組合の自主基準においてはジャパニーズウイスキーに合致しないことになっています。
ブレンデッドウイスキーとシングルモルトで比較すれば、味わいの良し悪しにかかわらずブレンデッドウイスキーのほうが安く販売しやすく、海外産の原酒を使用することが必ずしも品質を悪くすることにはなりません。
安く販売できる理由ではあっても、ブレンデッドとして効率を追求することが、品質の良し悪しに直結するとは言い難いです。
ジャパニーズウイスキーが品薄である理由と、具体的な現状はこちらの記事で紹介しています。
ジャパニーズウイスキーが品薄である3つの理由と具体的な現状を解説
ブラックニッカ クリアはアルコール度数が37%とウイスキーとしては度数が低くなっています。
度数の低いウイスキーは、瓶詰の際に加水される水が多い傾向にあります。
度数の高いウイスキーと比較すると、多く水を使用していることから1本のボトルに使用する原酒の量が少なくなるため、価格を抑えられるということです。
加水の量が増えれば、香りや風味が薄まるため、飲んでいても物足りないと感じやすくなります。
熟成年数の若さと同様に、ブラックニッカを飲んだときの満足感に直結する問題であるため、理解しておきましょう。
反対に一切加水をせず、樽出しの状態でボトリングするカスクストレングスについて知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
ウイスキーのカスクストレングスとは? おすすめ銘柄・飲み方も紹介!
ブラックニッカが向いている人の特徴の一例をまとめました。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ブラックニッカは、低価格でウイスキーを気軽に飲みたい人に向いているお酒であり、普段飲みのウイスキーを求めている人にも向いています。
ブラックニッカ クリアは通常の700mlのボトルに加えて、1mlあたりの価格をより安くできる紙パックタイプ、ペットボトルタイプも販売されています。
低価格を重視してウイスキーを飲むなら、おすすめの購入方法です。
その他にも、ウイスキー初心者で低価格の銘柄からウイスキーを購入したい場合にも、価格の安さと販売店舗の多さから簡単に購入できることでしょう。
品質にも多少こだわりたい場合も、ブラックニッカ クリアよりも少し価格が上がりますが、ディープブレンドなどの複数の銘柄が用意されているため、コスパのバランスを見きわめて商品を選べます。
安い理由に納得できるのであれば、ブラックニッカはリーズナブルで購入しやすく、さまざまな方におすすめのウイスキーです。
ブラックニッカの種類や味わいについてはこちらの記事で紹介しています。
ブラックニッカは、ストレートやロックなど、ウイスキーをそのままの状態で飲むよりもハイボールやジュース割りなどで加水して飲むほうが美味しく飲みやすくなっています。
熟成年数の若い原酒を使用していることから、ストレートやロックではアルコール感が気になる方も多いですが、ハイボールにすればアルコールの刺激が和らぐため飲みやすくなるからです。
普段飲みのウイスキーを飲むのにハイボールで楽しむ人は多いため、ハイボール用のウイスキーを探している場合に向いているといえるでしょう。
価格が安いことからコスパ良く飲みやすいため、ハイボール、ジュース割り、カクテルに使用するなどが理由であればブラックニッカはおすすめです。
ハイボールのコスパの良い飲み方と、おすすめ銘柄についてはこちらの記事で紹介しています。
ハイボールにおすすめの安いウイスキーは? コスパのいい飲み方も解説
ブラックニッカが安い理由を紹介しましたが、やばい? 危ない?などと言われるような危険が隠されているわけではありません。
もちろん、安い理由が品質の低下や満足感の減少につながる懸念はありましたが、普段飲みのウイスキーとしてハイボールなどの飲み方で飲むなら気にならない方も多いです。
安さを重視して選ぶならブラックニッカ クリア、品質も含めてコスパにこだわるならブラックニッカ ディープブレンドを選べば、安く販売されていても満足して飲みやすい銘柄といえます。