ラフロイグ 10年とは? スモーキーな味わいとおすすめの飲み方を紹介
- ウイスキー銘柄
スコッチウイスキーではお手軽価格で気軽に飲めるカティサーク。
何と、1,000円前後で買えてしまいます。
スコットランドは生産地によって6つのエリアに分けられていますが、カティサークはスペイサイドエリアで作られています。
このエリアはスコットランド全体の約半分、51もの蒸留所がこのスペイサイドに存在し、スコットランドの北東部にある、スペイ川の周辺エリアということからこの名前が付けられたそうです。
スペイサイドエリアにはマッカランやグレンリベットなど、スコッチの王道ともいえる有名な蒸溜所が集まっており、飲みやすい味わいのウイスキーが多く、沢山の人々に親しまれているウイスキーが生産されています。
そんなカティサークですが、検索すると小説家の村上春樹が関連ワードとして出てくるので調べてみてください。
有名な小説『1Q84』『ダンス・ダンス・ダンス』『ねじまき鳥クロニクル』にもカティサークは登場します。
小説を読みながらスコッチを楽しむのも粋ですね。
今回は村上春樹自身もお気に入りというカティサークについて徹底解説いたします。
カティサークはブレンデッドウイスキーになります。
ブレンデッドウイスキーとはその名前の通り、何種類ものお酒をブレンドして作られたお酒を指します。
グレンロセス蒸溜所で作られた原酒をキーモルトにマッカランやハイランドパークを含む数十種類のモルト・グレーン原酒を掛け合わせて作られています。
マッカランはスコッチウイスキーを代表する銘柄で、世界のシングルモルトの売り上げではグレンフィディックやグレンリベットに並び、トップスリーに入るほどの人気の老舗ブランド。
マッカランが入っていると思うと1,000円前後のカティサークも高級な感じがしますね。
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コスパ最強なウイスキーといえるでしょう。
カティサークは1923年、ロンドンのセント・ジェームズ通り3番地にて誕生しました。
ゲール語で「短い袖」の意味を持つ「カティサーク」ですが、カティサークの銘柄名は、19世紀後半に活躍した船、快速帆船のカティサーク号からきています。
カティサーク号は当時中国からイギリスに紅茶を運んでいた「ティークリッパー」と呼ばれる大型帆船でした。
当時はティークリッパー全盛の時代でカティサークと同じような大型帆船が多く存在し、いかに早く船を走らせるかを競っていたといわれており、その中でも無敵であったカティサークは「海の女王」という異名を成し遂げました。
しかし、ティークリッパーの必要性がなくなるとともにカティサーク号を使用することもなくなりました。
ところが、1922年にポルトガルからイギリスにかいもどされたことにより、カティサークは大きな話題を呼びます。
ベリー・ブラザーズ&ラッド社はその話題に便乗してウイスキーにカティサークと名付けたわけです。
ベリー・ブラザーズ&ラッド社は元々はワインやスピリッツを手掛ける大手酒造メーカーで、カティサークは禁酒法時代のアメリカ市場向けに開発した銘柄です。
アメリカで人気を博してから100年ほど経ちましたがカティサークは世界130カ国・年間売り上げは200万ケース以上にもなり、この売り上げはスコッチ業界でも5番目の業績となりました。
現在、日本国内ではバカルディ・ジャパンが販売しています。
前述の通り、カティサークはブレンデッドウイスキーです。
ブレンデッド・ウイスキーを作る時には、シングルモルトとグレーンウイスキーをブレンドします。
各ブランドごとに、主軸となるモルトが決まっています。
それをキーモルトといいます。
カティサークには、5種類のシングルモルトが代表的なキーモルトとして使われています。
各キーモルトの特徴を知るこにより、混ざり合う複雑な風味を実感し、余韻についての感想もちがってくることでしょう。
画像引用:https://www.suntory.co.jp/whisky/macallan/product/sherryoak/
前述でもご紹介したザ・マッカランはその高い完成度から「シングルモルトのロールスロイス」とも称されている銘品で、気品がありながらも、濃厚でまろやかな風味と、エレガントな香りが特徴です。
味わいを決めるうえで非常に重要なのが、カスクと呼ばれるウイスキーを熟成させるための樽の存在ですが、マッカランの熟成樽は、原木から処理に至るまで自社で管理している専用の樽を使用しています。
樽はヨーロピアンオークのシェリー樽とアメリカンオークのシェリー樽、バーボン樽や新樽など様々で樽を使用して種類も豊富です。
原料と製造法もこだわり抜かれており、長年に渡って高品質なウイスキーを作り出しています。
画像引用:https://www.theglenrothes.com/en
グレンロセスはマッカランと同じくスペイサイドエリアでバーン・オブ・ロセス付近にある蒸留所です。
グレンロセス蒸留所はニッカウヰスキーの創業者、竹鶴政孝の修行先としても有名。
1回の仕込みに使用する大麦は約5トンであり、ポッドスチルの大きさも他の蒸留所と比較して非常に大きいものを使用しています。
熟成樽は主にシェリー樽ですが、バーボン樽が使われることもあるそうです。
グレンロセス蒸留所の原酒は大半がブレンデッドウイスキーに使用されており、シングルモルトとして販売されている商品はほとんどありません。
シングルモルトとしては甘みと渋みの割合が絶妙で奥深い味わいです。
加水すると香りが爽やかに開きます。
カティサークの配合量の中では一番多く割合を占めています。
タムドゥーの創業は1890年代末頃でこちらも歴史のある蒸留所です。
スペイ川中流域の左岸沿いに相次いで創業した蒸留所としてタムドゥーの他にノッカンドゥとインペリアルがありますが、いづれの蒸留所も人気のあるウイスキーをリリースしていますね。
『タムドゥー』とはゲール語で黒い丘、黒い塚を意味しますが、タムドゥー川は非常に良質な水が使われています。
100%シェリー樽の風味を感じられる柔らかな中に深み、爽やかさのある独特な味わいが特徴です。
画像引用元:ブナハーブンオフィシャルサイト
ブナハーブンはスコットランドのアイラ島で造られているシングルモルトです。
ブナハーブンは他のアイラモルトと違い、ほとんどのラインナップにスモーキーさ、いわゆる燻製臭は控えめになっています。
これは基本的にモルトがノンピートの製法だからです。
ウイスキーのピートとは? ピート香の強いウイスキーの飲み方も解説!
