ラフロイグ 10年とは? スモーキーな味わいとおすすめの飲み方を紹介
- ウイスキー銘柄
ダルムナックは、スペイサイド地域で製造されるシングルモルトのスコッチウイスキーです。
2015年にペルノリカール社が設立した蒸溜所ですが、その前身はインペリアル蒸溜所であり、取り壊された蒸溜所の跡地に設立されています。
蒸溜所のデザインなどを含めてインペリアル蒸溜所が引き継がれており、設立自体は新しくても前身の蒸溜所の歴史を含めれば100年以上の歴史があるといえるでしょう。
この記事では、ダルムナックの種類と味わい、おすすめの飲み方を紹介します。
この記事のポイント
画像引用:https://whisky.com/
ダルムナックは、スコットランドのスペイサイド地域にあるダルムナック蒸溜所で製造されるシングルモルトウイスキーです。
ペルノリカール社はフランスを代表する酒造メーカーであり、同社が前身であるインペリアル蒸溜所を取り壊し、新たに設立した蒸溜所がダルムナックです。
現在では、シーバスリーガルのブレンド用原酒に使用されていますが、シングルモルトとして飲む方法は限定的となっています。
ダルムナックの概要と製造方法について見ていきましょう。
ダルムナック蒸溜所は2015年にペルノリカール社に設立されましたが、前身の蒸溜所を含めればその歴史は100年以上になります。
前身となったインペリアル蒸溜所は、トーマス・マッケンジーによってヴィクトリア女王のダイヤモンド・ジュビリーの年である1897年に設立されました。
インペリアル蒸溜所は、ティーチャーズ、バランタイン、オールドスマグラーの原酒の供給をメインに行っていた蒸溜所です。
1900年代に起こったウイスキー業界に対する数々の不況を乗り越えるために、タリスカー蒸溜所と事業を合併した過去もあります。
しかし、タリスカーは現在まで生き残り、スコットランドでも代表的なシングルモルトのひとつとして名を連ねているのに対して、インペリアル蒸溜所は2005年に閉鎖されたため、2つの蒸溜所の明暗は分かれることになりました。
復活が望まれましたが、2013年にインペリアル蒸溜所は完全に取り壊され、過去の蒸溜所の歴史は一度幕を下ろします。
そして、新たに設立されることになった蒸溜所がダルムナックであり、建設の監督を担当したダグラス・クルックシャンク氏はかつてインペリアル蒸溜所で働いていたため、新たに設立された蒸溜所に自身が働いていた場所の特徴を少しでも残そうと考えました。
そのため、新しく設立されたダルムナックにはかつてのインペリアル蒸溜所の面影を見ることができます。
現在のダルムナックは、シーバスリーガルの原酒をメインにその生産量のほとんどをブレンデッドウイスキーの原酒に回しています。
シーバスリーガルと前身のインペリアルのシングルモルトを知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
ダルムナックは、ブレンデッドウイスキーの原酒を効率的に供給するために、1,000万リットル以上の生産能力をもっています。
8基以上のスチルを持ち、スチルの使い分けによって、ブレンデッドウイスキーに適したさまざまなタイプのモルト原酒を作り分けています。
生産量のほとんどがシーバスリーガルの原酒の供給に使用されているダルムナックですが、シングルモルトを飲むなら基本的にボトラーズのリリースに頼ることになるでしょう。
ダルムナックの原酒は熟成に使用した樽ごとボトラーズに売却され、売却した樽を独自にボトル詰めしてシングルモルトをリリースします。
ウイスキーは熟成をする性質から利益が出るまでに時間がかかるため、新興の蒸溜所であるほど樽の一部を売却した資金調達が必要です。
蒸溜所はウイスキーを恒久的に製造するために一部の樽の売却が必要であり、ボトラーズは樽を購入してシングルモルトとして販売することで、ウイスキー愛好家の需要を満たしています。
蒸溜所とボトラーズで良好なビジネス関係が築けているといえるでしょう。
