ブランデーの紅茶割りとは? カクテルの作り方とおすすめ銘柄をご紹介
- ウイスキー基礎知識
ブランデーを代表する種類がフランスのボルドー地方の北部にあるコニャック地方で製造されるコニャックであり、世界三大ブランデーを代表するブランデーの種類です。
Appellation d’Origine Controlee(原産地統制呼称)による決められた基準をクリアした銘柄のみがコニャックを名乗ることができます。
ブランデーの中でもコニャックを名乗れるだけで高級という印象を持たれることも多いですが、コニャックの中にもランクがあり、ランクが高いほどより高級です。
おすすめ銘柄は世界5大コニャックと呼ばれるブランドがあることから初心者を含めてその中から選ぶのが良いでしょう。
この記事では、コニャックのおすすめ銘柄について初心者向けのボトルを紹介し、美味しい飲み方を解説します。
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コニャックは、ブランデーの種類の一つであり、世界三大ブランデーの一つに数えられるブランデーを代表するお酒です。
ブランデーは果実を原料とする蒸留酒ですが、基本的にはブドウを原料としています。
コニャックは特定の地域・特定の品種の白ブドウを使用したブランデーです。
果実の味わいや香りが感じられることが魅力であり、ブランデーといえばコニャックという認識も強いです。
コニャックのブランドの品質を落とさないようにその格式を守っているのがAOC(Appellation d’Origine Controlee)であり、コニャックを名乗れるブランデーについて製造方法・産地などを細かく決めています。
そのため、コニャックはフランスの独自の厳しい基準によって生産される高級ブランデーです。
世界三大ブランデーとはコニャックを含めて以下のブランデーのことを指します。
コニャック・アルマニャックは同じブドウを原料とするブランデーですが、生産地や製造方法において違いがあります。
一方で、コニャックとカルヴァドスは、カルヴァドスがりんごを原料とするブランデーであることから、大きく異なるブランデーといえるでしょう。
ただし、見た目はウイスキーと同様に琥珀色をした液体になるため、グラスに注いだ状態では判別することは難しいです。
世界三大ブランデーは共通して、AOCの厳しい基準が課されており、条件を満たさなければ世界三大ブランデーを名乗ることはできません。
世界三大ブランデーの中でもトップクラスの知名度を持ち、広く知られているブランデーがコニャックです。
コニャックはブランデーの種類の一つであり、ブランデーとウイスキーは別のお酒です。
コニャックは白ブドウを原料とする蒸溜酒であり、ウイスキーは穀物を原料とする蒸留酒であることから、原料が大きな違いです。
味わいの方向性もコニャックが果実の風味を中心に味わえる風味ですが、ウイスキーは原料となる大麦や熟成樽の風味が味わえる違いがあります。
液体が琥珀色であることはコニャックとブランデーのみならずウイスキーにも共通する特徴であり、グラスに注いだ見た目だけでは判断が難しいかもしれませんが、味わってみるとその違いは歴然です。
コニャックの製造方法を解説する前にAOCが規定するコニャックの条件の例を以下にまとめました。
コニャックの条件
以上のことを踏まえた上でコニャックの製造方法について解説していきます。
コニャックの原料に使用される特定の品種の白ブドウは以下の種類になります。
基本的に指定された白ブドウを90%以上使用することが条件ですが、味わいを整えるなどを目的に10%以上他の品種のブドウの仕様が認められています。
フォリニャン、ジュランソン・ブラン、メスリエ・サン=フランソワなどが実際に混合されてコニャックが造られます。
コニャックの製造方法では、単式蒸溜器による2回蒸溜と、リムーザン産のオーク樽による熟成が条件として指定されています。
2回蒸溜する理由は、1回の蒸溜ではワインの不純物を取り除けないと考えられることから、2回蒸溜することで確実に不純物を取り除くためです。
しかし、同じ世界三大ブランデーのアルマニャックは半連続式蒸留による1回蒸溜となっているため、すべてのブランデーに該当するわけではありません。
1回目の蒸溜はプルミエショーフ(Premier Chauffe)と呼ばれ、3回を1セットとして2回目の蒸溜につなげます。
2回目の蒸溜はボンヌショーフ(Bonne Chauffe)であり、液体の種類を区別してその一部を熟成樽で熟成させます。
また、ウイスキーと比較すると樽の熟成における熟成年数の数え方が異なるのも、コニャックを含めたブランデーの特徴です。
ブランデーはコントで熟成年数を数え、蒸溜した段階の原酒はコント00と数えられます。
実際にブランデーとして出荷できるまでのコント数は以下の通りです。
コント | 期間 | 内容 |
コント00 | 蒸溜日~翌年4月1日 | 蒸溜された年度 |
コント0 | 最初の4月1日~翌年の4月1日 | 以降は4月1日を基準とする |
コント1 | 2回目の4月1日~翌年の4月1日 | - |
コント2 | 3回目の4月1日~翌年の4月1日 | ブランデーとして販売できる |
コント2の段階になるとコニャックとして販売できるようになるため、コント0を基準にするなら熟成年数は2年になります。
しかし、コント00を含めると熟成年数は2年を超えるため、コントの概念を知らない方に向けては便宜的に3年以上といわれることがあります。
コニャックについて製造方法を含めて理解したところで、具体的なコニャックの選び方について見ていきましょう。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
コニャックは、コニャックの中でも品質に優劣をつけるためにランクが規定されています。
ランクは使用されている原酒でも最も若いものを基準として、一番下のランクであるスリースター以外では平均熟成年数を含めて定めています。
コニャックのランクは以下の通りです。
ランク | コント | 平均熟成年数 |
スリースター | コント2以上 | - |
VS(Very Special) | コント2以上 | 4年~7年 |
VSOP(Very Superior Old Pale) | コント4以上 | 7年~10年 |
ナポレオン(Napoléon) | コント6以上 | 12年~15年 |
XO(Extra Old) | コント10以上 | 20年~25年 |
オルダージュ(Hors D’age) | コント10以上 | 35年以上 |
コニャックのランクは上記の格付けの通りであり、オルダージュに近づくほど熟成年数が長いことから、味わいの完成度が高まりやすいです。
ただし、ウイスキーと同様に熟成年数が長くなるほど価格も高価なものとなります。
ブランデーのランクについて詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
ブランデーのランク(等級)の違いは? VO、VSOP、XOなどの意味を解説!
