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【Exclusive Interview】Calum Rae-Holyrood Distillery
- 造り手
- 蒸溜所(海外)
スコットランドのエアシャーの中心に位置し、たくさんの牛に囲まれたロッホリー農場は、2015年に牛の牧場を別の事業に転換するという大きな決断を下し、50エーカーの自社の畑で大麦の栽培に注力し始めしました。
2018年に建設が終了したロッホリー蒸溜所は、すべての原料を地元で調達することに加えて、100%自社の大麦を生産する蒸溜所として、そのユニークな歩みを正式に開始しました。
地元生産へのたゆまぬこだわりと誇りを持ったロッホリーは、蒸溜所内でウイスキー製造を完結する夢のもと日々製造に取り組んでいます。私たちはロッホリー蒸溜所のコマーシャルディレクターであるデイビッド・ファーガソンさんにインタビューし、彼らのシングルモルトの製造に対する真の情熱と誇りを伺ってきました。
ロッホリー蒸溜所のロゴ
蒸溜所 | ロッホリー蒸溜所 |
所有者 | ニール・マクゴー |
住所 | Lochlea Farm, Craigie, Kilmarnock KA1 5NN, United Kingdom |
設立年 | 2018年 |
公式サイト | ロッホリー蒸溜所 |
問い合わせ | Email:info@lochleadistillery.com Telephone:01668 281554 |
SNS | Instagram:@lochleawhisky Facebook:@lochleawhisky X:@LochleaWhisky |
Dear WHISKY:
もともとはどちらのご出身ですか?
デイビッドさん:
私はこの辺りで生まれ育ち、その後一時期この場所から離れて暮らしていました。この仕事に就いたとき、家族を連れて地元に戻ってきた形になります。今は、祖父母とも近所ですし、楽しく暮らしています。
Dear WHISKY:
ウイスキー業界に入ったきっかけは何ですか?
デイビッドさん:
私はウイスキーが大好きで、この業界で働くずっと前からウイスキー愛好家でした
子供の頃、父と一緒にウイスキーフェスティバルに行ったのがきっかけで、ウイスキーの背景にあるストーリーと歴史に心惹かれウイスキーが好きになりました。
その後、大きくなるにつれウイスキーでキャリアを築くこともできると気づき、ウイスキーに関わる仕事を探し始め、ダグラス・レイン社に入社しました。
大麦倉庫とデイビッドさん
Dear WHISKY:
ダグラス・レイン時代はなにをされていましたか?
デイビッドさん:
私は英国でのセールスを担当した後、輸出市場に進み、そこで徐々に出世していきました。私はダグラス・レインで一緒に働いたすべての人々から多くのことを学びました。
Dear WHISKY:
ダグラス・レインで働いた後は何をしましたか?
デイビッドさん:
その後日本の「ビームサントリー」という会社で、主に樽の販売に携わっていました。そこで私はスコッチ蒸溜所、ケンタッキー州のバーボン蒸溜所、そして3つの日本の蒸溜所と仕事をしていました。最初は、樽を評価と選定し、蒸溜所から購入する仕事をしていました。その逆で、ビーム サントリーの所有する蒸溜所の空き樽販売も並行して行っていました。
Dear WHISKY:
それらの樽は誰に売っていたのですか?
デイビッドさん:
主に他の蒸溜所に売っていました。
当時、実際にラフロイグの樽をロッホリーにたくさん売ったことが、このブランドを知ったきっかけでした。
現在でもロッホリーはラフロイグの樽を使用してピーテッドの熟成をしています。プロダクションマネージャーのジョン・キャンベルさんに初めて会ったのはその頃でした。ウイスキー業界は案外狭いのですよ。
Dear WHISKY:
現在、ロッホリーではどのようなお仕事をされていますか?
デイビッドさん:
私の肩書きはコマーシャルディレクターなので、管理側に在籍しており、基本的に製造以外のことを管理しています。プロダクションディレクターのジョンさん、コマーシャルディレクターの私の二人で主にビジネスを担当しています。私たち全員が非常に緊密に連携して仕事をしています。
Dear WHISKY:
どのようなスケジュールで働かれていますか?