ハイランドパークはスコットランドでも最北端のオークニー諸島で製造されるアイランズモルトです。
独自の基準で選んだピートを乾燥に使用し、伝統的な製法であるフロアモルティングを現在も守り続けているウイスキーの1つです。
スモーキーなフレーバーにまろやかでありながら複雑な味わいを持ち、長い後味が続くため充実感があります。
アメリカのウイスキー専門誌Spirit Journalのベスト・スピリッツ・イン・ザ・ワールドを2回受賞した実績を持つウイスキーです。
カティサークのおススメラインナップをご紹介いたします。
画像引用元:カティサークオフィシャルサイト
山吹色のラベルが生えるこのボトルは約90年間変わっていません。
実は印刷屋が間違えて刷ってしまったものでしたが、これが意外に好評で鮮やかさが一目をひいたことから今も変わらず採用されています。
ボディはライトで着色もみられず、すっきりとした飲み口で、スモーキーさやピート香はほぼ感じられません。
柑橘系のフルーティな香りが爽やかでほのかにミルクチョコやバニラ、味わいはすっきりとキレがよくスムースな感じでフィニッシュに少し青りんごのすっきりとした余韻が感じられます。
画像引用元:カティサークオフィシャルサイト
プロヒビションとは「禁酒法」を意味します。
カティサークは、アメリカ人向けのウイスキーとして誕生したのですが、禁酒法時代のアメリカでは粗悪品のスコッチが多く、多くのスコッチがキャンベルタウンで生産されていたものだと言われています。
しかし、禁酒法時代にアメリカへカティサークを売り続けたウィリアム・マッコイはバハマを経由して東海岸へと輸出をしていました。
粗悪品のスコッチがはびこる中、マッコイ船長が持ち込むカティサークは「本物」だとギャング達につけられた相性が「リアル・マッコイ」でした。
ウィリアム・マッコイ氏に敬意を表して、禁酒法廃止から80年後の2015年に記念として発売されたのがこのカティサークプロヒビションです。
熟成樽にはアメリカンオークを100%使用し、樽の風味を活かすために冷却ろ過を行わなっていないのが特徴です。
アルコール度が50度あり、力強いスパイシーなコショウの香りが食欲をそそります。
アロマは胡椒だけでなく、ハチミツやシトラスなどの甘みや酸味も複雑に絡み合っています。
味わいは歯にまとわりつくようなキャラメルやトフィーの甘みの中に微かにコショウの辛さを舌先に感じます。
フィニッシュには微かにコショウのスパイシーさを感じます。
個性が溢れている海の男に敬意を表したならではの銘柄となっています。
一番手に入りやすいカティサークオリジナルの飲み方でおすすめしたいのが、ハイボールです。
あっさりとしていてライトな飲みやすさがあり、炭酸の爽快感と柑橘系の風味がマッチしてコク、旨味、深み、を強めます。
食事の味を邪魔しないので、食中酒としても非常に飲みやすくおすすめです。
カティサークオリジナルは飲みやすいウイスキーですが、アルコールに弱い方などは度数を調節できるのでカクテルにすることもおすすめです。
例えば、氷を入れたグラスにカティサークを注ぎ、コーラなどのジュースで割って楽しむ「ウイスキー・コーク」などは手軽につくることができます。
クセが少ないのでフルーツジュースとのカクテルもおすすめです。
柑橘系の風味があるので、オレンジジュースやレモンジュースなどとミックスすると相性がいいでしょう。
お手軽価格でありながら、そのままでも飲みやすく、変幻自在のウイスキーカティサーク。
いくつもの賞を受賞した有名ウイスキーの味わいも感じられて一石二鳥か三鳥といったところでしょう。
文豪、村上春樹も愛する銘品を是非一度堪能してみてください。