
カクテルの女王「マンハッタン」とは? 味わいと作り方、ベースにおすすめのウイスキー銘柄
- ウイスキー基礎知識
ウイスキーとコニャックはどちらも琥珀色をしたアルコール度数の高いお酒であることから、違いがわからないという方もいることでしょう。
どちらも蒸溜して樽で熟成させる過程があることから、共通点が多いお酒です。
最も大きな違いは原料であり、ウイスキーは大麦をはじめとする穀物を原料としますが、コニャックはユニ・ブラン種の白ブドウを原料とします。
この記事では、ウイスキーとコニャックの違いを詳しく解説した上で、それぞれのおすすめ銘柄もご紹介します。
この記事のポイント
ウイスキーとブランデー、スコッチとバーボン、コニャックとカルヴァドスなど、これらはよく耳にするお酒の名前ではないでしょうか。
上記のお酒の関係を表すと上記の図の通りです。
まず、ウイスキーとブランデーというお酒があり、スコッチとバーボンはウイスキー、コニャックとカルヴァドスはブランデーに分類されます。
よって、ウイスキーとコニャックは、ウイスキーはスコッチ・バーボンなどが属する大きな枠組みにおけるお酒の種類、コニャックはブランデーに内包されたお酒の種類の一つということです。
ウイスキーとコニャックの違いを説明するということは、ウイスキーとブランデーの違いを説明していることになります。
以上を踏まえて、ウイスキーとコニャックについて以下の違いを解説していきます。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ウイスキーの種類、ブランデーの種類についてそれぞれ詳しく知りたい方は以下の記事をチェックしてください。
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ウイスキーは大麦をはじめとする穀物を原料にするお酒であり、種類によっては小麦、トウモロコシ、ライ麦、お米などを使用することもあります。
一方で、コニャックはフランスで収穫された特定の白ブドウのみを原料としています。
ウイスキーは穀物、ブランデーであるコニャックは果実を原料とすることが違いです。
ウイスキーはモルトウイスキーなど、特定の種類に関して原料となる穀物が指定されることはありますが、原料の産地が指定されることはありません。
基本的には地元で収穫された穀物が使用されることが多いですが、蒸溜所によっては遠くから仕入れた穀物を使用することもあります。
ウイスキーとコニャックは製法における共通点が多いお酒ではありますが、原料が異なることから細かな違いがあります。
コニャックは、製造工程の中でブドウを発酵させて醸造酒であるワインを造ることが特徴です。
このワインはワインとして飲むには酸味が強く糖度が低いため、そのまま飲まれることはありません。
また、それぞれ蒸溜後には樽熟成を行いますが、樽熟成をする前の蒸溜したばかりの液体をウイスキーはニューメイク、コニャックはヌーベルと呼ぶなどの違いもあります。
違いはあるものの樽熟成を行う同じ蒸溜酒であることから、製法の大まかな流れは共通しています。
ウイスキーとブランデーの製造方法については以下の記事を参考にしてください。
ウイスキーとコニャックは使用する原料から、一般的にウイスキーは穀物の風味、コニャックは果実の風味が感じられます。
しかし、熟成樽の自由度の高さから、銘柄によって味わいの傾向は異なります。
特にウイスキーはフルーティーな風味を持つシェリー酒を熟成させた空き樽を使用して熟成するため、穀物を原料としながらフルーティーな風味を持つことが特徴です。
また、原料とする穀物の製麦(モルティング)の際に、穀物を乾燥させるにあたってピートと呼ばれる泥炭を焚くことがあります。
ピートで焚いたウイスキーは、スモーキーな香りや風味がすることが特徴です。
ウイスキーとコニャックを含めたブランデーは、樽熟成におけるバリエーションが広いことから、ウイスキーのほうが風味の幅広いといわれます。
ウイスキーにはコニャックと同様にフルーティーな風味を持つ銘柄もあれば、コニャックを熟成させたカスク(樽)を熟成に使用することもあり、生産者となる蒸溜所の創意工夫がしやすいため、自由度の高さから味わいの幅が広いです。
ウイスキーの種類にはスコッチ、バーボン、日本においてはジャパニーズウイスキーも次々と販売されており人気を集めています。
一方で、コニャックをはじめとするブランデーは日本においても愛好家から愛されていますが、ウイスキーと比較すると人気が劣るといわれることもあります。
