【イベントレポート】ニッカウヰスキーの新境地を五感で体感できる「NIKKA FRONTIER BAR」とは?
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2024年9月29日(日)、京都市勧業館 みやこめっせにてリカマン ウイスキーメッセin KYOTO 2024が開催されました!
国内外から蒸溜所が出展し、大きな盛り上がりを見せたリカマン ウイスキーメッセin KYOTO 2024で、Dear WHISKYは海外の7つの蒸溜所にインタビューを行いました。
第2弾となる本記事では、ロッホローモンド蒸溜所とアイル・オブ・ラッセイ蒸溜所、グレンタレット蒸溜所へのインタビューの様子をお届けします!ぜひ最後までご覧ください!
ハイランド地方にあるスコットランド最大の湖『ローモンド湖』の畔に建つ、1966年に誕生した蒸溜所です。
ローモンドスチルや、スワンネックのポットスチル、連続式蒸溜機などの多彩な蒸溜機から生まれるユニークな原酒を使いわけ、グレーン、ブレンデッド、シングルモルトなど、様々な種類のウイスキーをつくっています!
Dear WHISKY:
ロッホローモンド蒸溜所でつくられるウイスキーの特徴は何ですか?
キャシーさん:
フルーティーさと蜂蜜のような甘さと、ほんのり感じられるピート香です。フルーティーさは、ロッホローモンド蒸溜所での長い発酵プロセスに由来しており、蜂蜜のような甘さはバーボン樽熟成からきています。もう一つの特徴であるピート香は、マスターブレンダーであるマイケル・ヘンリーのこだわりで、シーズニングのようにほのかに香る程度です。
Dear WHISKY:
そのような特徴のあるウイスキーをつくるにあたって、一番こだわっていることは何でしょうか?
キャシーさん:
単式蒸溜器2つと連続式蒸溜機2つを揃えていることですね。
ロッホローモンド蒸溜所はこの多彩な蒸溜機から、「蒸溜機のギャラリー」とも呼ばれています。
Dear WHISKY:
4つの蒸溜機にはどのような違いがあるのですか?
キャシーさん:
連続式蒸溜機は、よく見かける大型のものとカフェスチルで、シングルグレーンウイスキーの製造に使われています。単式蒸溜器は伝統的なものと、ローモンドスチルです。
Dear WHISKY:
ローモンドスチルの特徴について教えてください!
キャシーさん:
長いストレートヘッドが特徴で、フルーティーで甘みのあるロッホローモンド蒸溜所のウイスキーを形づくっています。
Dear WHISKY:
ロッホローモンド蒸溜所では、グレーンウイスキーとモルトウイスキーの両方をつくっていますが、それにはどのような強みがありますか?
キャシーさん:
全てのお客様が好みの味を見つけられるような、様々なタイプのウイスキーをつくれることが強みですね。ブレンデッドも、ピートも、シングルモルトも、シングルグレーンも、他の蒸溜所から原酒を借りずにつくることができます!
Dear WHISKY:
シングルグレーンウイスキーへのこだわりを教えてください!
キャシーさん:
ロッホローモンドのシングルグレーンは、モルトをカフェスチルで蒸留することでつくっています。
他の種類の穀物を使わないモルト100%であることから、甘みが強く、これまでに多くの賞を受賞してきました!
Dear WHISKY:
日本のウイスキー市場についてどのようにお考えですか?
キャシーさん:
世界のウイスキーへの輸出額は、昨年に引き続き今年も減少傾向で厳しい現状ですが、日本においてロッホローモンドは2桁成長を遂げました。
ブレンデッドウイスキーの販売量が伸びているので、ロッホローモンド シグネチャーを筆頭に、より多くのお客様にロッホローモンドのウイスキーを楽しんでもらえるように展開していきたいと思います。
Dear WHISKY:
ロッホローモンド シグネチャーはどのようなウイスキーなのでしょうか?
キャシーさん:
ロッホローモンド シグネチャーは、ロッホローモンドのモルトウイスキーとグレーンウイスキーのみからつくられたブレンデッドウイスキーです。
東京ウイスキー & スピリッツコンペティションで3年連続金賞を受賞し、殿堂入りを果たすなど、世界的に評価されています!
Dear WHISKY:
最後に、Dear WHISKYの読者に向けてメッセージをお願いします!
キャシーさん:
皆様一人一人に特別な体験をお届けするために、私たちはあらゆるシーンに合ったウイスキーを販売しています。例えば、プレミアム・ウイスキーを楽しみたい方には、ロッホローモンド50年、友人とカジュアルに飲みたい方には、ブレンデッドウイスキーをご用意しています。
ウイスキーが皆様のライフスタイルの一部となり、人生をより豊かにすることを願っています!