デイビッドさん:
蒸溜所は月曜日から金曜日まで稼働しており、私は常に働いています。
私たちは小さな会社なので、誰しもが自分の担当外の仕事をもこなしています。様々な仕事に携わることで、ブランドにとても親近感が湧いて、いい雰囲気が生まれるんです。
皆、本当によくやってくれています。
ロッホリー蒸溜所のT-シャツ
Dear WHISKY:
サントリーのような大企業で働くのと、ロッホリーのようなクラフト蒸溜所で働くのとでは、どのような違いがありますか?
デイビッドさん:
どちらにも利点があると思いますが、ロッホリーのようなスタートアップ企業はより自由度が高く、レイヤーが少ないため非常に迅速に物事を進めることができるという利点があります。
Dear WHISKY:
これまでロッホリーで働いて経験した中で最も困難だったことは何ですか?
デイビッドさん:
私がロッホリーに入社したときは、まだ顧客も定着しておらずマーケットに進出する前でした。なので私は、ボトルも何もないにもかかわらず、いろいろなインポーターに会いに行ってロッホリーがどのようなウイスキーになるのかを説明しなければなりませんでした。
私は彼らをロッホリーの夢に巻き込み、彼らから私たちと関わりたいと思ってもらう必要があったのです。
さらに、ブランドが確立されていなかったことも難しい点の一つでした。ロゴがどのようなものになるのか、ストーリーをどのように伝えたいのか、ゼロから始めなければなりませんでした。ブランディングには時間と労力をかなり費やしましたが、良い経験ができたと思っています。
Dear WHISKY:
どのようにして乗り越えられたのですか?
デイビッドさん:
良きチームに恵まれました。コマーシャル面では、セールス、マーケティング、ロジスティクスを担当する若い意欲的なグループがいます。これにより、作業を分散することで効率よく業務を進められました。
さらにロッホリー蒸溜所のオーナー兼マネージングディレクターであるニール・マクゴーさんにもお話を伺いました。
Dear WHISKY:
蒸溜所を建設するのに、なぜこの場所を選んだのですか?
ニールさん:
私の家族は2006年にここに越して来ました。当初は小規模な農業をするつもりだったので、私たちはたくさんの牛を飼っていたので、彼らに餌を与えるため傍らで大麦を栽培していました。
しかし、牛の世話はあまりに大変だったので、私たちは他の分野であるウイスキーの生産に移ることにしました。
Dear WHISKY:
具体的にはどのようにアプローチをしたのですか?
ニールさん:
まず、私たちはウイスキー造りのために大麦の生産量を増やし始めました。巨大企業のほとんどが麦芽をさまざまな場所から購入していたため、私たちは自分たちの手ですべてを行うことで、自由度と特異性を得られると考えたのです。
また大麦の製造工程を緻密に管理することで、SDGsに配慮した大麦栽培を実現しています。
Dear WHISKY:
どのようにしてこれほど強力な蒸溜所チームを結成されたのですか?
ニールさん:
この15人のグループに恵まれたことはとても幸運でした。
良い人材がさらに良い人材を呼び寄せることで、素晴らしいチームができ上がったのです。
Dear WHISKY:
この蒸溜所を設立するにあたって最も大変だったことは何ですか?
ニールさん:
最初のフェーズは建設でした。とても大きな仕事であり、建築には優れたチームが必要でした。建物を手に入れたら、こんどはそれを運営するチームが必要です。
しかし、蒸溜所を建設し、蒸留器や蒸気の流れに関するすべてのフローを整えることが専門分野並みに難しいのです。建物を完成させ正しく運用した上で、さらに細かな調整などをしなければなりません。
Dear WHISKY:
建築が一番難しかったということですか?
ニールさん:
それも違いますね。ウイスキーを売ること、販売チームを作ることが一番難しかったです。デイビッドとの出会いは本当に幸運でした。彼は樽の販売から、私たちのことを知っていて、入社に乗り気でいてくれたのです。そこで彼は、素晴らしいセールスチームを作り上げてくれました。とても楽しいですよ、楽しむためにやっているので!
ニールさんとデイビッドさん
Dear WHISKY:
ジョンさんはどのようにしてこの蒸溜所に入社したのですか?
