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【独占インタビュー】徳島初のウイスキー造りに迫る!阿波乃蒸溜所(徳島県) 前田康人さん・丸山恵さん<第2弾>

2024.02.13 / 最終更新日:2024.02.13
阿波乃蒸溜所 第2弾

徳島県民の想いを背負い、徳島初のウイスキー蒸溜所として2023年にスタートした阿波乃蒸溜所。インタビュー編第1弾では、オーナーである日新酒類株式会社の代表取締役社長 前田康人(まえだ やすひと)さんと、製造部主任の丸山恵(まるやま めぐみ)さんに、阿波乃蒸溜所の創立秘話やウイスキー造りへの想いを伺いました。第2弾では、ウイスキー造りの舞台裏や、前田社長が考えるジャパニーズウイスキーへの向き合い方など、阿波乃蒸溜所の魅力にさらに迫ります。ぜひ、最後までお楽しみください!

併せてお読みください!

名前に込めた想い

阿波の魅力を、世界へ伝えるために

Dear WHISKY:
「阿波乃蒸溜所」というお名前は、どのように決定したのですか?

前田さん:
徳島県初のウイスキー蒸溜所として、四国や徳島、そして阿波市の魅力を前面に出したいと考えていました。これまでの当社製品でも、阿波の地名を積極的に使用しています。しかし、蒸溜所の名前としては商標上の懸念があり、使いにくい状況だったのです。そこで、以前から親しくしていたPRを専門とする外部の方に相談しました。

Dear WHISKY:
なぜ「乃」を足すことにしたのですか?

前田さん:
ご提案いただいた「阿波乃蒸溜所」は、阿波に「乃」の一文字を加えたものですが、名前の感覚が気に入り、私たちの地域への想いとも一番合致したため、すぐに決定しました。字数も良いらしく、「絶対にこれが良い!」と強烈に推されたという理由もあります(笑)。

ウイスキー樽をモチーフにしたロゴマーク

Dear WHISKY:
阿波乃蒸溜所のロゴマークに込めた想いは何でしょうか?

前田さん:
ウイスキーを連想できるよう、ウイスキー樽をモチーフに作成していただきました。名前との合致という点では、阿波(AWA) 乃(NO) 蒸溜所(DISTILLERY)の頭文字であるA、N、Dを組み込んでいます。AND自体にも、昔と今、そして蒸溜所とお客様を繋ぐという意味や、阿波(A)の(N)土成町(D)など、色々な意味合いが込められています。

阿波乃蒸溜所 ロゴマーク

阿波乃蒸溜所 ロゴマーク

地元 徳島県への貢献

地元の反応

Dear WHISKY:
蒸溜所新設を発表した際、地元の方々の反応はどのようなものでしたか?

前田さん:
「ようやくやるんや」と仰る方もいますし、徳島初の取り組みとして、大きな期待が寄せられています。やり始めると、色々な人から、様々なお声がけを受けるようになりました。地元でも、原材料の麦芽の供給や、環境保護の観点から麦芽カスを有効活用するアイデアなど、多くのご提案をいただいています。私たちとしても、全体を通して、地元社会にしっかりと貢献できるような蒸溜所にしていきたいですね

阿波乃蒸溜所のウイスキー造り

製造課 丸山さん・原田さんの二人体制

Dear WHISKY:
阿波乃蒸溜所は、現在何名で運営されていますか?

丸山さん:
私ともう一人の社員、原田祥宏(はらだ よしひろ)の二名で運営しています。メンテナンスなど、人手が必要なときは、隣の焼酎の醸造所のメンバーを呼んだり、逆に先週は私たちが焼酎の仕込みを手伝いました。

Dear WHISKY:
日新酒類では、異なる分野の造り手が、協力してお酒造りを行っているのですね。
ウイスキー造りの全行程を2名で行うのは、苦労も多いのではありませんか?