アイル・オブ・ラッセイ蒸溜所は、スコットランドの北西に位置する小さな島、ラッセイ島に建設された蒸溜所です。2017年に起業家のビル・ドビー氏と、ウイスキーブレンダー兼植物学者のアラスデア・デイ氏が共同で設立し、2024年で操業7年目を迎えます。
「ラッセイ島を感じるウイスキー」が特徴で、ボトルに島の人口を刻んだり、島で取れた化石をボトルに型押ししたりと、島の歴史や自然を感じられるウイスキーをつくっています。
また、Dear WHISKYは、2024年10月3日(木)にアイル・オブ・ラッセイ蒸溜所からインターナショナル・セールス・エグゼクティブのルーシー・ロス・スチュワート さんをお招きし、イベントを開催しました!イベントレポートからは、アイル・オブ・ラッセイ蒸溜所のウイスキーづくりをさらに詳しく知ることができますので、ぜひ併せてお読みください。
Dear WHISKY:
アイル・オブ・ラッセイ蒸溜所の誕生にはどのような背景があったのですか?
アラスデアさん:
私はもともと、自分の曾祖父がウイスキー事業を行っていたローランド地方で、蒸溜所を設立しようと考えていました。そんな折、元々ビジネスパートナーであったビル・ドビーと、ウイスキー蒸溜所を建てようと2013年にR&B ディスティラーズ社を設立しました。
Dear WHISKY:
なぜラッセイ島に蒸溜所を建てることになったのですか?
アラスデアさん:
会社を設立した頃、ビルが「ラッセイ島に蒸溜所を建てないか?」と提案してきたんです。ラッセイ島はビルの友人にとってゆかりのある土地で、実際に見に行くことにしました。
そして、ラッセイ島にある古いホテルから海の向こうに見えるスカイ島を見た時、その美しい景色に見惚れ「ここに蒸溜所を建てよう」と決めました。
Dear WHISKY:
それまでラッセイ島にウイスキー蒸溜所はあったのですか?
アラスデアさん:
アイル・オブ・ラッセイ蒸溜所が出来るまで、ラッセイ島には違法操業をしていた蒸溜所を除いてウイスキー蒸溜所はありませんでした。しかし、違法操業蒸溜所があった頃の面白い話は多く残っています。
例えば昔、島に税務官が来ると、島民は白い洗濯物を干すことで合図を送り、蒸留器を隠していたりしていたそうです。このようにラッセイ島は、合法な蒸溜所が無かったものの、ウイスキーづくりの歴史に富んでいる場所なのです。
Dear WHISKY:
アイル・オブ・ラッセイ蒸溜所のハウススタイルはどのように決めていったのですか?
アラスデアさん:
ラッセイ島に初めて出来た蒸溜所ということもあって、まっさらな状態で蒸溜所を始めることが出来たのが、私たちにとって幸運だったと思います。
ラッセイ島を含むアイランズ地域でつくられるウイスキーに、アイラやスペイサイドのような共通の個性はあまりなく、ある一点を除いて島ごとに独自のスタイルがあるのです。
Dear WHISKY:
「ある一点」とは何ですか?
アラスデアさん:
ライトリーピーテッドウイスキーをつくっている蒸溜所が度々あるということです。このことから、私たちもライトリーピーテッドのウイスキーをつくることに決めました。加えて、ダークフルーツの味わいを持つウイスキーをつくることにし、これがアイル・オブ・ラッセイ蒸溜所のハウススタイルとなりました。
Dear WHISKY:
どのような点にこだわってウイスキーをつくっていますか?
アラスデアさん:
ブレンデッドウイスキー用に原酒をつくらないということです。歴史が長く、ブレンデッド用のウイスキーをつくっている蒸溜所だと、蒸溜所のイメージを保たなくてはいけません。しかし私たちのような新しい蒸溜所はその必要が無く、様々な味わいやスタイルのウイスキーをつくる事ができるのです。
Dear WHISKY:
ウイスキーづくりにおいて、大切なことは何だとお考えですか?
アラスデアさん:
私はウイスキーにおいて、複雑さ、深み、バランスの三要素が最も大切だと考えています。その複雑さを生み出すために、異なる様々なタイプの原酒をつくりだせるのです。
冷却ジャケットを使った発酵槽の温度調整や、ポットスチルの精溜器などを調整することによって6つの異なるスタイルの原酒をつくり出すことが出来ます。また、これに加えピーテッド/ノンピーテッドウイスキーのどちらもつくっているので、ニューメイクだけでも12種類の異なるスタイルのウイスキーがつくれるのです。
Dear WHISKY:
リカマン ウイスキーメッセin KYOTO 2024で日本の消費者と交流されましたが、アイル・オブ・ラッセイのどの商品が人気だと感じられましたか?
アラスデアさん:
特に人気があったのは、「アイル・オブ・ラッセイ ダンカナ」でした。これはライカスクで熟成した原酒をPXとオロロソの2種類のシェリーカスクで後熟したものになります。次いで人気があったのは「ナ・シア シングルカスク ボルドーレッドワイン 5年(ノンピート)」でした。
日本のウイスキー愛好家の間では、シェリー樽やワイン樽を用いたウイスキーが人気だという印象を受けました。
Dear WHISKY:
最後に、Dear WHISKYの読者に向けてメッセージをお願いします!
