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最高級ウイスキーは高根の花?手が届く範囲のおすすめ銘柄は?

2021.09.25 / 最終更新日:2022.04.26

ウイスキー好きの人なら、「一生に一度くらいは最高級の銘柄を味わってみたい」と思ったことがあるのではないでしょうか。

世の中には高級ウイスキーと呼ばれるものは多々ありますが、最高級ウイスキーともなると格が一段も二段も上がります。

では、最高級といわれる銘柄とほかの銘柄はどこがどのように違っているのでしょうか。

高根の花ともいえる最高級ウイスキーの中に、何とか手が届きそうなものがあれば味わってみたいですよね。

この記事では、最高級ウイスキーについて解説し、おすすめの銘柄を紹介します。

最高級ウイスキーの定義は?

実は、最高級ウイスキーと呼ぶための明確な定義はありません。

一般的に高級ウイスキーと呼ばれるものでさえ、線引きが曖昧です。

人によって価値観が異なるため、同じ銘柄でもある人は高級ウイスキーといい、別の人は普通のウイスキーだとことがあります。

とはいえ、最高級ともなると、誰もが認めるくらい高級なウイスキーということになるでしょう。

少なくとも、簡単には手に入らない希少価値の高いもので、なおかつ高い値段で取引されているものであることは間違いありません。

普通に高級ウイスキーという場合は、世界的な酒類のコンペティションで上位の賞を受賞した銘柄とか、10年前後の熟成期間を経たものとかになるでしょう。

何らかの評価基準がなければ、誰もが高級とは認めにくいため、世界的なコンペティションでの受賞歴は明確な基準としてとても有効です。コンペティションでの受賞がきっかけで、世界的な人気銘柄になったウイスキーはたくさんあります。

また、ノンエイジよりはエイジドの方が高級だと感じるのは、多くの人の共通認識でしょう。

高級と呼ぶためには、最低でも10年の熟成期間は必要です。

しかし、最高級と多くの人が認めるにはそれだけでは足りません。

なぜなら、酒類のコンペティションで受賞している銘柄はそれなりにたくさんあり、簡単に手に入るものも含まれているからです。

最高級と呼ぶには希少価値の有無が大きなウェイトを占めます。

エイジドのウイスキーでも、熟成期間の短いものは手に入りやすいので、高級感はあっても最高級とは呼べません。

最高級ウイスキーは、選ばれた人しか口にできない希少価値の高いものと捉えた方がよいでしょう。

オークションで高値取引される最高級ウイスキー

ウイスキーの希少価値がわかるものといえば、オークションではないでしょうか。

なかなか手に入らないファン垂涎の品に、一部のお金持ちやマニアが大金を出して競り落とします。

本当に希少価値が高い最高級ウイスキーなら、最終落札価格が桁外れに高くなるはずです。

ここでは過去にオークションで特別な高値で落札された銘柄を紹介します。

ザ・マッカラン64 inラリックシール・ペルデュ(マッカラン1946年64年物)

