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- ウイスキー基礎知識
ウイスキーは熟成年数が長い方が、高価な銘柄が多く、味わいも刺激がとれていき、まろやかで芳醇な味わいになることが多いです。
「であれば、熟成年数が長いと高価なのであれば、熟成年数の短い安い銘柄を買って家で寝かせればいいのでは?
とお考えの方もいるでしょう。
ちなみに、『寝かせる』というのは熟成させるという意味を指します。
文字通りウイスキー瓶を横に倒しての保管方法をしてしまうと 収縮したコルクの隙間から中身が漏れる恐れがあるので注意しましょう。
また、ウイスキーなどの蒸溜酒はアルコール度数が非常に高い液体です。
そのため、コルクにウイスキーをあて続けるとコルクが腐敗してしまう可能性があります。
では、市販で購入したウイスキーは自宅でも寝かせて(熟成させて)美味しくなるのか、ウイスキーはどのような保管方法が最適なのでしょうか。
この記事のポイント
市販で購入したガラス瓶に入ったお手軽価格なウイスキー、これを自宅で寝かせると複雑かつ濃厚な味わい深い熟成された味になるのではないか?と考えたことはございませんか。
残念ながらガラス瓶のウイスキーでは寝かせても熟成されません!
ウイスキーは樽から瓶詰めされた状態が最も美味しく飲める状態で、樽でじっくり寝かせて熟成を進める以外に熟成を進める方法はありません。
ウイスキーは瓶の中で熟成しないの?おいしく変化させる方法は?
ガラスボトルに入れられた後のウイスキーは熟成しません。
蒸留した原酒を樽の中で熟成させる工程があるからこそ、独特の味わいをもつ美しい琥珀色のウイスキーが完成されるのです。
なぜ、樽で熟成されるようになったかはこのような逸話もあります。
およそ12世紀から13世紀の間といわれていますが、スコットランドではスコッチウイスキーが誕生する前、無色透明でアルコール度数の高いニューポッド(スピリッツ)といわれる熟成前の酒が飲まれていました。
しかし、1644年頃からスピリッツの酒税は原料となる麦芽に対してかけられ、スコットランド王国がイングランド王国と合同した年にはさらにスピリッツの酒税は跳ね上がりました。
そのため、酒税法が改正され税率が引き下げられるまで山奥で密造酒が盛んに造られたそうです。
そこでウイスキーを隠しておくのに使用していたのが樽でした。
樽が熟成すると、正規品よりも美味しく「ザ・グレンリベット」はイギリス国王ジョージ4世が愛飲するほどでした。
その後、1820年頃に酒税が大幅に引き下げられました。
法に触れた密造酒を国王が飲むということは問題であるということもあり、スコットランドの酒税が大幅にひきさげられたのではないかとの言い伝えもあります。
同じ樽熟成の洋酒で代表的なワインとウイスキー。
ワインは「醸造酒」、ウイスキーは「蒸留酒」という違いもあるし、両方嗜む方なら保管方法も気になるところでしょう。
ワインはウイスキーよりも、デリケートなお酒で「光」「温度変化」「乾燥」「振動」等の影響で味が悪くなってしまうことがあります。
すぐに飲まない場合は「ワインセラー」で横にして保管するのが最適です。
その理由は コルクを使用したワインは長期間のワインの熟成には大変適していますが、ワインに触れさせないでいると乾燥で縮むため、 瓶の中に空気が入り、中のワインが酸化してしまうのです。
逆にウイスキーは、アルコール度数が高い蒸溜酒なので高温多湿、直射日光、匂いの強いものを嫌うので年間を通じて20℃程度の場所、冷暗所に立てて保管しましょう。
また、保存期間が長いと、場合によってはコルクの香りがウイスキーに移ってしまうこともあります。
コルク栓を使ったウイスキーは、なるべく早く飲むようにしてください。
ウイスキーとワインの熟成期間の考え方の違い
ワインとウイスキーは熟成においても考え方が違います。
同じなのは「寝かせる(熟成させる)ほど味わい深くなるわけではないということ。」
ワインは種類によってワイン別に「ふさわしい熟成期間」が異なります。
例えば、ボージョレヌーヴォーのようなワインは遅くとも半年以内に飲まないと品質が落ちます。
基本的にワインもウイスキーも開封前の賞味期限はありませんが、数年過ぎた古いボージョレヌーヴォーを飲んでみると非常に不味くて飲めたものではありません。
ワインは種類によって適した熟成期間があるので、注意が必要です。
同じくウィスキーも「寝かせる(熟成させる)ほど味わい深くなるわけではないということ。」
スピリッツには、原酒本来の持ち味が最高潮に表れる、「マチュレーションピーク」と呼びます。
樽での熟成が進みスピリッツが成熟のピークを迎える時期のことです。
この時期を超えて熟成期間が長くなってしまうと味や香りのバランスが崩れてしまい原酒の個性や特長が損なわれていきます。
瓶詰の開封前の状態で長年置いていても保存状態が良ければ品質を損なうことはありません。
開封後の賞味期限は下記の表からもワインよりウイスキーのほうが圧倒的に長いです。
ウイスキーとワインの開封後の賞味期限 | |
