ラフロイグ 10年とは? スモーキーな味わいとおすすめの飲み方を紹介
- ウイスキー銘柄
カリラは伝統的にウイスキーが製造されてきたスコットランドのアイラ島で作られたウイスキーで、個性的でクセのある味わいから多くのファンが存在します。
アイラウイスキーには、ラフロイグ、ボウモア、ラガヴーリンなどの種類がありますが、カリラがシングルモルトとして一般的に販売されたのはアイラ島の歴史においてごく最近であるにも関わらず、現在では高い知名度を獲得しました。
カリラ蒸留所で作られるウイスキーが良質であったことは間違いありませんが、数度の経営危機に晒されたところをディアジオ社が買収することで経営を安定させ、同社がシングルモルトとして販売したことで人気が出たためオーナーの手腕によるところも大きいです。
この記事では、カリラの種類と味わいについて解説し、おすすめの飲み方についても紹介します。
この記事のポイント
カリラはスコットランドの北西のヘブリディーズ諸島の最南端に位置するアイラ島で製造されるウイスキーです。
この島には複数の蒸留所が存在し、多くのウイスキーがスコッチウイスキーで伝統的なピート(泥炭)による麦芽の乾燥を採用しており、クセのあるスモーキーな香りが強い銘柄が多いのが特徴です。
アイラ島のウイスキーの中でも近年に一般的にシングルモルト化され、他の伝統的なアイラウイスキーにも劣らない人気を持つのがカリラになります。
アイラウイスキーの銘柄について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
スコッチ・シングルモルトでおすすめのアイラモルトの特徴と種類について
カリラは「CAOL ILA」と表記されゲール語で「CAOL(海峡)「ILA(アイラ)」となるので、アイラ海峡という意味になります。
同じヘブリディーズ諸島のジュラ島とアイラ島の間にある海峡のことであり、蒸留所はこの海峡に面した海岸に建てられました。
この海岸から見える景色は、スコットランドから見られる景色の中でも有数の絶景といわれています。
アイラ海峡はロブスター、カニの漁場にもなっていることから、ここで製造されたカリラは魚介類との相性が非常によいです。
また、アイラ海峡の先にあるジュラ島にもジュラ蒸留所があり、ウイスキーの製造が行われています。
アイラ島には複数の蒸留所が存在しますが、その中でもカリラ蒸留所は年間650万リットルの生産能力を有しています。
製造された原酒は世界的に有名なブレンデッドウイスキー「ジョニーウォーカー」のモルト原酒として多く使用されているのが現状です。
ジョニーウォーカーとは?種類や味わい、おすすめの飲み方
生産量は非常に多いですが、シングルモルトとして販売されるのは全体の5%程度といわれています。
そのため、シングルモルトとして市場に出回る量は少ないため、生産量が多くても人気が高く希少性が高いボトルとして有名です。
現在でもブレンデッドウイスキーとして販売されることが多いカリラですが、ディアジオ社の傘下に入るまでシングルモルトが発売されることはほとんどありませんでした。
ブレンデッドウイスキーの原酒をメインに製造していたカリラ蒸留所は知名度も低く、ウイスキー好きでも知らない人がいても不思議ではない蒸留所です。
この状況を変えたのがディアジオ社であり、「ヒドゥン・モルトシリーズ」としてカリラの12年物をはじめとする3種類をリリース。
これが多くの愛好家から評価され、代表的なアイラのシングルモルトとしての地位を確立することとなりました。
カリラの種類とそれぞれの味わいについて解説します。
画像引用:https://www.mhdkk.com/brands/caol_ila/
カリラの中でもスタンダートボトルの立ち位置となる銘柄がカリラ12年です。
カリラが持つスモーキーかつ潮気のある香りはアイラウイスキーに共通する特徴ですが、アイラの王とも呼ばれるラフロイグほど強烈なものではありません。
こちらの銘柄は、アイラの特徴であるスモーキーな香味を十分に感じられた上で、スパイシーかつフルーティーな甘みが感じられるバランスのいい味わいに仕上がっています。
アイラウイスキーでもクセの強いピート香を和らげている銘柄は存在しますが、このような銘柄は飲みやすいですがアイラらしさを感じることができないかもしれません。
カリラ12年ピート香が強烈なものは初心者であるため避けたいと考えていて、アイラらしいアイラウイスキーを飲んでみたい方にとってはバランスがよく合う可能性が高いウイスキーといえるでしょう。
カリラの酒齢15年以上の原酒をヴァッティングしたボトルがカリラ15年です。
12年物よりもよりフルーティーに仕上げられており、青りんごの爽やかさ甘いアロマが香る優しい香りが特徴です。
メンソール系の爽やかな後味が特徴であり、カリラ12年よりもスペイサイド寄りの銘柄を求めている方におすすめになります。
18年以上熟成させた原酒を使用したカリラ18年もカリラの主力商品の一つです。
アイラウイスキーは長期間熟成させるほどピート香が弱まりますが、カリラ18年も12年物と比較してピート香が弱まり、バニラの香りが強くなっています。
しかし、複雑なフレーバーが上手くかみ合っており、カリラの中でも完成度の高い銘柄です。
2010年に14,000本限定で販売されたカリラの長期熟成銘柄です。
