山崎 ノンエイジ/NV(ノンヴィンテージ)とは? 味わいとおすすめの飲み方を紹介
- ウイスキー銘柄
スコッチウイスキーを代表する銘柄であるマッカラン。世界のシングルモルトの売り上げではグレンフィディックやグレンリベットに並び、トップスリーに入るほどの人気の老舗ブランドです。
イギリス最大の高級老舗百貨店のハロッズが発行しているウイスキー読本では、「シングルモルトのロールスロイス」と称されるほど、その品質は高く評価されています。
そんなマッカランからは様々なシリーズが展開されています。そして、ラインナップの中でも貯蔵期間が最も若い「ザ・マッカラン12年」にも何種類か銘柄があります。
今回はマッカランとはどんなウイスキーなのか、マッカラン12年の各銘柄はどのような味わいの特徴があるのかと、おすすめの飲み方についても解説します。
この記事のポイント
画像引用:https://www.suntory.co.jp/whisky/macallan/product/sherryoak/
マッカランの代表作ともいえる「ザ・マッカラン12年」ですが、これまで数種類のシリーズが展開されています。マッカランの日本の販売元のサントリー株式会社から現在販売されている12年の銘柄は全部で3種類。
ここでは、そもそもマッカランとはどのようなウイスキーなのかと、マッカラン12年の各シリーズの味わいの特徴や違いを詳しく解説します。
バーでマッカランをオーダーしたい時や、マッカランを購入して自宅で楽しみたいと考えている人はぜひ参考にしてみてください。
世界でも高く評価されているスコッチウイスキーのマッカラン。その品質の高さの理由は、こだわり抜かれた原料と製造法によるものです。
マッカランの蒸溜所が位置するスコットランドのスペイ川の中流は、ウイスキーの原料となる大麦栽培に適した肥沃な土地です。
そこで育てられた大麦とスペイ川近くの泉から湧き出るミネラル豊富な水を使うことで、バランスの良いウイスキーを製造することができます。
また、味わいを決めるうえで非常に重要なのが、カスクと呼ばれるウイスキーを熟成させるための樽の存在です。
マッカランの熟成樽は、原木から処理に至るまで自社で管理している専用の樽を使用しています。
また、樽の原料であるオーク材はアメリカとヨーロッパの2つの大陸から厳選して採取したものを併用しており、ウイスキーの熟成に最適な樽づくりを実現しています。
さらに、マッカランは蒸溜窯にもこだわっています。手作りされた伝統的な銅製蒸溜釜は、ほかの蒸留所に比べると非常に小さいのが特徴です。
この小さな蒸溜窯を使うことで、丁寧に蒸留することができ、マッカランの特徴であるリッチで上品な味わいに仕上げています。
以上の様なこだわり抜かれた原料と製造法によって、高品質なウイスキーを作り出しているマッカランは、長年に渡って世界中のファンを魅了しています。
マッカラン12年とは「ザ・マッカラン12年 シェリーオーク」のことを指すことが多いようです。
「ザ・マッカラン12年 シェリーオーク」はマッカランの標準的なスタイルとも表現できるボトルなので、マッカランと言えばこの味!というスタンダードを味わうことができます。
それ以外にも12年には「ザ・マッカラン12年 ダブルカスク」「ザ・マッカラン12年 トリプルカスク」が日本の販売元であるサントリー株式会社から展開されています。
また、現在は終売していますが、2007年から2009年の3年間限定で「ザ・マッカラン グラングランレゼルバ12年」というシリーズも限定販売されていました。現在はプレミア価格でネット通販などでは手に入れることができるようです。
どのボトルもマッカラン12年ではありますが、その特徴や味わいは全く異なります。それぞれの銘柄の味わいの特徴については後ほど詳しく解説します。
ここでは、現在サントリー株式会社で販売展開しているマッカランの12年の3種類の銘柄をご紹介します。
どの銘柄も似た様な名前ではありますが、製造法が異なるため、味わいにもそれぞれ個性があります。味わいの違いの大きな要因は熟成している樽(=カスク)の違いによるものです。
機会があればぜひマッカラン12年のそれぞれの銘柄を飲み比べて、味わいの違いを楽しんでみてください。
前述の通り、マッカランを代表するレギュラーボトルといえば「ザ・マッカラン12年 シェリーオーク」。マッカランの基本の味を確認することができるため、マッカランを一度も飲んだことがない人はまずはこの銘柄からぜひお試しください。
シェリーオークシリーズは、原木の選定から製樽まで徹底管理して作られた一種類のシェリー樽によって熟成を行います。シェリー樽熟成のウイスキーの特徴は、ドライフルーツのような甘みと熟成感です。
「ザ・マッカラン12年 シェリーオーク」も華やかなで上品な香りと濃厚な甘さが特徴となっています。余韻も非常に長く、バニラやカラメルを思わせる豊潤な香りが漂います。
ウイスキー特有の独特のクセやスモーキーさがないため、初心者の方にもおすすめしたい一品です。
シェリーオークシリーズが単一のシェリー樽で製造されるのに対し「ザ・マッカラン ダブルカスク」のシリーズは、その名の通り二種類の樽酒を使用しています。
この製造の違いによってシェリーオークのシリーズとは少し違った風味を楽しむことができます。
使用している二種類の樽とはヨーロピアンオークのシェリー樽とアメリカンオークのシェリー樽のこと。「ザ・マッカラン12年 ダブルカスク」からはそれぞれの樽酒の特徴をバランス良く感じることができます。