コニャックでどの銘柄を選ぶべきか迷ったら、ブランデーの種類がわからない初心者の方は世界五大コニャックから選ぶことをおすすめします。
世界五大コニャックと呼ばれるブランドは以下の通りです。
コニャックのブランド
上記のブランドでは複数のランクをリリースしていることが多いため、自分が求めるランクのコニャックを探すと良いでしょう。
低価格で気軽に飲みたい方はランクの低いコニャック、価格を気にせず高い品質を求めるならランクの高いコニャックを上記のブランドから選択します。
コニャックの産地であるフランスのボルドー地方のコニャック地方では、ブドウが栽培されるエリアごとに大きく分けて6つの生産地に分けられます。
コニャックの産地とそれぞれの味わいの傾向を以下の表にまとめました。
産地 | 味わいの傾向 |
グランド・シャンパーニュ | ライトで飲みやすい |
プティット・シャンパーニュ | 香り豊かで複雑な味わい |
ボルドリー | フローラルで華やか |
ファン・ボワ | 口あたりがなめらか |
ボン・ボワ | 穏やかな味わい |
ボワ・ゾルディネール | 刺激が強いためブレンド用が多い |
産地で選ぶのは中級者以上に向けたコニャックの選び方であるため、初心者の方は5大コニャックから選ぶことをおすすめします。
初心者向けのボトルを含めたコニャックのおすすめ銘柄を紹介します。
画像引用:Amazon.co.jp
ヘネシー V.Sは、世界五大コニャックの中でも知名度の高いブランドであり、ランクは低めですが質も伴ったコニャックです。
芳醇なスパイス感とコニャックらしいフルーティーな甘い風味が特徴的であり、心地いい味わいが魅力となっています。
コスパが良さから初心者が最初に飲むコニャックにおすすめであり、コニャックをすぐに飲んでみたい方に向いているといえるでしょう。
画像引用:Amazon.co.jp
ヘネシー V.S.O.P フィーヌ シャンパーニュは、ヘネシーの中間のランクに位置する約60種類のオー・ド・ヴィー(原酒)をブレンドしたボトルです。
より洗練されたヘネシーの味わいが楽しみやすく、すっきりとした味わいが特徴となっています。
ヘネシーのV.S.O.P.にいくつかの種類があるため、飲み比べてみるのもおすすめです。
画像引用:Amazon.co.jp
ヘネシー X.Oはブランデーの中でも初めてX.Oのランクが与えられた歴史あるボトルであり、ヘネシーかつ最高級の銘柄となっています。
ダークチョコレートやプラムを思わせる深みのある味わいと辛口でスパイシーな風味にコニャックのフルーティーさが広がります。
価格を気にせずに最高級のコニャックを飲むのであれば、ヘネシー X.Oから購入するのも選択肢のひとつです。
画像引用:https://item.rakuten.co.jp/cbeer/15049081/
マーテル VSは、コニャックの中でも歴史の長いブランドであり、ヘネシーとともに世界5大コニャックに数えられるブランドです。
単一の蒸溜所で製造された原酒のみを使用しており、アプリコットを思わせる風味となめらかな口あたりのフルーティーさが魅力です。
マーテルの定番ボトルであることから、コニャックの中でもマーテルが気になった方が最初に購入するボトルに適しています。
画像引用:https://item.rakuten.co.jp/yamaya-shop/3219820006292/
マーテル VSOPは、木目が細かく中が赤みを帯びていることからレッドバレルと呼ばれる熟成樽で熟成させたVSOPのマーテルです。
ライムを思わせるビターなフルーティーさに、砂糖漬けの果実の甘い味わいとナッティな風味が際立ちます。
ワンランク上のマーテルを飲みたい方はこちらのボトルを飲んでみましょう。
画像引用:https://item.rakuten.co.jp/yunyuusyu/72360/
マーテル XOは、最上級の原酒のみをブレンドするという強いこだわりによって生み出された独特のアーチ型のボトルが特徴的なマーテルです。
ブドウの爽やかな風味、イチジクを思わせる濃厚な甘みとまろやかな口あたりが最高級であることをうかがわせます。
マーテルのスタイルを代表するトップクラスのコニャックといえるでしょう。
画像引用:https://www.asahibeer.co.jp/products/whisky_brandy/brandy/camus/48414.html
カミュ イル・ド・レ ファインアイランドは、五大コニャックのカミュの中でもあえて熟成年数を表記していない、ウイスキーにおけるノンエイジボトルのような立ち位置の銘柄です。
ヨードのような薬品香、潮気を伴う風味を持ち、コニャックのフルーティーさだけではない複雑な味わいが特徴となります。
