ブランデー（コニャック）のナポレオンとは？ ランクの知識とおすすめ銘柄8選

ブランデーにはフランスの英雄であるナポレオンの名を冠するボトルが存在しますが、どのような意味で名付けられているのかわからない方もいることでしょう。

ナポレオンはブランデーのランクの一つであり、XOに並ぶ高ランクの高級ブランデーとして知られています。

また、ナポレオンのランクが使用されるのはコニャックとアルマニャックであり、様々な銘柄でナポレオンのランクが付けられているのです。

この記事では、ブランデーのナポレオンについてランクの知識を含めて解説した上で、コニャック・アルマニャックのナポレオンのおすすめ銘柄を紹介します。

ナポレオンはブランデー（コニャック・アルマニャック）のランク

ナポレオン・ボナパルトは、18世紀から19世紀にかけて活躍した軍人であり、フランス第一帝政の初代皇帝ナポレオン1世として即位したことでも知られています。

フランスのコルシカ島の小貴族で生まれ育ったナポレオンが、軍人として頭角をあらわしていき、クーデターを成功させたことで実権を取りました。

各国と戦争を行い、フランスの勢力をヨーロッパ大陸全土まで広げており、戦争に勝利した国の統治者にはナポレオンの兄弟を指定することでヨーロッパを支配します。

ナポレオンはフランス皇帝時代にブランデーを愛飲していたといわれており、ナポレオンの死後に多くのブランデーメーカーがナポレオンの名を冠する高級ブランデーを販売しました。

現在でもブランデーのランクとして定着していることから、ブランデーにおけるナポレオンはブランデーのランク（等級）を示しています。

ブランデーのランクでナポレオンと認められるための条件

フランスの代表的なブランデーであるコニャック・アルマニャックでは、使用されている原酒の中でも一番若い原酒の熟成年数が一定以上、熟成年数の平均も一定以上でなければナポレオン名乗ることはできません。

コニャックとアルマニャックではランクの基準が異なり、ナポレオンと認められるための条件の違いは以下の通りです。

ブランデーの種類	コント（熟成年数）	平均熟成年数
コニャック	コント6以上	12年～15年
アルマニャック	コント5以上	5年～12年

ブランデーにおけるコントとは熟成年数のことであり、ブランデーはブドウを収穫して蒸溜して樽詰めが行われるのが一般的には10月になります。

10月から翌年の3月までをコント00と定義し、4月1日を迎えるとコント0となり、以降は4月1日を基準として熟成年数を記録します。

つまり、コント6は約6年熟成されたブランデーを指しており、コニャックのナポレオンにはコント6未満の原酒を使用できません。

さらに、コニャックの条件はブレンドしている原酒の平均熟成年数が12年～15年であるため、両方の条件を満たして初めてナポレオンを名乗れます。

ナポレオンを含めたブランデーの等級についてはこちらの記事で紹介しています。

ブランデーのランク（等級）の違いは？ VO、VSOP、XOなどの意味を解説！

ナポレオンランクのブランデーの価値

ブランデーは製造してから数年、数十年、場合によっては100年以上経っても飲めるお酒です。

なぜなら、ブランデーはアルコール度数の高い蒸溜酒に分類されるお酒であることから、菌が繁殖して腐ることがないため、賞味期限がありません。

また、熟成年数が長いほど味わいの深みが増すことから、年数が経つほど希少とされています。

ナポレオンは熟成年数の長い原酒のみを使用した高ランクのブランデーであることから、他のブランデーと比較して価値が高い傾向にあります。

そのため、販売価格は高くなりやすく、購入が困難と感じるかもしれませんが、熟成によって品質が高められており、希少であることから妥当な価値を持っているといえるでしょう。

もっと気軽にブランデーを楽しみたい方は初心者向けのブランデーもチェックしてください。

ブランデーの初心者向けおすすめ銘柄10選！ ウイスキーとの違いも解説

ナポレオンブランデーのおすすめ銘柄8選

それでは、実際にナポレオンのおすすめブランデーを見ていきましょう。

カミュ ナポレオン レアオールド

画像引用：https://www.cognac-expert.com/ja/napoleon-cognac/camus-napoleon-cognac-rare-old?custom_product_id=294&product_rewrite=camus-napoleon-cognac-rare-old

