ブランデーはロックで美味しく飲める! 作り方とおすすめ銘柄もご紹介
- ウイスキー基礎知識
自家製フルーツブランデーは、個人が自宅でブランデーにフルーツを漬け込んで作るお酒のことです。
作り方は非常に簡単であり密閉できる瓶を用意して、お好みの果物とブランデーを入れて漬け込みます。
ブランデーと漬け込んだフルーツのフルーティーさが特徴であり、漬け込むフルーツを変えるだけで、バリエーションを増やせることも魅力です。
フルーツブランデーはそのまま飲むのも美味しいですが、炭酸水などで割る飲み方や、カクテルのベースに使用しても楽しめます。
この記事では、フルーツブランデーの作り方、おすすめのフルーツ・銘柄をご紹介します。
この記事のポイント
ブランデーは果実を原料とする蒸溜酒であり、果実由来の華やかな風味が特徴のお酒です。
フルーツブランデーは、一般的にブドウ以外の原料(りんご、洋ナシ、さくらんぼ、プラムなど)を使用したブランデーの総称を指すこともあります。
自家製フルーツブランデーは、ブランデーにフルーツを漬け込んで作るお酒であり、様々な果実を使用して作ることができるお酒です。
漬け込みに使用するお酒はアルコール度数が20%以上であることが条件であるため、ブランデーはもちろん、ウイスキーなどのアルコール度数の高いスピリッツを中心に漬け込み酒が作られています。
フルーツブランデーなどの漬け込み酒は、SNSを中心にブームにもなっているため、気になっている方も多いかもしれませんが、作る前に法律について理解しておきたいところです。
酒税法において個人による酒の製造は禁止されていますが、フルーツブランデーをはじめとする漬け込み酒は個人やその家族の中の消費に限り例外的に認められています。
ただし、漬け込み酒については使用してはいけない果物・添加物なども存在するため、特に自分でアレンジをしたい方は実践する前にチェックしておきたいところです。
酒税法 | 概要 |
① | 消費者が自分で飲むための酒類であること(同居親族の消費も含む) |
② | 漬け込む酒のアルコール度数が20度以上で、酒税が課税済みのものであること |
③ | 米、麦、あわ、とうもろこし、こうりゃん、きび、ひえ、でんぷんは使用不可 |
④ | ぶどう(山ぶどう)は酒の材料に使用できない |
⑤ | アミノ酸、ビタミン類、核酸分解物、有機酸、無機塩類、色素、香料は使用不可 |
参考:国税庁 【自家醸造】
上記の法律を破って漬け込み酒を製造し、SNSなどのインターネット上に写真・動画をアップロードしてしまうとトラブルの原因にもなるため、必ず守るようにしましょう。
法律上における注意点はありますが、フルーツブランデーを作るのはハードルが低く、誰でも簡単に実践できます。
一般的なブランデーの種類について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
ブランデーの種類は? 原料・産地・ランクによって異なる違いを解説!
フルーツブランデーの作り方・レシピを以下にまとめました。
材料 | 内容 |
ブランデー | 瓶が一杯になる量 |
お好みのフルーツ(ブドウ以外) | フルーツごとの適量 |
砂糖 | お好みで |
密閉ができる瓶 | 同時に作る個数分 |
作り方の手順
それぞれの手順を詳しく見ていきましょう。
まずは、お好みのフルーツの下準備から始めていきます。
フルーツを綺麗に洗ってから、皮や種のある果物は取り除いてから漬け込むようにします。
例えば、オレンジなどの柑橘系の果実の場合、アルベドと呼ばれる白い部分は漬け込んだときに苦みが出るので取り除くようにしましょう。
また、漬け込みに使用する瓶も事前に煮沸させて消毒しておき、清潔な布巾の上で乾燥させます。
フルーツ、ガラス瓶ともに下準備ができたら、フルーツをブランデーに漬けこんでいきます。
漬け込む際には、砂糖や氷砂糖をお好みで加えて味わいを調整しても良いです。
フルーツを瓶に入れて、フルーツがすべて浸る量のブランデーを注ぎます。
瓶の蓋を閉めて密閉状態にした後に、直射日光が当たらない常温で保存できる冷暗所にガラス瓶を保管します。
フルーツをブランデーに漬けこむ期間は、24時間から数日程度が目安とされています。