マッカランの伝統的なヨーロピアンオークのシェリー樽由来の上品で華やかな風味にプラスして、アメリカンオークのシェリー樽ならではの、バニラやバタースコッチのようなまろやかな甘みを楽しむことができます。
レギュラーボトルの「ザ・マッカラン12年 シェリーオーク」と同様、口当たりがよく、クセや苦み、アルコール感が少ないウイスキーのため、非常に親しみやすい味わいの銘柄と言えます。
シェリーオークシリーズやダブルカクスの色味と比べると明るく、琥珀というよりも、ゴールドのような見た目が印象的な「ザ・マッカラン トリプルカスク12年」。
ダブルカスクが二種類の熟成樽酒をブレンドしているのに対し、トリプルカスクは三種類のシェリー樽を使用しています。
使用している三種類の樽は、ヨーロピアンオークのシェリー樽、アメリカンオークのシェリー樽、アメリカンオークのバーボン樽です。
「ザ・マッカラン トリプルカスク12年」の個性は、バーボン樽由来のココナッツや柑橘系のフルーツのような香り。
三種類の樽で熟成された原酒をブレンドすることで、香り高いウイスキーへと仕上がっています。
また、「ザ・マッカラントリプルカスク12年」は2017年までサントリーでも取り扱いがあった「ザ・マッカラン ファインオーク12年」の後継品であると公表されています。
「ザ・マッカラン ファインオーク12年」は“ハイボールのためのマッカラン”と呼ばれるほどハイボールとの相性も抜群。
「ザ・マッカラン トリプルカスク 12年」も加水に強いバランスに仕上がっているため、ハイボールでもぜひ味わいたい銘柄です。
他のマッカラン12年のシェリーオークやダブルカスクに比べると、より軽めの口当たりのため、ウイスキーの風味が苦手な方でも、抵抗なくおいしく飲むことができます。
マッカランは非常にバランスの取れたウイスキーのため、どのような飲み方をしてもおいしく飲むことができます。
ですが、どれも完成度の高く風味豊かなボトルのため、なるべくシンプルな飲み方で本来の味を楽しむのがおすすめです。
製造法によって味わいが異なるマッカラン12年のシリーズですが、今回は各銘柄の味わいがより引き立つ3種のおすすめの飲み方をご紹介します。
3種類のどの銘柄も、まずは一番シンプルでウイスキー本来の味わいが楽しめるストレートで飲んでみましょう。
マッカラン12年はどの銘柄も独特のスモーキーさやクセの強さ、アルコール感が少ないため、普段ウイスキーをストレートで飲んでいない人でも比較的挑戦しやすいです。
「ザ・マッカラン 12年 シェリーオーク」のストレートは伝統的なマッカランの上品で華やかな味わいを楽しむことができ、甘味も感じられることから、食後酒にもぴったり。
「ザ・マッカラン ダブルカスク 12年」のストレートは、シェリーオークよりもさらに苦味がなく、アメリカンオーク由来のバニラのような香りも感じられます。アイスクリームにかけて食後の大人のデザートとしても楽しめそうです。
「ザ・マッカラン トリプルカスク 12年」のストレートは、マッカラン12年の中でもアルコールの刺激が特に少なく、香り豊かな特徴が感じられるため、ウイスキーのストレートデビューにおすすめです。
ストレート同様ウイスキー本来の味が楽しめる飲み方です。ストレートでウイスキーを飲むのが苦手な人やウイスキー初心者の人はロックで飲んでみましょう。
ロックはウイスキーの風味を崩しにくい上に、ストレートよりも親しみやすい飲み方。
ただし、氷が解けすぎてしまうとウイスキーの味のバランスは崩れてしまうため、もし自宅でウイスキーをロックで楽しむ時は、大きめの氷も用意してすぐに溶けてしまうのを防ぎましょう。
マッカラン12年のなかでも特にロックで飲む方法がおすすめなのが、「ザ・マッカラン12年ダブルカスク」です。
ストレートで飲むよりもシェリー樽からの香りや風味は若干感じにくくなりますが、氷と混ざり合うことによって、クリーミーでやわらかい味へと変化します。
マッカランのような高級ウイスキーをハイボールで飲むなんてもったいない!と思う人いるかも知れませんが、マッカラン12年はハイボールでもおいしく飲むことができるウイスキーです。
マッカラン12年の中でも特にハイボールにおすすめなのは「ザ・マッカラン12年ダブルカスク」と「ザ・マッカラン12年トリプルカスク」です。
「ザ・マッカラン12年 ダブルカスク」のハイボールはフルーティーさと甘さに加えて、シェリー樽由来のスパイシーな風味も感じられます。
また、焼いたパンのようなモルティーな風味もあるため、いつものハイボールとは一味違った、複雑な味わいのハイボールを楽しむことができます。
「ザ・マッカラン12年トリプルカスク」のハイボールは、ストレートと同じくらい強く豊かなアロマを感じることができます。
華やかな香りとともに爽やかな飲み心地を感じることができ、食事にも合わせやすいので、シーンを選ばずに気軽に楽しむことができます。
マッカランは華やかかつ気品あふれる味わいで世界中を魅了しているスコッチウイスキーの代表格。
今回はそんなマッカランのなかでも最も若い年数表記の「ザ・マッカラン12年」の3種類の銘柄について解説しました。
製造法がそれぞれ違うため、味わいにもそれぞれ個性があるようですね。
また、マッカラン12年のおすすめの飲み方も紹介しました。基本的にバランスの取れた仕上がりのマッカラン12年はどのような飲み方でも楽しむことができます。
マッカランの種類についてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。