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スペイバーンとは?種類や味わい、おすすめの飲み方

2022.06.14 / 最終更新日:2022.06.14

スペイバーンはスペイサイドエリアにある蒸留所で生まれたスコッチウイスキーのシングルモルトになります。

創業されたのは1897年、つまりヴィクトリア女王の在位60年の年でした。

ちなみにヴィクトリア女王の在位60年はダイヤモンド・ジュピリーと呼ばれています。

この記念の年に創設し、記念ボトルができるようにスペイバーン蒸留所の創設者達は焦っていたようですね。

スペイバーンの職員たちは12月の吹きすさぶ嵐のなかで悪戦苦闘しながら業務を行いました。

その結果、バット1本分のスピリッツを蒸溜することができ、何とか1897年にまにあうようにボトリングまで漕ぎ着けたという逸話が残っています。

丁度、他の蒸留所でもビクトリア朝のウイスキーブームで活気だっていた年だったようですよ。

この記事のポイント

  • スペイバーンの伝統の製法や蒸留所を紹介
  • スペイバーンの味わいを堪能できるおすすめの飲み方を解説

スペイバーン蒸留所

スペイバーン蒸溜所は、ジョン・ホプキンス氏という人物によって設立されました。

スペイバーン蒸留所の設計を担当したのは建築家のチャールズ・ドイグ、蒸留所建築の第一人者としても著名な人物です。

スペイバーン蒸留所は、スペイ川支流のグランティ・バーン沿いにある小さな谷、ローゼス谷に建てられた風景と調和した美しい蒸溜所と言われています。

スペイバーンのボトルのラベルをご覧になるとわかりますが鮭が跳ねているようなイラストが印象的です。

これは、蒸留所が位置するスペイ川下流ではサーモン釣りが盛んに行われていることから、このようなイラストがあしらわれているのです。

釣り好きの男性へのプレゼントとしても喜ばれそうですね。

スペイバーンの歴史

スペイバーン蒸溜所を設計したチャールズ・ドイグは当時エルギンを拠点に活動しており、中国の仏塔を思わせるキルン(窯の煙突)のデザインが有名でした。

このキルンの先端構造は、かつてドイグ式換気装置と呼ばれていました。

スペイバーンでも同様の換気装置を設置し、圧縮空気を利用したドラム式製麦機を導入しました。

この形式の製麦機がスコットランドのモルトウイスキー蒸溜所で採用されるのは初めてのことだったそうです。

スペイバーン蒸留所の操業は当初からジョン・ホプキンス社に委託されていましたが、1916年にディスティラーズ・カンパニー社(DCL)に買収されます。

そこから、スペイバーンは様々なブレンデッドモルトウイスキー用のキーモルトとして使われることで広く知られるようになりました。

一方で、シングルモルトとしての認知度は低いものでした。

しかし、1991年にインバーハウス・ディスティラーズ社が蒸溜所を買収し、その翌年には10年熟成のシングルモルトがリリースされてから認知も広まりました。

(ちなみに、インバーハウスというブレンデッドウイスキーのキーモルトにもスペイバーンは使用されていますね。)

インバーハウスとは?種類や味わい、おすすめの飲み方

それでも基本的には、ブレンドデッド用の原酒として使われることの方が多かったようです。

しかし、2001年にはパシフィック・スピリッツがインバーハウスを買収し2006年にインターナショナル・ビバレッジ・ホールディングス社がパシフィック・スピリッツを買収したことでシングルモルトの認知は広まっていきました。

