レッドブレストとは？種類や味わい、おすすめの飲み方

レッドブレストは、アイルランドのミドルトン蒸留所で造られるウイスキーです。伝統製法によって生まれる味わいは、多くのウイスキー通に支持されています。

本記事ではレッドブレストの特徴や味わいについて解説。定番から限定ボトルまで、数々の種類も紹介していきます。より美味しく味わうためのおすすめの飲み方もぜひ参考にしてください。

レッドブレストの歴史・蒸留所

画像引用：redbreastwhiskey.com

レッドブレストを造るのは、アイルランド共和国南部の町、コークに位置するミドルトン蒸留所です。

創業は1825年。マーフィー3兄弟が紡績工場だった建物を買い取り、蒸留所に改装してウイスキー製造をスタートしました。

1867年には、コークにあった4つの蒸留会社と合併しコーク蒸留株式会社を設立。1975年には、新ミドルトン蒸留所が完成します。

ミドルトンの名前は新・旧にわけて表記されることが多く、創業当時の旧ミドルトン蒸溜所は、現在「ジェムソン」のヘリテージセンターとして一般公開されています。

稼働中の新ミドルトン蒸留所は、流通するアイリッシュウイスキー全体の、約7割を製造するという非常に大規模な施設です。

レッドブレストは、20世紀初頭はダブリンのボウストリート蒸留所で製造されていましたが、1976年以降は新ミドルトン蒸留所で造られています。

1990年にはアイリッシュ・ディスティラーズ社（IDL）がライセンスを譲り受け、販売経路も拡大されました。

現在のミドルトン蒸留所のオーナーは、世界的酒造メーカー、ペリカリノール社です。ポットスチルウイスキーの生産に特に力を入れており、レッドブレストも数々の限定ボトルが誕生しています。

レッドブレストの製法

画像引用：redbreastwhiskey.com

レッドブレストは、アイルランドを代表するシングルポットスチル・アイリッシュウイスキーです。

シングルポットスチル・アイリッシュウイスキーとは、アイルランド独自の製造方法のこと。具体的にはミドルトン独自の製法を指し、アイリッシュ・ウイスキーの伝統的なスタイルといわれています。

アイルランドで粗悪なウイスキーが出回ったボンダー時代も、レッドブレストは真摯な姿勢を貫き、唯一無二のアイリッシュウイスキーとして成長を遂げてきました。

製法の大きな特徴は、原料にモルト（大麦麦芽）と未発芽の麦芽を使用し、ポットスチルで3回蒸留することです。

通常2回の蒸留を3回おこなうことで、複雑な風味とまろやかな口当たりを生み出しています。

また、レッドブレストはシェリー樽で熟成するため、赤みを帯びた色調に仕上がります。コマドリの赤い胸を意味するレッドブレストという名も、ウイスキーの赤色にちなんで名付けられました。

コマドリの姿は各ボトルのラベルにも描かれ、12年から15年、21年と順に並べると小鳥が飛び立つようにデザインされています。

レッドブレストの特徴と味わい

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レッドブレストは、クリーミーで豊かな味わいのウイスキーです。シェリー樽やバーボン樽由来の重厚な風味も楽しめます。香りは複雑かつスパイシー。ドライフルーツを思わせる熟成香も特徴です。

熟成年数が長くなるにつれて、まろやかな味わいも際立ちます。より甘く、重厚に変化していく香りも魅力的です。

アイリッシュウイスキーの伝統製法を受け継ぐレッドブレストはウイスキー通からも評価が高く、ビギナーでもその美味しさを実感できます。

レッドブレストの種類

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ここからは、レッドブレストの種類を紹介します。定番ボトルは12年、15年、21年の3本です。2020年には27年のルビーポートカスクが発売されたほか、ドリームカスクなどの限定品も登場しています。

定番ボトルは酒販店などで比較的手に入りやすく、レッドブレスト入門編におすすめです。

レッドブレスト 12年

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バーボン樽とシェリー樽で熟成させた高いクオリティを誇るアイリッシュウイスキーです。