丸山さん:
阿波乃蒸溜所では、1回の仕込みは500kgで、粉砕、糖化、発酵、蒸留の行程を1週間かけて行い、1樽が詰められます。小規模生産ですので、二人でも細かくチェックしながら、運営が可能なのです。他社と異なる点は、本社での瓶詰めを含め、ある程度分業が進んでいるため、少人数でも生産に集中することが可能です。

温暖湿潤な、徳島の自然環境

Dear WHISKY:
阿波乃蒸溜所周辺の自然環境は、どのような特徴がありますか?

前田さん:
平地であり、時期にもよりますが暖かく湿度も高いエリアです。吉野川の近くに位置しているため、水の利用は比較的容易ですね。これらの地理的条件が、木樽熟成においてどういった影響を与えるのか、私たちの悩みの種でもありますが、原酒の造り方など大きな目標と絡めて、良い方向に活かしていきたいと思っています。

徳島 大歩危峡と吉野川

徳島県を流れる吉野川

速い熟成でも風味が際立つような、力強い原酒造り

Dear WHISKY:
阿波乃蒸溜所が目指すウイスキーの味わいは、どのようなものですか?

丸山さん:
味わいがしっかりと感じられる、重みがあり風味高いウイスキーを目指しています。

Dear WHISKY:
そのような力強い味わいのウイスキーを目指す理由は何でしょうか?

丸山さん:
阿波乃蒸溜所の貯蔵庫では、空調コントロールを行っていませんので、夏は蒸し暑く、冬は寒いという徳島の気候が直接熟成に影響します。このような気候条件では、色や香りの抽出も速く進みますので、味が軽すぎるとバランスが取れないと考えています。ですので、熟成の度合いに味わいが負けないよう、芯のある原酒を造るために、ポットスチルの設計にも工夫を凝らしました。

経過報告 ひと夏を超えて

Dear WHISKY:
今日(取材日:2023年11月20日)までの段階で、貯蔵中の原酒にどのような変化が見られましたか?

丸山さん:
2023年6月20日に初めて樽詰めを行いましたが、現時点(取材時:2023年11月20日)で、ちょうどひと夏を経過しました。先月、サンプルを取ってみましたが、予想以上に香りや色が抽出されていました。やはり気温が高い分、熟成が早いのかなと感じています。

Dear WHISKY:
味わいに関してはいかがでしょうか?

丸山さん:
まだ麦芽の香りが残り、荒々しい部分も感じられますが、今後どうなっていくのか、変化がとても楽しみです。ただ、このペースですと熟成が進みすぎる可能性も考えられますので、小まめにチェックしていく必要があります。

阿波乃蒸溜所 熟成庫

阿波乃蒸溜所 熟成庫

 

 

初開催のイベント TOKUSHIMA WHISKY & WINE/SPIRITS CARNIVAL

ウイスキー蒸溜所を初お披露目

Dear WHISKY:
2023年11月11日に阿波乃蒸溜所にて開催された、TOKUSHIMA WHISKY & WINE/SPIRITS CARNIVALとはどのようなイベントですか?

前田さん:
阿波乃蒸溜所にて、当社の洋酒のPRイベントを行いました。これまで日本酒や焼酎に関しては、定期的にイベントを開催してきましたが、洋酒についてはなかなか十分なPRができていませんでした。そこで、今回、ウイスキー造りを始めたことをきっかけに、ウイスキー・ジン・リキュール・ワインなどにスポットを当て、皆様にご紹介しました。地元の方々だけでなく、香川からも酒類関係者がお越し下さり、予約時点で100名以上のお問い合わせを頂きました。スペースの都合から、普段は実施していない蒸溜所ツアーも限定で行い、多くの方に楽しんでいただけました。

イベントの様子

イベントの様子

ジャパニーズウイスキーと阿波乃蒸溜所

料理との相性を考え、規格に見合ったものを

Dear WHISKY:
前田さんの考えるジャパニーズウイスキーの魅力とは何でしょうか?