ザ・マッカランは、「シングルモルトウイスキーのロールスロイス」と称されるほど、品質の高さが認められている銘柄です。

多くの種類が出ている銘柄ですが、いずれも優雅な香りと滑らかな口当たりは飲む人を虜にします。

この「ザ・マッカラン64inラリックシール・ペルデュ」は、2010年に、世界巡回チャリティープロジェクトのためにつくられた、世界にたった1本だけのボトルです。

香水の瓶などで有名な高級クリスタルブランド「ラリック」のコラボレーションボトルに入れられており、高級感があふれています。

フランスパリで初披露された後、ミニオークションを行いながら世界13都市を巡りました。

日本で行われたミニオークションでは、同じ64年物のマッカランが入った100mlボトルとラリックのグラスとのセットが110万円で落札されています。

最終的なークションでは、この世界に1本だけのボトルには約3864万円という超高値が付きました。

オークションで落札されたウイスキーとしては、2018年に記録を塗り替えられるまで最高値の記録を持っていた銘柄です。

グレンフィディック1955

グレンフィディックは、「シングルモルトウイスキーの雄」という異名を持つ高級ウイスキーです。

1955年物は、蒸留所の創立者の孫娘にあたるジャネット・シード・ロバーツ氏が110歳の誕生日を迎えた際に、それを祝う形で蔵出しされました。

1955年に蒸留され、蒸留所の樽の中で55年間熟成されていた秘蔵の品です。

110歳を祝うのに、55年蒸留、55年熟成という年数もちょうどよかったのでしょう。

現存しているボトルの数は11本。こちらもまるで年齢にちなんでいるかのようです。

これまでにオークションにかけられたのは3本だけです。

1本目は1911年12月にエディンバラのオークションにおいて、約575万円で落札され、桁違いの落札価格が大いに話題になりました。

その翌年の2月、2本目がロンドンでオークションにかけられます。

今度は約540万円という落札価格でした。

グラス1杯あたり21万円だと、こちらも話題になりました。そして、3本目はニューヨークでオークションにかけられ、さらに高額の約810万円で落札されたのです。

もともと人気の高い高級ウイスキーの貴重なボトルとはいえ、オークションが行われるたびに落札価格が上がっていきました。

マッカラン1926年

1926年に蒸留された、現存する最古のマッカランです。

1926年に蒸留しされてから1986年に瓶詰めされるまでの60年間、シェリー樽に貯蔵されていました。

1926年物が瓶詰されたのは1986年の1回のみで、そのときに販売されたのもわずか40本だけです。

元々シングルモルトのロールスロイスと呼ばれる高級ウイスキーです。

2018年10月に2本がスコットランドのエディンバラでオークションにかけられた際には、1本に約1億2500万円の値段が付けられました。

それまでの最高額は、先に紹介したマッカラン64年物の約3864万円ですから、大幅に記録を塗り替えたことになります。

このボトルがここまでの高額で落札されたのは、イタリアの著名なポップアーティスト、ヴァレリオ・アミダ氏がラベルデザインを担当していたからです。

ヴァレリオ・アミダ氏は、過去にビートルズのサージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンドというアルバムのジャケット制作に携わっていました。

このボトルのラベルには、彼がラベルデザインしたことを証明するサインが付いていたので、ここまで落札価格が跳ね上がったといわれています。

ダルモア

スコットランドのハイランド地方でつくられているダルモアというシングルモルトウイスキーは、オークションの常連ともいえる最高級の銘柄です。

主張の強い強烈な個性があるというよりは、奥深さがモルトファンからの支持を得ています。

長い歴史を持つ蒸留所なので、超長期熟成の原酒が多く現存しているため、ヴィンテージ物が出品される機会が多いブランドです。

2017年に62年物が約1700万円で落札されたのを皮切りに、2018年には59年物が約1250万円で、2019年には49年物が約1540万円で落札されています。

ちなみに、約1700万円で落札された62年物は、1868年、1878年、1926年、1939年に蒸留し熟成を開始した4つのヴィンテージ樽をヴァッティングしたシングルモルトウイスキーです。

2002年に12本だけリリースされました。

12本のボトルには、1本ずつダルモア蒸留所の名前にちなんだ名前が割り当てられています。

ロンドンのクリスティーズでオークションにかけられ、約1700万円の高値で落札されたのは、“The Kildermorie”と名付けられたボトルです。

この名前は、ダルモアの仕込み水の水源となっている川にちなんでつけられました。

ダルモアとは?種類や味わい、おすすめの飲み方

おすすめの最高級ウイスキーとは?

オークションの落札価格を見る限り、最高級ウイスキーは高根の花と言わざるを得ません。

しかし、オークションで高値取引されている銘柄の、やや熟成期間が短めのエイジドボトルなら何とか手に届きそうなものもあります。

シングルモルトなら、同じ蒸留所の同じ銘柄なら、熟成期間が短くても基本の香りや味は似ているはずです。

ロンドンなどの高級オークションの常連といえば、マッカラン、グレンフィディック、ボウモアの3つです。

それらの銘柄の中から、通常のルートで手に入るものを選んでみると最高級ウイスキーとはどのようなものなのかという雰囲気は味わえるでしょう。

日本の国産ウイスキーなら、製法も原材料もこだわりぬいてつくられており、世界的な酒類のコンペティションでもおいしさが認められている銘柄がおすすめです。

もちろん、蒸留所の規模が小さいために、出荷数が少なくて希少価値が高くなっているブランドもあります。

手に入りにくいという点では同じなので、手に入ればどちらでも最高級ウイスキーを手に入れたという気持ちになるかもしれません。

しかし、いざ飲んでみたら、単に希少価値が高いというだけで高値取引されているものよりも、味わいなどが高く評価されているものの方が満足感は高いでしょう。

人気の高い銘柄なら、熟成年数の長いものを選ぶのがおすすめです。

たとえばサントリーのシングルモルトウイスキー「山崎25年」や、ブレンデッドウイスキー「響21年」、ニッカウヰスキーの「ザ・ニッカ 40年」などが最高級といえる部類になるでしょう。

手に入りにくいとはいえ、現実的な価格で購入できる可能性はあります。

最高級と呼べるものには希少価値以外の魅力もある

数あるウイスキーの中から、一部の銘柄を「最高級ウイスキー」と呼ぶための定義は特に決まっていません。

しかし、オークションで高値取引をされているものを見ると、単に手に入りにくいというだけで最高級と呼ばれているわけではないことがわかります。

希少性が高いという以前に蒸留所のこだわりが込められている銘柄が最高級ウイスキーとなり得るのでしょう。

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