ラフロイグ 10年とは? スモーキーな味わいとおすすめの飲み方を紹介
- ウイスキー銘柄
ブラックアダーは、ボトラーズのブラックアダー・インターナショナルから販売されるイングランドで製造されたウイスキーです。
「樽こそ、全て」という理念のもとに、ロウカスクという独自のボトリングに加えて、すべてのボトルを樽出しの状態でそのままボトリングすることを心がけているのが特徴になります。
味わいは、ブラックアダーの種類によって方向性が変わってくるので、選択肢が広いことから自分の好きな味わいを選びやすい銘柄です。
この記事では、ブラックアダーの種類と味わい、おすすめの飲み方を紹介します。
この記事のポイント
Blackadder International Ltd – http://blackadder.com/
ブラックアダーとは、イングランドのサセックス州にあるブラックアダー・インターナショナルから販売されているボトラーズの銘柄になります。
ブラックアダーのロウカスクとは、樽の中の木片もともにボトリングすることであり、樽出しの状態でウイスキーをボトリングすることが特徴です。
味わいは1つの方向性にとらわれず、さまざまな味わいのウイスキーを販売しています。
ブラックアダーの歴史と製造方法について見ていきましょう。
ブラックアダーの歴史は、ブラックアダーそのものとも呼べるロビン・トゥチェック氏の歴史でもあります。
ロビン氏は、非常にユーモアがあり、家族とウイスキーを愛する人格者として知られていますが、親日家でもあり、日本酒と日本食を非常に気にいっているようです。
Drinks International社の記者であったロビン氏は、グレングラント蒸留所への取材で初めて樽出しのグレングラントを飲み、いつも飲んでいるグレングラントとは全く異なることに衝撃を受けます。
蒸留所で飲んだウイスキーは樽出しの状態であり、このことを知ったロビン氏は、ウイスキーを樽出しで飲むことこそ重要であると考えるようになり、ブラックアダーの「樽こそ、全て」という理念が生まれた瞬間でした。
1995年、インデペンデント・ボトラーとしてロビン氏は、ブラックアダー・インターナショナル社の事業を開始しました。
ロビン氏の樽こそ、全てという理念は多くのウイスキー愛好家に支持されるようになり、独自に蒸留所の原酒を購入してボトル詰めをしたブラックアダーは世界中に広がっていきます。
家族を大事にするロビン氏は、ビジネスに手腕を持つ長女のハナ・トゥチェック氏と、ロンドンの有名レストランのシェフでもあった長男のマイケル・トゥチェック氏とともにブラックアダーの事業を拡げています。
ボトラーズブランドのブラックアダーの基本情報はこちらのページからチェック可能です。
ブラックアダーは、自社では蒸留所を持たず、さまざまな蒸留所から取り寄せた原酒を後熟させることで、原酒を用意しています。
ボトリングの多くは、シングルカスク・無冷却・無着色となっており、できる限りウイスキーを樽出しの状態でボトリングしています。
ロウカスクと呼ばれる樽の中の木片もともにボトリングする手法を取っているので、ブラックアダーがウイスキーにおける樽をいかに重要視しているかが分かるでしょう。
取り除くのは大きな木片だけであり、当然ながら一般的にカスクストレングスと呼ばれる高いアルコール度数によるボトリングとなっています。
貯蔵庫で寝かされ続けた樽のなかの原酒を、可能な限りそのままの状態で飲むことができるようにボトリングしています。
それでは、ブラックアダーの種類と味わいを紹介します。
画像引用:http://www.gaiaflow.co.jp/blog/blackadder-int
ブラックアダーのロウカスクシリーズは、先ほど説明した樽出しの状態でボトリングをしたボトルになります。
カスクストレングスのボトルはオフィシャルボトルでも販売されることがありますが、ロウカスクは、ボトルの底に沈殿している黒い粉があります。
この粉は樽の木片であり、ウイスキーと一緒に木片を飲んでも健康に影響はありません。
ウイスキーの個性をそのまま楽しめるロウカスクシリーズは、スペイサイドモルトだけでなく、近年話題になっているウイスキーであるアムルットなど種類が豊富であり、好きな銘柄や、樽出しの味わいを知りたい銘柄を選ぶのがおすすめです。
画像引用:http://www.gaiaflow.co.jp/blog/blackadder-int
ブラックアダー ステートメントは、ロウカスクよりもワンランク上のボトルであり、ロウカスクとは一味違う高級な梱包が特徴的です。
ステートメントに選ばれるウイスキーは、ロビン氏が直接選定した銘柄のみとなっています。
ロウカスクよりもワンランク上のボトルを飲みたい方は、ロウカスクと同様に好きな種類を探してみるとよいでしょう。