デイビッドさん:
ジョンさんはラフロイグで27年間働いた後、何か新しいことをさがし、変化を求めていました。
そして私たちの初代ディスティラリーマネージャーだったマルコムさんがローズバンク蒸溜所へ移動する際、私たちはジョンさんに2代目のマネージャーに就いてほしいと打診をし、ロッホリーに彼を招き入れました。
とてもいいタイミングでした、心強いです。
Dear WHISKY:
ジョンさんは何を担当していますか?
デイビッドさん:
彼はウイスキーのバッチの作成だけでなく、製造プロセス全体を担当しています。ジョンさんは通常、バッチごとに4~5つのレシピを用意します。
そして、チームとして、私たち全員がテイスティングパネルのようにブラインドテイスティング、ノージングを行い、それを参考にジョンさんが最終決定をします。
Dear WHISKY:
大麦はどこから調達していますか?
デイビッドさん:
蒸溜所に隣接する畑で大麦を自家栽培しています。222エーカーの畑から合計600トンの大麦が収穫され、それが20万リットルのアルコールに変わります。大麦の種類については、スコットランド西海岸の気候と環境に適したローレイト大麦を使用しています。
Dear WHISKY:
農場ではどんな人たちが働いていますか?
デイビッドさん:
蒸溜所チームとは別に、春に大麦の種まきを手伝ってくれる農家チームがいます。また、彼らは8月には収穫のために戻ってきてくれるのです。
大麦倉庫の中
Dear WHISKY:
重労働であるにもかかわらず、なぜフロアモルティングを選んだのですか?
デイビッドさん:
私たちには、30年近くのフロアモルティングの経験を持つ、元ラフロイグのジョン・キャンベルさんがいます。そのためフロアモルティングへのノウハウは持ち合わせていました。現時点では、製造工程の中でモルティングだけが自社で行われていない部分です。
しかし、私たちはいつか大麦の栽培からボトリングまでのすべての工程をロッホリーで行いたいと考えています。
Dear WHISKY:
なぜモルティング工程にそこまでのこだわりを注ぐのでしょうか?
デイビッドさん:
モルティングがすべてここで行われるようになれば、ロッホリーはスコッチ業界で唯一無二の存在となるでしょう。スプリングバンクのように自社モルティングを行っている蒸溜所もいくつかありますが、すべての大麦を自家栽培しているわけではありません。キルホーマンのように、自社製品のために大麦の一部を栽培しているところもあります。
しかし、全てを栽培、モルティング、製造、熟成させる蒸溜所は私たちだけでしょう。新しいブランドの蒸溜所として、それが私たちのストーリーであり、伝統となることを願っています。
大麦の栽培からボトリングまで自社で行うことを目指すロッホリー蒸溜所
Dear WHISKY:
メインで使用している樽はどこのものですか?
デイビッドさん:
ロッホリーは合計26種類の異なる種類の樽を使用していますが、ロッホリーのウイスキーはまだ5年しか経っていないため、様々な実験を行っています。どの樽が最も相性いいかを調べてる段階です。例えば、これらのワイン樽はフランス産の赤ワイン樽です。フランスは比較的近いため、クーパレッジを挟まずに自分たちで樽を購入しています。そうすることで、より新鮮な樽を少量からでも入手できるため、より実験的に樽を使用することができます。
Dear WHISKY:
なぜ樽にそこまでこだわるようになったのでしょうか?
デイビッドさん:
私たちは、さまざまな方法でブランドの将来性を高めようとしています。例えば、ファーストフィル のバーボンカスクはすべてメーカーズマークのものです。異なるタイプの樽をいくつか試した結果、やはりバーボンの場合でも、バーボンの熟成年数、マッシュビル、その他様々な要素が樽に影響を与えることがわかりました。したがって、私たちはロッホリーに適した種類の木材を確実に選択したいと考えています。他が悪いというわけではありませんが、私たちのスピリッツにとって、メーカーズマークが一番相性が良かったのです。
Dear WHISKY:
樽の選択方法がなぜそれほど重要なのでしょうか?