ウイスキーの中でもアイラウイスキーが好きな方であれば好みに合う可能性があるコニャックです。
画像引用:https://www.asahibeer.co.jp/products/whisky_brandy/brandy/camus/49424.html
カミュ VSOPは、カミュの中でもランク付けされているボトルであり、歴史あるブランデーではありますがボトルリニューアルを行っているため古臭さを感じさせません。
フローラルで華やかな香りであり、オーク由来の香ばしさとソフトなフルーティーさが魅力です。
熟成年数を表記したカミュを飲みたい方はこちらのボトルを選んでみましょう。
画像引用:https://www.remymartin.com/ja-jp/collection/vsop/
レミーマルタン V.S.O.P.は、世界最大のコニャックの生産企業とうたわれるレミーマルタンが販売する質の高いコニャックです。
熟成樽由来のバニラやナッツのような風味が特徴であり、コニャックのフルーティーな味わいと完璧に調和しています。
VSOPのボトルの中では価格は安めであることから、コスパの良いコニャックとして知られています。
画像引用:https://www.remymartin.com/ja-jp/collection/xo/
レミーマルタン X.O.は、400種類以上の原酒をブレンドする最高級のレミーマルタンとなっています。
マーマレードやプラムを思わせるフルーティーさ、バタースコッチの香ばしい風味とクリーミーな味わいが魅力です。
最高級のレミーマルタンを飲むならこちらのボトルを選択してみましょう。
画像引用:https://products.suntory.co.jp/d/3049197210776/
クルボアジェ V.S.O.Pは、グランド・シャンパーニュ地区、プティット・シャンパーニュ地区のブドウを厳選した一定のランクを持つ五大コニャックです。
ハーブ系のアロマを思わせる香りに、ジンジャー、クローブを思わせるスパイス感、すっきりした味わいが魅力になります。
他の五大コニャックとは異なるクセを持つため、ブランデーにハマったら購入してみましょう。
画像引用:Amazon.co.jp
クルボアジェ XOは、1986年国際ワイン・スピリッツコンテストで優良コニャックに選ばれたクルボアジェの高ランクボトルです。
バニラや柑橘系の果実を思わせる爽やかな香りがあり、厚みとコクのある飲みごたえのある味わいが特徴になります。
五大コニャックのXOランクの中でも低価格で購入しやすい魅力があります。
画像引用:Amazon.co.jp
ポール・ジロー トラディションは、五大コニャックに該当しないグランド・シャンパーニュ地区のブドウを使用する評価の高いコニャックです。
コニャックらしいブドウそのもののフルーティーさが非常に濃厚であり、まろやかで飲みやすいことから初心者向きです。
五大コニャック以外のコニャックを飲みたい方はもちろん、コニャックを飲んだことがない方にもすすめられる実力派のブランデーになります。
最後にコニャックの美味しい飲み方を紹介します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
コニャックに限らずブランデーの基本的な飲み方はストレートといわれることが多いため、ストレートで飲むことをおすすめします。
ランクの高いコニャックであるほど、素材の味をそのまま楽しむことができるストレートで飲みたいところです。
ただし、必ずしもストレートで飲まなければならないわけではなく、他の飲み方で美味しく飲めるコニャックも存在します。
ウイスキーでいえばハイボールという飲み方になりますが、炭酸水(ソーダ)で割る飲み方はコニャックにおいても飲みやすいです。
コニャックはアルコール度数が高いことから、アルコール度数を下げる効果も期待できます。
また、コニャックのソーダ割りはフレンチ・ハイボールと呼ばれることもあり、日本人を中心に人気が高まっています。
風味がより爽やかになるためレモンやレモン汁を加えるアレンジもおすすめです。
ブランデーのソーダ割りについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
ブランデーのソーダ割りのフレンチハイボールとは? 作り方・おすすめ銘柄
コニャックは代表的なブランデーであり、五大コニャックを中心に広く飲まれています。
そのため、コニャックを初めて飲む方は五大コニャックからおすすめ銘柄を選んでみましょう。
初心者の方はランクとブランドの組み合わせから、質と価格をある程度、想定して銘柄を選べるようになるのが理想です。