ウイスキーとコニャックの人気の違いについて3つのポイントをまとめました。
それぞれ詳しく解説していきます。
ウイスキーもコニャックも長い歴史の中で見れば、高級であるという印象や年齢を重ねた落ち着いた大人が飲むものであると印象が強いことは共通しています。
しかし、近年において日本でウイスキーを販売するサントリーは、ウイスキーを炭酸水で割るハイボールという飲み方を浸透させ、大衆向けに低価格で購入できるウイスキーを販売しました。
これによりハイボールブームが到来し、日本におけるウイスキーの消費量が大きく増加したことから、大衆化に成功したことが今のウイスキー人気につながっています。
一方で、コニャックはフランス以外で製造できないことや、時代が変わってもウイスキーと同様に低価格で販売されることはないため、高級趣向を貫いています。
飲み方に関してもストレートを基本とする場合が多く、ウイスキーと同様にソーダ割りで飲まれることもありますが、一般的ではありません。
アルコール度数の高い蒸溜酒はストレートで飲むことに対するハードルが高いこと、飲み方の幅がウイスキーと比較して狭く感じられることから飲むための敷居が高く、メーカーも積極的に宣伝を行いません。
ウイスキーはハイボールの登場と低価格化により身近なお酒になりましたが、ブランデーは良さがわかる人だけが飲む高級嗜好を貫く販売戦略を取っていることから人気のみを考えれば差が開いたと考えられます。
コニャックはフランスで条件を満たして製造されたブランデーのみしか名乗ることが許されませんが、コニャック以外のブランデーも国内における生産はウイスキーと比較して限定的です。
ウイスキーはブームの到来により、次々と日本の各地に蒸溜所が設立されるようになり、新たな銘柄が誕生しています。
日本におけるウイスキー製造の自由度は高く、熟成樽の選定など様々な創意工夫によって幅広いバリエーションのウイスキーを製造できます。
コニャックも銘柄によって味わいに違いはあるものの、ウイスキーはスコッチという1種類のウイスキーを挙げても銘柄によって味わいに大きな違いがあります。
つまり、ウイスキーの中で銘柄を変えるだけでも異なる味わいが楽しめるため、幅広い銘柄から自分が好きなお酒を選べることから飲み手を飽きさせません。
種類の多さはそのまま市場の盛況に直結しやすいことから、日々、新たな銘柄が販売される日本においてウイスキーは人気になりやすいです。
ウイスキーとコニャックではウイスキーのほうが人気ではありますが、人気が高いウイスキーが必ずしも優れているわけではありません。
高級嗜好で販売先が限定的であるためコニャックの魅力が広く知れ渡っていないだけであり、今後を考えればコニャックやブランデーの良さが広く知れ渡る日が来る可能性があります。
ウイスキーのおすすめ銘柄を紹介していきます。
画像引用:https://products.suntory.co.jp/d/5010314017408/
マッカラン 12年は、スコッチウイスキーを代表する銘柄であり、シングルモルトのロールスロイスと呼ばれる高級ウイスキーです。
シェリー樽熟成によるドライフルーツとスパイシーな香りが特徴であり、華やかな印象を感じさせます。
心地良い甘さとまろやかな舌触りが魅力であり、バランスの取れた複層的な味わいです。
コニャックなどの高級なお酒を飲む方で、ウイスキーにおける高級銘柄を飲みたい方はマッカランを選んでみましょう。
画像引用:https://ieno-bar.suntory.co.jp/shopdetail/000000001984/
グレンフィディック 12年は、スコッチの中でもトップクラスの売上を誇る人気のシングルモルトであり、スコッチの入門酒におすすめです。
洋ナシやリンゴを思わせるフルーティーな香りは、マッカランと同様にスペイサイド地区で製造されたスコッチの特徴です。
バニラとハチミツの甘さが口に広がり、滑らかな口あたりで非常に飲みやすくなっています。
ウイスキーを初めて飲む方で飲みやすいウイスキーを選びたい場合に選ばれやすい銘柄です。
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画像引用:https://talisker-online.jp/lineup/y10.php
タリスカー 10年は、スコットランドのスカイ島で製造されるシングルモルトであり、人気の高い甘いウイスキーとは異なる特徴的な味わいを楽しめます。