デイビッドさん:
新興蒸溜所にとって高品質の樽を購入することはとても重要です。
私たちは原酒の製造に多くの時間を費やし、高品質なニューメイクを作っていますが、熟成の際にベストではない樽を詰めてしまうと、おいしいウイスキーにはなりません。
したがって、樽の選定は重要な段階であり、プロダクションディレクターのジョンさん、プロダクションスーパーバイザーのダレンさん、そして私が常に最高の相性を見極めるために樽の種類と品質について話し合っています。
高品質のフランス産赤ワイン樽
Dear WHISKY:
樽が瓶詰めできる状態になったとどのようにして判断されるのですか?
デイビッドさん:
プロダクション マネージャーのジョン・キャンベルさんが樽を1つ1つ手作業で選び、ノージング、テイスティングを行い、バッチを選択します。
床に座って作業されるため、よく樽が床に敷き詰められるように置かれていることがあります。ジョンさんはここで、いくつかレシピをまとめて私たちとテイスティングしています。
Dear WHISKY:
ロッホリーはなぜそこまでローカルにこだわるのですか?
デイビッドさん:
私たちのオーナーのニールさんが地元で蒸溜所を始めたいと考えていたとき、それについて話せば話すほど、ブランド関係者やお客さんは私たちをスプリングバンクやキルホーマン、その他の農業一体型蒸溜所と比較し続けました。それにしたがって、地元ですべてを完結させるべきだと思いました。
それがロッホリーブランドの誕生秘話であり、1つの敷地内で全工程を行う方向性へと進んでいきました。今ではそれに着々と近づいてきています。
Dear WHISKY:
1つの敷地にすべての工程を集約することの強みは何ですか?
デイビッドさん:
全工程が追跡可能になることでしょう。
多くの人々が原料である、大麦や水のとれた場所に興味を持たれるため、すべての原料がどこから来たのか把握できていることは、ブランドをプロモートする際に役立ちます。
Dear WHISKY:
追跡可能性と透明性が向上する以外に、他にどのようなメリットがありますか?
デイビッドさん:
私にとって、地元へのこだわりはロッホリーに本物の魂と独特の風味を与えると思っています。大手蒸溜所の多くは同じ会社から麦芽を購入しているか、同じクーパレッジから樽を購入しています。つまり、彼らのスピリッツやウイスキーはある意味で似通っているということです。
私たちは、ロッホリーの大麦を使用する唯一の蒸溜所です。さらに、私たちは自社でフロアモルティングを行い、ロッホリーの水を使用する唯一の蒸溜所です。つまり、自分たちの道を歩むことができるんです。
自社製のモルトを中心に造られたOur Barley
Dear WHISKY:
ロッホリーのプライベートカスクスキームについて教えていただけますか?
デイビッドさん:
昨年は非常に少量でしたが、スキーム用に樽を製造しました。合計50樽の販売でしたが、購入希望の応募者は1000人以上にのぼりました。来年もまた少しだけ、販売をするかもしれません。
Dear WHISKY:
一樽いくらぐらいするのでしょうか?
デイビッドさん:
バーボンは200リットル樽で約4,000ポンド、シェリーはホグスヘッドで約6,000ポンド(容量約250~300リットル)でした。誰でも手に入れられるように価格設定にもこだわっています。
Dear WHISKY:
カスククラブについても教えてください。
デイビッドさん:
カスククラブは素晴らしく、多くの人々が私たちの旅に加わりたいと思ってくれていることがとても嬉しいです。私たちは生涯のアンバサダーを得たのです。時々、カスクオーナーを特別に招待して、テイスティングイベントも行っています。カスクから直接ジョンさんのサンプルを試飲したり、自分の樽と一緒に写真を撮ったりできます。
Dear WHISKY:
オーナーは地元出身者が中心ですか?
デイビッドさん:
地元の人だけでなく、世界中から応募者がいました。
ロッホリー蒸溜所のロゴ
Dear WHISKY:
次のバッチはどのようなものになりますか?
デイビッドさん:
すべてファーストフィルで、5年経ったばかりのものです。来春の発売を予定しており、今回が第3弾となります。年の初めの大麦の種をまくタイミングにあわせて、生き生きとしたフレッシュなウイスキーをリリースするのです。ラベルの色は緑色で、「Our Barley(私たちの大麦)」の原酒のようなものになります。バーボンカスクのみを使用し、着色料やチルフィルターを加えていないため、私たちがどんなウイスキーを造りたいのかが、よく伝わると思います。
Dear WHISKY:
ロッホリーの商品は日本でも入手可能ですか?