アラスデアさん:
日本に来ることが出来光栄です。私にとっては今回が初の来日だったのですが、どこへ行っても温かく迎えてくださり感謝しています。そして、日本中のファンの皆様にも感謝を伝えたいです。
250年以上の歴史を持つ蒸溜所で、その歴史は1763年に遡ります。
Thurot(サロット)蒸溜所からHosh(ホッシュ)蒸溜所へと名前を変え、19世紀後期にラテン語で「急流の流れる土地」を意味するグレンタレットという名前になりました。
2019年3月にフランスの高級クリスタルメゾンであるラリックグループに合流したことから、ユニークで洗練されたボトルデザインが特徴的です。
マスターウイスキーメーカーには、マッカランでブレンダーを務めていたボブ・ダルガーノ氏を迎え、手作業かつ小バッチで行われる伝統的な製法からつくりだされるウイスキーのポートフォリオにさらに磨きを加えています。
Dear WHISKY:
グレンタレット蒸溜所のウイスキーづくりの特徴を教えてください!
ルアリドさん:
発酵と蒸留にたっぷりと時間をかけ、手作業にこだわりウイスキーづくりを行っています。半世紀以上使っている器具もあり、数十年の間変わらない味わいのウイスキーをつくり続けています。
スモールバッチで製造しているので、量よりも質を重視しているのが特徴ですね!
Dear WHISKY:
グレンタレットのハウススタイルは何ですか?
ルアリドさん:
熟成年数に関わらず全てのシングルモルトラインアップで、フローラルとシトラスの香り、軽やかでスムーズな味わいを表現しています。主にシェリー樽を使っていて、これはマスターウイスキーメーカーであるボブ・ダルガーノが、シェリー樽に精通していることからです。
Dear WHISKY:
グレンタレット蒸溜所は伝統的な製法でウイスキーづくりを行っていますが、伝統的な製法を守りつづけるにはどのような難しさがありますか?
ルアリドさん:
伝統的な製法は時間がかかり、大量生産ができません。そのため、限りあるウイスキーをどこへ届けたいか考えなければなりません。
Dear WHISKY:
そのような難しさがある中で、伝統的な製法の魅力は何ですか?
ルアリドさん:
職人が昔ながらの作法でウイスキーをつくる姿にはロマンがあります。蒸溜所見学に来てくださった方々も、計算機を使って行われるミドルカットなどに感銘を受けていますね。
Dear WHISKY:
シングルモルトウイスキーのシリーズを始めたのには、どのような経緯があったのでしょうか?
ルアリドさん:
今まではブレンデッドウイスキーをメインにリリースしていましたが、2019年にオーナーが変わったことで大きく方向転換をしました。
グレンタレット蒸溜所のウイスキーの知名度はそこまで高くありませんでしたが、注目に値するウイスキーをつくっていると考え、シングルモルトウイスキーを始めました。
Dear WHISKY:
オーナーが変わったことで他に変化はありましたか?
ルアリドさん:
新たなオーナーであるラリックグループは、フランスのクリスタルガラス製品メーカーなので、ウイスキーボトルのデザインも高級感のある美しいものとなりました。
Dear WHISKY:
ボトルデザインにはどのようなこだわりがありますか?
ルアリドさん:
新しいブランドのため目を惹くデザインにしたく、ラリックグループの特徴である幾何学模様をモチーフにデザインしました。
また、ボトルデザインをどの価格帯のラインナップでも共通にしました。そのため、お手頃なシリーズを手にされたお客様にもグレンタレットの特徴的なボトルデザインを体感していただけます!
Dear WHISKY:
リカマン ウイスキーメッセin KYOTO 2024で日本の消費者と交流されたと思いますが、グレンタレット蒸溜所のどの商品が人気だと感じられましたか?
ルアリドさん:
他のアジアの国ではシェリー樽熟成のウイスキーが人気の印象があったので、多くの人が私たちのピーテッドウイスキーを気に入ってくれたのは興味深かったです。
Dear WHISKY:
今後は日本のウイスキー市場でどのように商品を展開していきたいですか?
ルアリドさん:
グレンタレットは生産量が限られており、すでにグレンタレット15年は希少となってきています。
そのため、小売ではなく、バーでの取り扱いを増やすこと、特に高級ホテルのバーに注力して、多くのお客様に飲んでいただけるようにしていきたいです!
Dear WHISKY:
最後に、Dear WHISKYの読者に向けてメッセージをお願いします!
ルアリドさん:
たくさんの人にグレンタレットのウイスキーを楽しんでいただきたいと思っていますので、ぜひボトルを手に取り、友人や仲間と飲んでみてください!
以上、リカマン ウイスキーメッセで行ったロッホローモンド蒸溜所とアイル・オブ・ラッセイ蒸溜所、グレンタレット蒸溜所へのインタビューの様子をお伝えしました!
日本のウイスキー市場の成長率や注目度の高さから、海外の小規模生産の蒸溜所も日本市場への進出を始めています!リカーマウンテンをはじめとして店頭で見つけた際は、ぜひ試してみてはいかがでしょうか?
第3弾では、ハイコースト蒸溜所、アンガスダンディ社、ブラッドノック蒸溜所、KOVALへのインタビューの様子をお届けします!ぜひ下記より併せてご覧ください!