画像引用:http://www.gaiaflow.co.jp/blog/blackadder-int
日本国旗がデザインされていることから日本向けに製造されたボトルであり、2011年の東日本大震災を機会に販売を開始したウイスキーです。
スコットランドの有名な蒸留所のモルト原酒が使用されていますが、どの蒸留所の原酒であるかは明かされていません。
また、種類はVenom(ヴェノム)で表記され、1st Venom、2nd Venom、3rd Venom、4th Venomといったように分けられ、それぞれ香りと味わいが異なります。
シェリーバットの樽で熟成された原酒の3分の2をボトリングしたウイスキーを1st Venom、残りの3分の1に新たなウイスキーを注いで再び熟成させて、再びボトリングを繰り返すことで、2nd、3rd、4thという種類が造られていきます。
シェリー樽で熟成されていることからドライフルーツや、プルーンのような熟した果実の味わいが前面に出ますが、Venomの種類によってことなる香りと味わいの変化を楽しみたいところです。
画像引用:http://www.gaiaflow.co.jp/blog/blackadder-int
レッドスネークは、ブラックスネークの後に販売された銘柄であり、こちらはバーボン樽による熟成となっていますが同じ蒸留所の原酒が使用されています。
こちらの商品はレットネックとも呼ばれており、ブラックスネークと同様に種類もあります。
画像引用:http://www.gaiaflow.co.jp/blog/blackadder-int
キメラとは、ギリシア神話に登場する複数の動物を掛け合わせた獣のことですが、動物を原酒と例え、複数の異なるモルト原酒をブレンドしたブラックアダーのブレンデッドウイスキーです。
キメラシリーズの特徴は、ボトルごとに味わいが異なり、1つとして同じ味わいがないことになります。
しかし、ブレンドの完成度は非常に高いものとなっています。
画像引用:http://www.gaiaflow.co.jp/blog/blackadder-int
ブラックアダーのレジェンダリーは、蒸留所を非公開で販売する銘柄になりますが、カスクリファレンスにヒントが書かれていることから謎解きを楽しむように飲める商品として販売されています。
ヒントをもとに香りと味わいから、蒸留所を当てるゲームを楽しめる銘柄となっています。
ウイスキー愛好家であるほど自分の知識を試したくなる銘柄といえるのではないでしょうか。
画像引用:http://www.gaiaflow.co.jp/blog/blackadder-int
ピートリークは、ヘヴィリーピーテッド麦芽を使用した原酒を厳選してボトリングした強いピート香を持つ銘柄です。
同じシリーズでも種類が違えば、香りや味わいに大きな共通点が少ないブラックアダーですが、こちらの銘柄に関しては薬品や消毒液を思わせるクセのある強いピート香があるウイスキーのみを集めています。
スコッチ特有のピート香の強い銘柄を、ブラックアダー特有のロウカスクで味わいたい方におすすめです。
ブラックアダーのおすすめの飲み方を紹介します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ブラックアダーは、ウイスキーの個性をそのまま味わえるようにボトリングした銘柄であるため、ストレートで飲むのが最適です。
ただし、どのボトルも樽出しの状態であることからアルコール度数が共通して高いので、舌を麻痺させないためにチェイサーが必要になります。
ブラックアダーを購入して初めて試す飲み方は、ストレートが基本です。
ストレートが美味しいウイスキーの条件はこちらで紹介しています。
ストレートで美味しいウイスキーの条件とは?おすすめの銘柄4選
ブラックアダーはシリーズごとにさまざまな種類があるため、選び方によっては口に合わない可能性も考えられます。
アルコール度数や、ピート香を和らげる手段としてもハイボールにして飲むのは有効です。
ストレートで口に合わないと感じた方は、ハイボールなど別の飲み方を試すようにしましょう。
シングルモルトはハイボールにするのはもったいないかどうかはこちらの記事で紹介しています。
シングルモルトをハイボールで飲むのはもったいない? その理由とは
ブラックアダーの種類について解説しましたが、今回紹介したのは主なシリーズとなっており、シリーズごとの種類が非常に多いのもボトラーズの特徴です。
そのため、口に合うかどうか判断するのは難しいですが、好きな銘柄や、味わいの方向性を見ていくつか購入し、自分に合ったウイスキーを探すのもブラックアダーの楽しみの一つといえるでしょう。
また、ブラックアダーは、レジェンダリーシリーズなどでは蒸留所を伏せている場合もあるので、ウイスキーの風味から蒸留所を当てるゲームもウイスキー愛好家ならではの楽しみ方といえるでしょう。