山崎 ノンエイジ/NV(ノンヴィンテージ)とは? 味わいとおすすめの飲み方を紹介
- ウイスキー銘柄
アードモアは、スコットランドの東ハイランド地方で作られたスコッチウイスキーであり、ティーチャーズのキーモルトでもあります。
主にブレンデッドウイスキーの原酒として使用されていますが、ハイランド地方では珍しいスコッチ特有の伝統的な風味を重視していることから、ウイスキー愛好家を中心にシングルモルトでも人気を集めている銘柄です。
スモーキーな香りとオイリーな口あたりは、近年の飲みやすさを重視した味わいではなく、伝統的な味わいを守っています。
この記事では、アードモアの種類と味わい、おすすめの飲み方を紹介します。
この記事のポイント
画像引用:https://vclvintners.london/
アードモアは、スコットランドの東ハイランド地方で作られるスコッチウイスキーであり、スペイサイドとハイランドの境目にある地域で作られています。
ラベルデザインの鷲は、蒸留所の守り神であり、背景はアードモア蒸留所のあるケネスモントの地図が描かれています。
ハイランドモルトとしては珍しいスモーキーでオイリーな味わいは、昔ながらのスコッチウイスキーを愛するファンたちから熱狂的な支持を集めている銘柄です。
アードモアの蒸留所と製造方法について解説します。
広大なハイランド地方の地域ごとのウイスキーの特徴について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
ハイランドウイスキーのおすすめ銘柄8選と地域ごとの特徴について
ウィリアム・ティーチャーは、ブレンデッドウイスキーのティーチャーズを開発しましたが、アードモア蒸留所は、息子のアダム・ティーチャーが1898年に設立した蒸留所です。
アダムは父から受け継いだティーチャーズの安定供給を目指すための原酒を確保することを目的に、ブレンデッドウイスキーの原酒を製造するアードモア蒸留所を設立しました。
ティーチャーズもスモーキーな風味を持つブレンデッドウイスキーとして知られていますが、アードモアはティーチャーズの原酒としてピート由来のスモークが重視されました。
現在もティーチャーズの原酒としてスコッチ伝統の製法を守り続け、多くのハイランド地方のように甘くてフルーティーなウイスキーに転換することなく、スモーキーな原酒を作り続けているのです。
ブレンデッドウイスキーの原酒として製造されてきた歴史からシングルモルトとして注目されることはありませんでしたが、2016年にサントリーからシングルモルトが発売され、100年以上の時を経てシングルモルトとしても人気を集め始めています。
また、アードモアは地理的にスペイサイドを名乗ることもできる境界に位置するため、スペイサイドモルトとして紹介されることがありますが、蒸留所はハイランドモルトであると主張しているため、ハイランドモルトとして扱われるのが一般的です。
アードモア蒸留所が位置するケネスモントの郊外は、大麦の産地で良質な水源が豊富にあり、燃料となりアードモアのスモーキーな香りに欠かせないピート(泥炭)が取れるのでウイスキーの製造に必要なものが揃っています。
大麦は製麦については委託しているものの、地元の大麦を使用するこだわりを重視しており、蒸留所の北にあるノッカンディヒルの湧水を仕込み水として使用しています。
セントファーガスから切り出した炭素を多く含んだピートを使っているのも特徴です。
アードモアのスモーキーな香りの特徴はここにあり、アイラウイスキーのように海沿いに立地した地域からピートを採取していないことから、アイラ特有のスモーク香である潮の香りやヨード香のような風味はなく、アードモアのスモーキーさは炭が焦げるような香りになります。
そして、クォーターカスクと呼ばれる一般的な樽の大きさの4分の1である熟成樽で熟成させることによって、原酒と樽が接する面を増やし、熟成を早めています。
ケネスモントの地域の自然が凝縮され、熟成には伝統的なこだわりを持った蒸留所といえるでしょう。
アードモア蒸留所について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
それでは、アードモアの種類と味わいについて紹介します。
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アードモア レガシーは、アードモアのオフィシャルボトルであり、日本ではサントリーから販売されています。
ノンピートのモルト原酒もヴァッティングされていることから、スモーキーさはライトな部類であり、スパイシーかつドライな味わいが楽しめます。
価格が手ごろでコストパフォーマンスがよく、スモークも控えめとなっているので、誰でも気軽に味わいやすいアードモアです。
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アサヒビールから輸入販売されていたアードモアのかつてのオフィシャルボトルという位置づけです。
すべての原酒にピートが使用されているので、レガシーよりもスモークが強いものの、バニラや果実の甘みも味わえるのでバランスがいい銘柄になります。
レガシーよりも強いスモークを味わいたい方は、こちらのボトルを探してみましょう。
画像引用:https://www.sake-brutus.com/SHOP/1211792.html
アードモア トラディショナルピーテッドは、トラディショナルカスクの後継となったレガシーに対して、よりピーティーな風味を求めた愛好家のために作られた新たな後継ボトルです。
トラディショナルカスクと同様に強いスモーク香に果実由来の甘味が感じられる銘柄に仕上がっています。
トラディショナルカスクよりも入手しやすいので、スモーキーなハイランドモルトを味わってみたい方はこちらのボトルから試してみるのもいいかもしれません。
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アードモアの12年物ですが、バーボン樽を基に造ったクォーターカスクで熟成させた後に、ポートワイン樽で追熟させています。
他のアードモアと比較しても色が濃く、レーズンのような深い甘みのなかにアードモア特有のスモークが感じられる銘柄です。
オフィシャルボトルでアードモアに興味を持った方は、より完成度の高い12年物も味わってみることをおすすめします。
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アードモア 30年はウイスキーエクスチェンジ社向けにボトリングされたオフィシャルボトルであり、チルフィルターを行わないウイスキーのフレーバーを最大限に引き出すボトリングが行われています。
長期熟成によってスモークは控えめですが、フルーティーな甘みとスパイシーな味わいがクセになる口あたりまろやかで飲みやすい味わいです。
最高級のアードモアを味わいたい方は、こちらのボトルを探してみるとよいでしょう。
アードモアのおすすめの飲み方を紹介します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
アイラウイスキーや、アイランズウイスキーとは異なるスモーキーさを持ったアードモアのスモーキーな味わいを最大限に楽しむ飲み方はストレートです。
ピート由来のスモーク香を楽しんでからゆっくりと味わい、チェイサーをはさみながら飲むようにしましょう。
ウイスキー初心者の方もごく少量から、まずはストレートから味わうことをおすすめします。
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レガシーをはじめとする安価で入手しやすいアードモアは、普段飲みのハイボールにも向いているといえるでしょう。
ハイボールにしてもスモークの風味を感じやすく、甘味やスパイシーさも薄れにくいため、ウイスキー初心者にもおすすめの飲み方です。
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ハイボールにおすすめのスコッチウイスキーの選び方と注意点を解説
スコッチ特有のスモーキーなウイスキーといえばラフロイグをはじめとするアイラウイスキーという印象が強いかもしれませんが、アードモアはハイランドで伝統的なスコッチを守り続けている銘柄です。
スモーク香の強さは一部のアイラウイスキーよりも弱いといわれることもありますが、アイラウイスキーとは異なるスモーク香をもっているからスコッチ特有のスモーク香が好きな方におすすめになります。
アイラウイスキーが合わなかった方でも、アードモアのスモークは好きになる可能性もあるので、ウイスキー通の方でなくても気軽にオフィシャルボトルから試してみましょう。