限定品ではあるものの販売本数が多いことから、現実的に入手が困難になるほど価格が上昇しているわけではありませんが、販売から期間が過ぎるほど希少価値が高まるのは間違いないでしょう。
アイラウイスキー特有の薬品のようなヨード香がなくなり、上品なスモーキーな香りに甘くてコクのある複雑な味わいが口いっぱいに広がります。
ウイスキー好きなら一度は味わってみたい銘柄の一つです。
MOCH(モッホ)とはゲール語で夜明けという意味であり、カリラをより安価で初心者にも受け入れやすいヴァッティングにしたのがこちらのボトルです。
スモーキーな香りを残しつつ、レモンのアロマと酸味のある果実の味わいから、さっぱりとしていて飲みやすいのが特徴です。
12年物と並んでカリラを初めて飲む方や、アイラウイスキー初心者の方におすすめのウイスキーです。
カスクストレングスとは、カリラをボトル詰めする際に加水処理をあえて行わないことで高いアルコール度数のまま販売した銘柄のことです。
度数は61%で、スモーキーな香りもスタンダードボトルよりも強烈な物となっています。
ラフロイグやアードベッグなどのように力強いカリラを飲んでみたい方はこちらがおすすめです。
カスクストレングスなどのウイスキー用語について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
画像引用:https://malts.jp/aging/
ディアジオ社から販売されるディスティラーズエディションシリーズで、モスカテルと呼ばれるシェリー樽でカスクフィニッシュしたカリラになります。
カリラのスモーキーかつフレッシュなバランスのいい風味に加えて、シェリー樽由来の甘みが加わりより深みのある甘い味わいになっています。
ディアジオ社のディスティラーズエディションでは、カリラの他にタリスカー、ラガヴーリンなど同社の主力となるシングルモルトが複数発売されているのでそちらもおすすめです。
モスカテル樽などウイスキー樽の種類について詳しく知りたい方はこちらの記事を参照してください。
カリラのアンピーテッドシリーズは、ピートによる乾燥をしていないモルトを使用しているため、アイラらしいスモーキーな香りがありません。
まるでスペイサイドモルトのようなカリラのフルーティーな味わいを堪能できます。
カリラの新しい一面を垣間見たい方におすすめのウイスキーです。
カリラ蒸留所設立175周年を記念して3,000本限定でカリラ24年が販売されました。
長期熟成銘柄でありながら力強いピートスモークが健在であり、スパイシーかつ複雑な甘みが楽しめるようです。
希望小売価格は£295(約4万5,000円)ですが、限定品かつ本数が少ないため入手は困難であり、プレミア価格で取引されること間違いなしの商品になります。
画像引用:https://vclvintners.london/
カリラ蒸留所は、1846年にヘクター・ヘンダーソンによってアイラ海峡に面した海岸に設立された蒸留所です。
立地条件からナムバン湖のピートを含んだ水をウイスキーの仕込み水として大量に使えることからこの場所が選ばれました。
また、カリラ蒸留所で作られた原酒は蒸留したてのニューポッドの状態でも特徴的な風味を持っています。
樽で熟成させることで、ピート香などの風味が和らぎ、フルーティーかつスパイシーさを感じるバランスのいいフレーバーに変化する仕組みになります。
アイラらしいウイスキーでありながら飲みやすい味わいと評価されるカリラは、アイラ島の自然環境と長期的な熟成によって作り出されたのです。
カリラ蒸留所についてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
それでは、カリラのおすすめの飲み方を紹介します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
カリラのスモーキーな香りとフルーティーな味わいを余すことなく楽しむなら、ストレートで飲むことをおすすめします。
ただし、カスクストレングスなども含めてアルコール度数が高いため、チェイサーと共に交互に飲むようにしましょう。
高いアルコールで舌が麻痺することなく、最後までカリラの味わいを楽しめるはずです。
アルコールに弱い方や、アイラウイスキー特有のスモーキーな香りに慣れない方、クセの強さを緩和して食中酒として飲みたい方におすすめなのがカリラを炭酸割りしたハイボールです。
ハイボールにすることでアルコール度数を下げる効果が期待できるだけでなく、スモーキーな香りが緩和され爽快感があり飲みやすい状態になります。
また、カリラはハイボールにしてクセの強さを緩和すれば、料理の味わいを邪魔することなく食中酒として飲めます。
カリラは海の近くで作られ、潮気のあるフレーバーが特徴であるため、魚介類との相性が抜群です。
カリラはクセのあるウイスキーではあるものの、アイラウイスキーの中ではバランスがよく、アンピーテッドを含む種類も豊富であるためカリラの中でも好みのウイスキーが見つかるはずです。
ハイボールにすれば食中酒としても飲めるので、飲み方を工夫すれば機会を選ばずに飲めることでしょう。
カリラに興味を持った方はまずはカリラ12年、カリラ MOCHを飲んでみることをおすすめします。