ウイスキー | 理想は1年以内 |
赤ワイン | 開封後5日程度(長期熟成のものは1週間程度) |
白ワイン | 開封後5日程度(甘口のものは1週間程度) |
スパークリングワイン | 当日中 |
スパークリングワインは炭酸ガスが入っているので、シャンパンストッパーやバキュバンを使用すれば2日程度は持ちますが、
それでも、開けた瞬間から劣化は始まっているので、当日よりも味はおちるでしょう。
ウイスキーの劣化が遅いのは「蒸留酒」であるためにアルコール度が40~43度と高めであるためです。
ウイスキーは劣化のスピードが遅いお酒ですが、やはり時間と共に少しずつ劣化していきますのでウイスキーの個性が失われないうちに飲み切っておきたいところです。
また、1年程度長持ちするといっても、あくまでもウイスキーにとって好条件の保管ができた場合においてです。
開封すると空気に触れるのでどうしても日が経つにつれて味は落ちますが、保管に注意することで品質を長く持たせることができます。
ワインやウイスキーをボトルで買っても飲みきれないという場合、賞味期限の長いウイスキーはありがたいですね。
開封前のウイスキーの保管で注意するべきことは前述にも記したように高温多湿、直射日光、匂いを避けることの3点ですが、開封後の保存方法も基本的にはおなじです。
しかし、注意する3点を兼ね備えた3点の場所がないという方もいらっしゃるでしょう。
特に夏場では、自宅で20度程度の場所がないということもあるでしょう。
だからといって、冷蔵庫にウイスキーを冷蔵庫に保管することは厳禁です。
食品の匂いがうつってしまうに加え、冷やし過ぎてしまいます。
ウイスキーをストレートで飲む場合には冷やしすぎると風味が落ちてしまう恐れもあるでしょう。
20度前後を維持する場所がないという場合、直射日光も同時に避けられるワインセラーを活用するのがいいでしょう。
但し、ワインと同じように瓶を寝かせることはNGです。
立てて保存しましょう。
奮発して買った貴重なワイン。
勿体ないから少しずつ美味しく味わいたい!
その為にも、劣化するスピードを少しでも遅くしたいものです。
ウイスキーが劣化すると、輪ゴムやプラスチックのような嫌な臭いがしますので、飲めたものではありません。
ウイスキーの劣化は空気と触れることによって起こります。
ウイスキーのアルコール分が空気に触れることで揮発してしまうことからアルコール度数が下がって雑菌が繁殖したり傷んだりするのです。
つまり、空気との接触を遠ざけられるかで美味しさが保てるかにかかってくるということですね。
少量だけウイスキーが残ってしまったのであれば、100ml~200ml程度の密閉性のある小瓶に空気を抜いていれかえましょう。
ウイスキーの一般的なボトルサイズは700mlなので、小瓶であれば空気に触れる分量も少ないです。
瓶は煮沸消毒をして乾燥させた清潔なものを使用し、銘柄が分からなくならないようラベルなどを貼っておくといいでしょう。
プライベートプリザーブとはウイスキー等のお酒以外にも酸素と触れると風味が低下する食品に使われます。
使用方法は簡単で、ウイスキーを保存する際にシュシュっと3,4回スプレーするだけです。
プライベート・プリザーブでガスの層を作り、空気とウイスキーが振れるのを防ぐ役割をします。
パラフィルムとは実験用のサランラップのような密閉ラップのようなもので、試薬などを入れた試験管や、メスフラスコの蓋代わりに使用されるのが本来の使用方法ですが、ワインやウイスキーのボトルキャップの密閉にも使われています。
ボトルとボトルキャップのすき間から僅かに出来るすき間を遮断するのに効果的です。
サランラップでも代用できるのかと思われがちですが、パラフィルムは匂いを通さないという利点もあります。
サランラップは破れやすく、空気を入れずに巻くのは難しそうなので、パラフィルムをおすすめします。
購入した箱に入れて立てて保管すれば直射日光からも守れますし、多少の衝撃にも安全です。
但し、少々場所をとってしまうという難点はあります。
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と嘆いていらっしゃる方、『ミニ樽熟成』はいかがでしょうか。
最近は自宅で蕎麦打ち・ラーメン・パン・スイーツなどを簡単に作れるおもちゃ、いわゆるクッキングトイが大人気です。
大人のクッキングトイとして、ブレンダーになったつもりで、また植物を育てて収穫するといった楽しみもかねてミニ樽熟成に挑戦してみませんか?
ミニ樽の種類 | |
ミニ樽の大きさ | 1L、2L、3L、5L |
ミニ樽熟成期間 | 2週間~1年程度 |
ミニ樽の値段 | 1リットルのもので約7000円前後~ |
ガラスボトルに入れられたウイスキーはそのまま保存した状態では熟成しないということがごりかいいただけましたでしょうか。
香り全体の約6割は木樽での熟成が占めています。
ウイスキーは熟成樽なくしてはいいウイスキーは作ることができないといってもいいでしょう。
樽熟成については以下の記事もご参考ください。