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- ウイスキー基礎知識
ウイスキーは長期で熟成するほど販売価格も高くなり、価値が上昇していきますが、50年物のウイスキーは幻とも呼べるほど入手難易度の高い銘柄になります。
なぜなら生産できる量も非常に少ない上に、一般的に公式で販売されることがなく、基本的に抽選販売になるからです。
販売される機会も基本的には記念などが理由になることが多いので、入手できる機会がほとんどないため銘柄によってはオークションにおける高額落札事例があるほどです。
この記事では、50年以上熟成されたウイスキーの特徴とおすすめ銘柄を紹介し、50年物のウイスキーを飲む方法についても解説します。
この記事のポイント
はじめに「マッカラン12年」「ダルモア18年」といったシングルモルトウイスキーの熟成年数の表記は、複数の原酒ヴァッティング(ブレンド)したときに、最も熟成年数の若い原酒の熟成年数を表記するのが一般的です。
つまり、50年物のウイスキーは50年熟成された原酒のみを使用しているわけではなく、50年以上熟成された原酒のみを使用していることになるので、勘違いのないようにしておきましょう。
50年以上熟成されたウイスキーの特徴は3つあります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ウイスキーを長期的に熟成させると12年物などのスタンダードボトルと比較して、アルコールの刺激が弱くなり、まろやかな味わいになる傾向にあります。
普段の銘柄では味わうことができない落ち着いた味わいを堪能できるだけでなく、熟成による味わいの変化を知りたいウイスキー愛好家の間で人気を集めているのです。
50年物のウイスキーを実際に飲んだことがある方は少ないことが予想されますが、実はウイスキーは熟成年数が長いほど美味しくなるとは限りません。
なぜなら、12年物などのスタンダードボトルは、ウイスキーの造り手が味わいを調整し、できる限りボトルによって味わいが変わることがないように調整しています。
しかし、50年物のウイスキーはほとんど作られておらずデータもないため、造り手が狙った味わいを出すことが難しく、ウイスキーが時間を重ねることによる自然な味わいの変化に期待する楽しみ方です。
味わいから考えても長期熟成かつ50年物以上のウイスキーを飲むのはマニア向けの楽しみ方といえるでしょう。
年代物のウイスキーの特徴について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
年代物のウイスキーの価値とは?実際に高額で取引された銘柄も紹介
50年物のウイスキーはほとんど作られることがなく、なにかの記念を理由に販売されることが多いため、一般的に販売されることはありません。
オフィシャルボトルの通常のラインナップにおける熟成年数は30年以下であることが多いです。
限定かつ抽選で一般的に販売されないため、飲むだけではなく、コレクションなどを目的に世界中のウイスキー愛好家から需要があるため、応募が殺到することが予想されます。
この抽選販売が50年物のウイスキーを最も安く購入する方法になりやすいです。
抽選販売で当選しなかったとしても、熱狂的なウイスキー愛好家であれば販売価格よりも高値で購入したいと考える人も出てきます。
当選した人のなかにも売りたいと考える人も出てくるので、オークションに50年物のウイスキーが出品されることがあります。
高い人気を持つ50年物のウイスキーはオークションにおいて高値で取引されやすいです。
公式の販売価格の10倍以上の価格が付くこともあります。
具体的な事例を挙げるなら、2011年に発売された山崎50年は10年後の2021年にWINE/LIQUORオークションで4,600万円で落札されています。
公式の販売価格は100万円であったため、価値が46倍上昇したということです。
またウイスキーは開栓や、ボトルが破損することがあれば価値を失うので、時間が経つほど50年物の限定ボトルの価値が上昇していくことが予想されます。
ウイスキー50年物のおすすめ銘柄を3つ紹介します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
画像出典:https://www.suntory.co.jp/news/2011/11243.html
こちらは2011年に発売された山崎50年であり、2011年11月9日に150本限定で受注を開始しました。
当時はジャパニーズウイスキーが世界的にブームになっていなかったため、限定販売ではありますが、抽選販売は行わなかったところ、すぐに完売したといわれています。
後に50年物よりも熟成年数の長い山崎55年を発売しましたが、こちらは抽選販売となりました。
赤みのある琥珀色の液体が特徴であり、サントリー公式が語る味わいの特徴では、香木を思わせる芳香と、力強くまろやかで絹のように滑らかなコクが感じられると書かれています。
国産ウイスキー山崎50年とは? オークションでの落札事例も紹介
画像出典:サザビーズオークション
1949年に蒸留を開始し、1999年に1999本限定でボトリングされたのがザ・マッカラン50年 ミレニアム・デキャンターです。
ボトルの形も通常のマッカランとは大きく異なる限定ボトルです。
石炭を用いた蒸留ではなくピート(泥炭)を用いた蒸留であることから、現在のマッカランとは異なるスモーキーな香りがすることが予想されます。
50年以上シェリー樽で熟成されていることから、シェリー樽の深みのある味わいが強く出ることでしょう
ザ・マッカランは種類豊富なウイスキー!味とおすすめの飲み方は?
画像引用:https://www.bonhams.com/auctions/24753/lot/107/
1926年に蒸留が開始されたダルモアを1976年に黒の陶器ボトルに詰めた長期熟成銘柄です。
明治屋が1990年代に15本限定で輸入販売しているため、日本でも販売された50年物のスコッチウイスキーになります。
ボトル詰めされた年が20世紀初頭であることもあり、香り・風味に関する情報がほとんどない希少性の高いボトルです。
50年物のウイスキーを手に入れるのは難しいですが、50年物のウイスキーを飲むだけであれば入手するよりは難易度が低くなります。
1つはバーで50年物のウイスキーを提供しているお店を探す方法です。
山崎50年はバーで提供されたこともあるので、実際に入手した方は少なくても飲んだことがあるという方も存在します。
オークションで数百万円~数千万円の価格で落札して50年物のウイスキーを飲むのは、ほとんどの人にとって現実的な方法ではないので、取り扱いのあるバーを探すほうが可能性は高いでしょう。
またオフィシャルボトルにこだわらないのであれば、ボトラーズと呼ばれる独立瓶詰業者が販売する50年物のウイスキーを購入する選択肢もあります。
「あのウイスキーを50年熟成させたらどのような味わいになるのか」といった疑問を解決する手段になることでしょう。
50年物のウイスキーはマニア向けの楽しみ方であり、オフィシャルボトルを入手するのは銘柄によっては現実的に難しいものも存在します。
しかし、50年以上熟成させたあのウイスキーを飲みたいという夢はオフィシャルボトルを入手する以外でも叶えられるかもしれません。
方法によっては必ずしも飲めないわけではないので、飲める方法を探してみましょう。