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- ウイスキー基礎知識
自宅で作れるオリジナルの自家製ウイスキーは、ミニ樽などの道具を用意するだけで簡単に作れます。
自分の好きなウイスキーを熟成させて味わいの変化を楽しむの良いですし、蒸留したてのニューメイク状態のウイスキーを熟成させてみるのも面白いでしょう。
また、ミニ樽で熟成させるだけでなく、フルーツにウイスキーを漬けこんで漬け込みウイスキーを作ったり、市販のモルトウイスキーとグレーンウイスキーを購入してブレンデッドウイスキーを作ることもできます。
この記事では自家製のオリジナルウイスキーを作るための方法を紹介します。
この記事のポイント
ウイスキーの原料は大麦麦芽などをはじめとする穀類であり、穀類を発酵させてウイスキーは作られます。
日本では酒税法によって、酒造免許を持たない人が原料を発酵させてウイスキーを製造する行為は違法です。
しかし、個人の消費の範囲でウイスキーを作る際に酒税法に引っ掛かる行為は、麦やトウモロコシなど発酵させることでお酒が作れるものや、色素、香料などを材料に使うことです。
そのため、すでに課税を受けている市販の商品を利用して、酒税法で禁止されている特定の材料をに使用しなければ問題なくオリジナルウイスキーが作れます。
酒税法に関してはこの記事の最後で詳細を記載しますので、オリジナルウイスキーを作る際は酒税法を踏まえた上で作るようにしましょう。
ウイスキー自体の製造方法について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
ウイスキーの製造方法は? 原料からボトル詰めまでの流れを解説
オリジナルウイスキー作りの中でも、ウイスキーを製造する上での醍醐味である熟成を楽しめるミニ樽熟成による自家製ウイスキーの作り方の手順を解説します。
ウイスキーは樽によって熟成された原酒をボトル詰めして販売されますが、一度ボトル詰めしたウイスキーをミニ樽で熟成させることもできます。
ミニ樽とは1~5リットルほどの容量を持つ小さな樽のことで、オンラインショッピングなどで入手可能で、小さいため自宅にも置きやすいです。
市販のウイスキーを購入してミニ樽の中で寝かせるだけで熟成が進むため、自宅で簡単にウイスキーを熟成できます。
ミニ樽は置き方によってはインテリアにもなりますし、熟成によるウイスキーの変化を楽しめるのが魅力です。
ミニ樽による熟成は2週間程度で変化が現れ、適切な環境で熟成させれば1年以上の長期にわたって熟成させることもできます。
また、樽は小さいほど熟成が早く進む傾向にあるため、長期で熟成させたいならミニ樽の中でも大きい5リットルサイズのものを買うことをおすすめします。
一方で、2週間程度の短い期間での熟成を楽しみたい方はミニ樽の中でも小さい樽を選びましょう。
ミニ樽を用意したら熟成させるウイスキーを用意します。
好きなウイスキーを選んでもよいですが、ミニ樽熟成に適したウイスキーはアルコール度数の高いウイスキーになります。
なぜなら、ボトルからミニ樽に移すことでウイスキーのアルコール成分が失われてしまうからです。
熟成させる前からウイスキーの土台となる味わいが弱くなり、効果を感じにくくなる恐れがあります。
よって、おすすめは度数が高いカスクストレングスのウイスキーになります。
カスクストレングスはボトル詰めの際に加水処理をおこなわないため、高いアルコール度数でボトル詰めされます。
そのため、ウイスキー本来の香りや味わいが引き立ちやすく、ミニ樽で熟成する場合も香りや味わいが残りやすく、熟成感のある仕上がりになりやすいです。
また、ミニ樽で寝かせるウイスキーの候補としては、まだカスクで熟成させる前の状態であるニューメイク(ニューポッド)も挙げられます。
近年では熟成させる前の無色透明のウイスキーも市販されており、ミニ樽で熟成させることでウイスキーが琥珀色に色づく変化も観察可能です。
ニューメイクの状態のアルコール度数は70%近くあるといわれており、度数が高いという条件も満たしています。
度数の高いウイスキーの種類について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
アルコール度数の高いおすすめのウイスキーは?飲み方もご紹介!