カミュ ナポレオン レアオールドは、コニャックの名門であるカミュ社の製造する高級コニャックの中でもナポレオンの名を冠する銘柄です。

長期熟成による重厚なドライフルーツの風味と、辛口でコクがありまろやかな味わいです。

ナポレオンランクのブランデーの中でも入手しやすいことから、高ランクのブランデーに興味があるなら購入を検討しましょう。

ヘネシー ナポレオン

画像引用：https://item.rakuten.co.jp/fuga-shop/sm30000000000378/

ヘネシー ナポレオンは、コニャックの名門の中でもトップクラスに知名度が高いヘネシーのナポレオンランクのボトルです。

すでに終売となっている古酒であり、深みとキレのある味わいがあります。

平均熟成年数は15年～25年程度ではありますが、200年以上前の原酒が使用されているといわれている高級コニャックです。

クルボアジェ ナポレオン

画像引用：https://item.rakuten.co.jp/auc-nakanosaketen/10000670/

クルボアジェ ナポレオンは、歴史ある名門のコニャックブランドですが、実はナポレオンが好んだブランデーの銘柄がクルボアジェという説もあるブランデーです。

他のナポレオンランクのブランデーと比較して質の高いといわれることも多く、繊細な香りとバランスの良い味わいがあります。

ナポレオンが好きでブランデーに興味を持ったのであれば、ナポレオンが飲んだといわれているクルボアジェを飲んでみましょう。

レミーマルタン ナポレオン

画像引用：https://item.rakuten.co.jp/furimahaikurasu/ec-21707/

レミーマルタン ナポレオンは、ヘネシーに並ぶ知名度の高いコニャックの名門であり、有名な馬に乗るナポレオンの姿が描かれたラベルデザインが特徴のボトルです。

ほんのりとしたフルーティーさと黒糖を思わせる濃厚でコクのある甘みが魅力です。

ぜひともストレートで飲みたい高級ブランデーといえるでしょう。

マーテル ナポレオン コルドンノワール

画像引用：https://item.rakuten.co.jp/brandox/1000073558858/

マーテル ナポレオン コルドンノワールは、同銘柄のVSOPとコルドンブルーの中間に位置するボトルです。

芳醇な香りとまろやかな口あたりが魅力であり、ほんのりとした甘みのある味わいです。

ナポレオンの他にコルドンノワール（黒いリボン）と名付けられています。

ナポレオンランクは古酒であることから入手困難であることが多いですが、一般的なVSOPやXOなどコニャックのおすすめ銘柄を知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。

コニャックのおすすめ銘柄は？ 初心者向けのボトルから美味しい飲み方を紹介

シャボー（Chabot） ナポレオン

画像引用：https://item.rakuten.co.jp/fuga-shop/5200005884500171/

シャボー ナポレオンは、ブランデーの種類がコニャックではなくアルマニャックであり、名門のアルマニャックブランドのシャボーが販売するアルマニャックのナポレオンランクです。

コニャックと比較するとクセが強く、インパクトのある味わいが特徴であり、フルーティーな風味とバニラのようなフレーバーが調和します。

コニャックではなく、アルマニャックからナポレオンのボトルを探すならこちらがおすすめとなります。

アルマニャックの一般的なおすすめ銘柄は以下の記事をチェックしてください。

アルマニャックのおすすめ銘柄は？ コニャックとの違い、美味しい飲み方を解説

コルベール ナポレオン

画像引用：https://item.rakuten.co.jp/yunyuusyu/72831/

コルベール ナポレオンは、フランス産のブランデーではありますが、名門のブランデーとは異なり低価格で購入できるナポレオンと名付けられたフレンチブランデーです。

香りは控えめで風味が軽い印象はありますが、バランスが良く飲みやすい味わいが魅力となっています。

名門と比較して質は大きく下がりますが、低価格でナポレオンのブランデーを飲みたい方はこちらのボトルを選ぶのも良いでしょう。

クロニエール ナポレオン

画像引用：Amazon.co.jp

クロニエール ナポレオンは、150年以上の歴史を持つ老舗のフレンチブランデーであり、1,000円台で購入できるナポレオン仕様のブランデーです。

果実と樽の香りが感じられ、柔らかな印象のバランスの取れた味わいとなっています。

普段飲みなどのカジュアルな場面でナポレオン仕様のフレンチブランデーを飲みたい方におすすめです。

ナポレオンのブランデーのおすすめの飲み方

ナポレオンランクのコニャック・アルマニャックなどのブランデーは、ストレートで飲むことをおすすめします。

VSOPよりもランクの高い高級ブランデーであることから、氷で冷やす、水で割る飲み方や、カクテルを作るよりもそのまま飲むことで魅力を実感しやすいからです。

ただし、コニャック・アルマニャックに属さないフレンチブランデーは、ランクの条件を満たしていなくてもナポレオンを名乗ることに問題はないことから低価格で購入できます。

1,000円台～2,000円台のフレンチブランデーのナポレオン銘柄を飲む場合は、ストレート以外でもソーダ割り、カクテル、料理・お菓子の風味付けなど様々な飲み方や用途で使用しやすいです。

コニャック・アルマニャックに分類される一般的なナポレオンランクのブランデーは、ストレートで飲むことをおすすめします。

ブランデーのおすすめの飲み方全般はこちらの記事で紹介しています。

ブランデーのおすすめの飲み方は？ 初心者向きの簡単なカクテルの作り方も紹介

まとめ

ナポレオンは、ブランデーのランクの一つでXOに並ぶ高級ブランデーであり、コニャックとアルマニャックで名乗るためには一定以上の熟成年数によるブレンドが求められます。

ナポレオンランクのブランデーは熟成によって価値が高まり、価格も比較的高めですが、その深みのある味わいと希少性から愛好家に人気です。

ブランデーの名前に使用されることから、多くの人が気になるナポレオンランクのブランデーですが、入手困難な銘柄も多いことからマニア向けといえるでしょう。