前田さん:
日本のお酒全般に言えることですが、やはり飲み物ですので、食べ物と合わせて楽しむものだと考えています。自分達の目指すジャパニーズウイスキーは、日本人の食生活にも合わせて造られているというものが多く、私たちもそれを見習いながら、料理との相性を考えながら造っていかなければなりません。100年間、脈々と受け継がれ、現在では世界五大ウイスキーにも数えられている現実を受け止め、そこに関わる以上、しっかりと見合ったものにする。造る側としては、その一点に尽きると考えています。

Dear WHISKY:
好きなお酒のお話とも通じる部分もありますが、前田さんは常に料理との相性を考えながらお酒を見ていますね。
阿波乃蒸溜所のウイスキーは、どのような料理と合わせて飲まれていくでしょうか?

前田さん:
まだ試行錯誤の段階ですので、はっきりとは言い切れませんが、徳島の美味しい素材を活かした地元料理と一緒に楽しんでいただけたらと思います徳島の料理はバラエティーに富んでいますので、どれにマッチするかを見つけるのが楽しみですね。日常的な料理か、もしくは特別な日のための料理なのか、どちらになるにせよ、しっかりと提案ができるように、これからも頑張っていきたいです。

今後の展望

2026年の初出荷に向けて

Dear WHISKY:
2026年の阿波乃ウイスキー初出荷に向けた意気込みはいかがですか?

前田さん:
ウイスキーに限らず、品質がすごく問われる時代になっています。最近では「ジャパニーズウイスキー」という規格が徐々に確立され、当社もそれに合わせて動いています。これらの規格は、先行の方々が、ブランド価値を上げていってくれたからこそ生まれたものです。私たちは「ジャパニーズウイスキー」という名を汚さないよう、その規格に相応しいものを造らねばなりません。そして徳島初のウイスキー蒸溜所として、四国でも良いウイスキーができると皆さんにご納得いただけるよう、量よりもまずは品質ありきで取り組んでいます。

Dear WHISKYの読者へメッセージ

Dear WHISKY:
最後に、Dear WHISKYの読者の皆様に、メッセージをお願いします!

前田さん:
阿波乃蒸溜所は、まだ動かし始めたばかりです。これから四国の徳島で、一体どのようなウイスキーが生まれるのか、まだ未知のことばかりです。私たちとしても、楽しみと不安の両輪状態ですが、限られた徳島のウイスキーとして、皆さんにも是非興味を持っていただきたいです。そして、徳島県や四国全体にも、多くの魅力がありますので、これを機に地域全体への興味をお持ちいただけたら大変嬉しいです

2026年の初出荷に向けて

Dear WHISKY:
阿波乃蒸溜所が、ウイスキー造りを行う上で意識していることは何ですか?

前田さん:
ウイスキーに限らず、品質がすごく問われる時代になっています。最近では「ジャパニーズウイスキー」という規格が徐々に確立され、当社もそれに合わせて動いています。これらの規格は、先行の方々が、ブランド価値を上げていってくれたからこそ生まれたものです。私たちは「ジャパニーズウイスキー」という名を汚さないよう、その規格に相応しいものを造らねばなりません。

Dear WHISKY:
2026年の阿波乃ウイスキー初出荷に向けた意気込みはいかがですか?

前田さん:
徳島初のウイスキー蒸溜所として、四国でも良いウイスキーができると皆さんにご納得いただけるよう、量よりもまずは品質ありきで取り組んでいます。

阿波乃蒸溜所 製造課の原田さん(左)・代表取締役社長の前田さん(中央)・製造課 主任の丸山さん(右)

阿波乃蒸溜所 製造課の原田さん(左)・代表取締役社長の前田さん(中央)・製造課 主任の丸山さん(右)

最後に

徳島への情熱と、「日々新たなり」のモットーに基づき、止まることなく挑戦を続ける日新酒類が新たに手掛ける阿波乃蒸溜所。四国の大地で、どんなウイスキーが生まれるのか、2026年の初販売が待ち遠しいです!

阿波乃蒸溜所の現地レポートでは、通常、一般向けには非公開の蒸溜所内部を見学し、ウイスキー造りのこだわりや裏側に密着しました。Dear WHISKYでしか読めない内容も盛りだくさんですので、ぜひご覧ください!

併せてお読みください!

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