熟成に使用するミニ樽と熟成させるウイスキーが決まれば、後は樽の中にウイスキーを入れて寝かせるだけです。
しかし、購入したミニ樽にそのままウイスキーを入れて熟成させてしまうと樽が持つ木材のフレーバーが強くなってしまいます。
ミニ樽は熟成させる前にアク抜きが必要であり、使用されるのがホワイトリカーです。
アク抜きは2週間から2ヶ月程度かけておこなう必要があり、アク抜きの時間が長いほどウイスキーの味わいもよくなりやすいです。
ミニ樽は一度ウイスキーを熟成させても再度利用可能であり、熟成させたウイスキーのフレーバーが新しく熟成するウイスキーに影響を与えることもあります。
使用するたびにミニ樽の熟成による効果も変わってくるので、使えば使うほど変化する熟成感を楽しむのもミニ樽熟成の魅力の一つです。
新しいミニ樽の用意ができたらすぐにウイスキーを熟成させるのではなく、下準備を忘れないようにしましょう。
ミニ樽による熟成以外でも自家製のオリジナルウイスキーを作る方法は存在します。
それぞれ詳しく解説します。
果物をウイスキーに漬け込んで作る漬け込みウイスキーも自家製オリジナルウイスキーの1つです。
漬け込む材料は、いちご、りんご、オレンジなどの生の果物に加えて、ドライフルーツも挙げられます。
特にフルーティーな味わいを持つウイスキーと、フルーツの漬け込みウイスキーは相性がよいです。
スコッチウイスキーのスペイサイドモルトはフルーティーな味わいのウイスキーが多いのでおすすめになります。
漬け込む期間は数日から1ヶ月程度で、長く漬け込むほどまろやかな味わいになりやすいです。
漬け込んだフルーツもパウンドケーキにするなどして無駄なく味わえます。
漬け込みウイスキーについて詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
ブレンデッドウイスキーは、モルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンダーと呼ばれるウイスキーのプロが適切な比率でブレンドすることで作られます。
市販のモルトウイスキーとグレーンウイスキーを購入すれば、自宅でも簡単にブレンデッドウイスキーを作ることが可能です。
ベースとなるグレーンウイスキーを選び、複数のモルト原酒をブレンドしてオリジナルウイスキーを作る方法になります。
市販のウイスキーはすでに味のバランスが整えられているためブレンドの難易度は低いです。
誰でも簡単にウイスキーブレンダーの気分を味わえるので、ブレンデッドウイスキー作りに挑戦してみましょう。
ブレンデッドウイスキーを自作する方法について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
ウイスキーをブレンドする意味とブレンデッドウイスキーを自作する方法
最後は少し変わった方法になりますが、ウイスキーを燻製にすることで燻製ウイスキーを作ることが可能です。
具体的には、グラスに注いだウイスキーに燻製煙を注入することで、グラス内に白い煙が充満し、ウイスキーに新たな香りが付与されます。
スコッチウイスキーは燻製のようなスモーキーな香りが特徴であるため、ウイスキーそのものの香りを損ねず、香り豊かに変化します。
口当たりがマイルドになり、甘みが引き立ちやすくなる効果もあるので、一度は試したいところです。
燻製にはスモークガン(スモーキングガン)を使用すると便利で、キャンプなどで食材を燻製にする際にも利用される道具になります。
燻製ウイスキーの作り方について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
燻製ウイスキーとは? 作り方や燻製がウイスキーに合う理由もご紹介!
自家製のオリジナルウイスキーの作り方について解説しました。興味を持った方法があれば、ぜひ一度実践してみてください。
ただし、オリジナルウイスキー作りは共通して酒税法の理解が必要ですので、下記の概要を必ず確認するようにしましょう。
酒税法 | 概要 |
① | 消費者が自分で飲むための酒類であること(同居親族の消費も含む) |
② | 漬け込む酒のアルコール度数が20度以上で、酒税が課税済みのものであること |
③ | 米、麦、あわ、とうもろこし、こうりゃん、きび、ひえ、でんぷんは使用不可 |
④ | ぶどう(山ぶどう)は酒の材料に使用できない |
⑤ | アミノ酸、ビタミン類、核酸分解物、有機酸、無機塩類、色素、香料は使用不可 |
参考:国税庁 【自家醸造】