原料には、蒸留所のあるマンスター地方で収穫された大麦を使用。蒸留所近くを流れるダンガーニ川の水を仕込みに使い、まろやかな口当たりを生み出しています。

バーボン樽由来のトーステッドウッドと、スパイシーかつフルーティーな香りが特徴的。ベリーやバニラを思わせる豊かな風味と香ばしさの絶妙なバランスが際立ちます。

レッドブレスト 15年

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最高級のオーク樽で15年間熟成させたウイスキーです。レッドブレストらしいスパイシーさに加え、みずみずしい芳香が際立ちます。

長く続く、洗練された余韻も特徴的。しっかりとした重厚感を堪能できます。

レッドブレスト 21年

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2013年からリリースされているレッドブレストの上位ボトルです。

21年間熟成させたレッドブレストの香りは、トロピカルフルーツのように甘く華やか。バニラやトーステッドオーク、シェリーの豊かな風味も広がります。

レッドブレストの魅力であるスパイシーな味わいも健在。思わずため息がもれるような完成度の高いウイスキーです。

レッドブレスト ルスタウ エディション

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ルスタウは、スペイン屈指のシェリーメーカーです。こちらのレッドブレストは、バーボン樽とシェリー樽の組み合わせで9〜12年熟成させた後、ルスタウのオロロソシェリー樽でフィニッシュしています。

口当たりはやさしく味わいはクリーミー。りんごジュースのようにさわやかな香りと、オレンジピール、キャラメルを思わせる複雑な風味が特徴的です。

レッドブレストらしいスパイシーさと、ビターな後口を堪能できます。

レッドブレスト 12年 カスクストレングス

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2011年に68樽分のみリリースされた限定ボトルです。ノンチルフィルターでボトリングし、力強い味わいを引き出しています。

味わいは甘くフルーティー。大麦由来の旨味やバニラ香、スパイシーな風味も感じられます。限定品のため流通数は少ないものの、レッドブレストファンならぜひ試しておきたい味わいといえるでしょう。

レッドブレスト 12年 プロジェクト ウィングマン バードフィーダーボトル

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美しい銅製のバードフィーダーボトルがセットになったレッドブレスト12年です。

鳥を保護するための限定品としてリリースされました。コマドリをモチーフにするレッドブレスとならではといえる商品です。

レッドブレスト 27年 ルビーポートカスク

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2020年にリリースされた限定ボトルです。ルビーポートは、ポルトガルの酒精強化ワイン、ポートワインの一種。ルビーのように赤く、甘く豊かな果実香が特徴的なお酒です。

フィニッシュにルビーポートカスクを使ったレッドブレストは、芳醇な香りが魅力的。ブレッドオレンジやダークベリー、マンゴーなどを思わせる複雑かつ豊かな香りが広がります。レッドブレストの個性を色濃く表している1本です。

レッドブレスト 32年 ドリームカスク

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ドリームカスクは、レッドブレストの公式会員限定で販売されたボトルです。

リフィルバーボンバレルで26年間熟成させた原酒を、更に6年間ファーストフィルシェリーバットで熟成させています。

リリースされたのは、ワールド・ウイスキー・デイの2018年5月19日。会員限定商品とあって、レッドブレストのなかでも希少性の高い商品です。

レッドブレストのおすすめの飲み方

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芳醇な旨味とスパイシーな風味が特徴的なレッドブレストは、ロックスタイルで味わうのがおすすめです。

なかでも、魅力が堪能できるのがクラッシュドアイスを使った「ミスト」。ウイスキーがよりしっかりと冷え、レッドブレストの風味が際立ちます。

レッドブレストの芳醇な香りを堪能したいときは、ぜひトワイスアップで。レッドブレストに静かに水を注ぎ、グラスから立ち上る香りをじっくり感じてみてください。

まとめ

レッドブレストは、ウイスキー通にも愛されるアイリッシュウイスキーです。アイルランドで受け継がれる伝統製法により、芳醇な旨味とスパイシーな香り、クリーミーな口当たりを生み出しています。

12年や15年など、限定ボトルは比較的購入しやすいのもうれしいポイントです。美味しいアイリッシュウイスキーを味わいたいというときは、一度試してみてはいかがでしょうか。