香りはスモーキーであり、潮風を思わせる塩気とともに黒コショウのスパイシーさが感じられます。
ドライフルーツの風味とスモーキーでスパイシーなフレーバーが両立し、複雑で個性的な風味です。
人気の飲み方がハイボールであり、ハイボールに黒コショウをかける「タリスカー・スパイシーハイボール」があります。
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画像引用:https://www.ardbegjapan.com/products/
アードベッグ 10年は、クセの強さから好き嫌いが別れやすいアイラウイスキーの中でもトップクラスに強い個性を持ったボトルです。
非常に強い薬品とも表現されるスモーキーな香りが最大の特徴であり、バナナやクリームのニュアンスもあります。
強いスモークとともにレザーやタバコのような深みのある味わいに、オレンジやシナモンのアクセントが加わります。
クセが強いだけではない味わいの絶妙なバランスからハマる人も多く、アードベギャンと呼ばれる熱狂的なファンを生み出している銘柄です。
画像引用:https://www.pernod-ricard-japan.com/news/whisky/20240401/4522/
ザ・ディーコンは、飲みやすいスペイサイド地域のモルト原酒と個性的なアイラ地域のモルト原酒をブレンドしたブレンデッドウイスキーであり、昨年発売されたばかりですが大変人気の高い銘柄です。
オレンジのフルーティーさとスモーキーな香りが特徴であり、原酒の個性が調和しています。
爽やかなフルーティーさと塩気のある味わい、甘くスモーキーな余韻が長く続くため、一口でも口に含めだけでも満足感があります。
ウイスキーはインターネット上を中心に注目を集めた銘柄が、人気商品として急速に広まることも多く、ザ・ディーコンも近年における例の一つです。
今回はウイスキーから興味を持った人も入手しやすい、コニャックの中でも低価格で販売されているボトルを中心にコニャックのおすすめ銘柄を紹介していきます。
画像引用:Amazon.co.jp
ヘネシー V.Sは、コニャックの名門であるヘネシーの中でも入手しやすいボトルであり、コニャックの中でも味わいと価格のバランスが良いです。
樽由来のスパイス感とバニラ、コニャックのフルーティーな香りが広がります。
甘くスパイシーな味わいであり、フィニッシュにかけて心地良い余韻が続きます。
コニャックにおける入門酒の位置づけであり、トップクラスに飲みやすいコニャックといえるでしょう。
画像引用:https://www.remymartin.com/ja-jp/collection/vsop/
レミーマルタン V.S.O.Pは、ヘネシーに並ぶコニャックの名門であるレミーマルタンが製造する中間のランクを持つコニャックです。
非常に力強い香りであり、アプリコットや洋ナシのフルーティーさがあります。
熟した果実の風味とハーブのアロマから優雅な印象を感じられる味わいです。
レミーマルタンのV.S.O.Pは、コニャックの中でも人気が高く飲まれている銘柄となっています。
画像引用:https://www.jisys.co.jp/item/brandyspiritsliqueur/6.html
ポールジロー トラディションは、ヘネシーやレミーマルタンとは異なり、名門の五大コニャックには数えられていない銘柄ではありますが、その中でも非常に評判の良いブランドです。
華やかでフローラルな印象があり、凝縮されたフルーティーな香りが特徴になります。
ブドウの豊かな風味が感じられ、まろやかで飲みやすい口あたりです。
代表的なコニャックを飲んだことがある方は、五大コニャック以外のブランドにも挑戦してみましょう。
ウイスキーとコニャックは、どちらも蒸溜・熟成の過程を経た高アルコールの琥珀色のお酒ですが、主な違いは原料・製法・風味です。
項目 | ウイスキー | コニャック |
原料 | 大麦やトウモロコシなどの穀物 | 白ブドウ(ユニ・ブラン種) |
製法 | 麦芽の発酵液を蒸溜して作る | ワインを蒸溜して作る |
風味 | 大麦由来の風味ではあるが幅広い | 果実由来のフルーティーさ |
ウイスキーはハイボールなどで気軽に飲める一方、コニャックは高級志向が強く、主にストレートで楽しまれます。
日本ではウイスキーの生産が盛んなこともあり、ウイスキーの方が人気が高い傾向にありますが、コニャックもその品質の高さで根強いファンを持っています。
それぞれの特徴を理解した上で、おすすめ銘柄も参考に楽しんでみましょう。