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ブルックラディとは?種類や味わい、おすすめの飲み方

2022.04.26 / 最終更新日:2024.11.12

ブルックラディはスコットランドのアイラ島のシングルモルトです。

アイラ島は日本でいうところの淡路島より一回り程度大きい位の小さな島ですが、ウイスキーの聖地ともいわれ、世界的に人気があるウイスキーを出荷しています。

アイラ島にはウイスキーの蒸留所は9か所ありますが、この土地のウイスキーの風味の特徴として語られるのが、ピートのきいた海風を感じるスパイシーさがあるということです。

しかし、ブルックラディはピートの効きは抑えめにした味わいが特徴で、ビギナーの方にとっては飲みやすいウイスキーではないでしょうか。

日本でもその味わいは人気で、ボトルの美しいブルーの丸みのあるフォルムにも定評があります。

ブルックラディ蒸留所はシングルモルトの既成概念にとらわれず、ノンピートのブルックラディ、ヘビーピートのポートシャーロット、世界一ピーティーなオクトモアの3種類のウイスキーを造っています。

今回はブルックラディについて徹底検証していきます!

この記事のポイント

  • ブルックラディの種類と味わいを紹介
  • ブルックラディの味わいを堪能できるおすすめの飲み方を解説

ブルックラディの特徴や味わい

ブルックラディとはゲール語で「海辺の丘の斜面」を意味します。

その名前の通り、インダール湾に面した海沿いに蒸留所が建設されており、現在でも伝統的な製法でウイスキー造りがなされています。

ブルックラディは同じ蒸留所で造っているオクトモアのようなピート感のある大麦麦芽を使用していますが、ピート感は強くありません。
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それはなぜかというと、ブルックラディの製法に秘密があります。

ブルックラディの製法

ブルックラディのスチルはとても背が高く、ネックもかなり細くできています。

そのため内部でたくさん還流が起こり、蒸気と銅の接触も頻繁に起こります。

そして熟成にかける時間も長いのでフルーティーで華やかな風味になるのです

また、原料である大麦麦芽は100%スコットランド産を使用しています。

特にアイラ島内のパートナー農家が手掛ける大麦は近年45%までの割合を占めています。

こだわりの伝統製法を守っていなければブルックラディはもっとフェノール値が高いウイスキーになるかもしれません。

ちなみにフェノール値とはスコッチウイスキーの原料となるモルトのピートでの乾燥レベルを指し、高い数値ほどスモーキー感は強くなります。

ブルックラディってどんなウイスキー?

アイラ島でボトリングまで行う唯一の大手蒸留所であるブルックラディでは、着色料添加や冷却ろ過は行いません。

そしてアイラ島で唯一ボトリングまでの工程を全て同蒸留所で行い、設立当時の設備を未だに大切に使い続けています。

これはアイラ島での雇用を大事にしているからだそうです。

多くの人たちに安定した雇用を供給するという優しさの元に非常にこだわりと強いプライドをもったウイスキーを生産してるのです。

ブルックラディ蒸留所ではブルックラディを含めて3種類のウイスキーを生産していますが、これらの違いは何かというと前述のフェノール値の数値になります。

ブルックラディはピートを使用しないノンピートウイスキー、ポートシャーロットはブルックラディとオクトモアの中間にあたる40ppmのフェノール値を持ちます。

ピート香が苦手な方はブルックラディ、スモーキーな香りは少しは欲しいという人はポートシャーロット、強いピート香を求めるならオクトモアと同じ蒸留所でも、好みに合わせてチョイスできる汎用性の高さが素晴らしいですね。

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ブルックラディの歴史

オクトモア ブルックラディ蒸留所は1881年に設立されました。

2つのグレーン蒸溜所を所有するハーヴェイ家のウィリアムを中心とした6名によって設立されました。

1886年にはブルックラディ・ディスティラリー・カンパニーの改築工事を完成させます。

ところが、1929年〜1936年は第二次世界大戦による経営悪化のため生産停止に追い込まれます。

生産を再開した翌年の1937年には蒸留所の指揮をとっていたウィリアム・ハーヴェイが死去し、災いが立て続けに起こり、1938年以降はオーナーが立て続けに変わるという買収騒動もありました。

