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- ウイスキー基礎知識
好みのウイスキーが飲みたくてもなかなか手に入らなくて飲めないという場合、どうしている人が多いのでしょうか。
やはり、似た味わいのウイスキーを探して、代わりに飲んでいるという人が多いかもしれません。
まったく同じ香りや味わいのウイスキーを探すのは無理でも、部分的に似ているものは案外見つかりそうです。
この記事では、入手が難しいウイスキーの代表格、サントリーの山崎に似てるウイスキーとはどのような特徴を持った銘柄なのかを解説します。
山崎はサントリーの山崎蒸留所でつくられた原酒だけでつくられているシングルモルトウイスキーです。
山崎蒸留所は、1923年、日本初のウイスキー蒸留所として誕生しました。
サントリーの2代目マスターブレンダーであった佐治敬三氏が、日本でもシングルモルトが受け入れられる時代が来たと感じ、生み出したのが「山崎」です。
実は、山崎が誕生するまでの日本では、ウイスキーといえばブレンデッドウイスキーが主流でした。
日本人の味覚に合うように、さまざまな原酒を組み合わせて飲みやすくしていたのです。
そのため、サントリーは、高いブレンド技術を持っていました。
山崎蒸留所内で貯蔵している味や香り、熟成年数などが微妙に異なる100種類以上の原酒をひとつひとつ組み合わせていくのにはおよそ2年の歳月がかかったと言います。
2003年、世界的に権威のある酒類のコンペティションISCで、日本のウイスキーとして初めて金賞を受賞したのが山崎12年です。
その後も、山崎は銘柄全体で数多くの賞を受賞しています。
山崎の特徴は、柔らかく甘い果実のような香りと、スムーズな口当たり、ほんのりと感じるスモーキーさのバランスがとてもよく取れている点です。
どれかが突出しているというわけではなく、調和しながらもそれぞれの持ち味をほどよく主張してきます。
山崎蒸留所では、伝統的にミズナラ樽を貯蔵用に使っているため、一部はミズナラ樽に入れて貯蔵したモルトです。
それ以外にワイン樽やシェリー酒で貯蔵したモルト原酒あるので、樽由来の香りは深く華やかです。
アメリカンホワイトオーク製の樽を使用しているため、ベリーやブドウに似てる果実感とバニラや蜂蜜を感じる口当たりのよさを感じます。
後味として、シナモンやクローブなどのスパイスがピリッとしたアクセントを加えに出てくるあたりも山崎ならではの味わいといってよいでしょう。
スコッチウイスキーの作り方をベースにしている山崎ですが、スコッチ特有のスモーキーフレーバーはそれほど強くありません。
香りや味わいの奥行きを広げるためにかすかに表れる程度です。日本人を初め広く世界中の人に愛されるのは、スモーキーフレーバーが強く主張せず、ほどよいアクセントになっているからでしょう。
山崎の特徴が分かったところで、ここからは、香りや味わいが山崎によく似てるウイスキーの銘柄を挙げていきます。
当然のことながら、山崎は唯一無二の銘柄なので、同じ味は存在しません。
細かいニュアンスなどは当然違いますが、方向性が近い銘柄ということなら、きっと山崎の味わいが好みという人の口には合うでしょう。
全体の雰囲気が似てるものもあれば、一部分だけかなり近いというものもあります。
どの部分を重視して山崎の味わいを求めるかは、飲む側の自由です。では、山崎の味わいに近い銘柄を挙げていきます。
スコッチウイスキーの伝統的な製法でつくられているシングルモルトウイスキーです。
ヘザーハニーの香りと甘味を味わえるウイスキーとしても知られています。
12年物はこの銘柄の中で最もスタンダードなボトルです。
赤リンゴの果実感とヘザーハニーの甘味、ナッツの香ばしさが残る中、ピリッとスパイスが現れ、ほのかな余韻が長く続きます。
香り豊かな甘口ウイスキーで、かすかにスモーキーフレーバーが感じられるのが山崎とよく似てる点です。
コクがしっかり感じられる点も山崎ファンにおすすめできます。
シングルモルトウイスキーとしては手ごろな価格で手に入るので、なかなか手に入らない山崎の代わりに購入するには適しているでしょう。
アベラワーは、スペサイドにある蒸留所でつくられているシングルモルトウイスキーです。
仕込み水に花崗岩層とピート層でろ過された軟水を使用しています。
フレッシュな果実感と同時にドライフルーツのニュアンスを感じるのが特徴です。
シェリー樽とバーボン樽の原酒をヴァッティングしているため、ベリーのような甘味や滑らかさとシナモンのようなスパイス香を同時に感じられます。
フランスでの人気がとくに高いスコッチウイスキーです。
複雑さや繊細さは山崎に劣りますが、華やかな香りや滑らかさ、シェリー樽由来の果実感やシナモン、適度なスモーキーフレーバーなどは山崎に近いといえます。
華やかさと繊細さの両面を持ったブレンデッドウイスキーで、日本限定で販売されているボトルです。
ブレンデッドウイスキーでありながら、シングルモルトの山崎の似てるのは、ミズナラ樽を使用してからかもしれません。
ミズナラ樽は、山崎蒸留所でも古くから使われているもので、山崎を構成するモルトの一部もミズナラ樽で熟成させたものです。
また、シーバスリーガルミズナラ18年は、甘味がありややスパイシー、口当たりが滑らかな点は山崎に近いといえます。
もちろん、山崎よりもすっきりとしているので、全体的なバランスが異なり、どちらかというと爽やかな印象を持つかもしれません。
しかし、口当たりの滑らかさや、甘味、スパイス香は山崎を好む人の口に合うでしょう。
ニッカウヰスキー第2の蒸溜所である、宮城峡蒸留所でつくられているシングルモルトウイスキーです。
ニッカウヰスキーのシングルモルトというと、力強くスモーキーフレーバーの強い余市を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、持ち味が正反対なシングルモルトが存在します。
宮城峡は、香りが華やかで、フレッシュな味わいです。
余市が男性的で荒々しいと評されるのに対して、宮城峡は女性的でたおやかという評価を受けます。
サントリーの味とニッカウヰスキーの味では遠いのではないかと思うかもしれません。
しかし、飲んでみれば、そのような心配はいらなかったと感じるでしょう。
同じジャパニーズウイスキーの範疇に含まれるウイスキー同士です。
それぞれサントリーらしさ、ニッカウイスリーらしさを持ちながら、方向性は近いものを持っています。
バルヴェニー蒸留所は、グレンフィディック蒸留所と同じ敷地内に建てられた姉妹蒸留所です。
味わいにしっかりとした厚みがあり、飲みやすいのに飲み応えがあります。
バリヴェ二―蒸留所は、さまざまな前歴の樽を大量に用意し、多様な原酒をつくっている点が山崎蒸留所とよく似ています。
多彩なモルトの中から、絶妙なバランスでヴァッティングできる点は山崎の味わいに近づきやすい要素だと言えるでしょう。
山崎と似てるウイスキーを探そうとすると、そっくりなものを求めてしまいがちです。
しかし、山崎も他のウイスキーも唯一無二の味わいを持っています。まったく同じものはないでしょう。
好きな味というのは全く同じでなくても、ニュアンスが近ければ好ましく感じられるはずです。
どこか一部分だけでも似てる銘柄を見つけたら試してみましょう。
お気に入りの銘柄がもうひとつ増えるかもしれません。