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【現地レポート】職人技が光る!樽からウイスキー造りを支える有明産業

2024.05.21 / 最終更新日:2024.05.21

宮崎駅から約1時間車を走らせると、果物栽培が盛んで自然豊かな都農町(つのちょう)に着きます!

そんな自然あふれる都農町には、日本で唯一専業で樽造りを行う有明産業の都農工場があります。

ウイスキー造りに欠かせないクーパレッジ(製樽工場)である有明産業で造られた樽は全国各地へと届けられています。今回Dear WHISKYは、都農工場へ実際に行ってきました!

また、最年少で工場長に就任された奥平将一朗さんにもお話を伺いましたので、ぜひ併せてご覧ください!

併せてお読みください!

有明産業株式会社について

有明産業株式会社 紹介

1963年に京都府で一升瓶用の木箱の製造を行う会社として創業した有明産業株式会社は、1980年台のウイスキーブームや、焼酎を洋樽で熟成した商品の広まりをきっかけに、洋樽の製造をはじめました。

有明産業は、国内で唯一洋樽造りを専業で行うメーカーです。「日本のお酒を樽で美味しくする会社」を目指し、日本の樽文化を守り、進化、発展させています。

有明産業のミッション「日本のお酒を樽で美味しくする会社」

有明産業株式会社 都農工場 紹介

都農工場は、洋樽の製造と中古樽の修理・メンテナンスを行うクーパレッジです。年間約4,000樽が取り扱われていて、都農工場で作られた樽は全国各地のウイスキーや焼酎を造っている蒸溜所等へと出荷されています。

企業名 有明産業株式会社
設立 1973年1月16日
代表取締役 小田原伸行
本社所在地 〒612-8355 京都市伏見区東菱屋町428-2
連絡先 075-602-2233
都農工場 所在地 〒889-1201 宮崎県児湯郡都農町大字川北1948-2
公式HP 公式HPはこちらから!

都農工場を訪問しました!

2つの大きな樽が入り口に!

工場の隣には事務所がある建物があり、赤い外観が特徴的な入り口には、2つの大きな樽がありました。また、すぐ横に併設された工場からは、ハンマーを打つ音が絶え間なく聞こえてきて、樽造りがまさに行われていることを実感しました。

有明産業 都農工場外観

歴史ある有明産業のロゴ

また、建物を見上げると、大きな有明産業のロゴが目に入ります。ロゴの中心に描かれた3つの樽のマークは設立当初から変わらず使われているそうで、洋樽を長年造ってきた有明産業の歴史が感じられます。

3つの樽が描かれたロゴ

新樽の製造工程

隣接している建物では、新樽の製造が行われていました!
工場内には若い方からベテランの職人さんまで、様々な年代の方が作業されていました。有明産業は技術の継承を大切にしているので、若手の育成にも力を入れています。

木材の加工

有明産業では、角材を樽にしやすいように加工する過程から自社工場で行っています。

木材は、アメリカンホワイトオークなどを輸入するだけではなく、様々な国産材(スギ、ヒノキ、サクラ、クリ、ミズナラなど)を全国各地から取り寄せています。

積み上げられた様々な種類の木材

鏡板の製材

鏡板を製造するためには、まず加工された角材を相釘でつなげる作業が必要です。板と板の間からお酒が漏れることを防ぐために、ここでもガマの葉を挟みながら釘が打たれ、一枚の板が造られていました。

板と板の間にはガマの葉が挟まれている

鏡板用に1セットになった木材は、チャーリングされ、丸い鏡板の形へと加工されます。板には線が薄く引かれていましたが、カット自体はすべて職人さんが手作業で行っていることに驚かされました。

チャーリングされた鏡板用の木材

鏡板の形に丸く加工された後は、機械に通すことで表面を滑らかにして、鏡板が完成となります。

1つの凹凸もないよう加工された鏡板

樽の形を成形

次は、アサガオと呼ばれる片側だけがタガ締めされている放射状の樽を、鉄の仮タガで樽の形に曲げる作業が行われます。

機械で締めた後に手作業でさらに締められていきますが、きつく締めすぎると樽材が割れてしまうことがあるため、職人だからこそなせる技です。

手作業でタガ締めされる樽

ここでも樽と樽の隙間から漏れることがないように、隙間を埋めていきます。

樽材と樽材の隙間を埋める職人技

チャーリング

今回は実際に成形した樽の内部を焦がすチャーリングの様子を目の前で見させていただきました!

