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- ウイスキー基礎知識
ウイスキーは風土によって、製法・味・原材料などの違いがあります。
世界中に数多くあるウイスキーですが、何を選べばいいかわからない!という方はまずは世界の5大ウイスキーの特徴をおさえてみてはいかがでしょうか。
世界5大ウイスキーとは世界的なウイスキー生産国として知られている、スコットランド・アイルランド・アメリカ・カナダ・日本の5ヶ国で作られるウイスキー(スコッチウイスキー、アイリッシュウイスキー、アメリカンウイスキー、カナディアンウイスキー、ジャパニーズウイスキー)を指します。
ご自身の趣向に合うウイスキーを探されているウイスキー初心者の方に、参考にしていただければ幸いです。
今では世界各地で造られているウイスキーですが、
そもそもウイスキーはどこでどこで、どのようにして生まれたのか?
はっきりとした発祥はいまだ不明です。
諸説ありますが、有力視されている説では、1171年にイギリス国王ヘンリー2世がアイルランドに侵攻した際の記録において、ウイスキーの起源となるお酒が登場しています。
この記録の中で、登場するアイルランドの住民たちが「ウケスボー」と呼んで飲んでいた蒸留酒ですが、これが後に「ウイスキー」という呼び名に変わっていったのではないかと言われています。
「ウスケボー」とはケルト語で「生命の水」という意味だそうです。
口の中で熱く燃え上がるようなパワーを感じる蒸留酒のアルコール度数の高さがその名前の由来となっているようです。
日本にウイスキーが入ってきてから、人気を博すようになるまでには時間がかかりました。
1871年に初めてウイスキーが輸入されましたが、当時洋酒は大変高価なものであり、一般大衆受けはしなかったのが一因となっています。
そのため、売れ行きは長い間低調で明治末でも洋酒は酒類市場の1%にも達しなかったそうです。
その後、1923年に国産ウイスキーの蒸留所であるサントリー山崎蒸溜所が建設されたことで日本にもウイスキーが浸透していったのです。
サントリー山崎蒸溜所はニッカウヰスキー創業者である竹鶴政孝を主人公としたNHK連続テレビ小説『マッサン』でも有名ですね。
世界5大ウイスキーとは数ある銘柄の中でも特に世界的に評価の高いウイスキーを指します。
ウイスキー初心者なら、まずは基本となるこれらの定番ウイスキーから飲み比べてみましょう。
スコッチウイスキー | |
原産地 | スコットランド |
原材料 | 大麦麦芽とトウモロコシなどの穀類 |
スコッチウイスキーの原産地であるスコットランドはイギリスの最北端に位置する国です。
非常に混同されがちですが、スコットランドはイギリスの都市ではありません。
イギリスの正式名称は、グレートブリテン及び北アイルランド連合王国といいます。
グレートブリテンを構成する地域は、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの4カ国です。
スコットランドはスコッチウイスキーの生産エリアを6つに分けています。
その地域とは以下の6つです。
スコッチウイスキーは原材料や製法の違いにより2種類に分けられます!
2種類のスコッチウイスキーではどちらかというと、モルトの方がよく知られています。
それはなぜか。
一般的にグレーンウイスキーは単体で販売されているものは少なく、味の調和のために複数のモルトウイスキーに加えられるウイスキーとして造られているからです。
モルトとグレーンを混ぜ合わせたものはブレデッド・ウイスキーと言います。
ピュアモルトとかシングルモルトといったウイスキーをご存知でしょうか。
両方とも大麦麦芽100%を原料としているため高価で蒸留にも手間暇がかかる混じり気のないモルトウイスキーです。
対してグレーンウイスキーは数種類の穀物に15~25%の麦芽をブレンドしたウイスキーであり、連続で短時間に何度も蒸留を行うことができるので大量生産が可能です。
安価で大量生産できるグレーンウイスキーですが、大麦麦芽の独特の香りと濃さが色濃く残り粗削りなモルトとは違い、すっきりとした飲み口が特徴です。
モルトとグレーンをミックスしたスコッチウイスキーの味わいの特徴としては、グレーンの主原料であるトウモロコシより感じられるすっきりとした甘さといえるでしょう。
ピートによるスモーキーな香りも強く感じられます。
ピートとはシダやコケ植物などが堆積した泥炭のことですが、ウイスキーの原料を燻して乾燥させるだけではなく、同時に香りづけの役割もあります。
アイリッシュウイスキー | |
原産地 | アイルランド |
原材料 | 大麦麦芽と未発芽の麦芽など |
アイリッシュウイスキーは、原料に未発芽の大麦が入っていることで穀物の持つ香味をより深く感じられます。
また、原料を乾燥させる際にピートを使用していないため独特のスモーク臭を感じずに原材料の風味をしっかりと感じ取ることができます。
原材料の風味の濃さはあるのに、雑味がなく、口当たりが柔らかいという飲みやすさが実感できます。
アイリッシュウイスキーは原材料や製法の違いにより3種類に分けられます!
