アノ蒸溜所

アンディとノーマンは、モルトウイスキーの愛好者として、蒸留所設立当初から自社製のウイスキーを生産することを目指していました。まずはアノ・ケント・ドライ・ジン（Anno Kent Dry Gin）の立ち上げに成功し、その後、科学的探求心からウイスキー製造への挑戦を決意。ケント郡に根ざした企業として、地元のウェスタム醸造所（Westerham Brewery）との協力により、同郡で初となる高品質なシングルモルトウイスキーの製造を目指し、共同事業を開始しました。このプロジェクトの第一歩として、2015年5月に専用の樽にウイスキー原酒が充填されました。ウェスタム醸造所は、同社のプーティングスサイトでマッシュを発酵させ、その後、アノ蒸溜所がマーデンでウォッシュを蒸留。以降、このシングルカスクは蒸溜所内で静かに熟成され、時間と共に新たな風味を育みました。2018年には、この原酒が正式にウイスキーとして認定され、その後、両社のオーナー（アンディ、ノーマン、ロバート）によるテイスティングを経て、リリースが決定されました。2019年には、両社の事業は順調に成長し、多くの賞を受賞。ウェスタム・ブリュワリーは新しい施設を開設し、タップルームやショップも併設。アノ蒸溜所は、最新のボトリング設備を備えた拡張施設を開設し、ジンのブレンド体験など新たなサービスを提供しています。このプロジェクトは、両社にとってウイスキー市場への本格参入を果たす重要なステップであり、地元ケントでの新しい価値創造に繋がっています。