ザ・マッカラン ダブルカスクシリーズの種類と味わい、おすすめの飲み方
- ウイスキー銘柄
クライヌリッシュはスコットランドの北ハイランド地方で作られているシングルモルトウイスキーになります。
こちらのウイスキーはそこまで名は知れ渡っていませんが、ジョニーウォーカーのゴールドラベルやブラック&ホワイトのキーモルトとしても採用されるなど、業界でも重要な役割をになっています。
クライヌリッシュを嗜む人はいわゆるウイスキー通が多い印象で、隠れた銘酒といったところでしょう。
詳しい味わいは後ほどご説明しますが、クライヌリッシュとは、ゲール語で「金色の湿地」という意味で由来の通りミネラルを含んだ特有のオイリーさに特徴があります。
本記事ではクライヌリッシュの種類と製法と歴史について解説し、おすすめの飲み方も紹介します。
この記事のポイント
蒸溜所の創立者はスタッフォード伯爵(後のサザーランド公爵)と言われる人物によって1819年に創立しました。
クライヌリッシュは、北ハイランドのブローラという土地に蒸留所を建設されましたが、1967年には当時の蒸留所の隣に新設されて、古い方の蒸留所はブローラ蒸留所という名前に変更されました。
ちなみに、ブローラ蒸留所で生産されたウイスキーは生産期間も短く、1983年には閉鎖され、わずか14年の稼働でありました。
現在では品薄で価格高騰が続いている幻のウイスキーと言われています。
クライヌリッシュ蒸留所がなぜ建てられたのかというと、領地内の大麦の大量消費、密造酒の対策をするためでした。
クライヌリッシュのオーナーは次々と変わりましたが、1925年に英国・ロンドンを本拠地とするディアジオ社が全ての株を買い取り、完全なオーナーとなります。
その後、2017年前後に世界的なウイスキーブームが到来してから、ディアジオ社はブローラ蒸留所の再建計画を立てることを発表しました。
ブローラ閉鎖前の蒸溜法や熟成などのレシピを再確認し、当時のフレーバーに限りなく近いウイスキーをリリースしようともくろんでいます。
クライヌリッシュの原材料の大麦は北ハイランド地方で収穫された大麦を使用しています。
モルトの仕込み水もブローラ蒸留所時代に使用していたものと同じもので、クラインミルトン川からパイプで引かれた水を使用しています。
熟成には主にバーボン樽がメインで使われていますが、シェリー樽でも使用されています。
ポッドスチルは胴部分がボール状のバルジ型のものを使用し、6つのウォッシュスチルと6つのスピリットスチルで蒸留しています。
ウォッシュスチルとは、初回の蒸留を行う釜のことでアルコール度数が20%前後の液体になります。
年間約480万リットル生産でスコットランドの中では中規模の蒸留所といえるでしょう。
なお、クライヌリッシュは多くがブレンド用として生産されていたため生産が追いつかないこともありました。
現在でもクライヌリッシュ蒸留所の95%はブレンド用として使われています。
ただ、シングルモルトとしての現行ラインナップは少ないものの、ボトラーズから多数のボトルが販売されています。
まず、ボトルのデザインに注目してみると、ラベルにはハイランドタイガーとも呼ばれる猫が描かれています。
これは公爵家の副紋章で、今でも生息しています。
気になる中身ですが、アロマはフローラル&フルーティといったところでしょうか。
華やかで少し花の蜜を思わせるような香りとフレッシュなリンゴのような香りを捉えることができます。
少しライムのようなすっきり柑橘系の香りもわかります。
フルーティな香りは少し酸味を伴った香りと言えます。
僅かではありますが、若干の潮っけも感じ取ることができます。
アルコール度数は46度ありますが、鼻を衝くような刺激感はほとんどなく、香り立ちは中程度と言えるかと思います。
味わいは一口で色んな味わいが楽しめるバランス感が最高です。
まず、口に含むと洋ナシのフルーティー感、カスタードクリームのような甘さ、クリーミィー舌の上で塩が解けたような味わいが同時に感じられます。
そして徐々に穏やかなスパイシー感が顔を出し、喉を通ると余韻は潮っけと樽由来のウッディーな味わいが同時に感じられます。
こちらのウイスキーは舌ざわりに変遷がある仕上がりでクリーミィーという語源がしっくりくるかと思います。
そしてポイントとしては様々な味わいがバランスよく共存している点でしょう。
フルーツティー感、強い甘さ、潮っけ、スパイシー感、ウッディーな味わいがお互いを打ち消すことなく共存している複雑味溢れる味わいになっています。
ボディも厚めで飲みごたえは十分。
オフィシャルのスタンダードボトルはものすごい完成度と言えるかとおもいます。
