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【現地レポート】 福岡の老舗酒蔵が新設した新道蒸溜所の蒸溜所見学!

2023.06.12 / 最終更新日:2024.05.10

豊かな自然に囲まれる福岡県朝倉市に、2021年に新設された新道蒸溜所
創業200年以上続く老舗酒蔵 篠崎酒造が新たにウイスキー事業に取り組まれています
この度、実際に新道蒸溜所にお伺いし取材をさせていただきましたので、その様子をお送りします!現地レポート編となる今回は、実際の蒸溜所の様子をお届けします。
一般公開はされていない蒸溜所内を特別に案内していただきました!!
営業部次長の梅野さんに、新道蒸溜所ならではのこだわりも教えていただきましたので、ぜひご覧ください!

併せてお読みください!

新道蒸溜所とは

新道蒸溜所のご紹介

福岡の地で​​200年以上前から清酒・焼酎・あまざけなどの酒類を造り続けてきた篠崎酒造が、2021年のウイスキー事業開始に伴い新設した新道蒸溜所。
THE QUEST FOR THE ORIGINAL(独創性の追求)」をコンセプトに、基本を押さえた上で、世の中に普通にあるものではなく、これからのスタンダードになるものを追求するべく、常に新しいことに挑戦し続けています。
化学的根拠をもって表現される「重層的な香り」のウイスキーが特徴的な、今後が楽しみな蒸溜所です。

蒸溜所名 新道蒸溜所
所在地 福岡県朝倉市比良松626―1

新道蒸溜所の外観

実際に蒸溜所に行ってきました!

麦芽の粉砕

まず、最初に「ミル」という機械で麦芽を粉砕します。
新道蒸溜所さんでは、納品された麦芽に応じて粉砕比率を調整されているそうです!

麦芽を粉砕する機械 “ミル”

糖化

糖化タンク

続いて、「糖化タンク」で先程の麦芽を糖化します。

梅野さん:
粉砕した麦芽をこの機械に送り、温水を加えて麦汁を造ります。留意点はいくつもあるのですが、例えばその一つに加える温水の温度調整や敷湯が挙げられます。新道蒸溜所のある朝倉の土地は、夏は極めて暑く冬は氷点下になる程寒いという気候の特徴を持っています。ステンレスでできているこの機械は外気温による影響を受けやすいので、外気温も勘案しながら加える温水の温度管理を行っています。また冬場は糖化タンクが冷えやすいので、事前に「敷湯」をするなどの工夫も行っています。

糖化タンク

SDGsに配慮して

梅野さん:
こちらの麦芽のかすは、かなり水分を含んでいます。
この麦芽のかすの水分を切ると、家畜の餌として再利用することもできますが、日本では、まだ水分をきるための設備や運送の環境が整っていない状況です。世界的にSDGsなどが注目されている中、今後、こうしたものの再利用も行っていきたいと考えています。

麦芽のかす

発酵

発酵工程

続いて、「発酵」を行います。
発酵タンクの中でゆっくりと発酵を進め、アルコール度数7%程のモロミができます。

たくさんの発酵タンク

タンクの中身

特別にタンクの中を見せていただきました!
発酵タンクの中は、甘くて香ばしい洋菓子のような香りが広がっていました!

発酵タンクの中の様子

使用している酵母

この工程では、麦汁の糖分をアルコールと炭酸ガスに分解する役割をもつ酵母が加えられます。
乾燥酵母を使う蒸溜所さんが多い中、新道蒸溜所さんでは、プレス酵母が使用されていました!

新道蒸溜所で使われている酵母

蒸留

初留

続いて、「蒸留」を行います。

梅野さん:
まずはこちらの蒸留器で1回目の蒸留(初留)を行います。
発酵でアルコール度数7%程度に出来上がったモロミですが、初留工程により20%程度の初留液(ローワイン)を獲得します。
弊社の初留器の形状は、「ストレートネック」型です。
ネック(首)の部分が真っ直ぐなストレート型になっています。
留液のタイプは蒸留器の形状、操作方法など様々な要因によって変化し得ますが、弊社ではしっかりとボディ感のある初留液を獲得することを目指しています。

写真左から、初留で使用されている蒸留器、蒸留器内の様子

再留

続いて、2回目の蒸留(再留)を行い、この中でアルコール度数70%程度の中留液(ハート)を獲得します。

写真左から、再留で使用されている蒸留器、蒸留器内の様子

再留の蒸留器の特徴

梅野さん:
再留工程では、先程とは異なりネックの部分が「ランタン型」と言われる型の蒸留器を使用しています。
蒸留時間、(蒸気)出力、留液品温など様々な要素に留意しながら、目指す香り成分の獲得を目指します。

手作業でのコントロール

梅野さん:
発酵工程までは、基本的にはオートメーション(自動制御)で行っていますが、蒸留の工程は
手作業でのコントロールとなります。

梅野さん:
様々な香りの成分を時間と共にしっかりと取り出すことができるように、時間でのコントロールをベースに、データを取りながら蒸留をしています。ちなみに、ここで作業をする人を一般的に「スチルマン」と呼びます。

蒸気や水をコントロールするバルブ

熟成

樽の倉庫

最後の工程は「熟成」です。
オーナー様のカスクが保管してある倉庫も案内していただきました!

カスク(樽)が保管してある倉庫内の様子

最初に造った樽

新道蒸溜所で最初に造ったウイスキーが樽詰めされた、1番樽が!!!

新道蒸溜所の1番樽

独占インタビュー編もご覧ください!

以上、新道蒸溜所の実際の蒸溜所の様子をお届けしました。
普段中々見ることのできないウイスキー造りの裏側を見ることができ、貴重な時間となりました。

現在、一般公開はされておりませんが、近いうちにビジターセンター建設の予定もあるそうです!
これからがとても楽しみですね!!

また今回は、新道蒸溜所の創業者である株式会社篠崎 8代目の篠崎倫明さんに独占インタビューをさせていただくことができました!2021年に新設した新道蒸溜所を支える篠崎さん。ウイスキー造りに対する想いやこだわり、今後の目標についてお伺いしました!ぜひ、「独占インタビュー編」の記事もご覧ください!

併せてお読みください!

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