設立してから波乱含みの年月を過ごしましたが、1968年にインヴァーゴードン・ディスティラーズが蒸溜所を買収してから1975年にポットスチルを4基に増設することになり、光が見えました。

しかし、またも1983年に工場の閉鎖に追い込まれます。

その後も経営は安定せず、生産停止とオーナー変更が幾度となく繰り返されます。

2012年になり、フランスのレミー・コアントロー社の傘下に入るようになってから経営が安定するようになりました。

レミー社はブルックラディ蒸留所が培ってきた伝統的な製法を認め、変わらない職人技術を大きく評価しているので順風満帆に経営が成り立ち、世界に好まれるウイスキーへと名をはせられるようになったのでした。

ブルックラディの種類

フェノール値別に生産されているブルックラディ蒸留所の3種類のウイスキーをご紹介します。

ブルックラディザ クラシック ラディ スコティッシュ・バーレイ

ブルックラディのオフィシャルボトルといえるこちらはピートが少なくドライで軽いタッチが飲みやすいウイスキーです。

ボトルのきれいな青色は「ラディブルー」とも言われており、海の色を再現したものです。

アイラ島は天気が変わりやすいのですが、2001年に操業を再開した日、青々とした美しい空と海が広がっていました。

そのため、この日の海にちなんで、蒸留所は「ラディ・ブルー」と呼ばれる青を蒸留所のキーカラーに定めました。

アルコール度数は50度と結構高めながら、それを感じさせず、ブルックラディが目指したフルーティでエレガントな味わいが投影され滑らかさと爽やかさが同居しています。

アロマは麦の甘さとミントの爽やかさ、それに華やかなフローラルと蜜の甘みが調和されています。

味わいはバニラの甘みにリンゴや洋ナシなどのフルーティさがあり、フィニッシュにほんのりと海の潮を感じます。

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ブルックラディ アイラ・バーレイ 2012

画像引用元:レミー コアントロー ジャパン株式会社

ブラックラディ アイラ・バーレイは「ブルックラディ」のアイラ島産大麦を100%使用しためいがらです。

「どこで、どんな品種の大麦を、どのように育てるか」

という3つを柱とする大麦の探求プログラムの中で単一農園(シングルファーム)、単一畑(シングルフィールド)、単一年シングルヴィンテージ
単一品種(シングルバラエティ)という限られた状況下で造られたボトルです。

全ての工程をアイラ島で行い、自然環境要因を最大限にいかした銘柄です。

アロマはハチミツが豊富に詰まった華やかな花、バニラ香、トロピカルな果実にオーク樽のスパイシーさ。

そしてチョコレートやキャラメルへと続き、最後になつかしさのある大麦が鼻腔をくすぐります。

熟成期間8年と短いウイスキーにはアルコールの刺激があり、特にこちらはアルコール度数が50度もありますが、時間をかけた丁寧な蒸留とアイラ島大麦の甘さがそれをカバーしています。

味わいはフルーツや大麦の甘み、生クリームやフルーツキャラメルといった滑らかで甘い感触の舌ざわりが絶品です。

フィニッシュには爽やかな潮風と甘みがバランスよく調和された味わいが続きます。

こちらはサンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション2021「ディスティラリー(蒸留所元詰)/シングルモルトスコッチ/12年以下」部門において、金賞を受賞しました。

ブルックラディ ブラックアート 08.1 (1994)