クリーミィでしっかりコクがあって最高ですね。
クライヌリッシュのおすすめラインナップをご紹介します。
画像引用:Malts.com
こちらは唯一日本に流通しているフラッグシップというべきモデルです。
フルーティでフローラルな華やかさと全体的にはクリーミィな味わいといった中にわずかな潮っぽさを感じられる複雑な味わい。
様々な味わいで複雑な割にバランスよく色んな味わいが共存しています。
軽く飲めるので、食前酒としても優れています。
画像引用:Amazon.co.jp
花と動物シリーズは、ディアジオ社が保有する蒸留所の中から選別された蒸溜所の原酒をリリースしたものです。
こちらは、スタンダードボトルであるクライヌリッシュ14年が販売される前はスタンダードボトルでした。
ボトルのラベルには構成されている原酒と蒸留所と縁のある、花や動物の絵が描かれていて、山猫も描かれています。
香りは、カラメルやベリー系のお酒」のようなニュアンスをを感じさせます。
味わいは、まろやかな口あたりが特徴で、クリーミー、バニラ、オイリー、やや感じるミネラルっぽさに果実の蜜の味わいがします。
マスタードのようなスパイシーが特徴的でもあります。
現行の14年物よりワクシーで若干ピートを感じる出来映えが更なる複雑さを感じます。
画像引用:Amazon.co.jp
こちらはセレクトリザーブの第一弾で2964本の限定ボトルになります。
全てクライヌリッシュの蒸留所で生産されたウイスキーのリリースであり、リフィルバーボン樽・ヨーロピアンオークのリフィルシェリー樽・アメリカンオークとヨーロピアンオークのリフィル樽の4つの樽をヴァッティングさせてカスクストレングス、つまり加水によるアルコール調整をせずにボトリングしたものになります。
香りは爽やかな酸味がある麦芽の香りとオレンジピールなどの柑橘系のフルーティなフレーバーが印象的です。
画像引用:Amazon.co.jp
こちらはドイツのボトラー”アランビッククラッシュ社”がリリースしたダブルマチュア―ドセレクションの1本で21年熟成のボトルです。
ファーストフィルのバーボン樽で熟成したあと、スパニッシュブランデー樽で6年間後熟させた一品。
香りは樽由来のバニラ香と焼きリンゴの甘み。
味わいはオイリーで、フルーツの甘酸っぱさがあり、独特のコクのあるジャムからフィニッシュはビターなフレーバーが長く続きます。
画像引用:Amazon.co.jp
こちらの銘柄は1960年代に蒸留して1970年代にボトリングしたハイプルーフでアルコール度数の高いウイスキーです。
アロマは階層となって段階的に色々な味わいに変わっていく複雑な味わいが特徴。
柑橘類の果肉、アプリコット、グレープフルーツ、ライム、麦芽、草花とどんどん変化していきます。
味わいは爽やかな麦芽、オレンジピール、マーマレード、焼きプディング、完熟したアプリコット、香ばしいナッツなど。
余韻は麦芽、ピート感、ミントが共存し、長く深い感じです。
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こちらはクライヌリッシュが1819年に誕生してから200年経過した2019年にリリースされた記念のボトルで、誕生年になぞらえて限定1819本が蒸留所限定でリリースされています。
アロマはオレンジ風味ではありますが、やや薬品の香りがあり、蜜蝋のようなミネラルっぽさも感じられます。
味わいは酸味とスパイシーさが合いまった感じです。
非常にオイリーで麦の甘みの中に樽由来のタンニン、茶葉のようなフレーバーがあり、フィニッシュはフルーティさが残ります。
おすすめはハイボールです。
ハイボールにしてもまったく味わいが崩れることなく、フルーティかつ潮っけがほのかに感じられて複雑味がある味わいが楽しめます。
ハイボールにするとストレートで飲んだ際に感じたスパイシー感が柔らかくなって、フルーティ感や甘さや潮っけという味わい要素が捉えやすくなるかと思います。
薄べったくなるような印象もないので、本当につまみがいらないハイボール単体で楽しめる1杯かなと思います。
ウイスキー初心者から飲みなれた方まで幅広く楽しませてくれる1本かなと思います。
クライヌリッシュは目立たないブランドではありますが、ボトラーズからは「シークレットハイランド」や「サザーランド」などの名称でリリースされています。
シンボルの山猫のイラストが入っているので分かりやすいとおもいます。
クライヌリッシュ自体は様々な味わいが共存して、一本で何回も色んな味わいが楽しめるコスパのいいウイスキーといえるでしょう。