デイビッドさん:
当社のコア商品である「Our barley」は入手可能であり、通年商品です。ハーベストエディションやカスクストレングスも日本で入手できます。熟成年数を記したウイスキーが登場するまでは、「Our Barley」が主力商品となるでしょう。また、春、夏、秋、冬と季節ごとの少量の季節限定リリースも日本で発売する予定です。それぞれがバーボン、ポート、シェリー、ピーテッドカスクで熟成され、独特の個性を発揮します。
Dear WHISKY:
デイビッドさんのお気に入りのロッホリーウイスキーは何ですか?
デイビッドさん:
私はロッホリーのすべてが大好きですが、特にカスクストレングスが好きです。ロッホリーのフレーバー、フルーツ、シリアルのすべてが表現されていると思います。またアルコール度数も60.1%となっており、非常に力強い味わいを楽しめます。
貯蔵されている多くの樽
Dear WHISKY:
ユニークな形状のボトルをデザインしたのは誰ですか?
デイビッドさん:
チームで決めました。私たちは、ロッホリーならではのオーダーメイドのガラスにしたいと考えていました。そこで私たちはイタリアのガラスメーカーと協力してデザインを考え出しました。このエリアにはバーがたくさんありますが、彼らはボトルを飲み終えたら、それを水差しのように使用します。
そのため、当社のボトルは、ウイスキーボトルとして使用した後、ラベルを洗い流して、そのまま素敵なデキャンタとしてご利用いただけます。また、カウンターの後ろでダウンライトや下からのライトで照らすと、ガラス越しに光り輝きます。
Dear WHISKY:
ラベルのデザインはどうでしょうか?
デイビッドさん:
ラベルについては、比較的すっきりとしたものにしたかったため、Barley(大麦)のロゴとこの製品の名前のみが記され、他には何も載せてありません。裏面にはテイスティングノートのみが記載されています。ウイスキーのラベルには、文章や言葉で溢れたものが多いと思います。そこで、少し目立たせるようにしてみようとデザインしました。
ロッホリー蒸溜所のボトル
Dear WHISKY:
ターゲットとしている顧客はどのあたりですか?
デイビッドさん:
現在、私たちは26カ国に進出しています。来年はさらにいくつかの市場に進出する予定ですが、私たちにとって最も重要な市場は日本、米国、ドイツ、フランスです。しかし、私たちがまだ進出していない国にもチャンスがたくさんあることを理解しています。
Dear WHISKY:
ロッホリー蒸溜所の将来の展望は何ですか?
デイビッドさん:
将来発売する予定のロッホリー30年に使用する樽はすでに決定されており、他にも4つの熟成年数別のボトル発売を計画しています。それまでの間、人々に当社のウイスキーを試してもらうために、季節限定リリースなどを製造しています。今後2、3年のうちにボトルに熟成年数が乗ったら、それが私たちの実際の主力商品となるでしょう。私たちには「Our Barley」があり、それに加えて、ロッホリー10年、シェリーエディションやピーテッドバージョンなど、すべてが家族のようなに繋がっています。
これらの商品は、人々にロッホリーの進歩を感じていただくのに最適です。私たちはバッチを作るたびに改良を続けているため、ロッホリーの最新の味を知っていただきたいです。
精製中のサンプルウイスキーを注ぐデイビッドさん
ロッホリー蒸溜所は非常に若い蒸溜所ですが、「バッチを作るたびに改良を続けている」と主張するように、ロッホリー蒸溜所にはすでに、シングルモルトのさらなる成長をを心待ちにしているファンが世界中にいます。
彼らが自社の敷地内でモルティングプロセス全体を完了することにどれだけ熱心であるかを考えると、フロアモルティングの専門家であるジョンさんがその知識と経験を最大限に活用することで、ロッホリー蒸溜所のウイスキーは間違いなく別のレベルに進化するでしょう。
地元の原料にこだわり、ウイスキー製造を1つの拠点で完了することに弛まぬ努力を費やすことで、ロッホリーは自社の理念とウイスキーの歴史を同時に構築しています。これにより、ロッホリーは伝統、徹底した透明性、環境のサスティナビリティを兼ね備えた真に唯一無二の蒸溜所となるでしょう。