画像引用元:レミー コアントロー ジャパン株式会社

ブラックラディ ブラックアート 08.1は26年熟成でノンピートです。

ブルックラディ蒸留所のヘッド・ディスティラーであるジム・マッキュワン氏の厳選のもとに出来上がった至極の一品です。

原酒の組み合わせも、その創造主であるヘッド・ディスティラーのみぞ知る数量限定品の第8弾となっています。

香りは柑橘系とオーク樽を焦がしたようなキャラメル、それでいてフローラルです。

味わいはマーマレードやオークの甘さにほのかにクリーム、フィニッシュは柔らかく続きます。

ポートシャーロット スコティッシュ・バーレイ

ポートシャーロット スコティッシュ・バーレイはフェノール値40ppmと比較的高く、ランクはヘビーピートでスモーキーの強さに非常に力強さのある銘柄です。

アルコール度数はこちらも50度と結構高め。

ただ、スモーキーさは強いですが、飲み口は非常に軽く甘みが奥から感じられるので飲みやすさがあります。

アロマは強いスモーク、潮の香り、奥から樹液をかんじさせる甘いオーク、バニラが感じられます。

味わいは麦芽の甘みやバニラ、そこへ潮風とドライなスモークが重なり、フィニッシュには少し酸味を帯びた潮っぽさとまたスモークの蘇りがゆっくりと続きます。

オクトモア 12.1 スコティッシュ・バーレイ

画像引用元:ブルックラディ蒸留所オフィシャルサイト

オクトモア 12.1 スコティッシュ・バーレイは、130.8PPMのフェノール値を持ち、アメリカンオークのバーボン樽で5年間熟成させ、59.9%という高いアルコール度数でボトル詰めしています。

ブルックラディ蒸留所がフェノール値の限界に挑んだといわれる銘柄ですが、フェノール値の高さの割にはクセがあまりありません。

パワフルなスモーキー感でありながら繊細な部分をもっており、バランスが非常にいいウイスキーとなっています。

アロマは力強いピート香の中にフルーティーかつフローラルさ、正露丸を思わせるスモーキーでピーティーな香り、モルトの甘い香りやバニラなど。

味わいはスモーキーなヨード香りが広りますが、軽い口当たりです。

少し経つとフルーティーさが現れ、胡椒と甘さが混ざった甘じょっぱい感覚を楽しめます。

オクトモアは非常に豊富なラインナップがありますが、初めて飲まれる方はオクトモアの原点といわれている12.1 スコティッシュ・バーレイをおすすめします。

おすすめの飲み方

ブルックラディのおススメの飲み方

  • ストレート
  • ロック

ブルックラディは、アイラモルトでありながらピート香やスモーキー感が控えめになっているので、そのまま飲むとダイレクトに華やかでフルーティな味わいが楽しめます。

ロックだとさらに青りんごのようなフルーティさが際立って爽やかな美味しさが楽しめます。

ポートシャーロット スコティッシュ・バーレイのおススメの飲み方

  • ハイボール

ハイボールにすると、スモーキーさは軽減され、ライムの渋み、に黒こしょう、シナモンの香りが前面に出てきます。

味わいはほんのりと苦みがありますがすっきりした感じで飲めます。

オクトモア 12.1 スコティッシュ・バーレイのおススメの飲み方

  • ストレート
  • ハイボール

オクトモアは飲む前は強烈なピート香を感じるかもしれませんが、えぐみを感じさせるようなスモーキーなピート感は、なく、実際に飲めばフルーティーな香りと味わいが目立つため、他のアイラウイスキーと比較しても煙臭い印象を感じないでしょう。

スモーキーなヨード香はあるので、スモーキーさを弱めたい方はハイボールがおすすめです。

まとめ

ブラックラディはアイラ島の中ではピートの抑えられた異色のウイスキーです。

通常は、フェノール値がバラバラのウイスキーを1つの蒸留所で造ることは中々できず、製造工程も外部へ依頼する蒸留所も多々ある中で、独自の路線で人材を大事に伝統を守り続けるブラックラディ蒸留所の今後が楽しみでしょうがないと思いました。

ここ最近では東京の六本木ヒルズでブラックラディのフェスも行われているようです。

時間がある方は是非足を運んでその魅力を確認してみてはいかがでしょうか。

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