都農工場では、ガスを使わずに昔ながらの木片を使いチャーリングを行っています。樽から高く立ち上る炎は迫力満点でした。

樽から真っ赤な炎が立ち上るチャーリングの様子

板交換

続いて、チャーリングをはじめとした今までの工程で割れてしまった樽材の交換を行います。床にはさまざまな幅の樽材が並べられていて、そこから同じ幅のものを探してきて、割れてしまった樽材と交換します。

樽に使われる木材幅が同じ幅ばかりだと、樽が変形したり折れてしまったりした時に、樽材の交換が難しくなるため、あえて様々な幅の樽材を使って樽を作っています。

交換箇所にどの樽材が合うかどうかは職人さんの目利きで判断されていて、ここでも職人技を感じました。

交換箇所に合わせて木材を削る職人さん

組み入れと胴削り

板交換が終わった後は、樽の内部に鏡板をはめる溝を掘り、鏡板を組み入れます。そして、組み上がった樽を機械で磨く胴削りを行い、お酒を入れる穴をくり抜きます。最後に本タガと呼ばれる出荷時に付けられている鉄のタガがはめられて、ついに樽の完成です。

樽にお酒を入れる穴を開ける様子

漏れがないかの確認

組み上がった樽に実際に水を張り、漏れがないかを確認します。

木材にはそれぞれ特徴があり、アメリカンホワイトオークは水を通しにくいですが、ミズナラやサクラ、クリといった国産材は水を通しやすくなっています。また、クリやスギは漏れにくいが折れやすいなど、全体的に国産材は漏れやすく、材質が不均一なことから、加工が難しいとされます。

水を張る工程で漏れてしまった箇所には、以下のように樽の側面に印をつけて、再度樽材の取り替えを行います。国産材は漏れが多いので、胴削りの前に水張りの工程を行うなど、材質によって工程を変えています。

漏れでてしまった箇所につけられた赤色のバツ印

中古樽の修理・メンテナンス

まず案内していただいたのは、中古樽の修理・メンテナンスが行われている建物。

洋樽は製造過程で、木材の成分がウイスキーへ抽出しやすくするために、内側を焦がすチャーリングと呼ばれる工程があります。

一度使われた樽でも、内部の焼き直しをすることで、樽の熟成機能を回復させることができます。そのため、都農工場では樽のリメイクの依頼も受けていて、1月あたり約300丁の中古樽を取り扱っています。

チャーリングにより真っ黒く焦げた樽の内側

工場を見学させていただいた際には、新樽のタガ(樽を締めて固めている鉄の金具)を外して、鏡板(かがみいた)を再度入れる作業が行われていました。

ここで驚かされたのは、鏡板で蓋をする際に、乾燥させたガマの葉を使い隙間を埋めていることです。

外国の樽はゴムのようなもので隙間を埋めることもありますが、有明産業では昔ながらのやり方を続けています。

ガマで鏡板の隙間を埋める様子

また、職人さんたちは樽を回しながら軽々と運びますが、その日に造られていた国産樽は250リットルの大きさで、1つの樽で80kg 、鏡板が入ると100kgを超えるものもあります。

実際に運ぶ体験をさせていただきましたが、重さと大きさから傾けるのでやっとでした。

チャーリングのために運ばれる樽

倉庫

最後に、メンテナンス前の中小樽や輸入樽が保管されている倉庫を案内してもらいました。1ヶ月から2ヶ月かけて輸入されるバーボン樽もあるため、輸入してきた時に、一つ一つ香りを確認しています。

タガの錆から年季を感じる中古樽や様々な種類のシェリー樽など、色や大きさが様々な樽が積み上げられている光景は圧巻でした。

積み上げられた 大小様々な樽

最後に

以上、有明産業、都農工場の現地レポートでした!ウイスキー造りには欠かせない洋樽は、職人さんの想いと匠の技術に支えられて造られていました!1つの樽を作るのにも、お客さまの要望に合わせた焼き加減の調整や、材質に合わせた造り方への工夫があり、お酒の特徴を引き出す樽の魅力や奥深さを実感しました。

さらに、独占インタビュー編では、最年少で工場長に就任された奥平将一朗さんへお話いただきました。ぜひご一読ください!

併せてお読みください!

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