上記の他、スコッチウイスキーと同じくモルトとグレーンの原液を混合したブレンデッドウイスキーもあります。
ピュアポットスティルウイスキーはアイリッシュウイスキーでしか行われていない製法です。
単式蒸留器(ポットスティル)で3回蒸留することが定められています。
スティルは銅という意味ですが、古くから伝わる銅製の蒸留器で蒸留するのが特徴的です。
アメリカンウイスキー | |
原産地 | アメリカ |
原材料 | 穀物(トウモロコシ・ライ麦・小麦など) |
アメリカンウイスキーで注目すべきはトウモロコシの配合比率が非常に高い、ということです。
そのため他のウイスキーと比較してよりスパイシーな甘味を感じられます。
また、例えばバーボンは、内側を焦がした樽を使って熟成させるという工程を義務付けられており、醸造へのこだわりを実感できるウイスキーといえます。
アメリカンウイスキーは原材料や製法の違いにより5種類に分けられます!
アメリカンウイスキーの中でも特に親しまれているバーボンは、フランスの「ブルボン朝」がその名前の由来とされています。
アメリカ独立戦争時にフランスがアメリカに味方したことへの感謝の印として、ケンタッキー州の郡のひとつを「バーボン郡」と名づけました。
この土地で造られたウイスキーということでバーボンと名付けられたといわれています。
バーボンは1962年、リンドン・B・ジョンソン大統領の政権下で、「アメリカ生まれの唯一のスピリッツ」と宣言されるほどでその後は世界中でアメリカの代表的ウイスキーとして知れ渡っています。
カナディアンウイスキー | |
原産地 | カナダ |
原材料 | 穀物(トウモロコシ・ライ麦など) |
カナディアンウイスキーは、香りづけとして造られている「フレーバリングウイスキー」とトウモロコシを主原料とした「ベースウイスキー」をブレンドして造られています。
フレーバーウイスキーの香味は強めであり、味わいはバーボンに似ていてスパイシーさが感じられます。
対してベースウイスキーはフレーバーによる香りづけをされるため香味の強さは排除する必要があることからトウモロコシを主原料とした主張のすくないまろやかさを持ったウイスキーとなります。
カナディアンウイスキーは原材料や製法の違いにより3種類に分けられます!
カナディアンウイスキーのブレンドの配合比率ですが、広く出回っているものはベースウイスキーが9割前後、フレーバリング・ウイスキーが1割前後程度と考えられています。
香味づけにはフレーバーウイスキーだけでなく、ワインやブランデーが加えられることもあります。
カナディアンウイスキーは他のウイスキーと比べると色々なブレンドにより多様な味が楽しめる遊び心があります。
お菓子にも合わせても違和感がない、カラメルのようなすっきりした甘味を感じられるウイスキーです。
ジャパニーズウイスキー | |
原産地 | 日本 |
原材料 | 大麦麦芽・穀類 |
ジャパニーズウイスキーはスコッチウイスキーをお手本として造られました。
以前は評価が低かったジャパニーズウイスキーですが、サントリースピリッツ・ニッカウヰスキーを筆頭に海外からの人気も非常に高くなり、値段も高騰をたどっています。
ジャパニーズウイスキーの強みはブレンドを追究し、日本独自の味わいを生み出したことにあります。
ジャパニーズウイスキーは原材料や製法の違いにより2種類に分けられます!
ジャパニーズウイスキーは食事に合わせられるウイスキーということを一番に考慮して開発されました。
くせのないすっきりとした味わいは重みがないのでどんな食事にも相性抜群です。
ただ、ジャパニーズウイスキーは2000年以降評価も高くなり、最近は「インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ」や「ワールド・ウイスキー・アワード」で受賞しているという実績もあり人気のため中々手に入りにくくなっているのが実情です。
いかがでしたでしょうか。
産地によって原料や製法、味わいも多種多様で、突出した特徴を持っています。
ウイスキー初心者の方であれば一番気になるのが味でしょう。
5大ウイスキーの味わいの違いを以下にまとめます。
ウイスキー | 特徴 |
スコッチウイスキー | 強いスモーキーが独特の個性を持ち、刺激の後からくる甘味を感じられる |
アイリッシュウイスキー | 原材料の風味の濃さをほどよく感じる上、雑味がなく、口当たりが柔らかい |
アメリカンウイスキー | 熟成された香味によるスパイシーな甘味を感じられる |
カナディアンウイスキー | フレーバーのマイルドなまろやかさの中にクセのないスパイシーさを感じられる |
ジャパニーズウイスキー | どんな食事にも合うあっさりとした爽やかな甘味が魅力 |