2009年にはノンエイジの「スペイバーン ブラダン オラック」というスペイバーンの新しいボトルがリリースされます。

スペイバーンの製法

スペイバーンのシングルモルトの仕込み水は世界クラスのサーモンフィッシングの名所、スペイ川支流であるグランディ川の水を使用しています。

鮭が盛んに泳いでいるほど透き通った新鮮な水ということもあるため、大麦の発芽にこの仕込み水を使用しているのです。

原料となる大麦の種には「スーパー大麦」ともよばれるコンチェルト種が使用されています。

これらの原料を使い、ドラム式モルティングを行います。

ドラム式モルティングは伝統的なフロアモルティングと違い、省スペースで生産量を増やすことができる画期的なモルティング製法です。

ドラムに水を含んだ穀物を入れ、すぐに回転させ、同時に湿気を含んだ涼風をポンプでドラム内に送りながら、ちょうどよい塩梅に大麦が発芽するまで待ちます。

これにより、スペイバーン蒸留所の大麦は30トンから40トン程度生産されます。

さらに、手作業を必要とすること以外のフロアモルティング製法との違いは

フロアモルティングとの最大の違いは、年間の一貫性を持って慎重に温度を調整することです。

ドラム式モルティングならではの、製法によってスペイバーンの奥深い味わいができるのです。

しかし、主体としてのドラムモルティングは1968年頃まで続きましたが、バーグヘッドに大型の製麦工場が建設されました。

現在は主にそちらが稼働していますが、ドラム式モルティングの施設も残されており、稼働はしています。

スペイバーンの特徴・味わい

ドライフルーツや洋ナシ、タンジェリンといったフルーティさとハチミツの甘さが調和され、甘酸っぱい中にもどことなくスモーキー感もある飲みやすさ。

スペイサイド特有の華やかなフローラルの風味も感じられ、シリアルやブレッドなどの穀物感もある複雑な味わいですが非常に飲みやすく、女性人気の高いウイスキーです。

スペイバーンの種類

スペイバーン ブラダンオラック

画像引用:speyburn.com

『スペイバーンオラダンブラック』の「オラダンブラック」とはゲール語で「ゴールデンサーモン」を意味します。

この名前の由来は、蒸溜所の近くに流れるスペイ川にアトランティックサーモンが生息していることからきています。

当初は免税店でしか販売されていなかった銘柄ですが、非常にライトで飲みやすいので各国で支持されて全国展開されるようになりました。

アロマは

香りは、ドライフルーツ、麦芽、ブレッド、マーマレード、フローラル、を感じさせます。

味わいは、フルーティー、カスタードクリームになります。

スペイバーン10年

画像引用:speyburn.com

スペイバーン10年はミディアムボディで滑らかな味わいに特徴あり。

干し柿や杏、ハチミツのような風味で、味わいは柑橘系の甘酸っぱさがあります。

酸味と甘みがバランスよく調和されており、余韻もフレッシュ感があり、クセがなく飲みやすい印象です。

口に含むと爽快感がありますが、次第にに甘さが心地よく広がります。

スペイバーン15年

画像引用:speyburn.com

厳選されたアメリカンオーク樽、スパニッシュオーク樽にて15年もの間熟成されたのがスペイバーン15年です。

香りはレーズン、爽やかなシトラスフルーツやマーマレードとダークチョコレート。

味わいはオレンジ、バニラのクリーミーな甘さはありますが、全体的に温かいスパイスの余韻に包まれる感じです。

スペイバーン16年

 

画像引用:Amazon.co.jp
『スペイバーン16年』はアメリカンオークの元バーボン樽で16年間熟成させたで免税店向け商品になります。バーボンカスク由来のクリーミーなとバニラとトフィー、そして採れたてのフルーツのような甘草を伴った香りが特徴的。
味わいはバニラ、ハチミツ、チョコレートの鮮やかなフレーバーでミディアムボディです。

スペイバーン18年

画像引用:speyburn.com

アメリカンオークとスペインオークの樽で18年間熟成させたのが『スペイバーン18年』です。

熟成により味にまったりとした丸みが生まれ、長いフィニッシュのフルボディのウイスキーが出来上がりました。

香りは 甘いタフィー、砂糖をまぶしたアーモンド、分厚いトロピカルフルーツ、べっこう飴やリンゴ飴。

味わいは柔らかなとろみのあるダークチョコレート、タフィー、オーク樽のスパイシーさ。

スモーキー感はわずかで長いフィニッシュが続きます。

スペイバーンホプキンスリザーブ


画像引用:speyburn.com

『スペイバーン ホプキンス リザーブ』は、創業者ジョン・ホプキンス氏へのリスペクトがこめられた銘柄です。

このウイスキーの熟成樽にはピーティなウィスキーの熟成に使用されていたリフィルバーボンカスクが使用されています。

そのため、ライトでスモーキーなシングルモルトとなりました。

香りはやさしいスモーキーさに、ピリッとした柑橘系の果物、甘い蜂蜜、バタースコッチ、バニラ、わずかにスパイシー。

味わいは甘いフルーティーさの中にピリッとしたドライ感もうまく調和されています。

スペイバーン アランタカスクス


画像引用:speyburn.com

『スペイバーン アランタカスクス』はアメリカ市場向けにファーストフィルのバーボン樽のみで熟成されたボトルです。

アロマはトフィーやバニラ、スパイスを感じさせます。

味わいは強いフルボディでスパイシー、シトラス、ハチミツになります。

スペイバーン コンパニオンカスク

画像引用:speyburn.com

『スペイバーン コンパニオン カスク』もアメリカ市場向けでケンタッキー州の元バッファロートレース蒸留所の樽で熟成されています。

伝統的な方法で細心の注意を払って風乾し、空の樽はスペイサイドに送られ、そこで滑らかなスペイバーンの原酒で満たされました。

その後、伝統的なダンネージ倉庫で熟成されまろやかに完成しました。

香りは、柑橘系の果物やレモンバーム、またバニラ、キャラメル、蜂蜜、森林の香りがあります。

味わいは、とても甘くバニラ、キャラメル、ナッツ、スパイシー、レザーのような苦味のあるチョコレートとなります。

スペイバーンのおすすめの飲み方

スペイバーンはスペイサイド特有の華やかなフルーティでフローラルな豊かな香りがあります。

飲む前に存分にアロマを楽しむこともまた一興でしょう。

非常に飲みやすいので香りを楽しむためにもストレートもしくはトワイスアップが一押しです。

トワイスアップほど加水しなくても、自分好みに少しずつ加水してもいいかもしれません。

まとめ

スペイバーン蒸溜所はローゼス地区にあり、ニッカウヰスキーの創業者の竹鶴政孝氏がウイスキーつくりのために学んだ場所でもあり、その味は折り紙付きとも言っていいでしょう。

是非、初心者からウイスキー通な方まで幅広く楽しめるスペイバーンをお試しください。

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