ウイスキー樽はボトラーズ以外も購入可能であり、日本でもウイスキー樽を購入できるサービスがあります。
「カスク・インベストメント」はダルムナックを含む数多くのスコットランドのウイスキー樽を購入可能なサービスであり、購入したウイスキー樽は「ボトリングサービス」を利用してボトル詰めして飲むことができます。
熟成期間の短いウイスキー樽は低価格で購入しやすいため、年単位で保有を続けることで熟成を進め、ご自身の好きな熟成年数で自分だけのオリジナルウイスキーを作ることも可能です。
ダルムナック蒸溜所の詳細は下記のページにまとめています。
ダルムナック蒸留所 - Dalmunach DISTILLERY
ダルムナックの種類と味わいを紹介します。
画像引用:https://store.musashiya-net.co.jp/products/detail/22836
ダルムナック 6年 アメリカンオークバレルは、ウイスキーエクスチェンジ社に向けてリリースされた限定ボトルです。
フルーティーでバニラのような香りが感じられ、味わいはナッティでシナモンのスパイシーな味わいがあります。
ダルムナックのシングルモルトはボトラーズ以外では蒸溜所内で飲むことができるようですが、こちらのボトルはダルムナック蒸溜所がリリースした珍しいオフィシャルボトルです。
ただし、限定品であるため、入手難易度は非常に高いと言えるでしょう。
画像引用:https://www.saketry.com/111851.html
ダルムナック ピーチパフェ マディラフィニッシュ クーパーズチョイスは、ボウモア蒸溜所のゼネラル・マネージャーが設立した人気のボトラーズブランドによるダルムナックのリリースです。
梅のような香りとショウガのスパイス感が効いており、香ばしく複雑な味わいをしていますが、ほのかにスモークを感じます。
ダルムナックはオフィシャルのシングルモルトのリリースが限定的であるため、飲むのならボトラーズのリリースから探すのがおすすめです。
画像引用:https://www.saketry.com/112269.html
ダルムナック 4年 2016 カバリュスは、馬の学名を冠するボトラーズのブランドであり、馬が描かれたラベルデザインにシングルカスクかつカスクストレングスのボトリングにこだわっています。
柑橘系の果実に乳製品とハーブのような香りが広がり、バニラの甘い味わいから始まり、後からスパイシーなフィニッシュがきます。
ボトラーズによってもボトリングでこだわるポイントが異なることから、同じダルムナックでも味わいの傾向が異なる場合もあるので、複数の種類を購入して飲み比べしてみるのも良いでしょう。
ダルムナックのおすすめの飲み方を紹介します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ボトラーズでリリースされているダルムナックを飲む場合は、カスクストレングスなどウイスキーの味わいを樽出しの状態で味わえるボトルも多くあります。
このようなボトルを飲む場合は、ストレートで飲むことによりダルムナックそのものの味わいを感じ取りやすいため、チェイサーを挟みながらゆっくりと飲み進めるのがおすすめです。
ストレートで美味しいウイスキーの条件はこちらの記事で紹介しています。
ストレートで美味しいウイスキーの条件とは?おすすめの銘柄4選
アルコール度数が高いことから、どうしても飲みにくい場合は数滴ほど加水をして飲むのが良いでしょう。
ウイスキーの香りを味わう飲み方には、ウイスキーを常温の水で1:1で割るトワイスアップもあります。
必ずしもストレートで飲むのではなく、ご自身が楽しめる飲み方で飲むのもおすすめです。
ダルムナックは、インペリアル蒸溜所の跡地に新たに建てられた後継の蒸溜所であり、シーバスリーガルの原酒を中心に供給しています。
ブレンデッドウイスキーの原酒をメインに供給しているため、シングルモルトのリリースは非常に限定的です。
そのため、ボトラーズのリリースに頼るのが最も手軽にダルムナックを飲む方法といえるでしょう。