フルーツの成分がブランデーに溶け切るのは約1週間であるため、少なくとも1週間以内にはフルーツを取り除くことをおすすめします。
これでフルーツブランデーの完成になりますが、完成したブランデーは再び冷暗所に戻すことで長期的に保存が可能です。
少しずつ自分のペースで消費していけるため、作ってからすぐに飲みきることを意識する必要はありません。
完成したフルーツブランデーは、そのまま飲むだけでなく、炭酸水で割ったり、カクテルのベースにするなど様々なアレンジで楽しめます。
フルーツブランデーにおすすめのフルーツを紹介します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
例 | 目安 |
瓶500mlに対するりんご | 1/2個 |
フルーツブランデーの中でも人気が高い果物はりんごであり、りんごの甘味や酸味がブランデーと合います。
また、ブランデーの種類にはカルヴァドスなどりんごを原料にしたブランデーもあるため、アレンジに使用するブランデーを変えるのもおすすめです。
りんごは芯や種は取り除きますが、皮ごと漬け込むのが一般的な作り方となっています。
漬け込み期間は3日程度と長めに設定しておくと、美味しく飲みやすいです。
炭酸水、ジンジャーエールなどのジュースで割って飲む方法が相性が良いです。
例 | 目安 |
瓶500mlに対するオレンジ | 1/2個 |
フルーツブランデーはオレンジを中心に柑橘系の果実と相性が良いです。
皮の中でもアルベドと呼ばれる白い部分は取り除きますが、ピーラーでカットしたオレンジの皮をお好みで漬け込んでも良いです。
ただし、皮を入れる場合は長期間漬け込むと苦みが出やすいため、漬け込む期間は1日程度にして短く設定しておくと美味しく味わいやすくなります。
ストレート・水割りをはじめ、様々な飲み方で飲みやすいフルーツブランデーです。
例 | 目安 |
瓶500mlに対するいちご | 200g |
ブランデーに限らず漬け込む酒で人気の高いフルーツがいちごです。
いちごはヘタを取り、半分にカットして漬け込むようにします。
半分にカットすることでブランデーに成分が溶け込むのが早くなるため、漬け込む期間は1日以上で短く設定すると良いでしょう。
ティー・ロワイヤルなどブランデーに紅茶を加えるカクテルとの相性が抜群です。
ブランデーと紅茶の組み合わせについてはこちらの記事で紹介しています。
ブランデーの紅茶割りとは? カクテルの作り方とおすすめ銘柄をご紹介
例 | 目安 |
瓶500mlに対するパイナップル | 1/8個 |
爽やかな風味で夏にぴったりなフルーツブランデーはパイナップルです。
果肉と皮に切り分けた後に、一口サイズに切って漬け込みます。
飲みごろは1日程度であり、長く漬け込まなくても問題ありません。
出来上がったらロックなどの飲み方や、水や炭酸水などで割って食中酒にするのもおすすめです。
例 | 目安 |
瓶500mlに対するさくらんぼ | 500g |
さくらんぼは、ブランデーの風味をより豊かなものとしてくれるため、相性の良い組み合わせです。
茎を取った上で、氷砂糖などを加えて漬け込むとより味わいやすくなります。
飲み頃は1日以上、長めに3日程度、漬け込んでも良いでしょう。
ソーダ割りで楽しみやすく、ブランデーに漬けたさくらんぼも非常に美味しいです。
例 | 目安 |
瓶500mlに対するレモン | 1個 |
オレンジと同様にフルーツブランデーに漬けこむフルーツで柑橘系の果実は相性が良いため、酸味のある仕上がりにしたいならレモンもおすすめです。
漬け込み方もオレンジと同じ手順で行うことが可能であり、アルベドの白い部分を必ず取ってから、レモンの皮の漬け込みもお好みとなります。
漬け込む期間が長くなると苦みが出てしまうため、1日程度の短い期間が飲み頃となっています。
レモンの漬け込みのアレンジは、はちみつを加えるなど簡単にできる相性の良い組み合わせもあるため、試してみましょう。
例 | 目安 |
瓶1.8リットルに対する梅 | 1kg |
フルーツブランデーの一種となるのが、ブランデーを使用した梅酒作りです。
爪楊枝でヘタを取ってから氷砂糖を入れて漬け込みます。
ブランデー梅酒は他のフルーツブランデーとは異なり、3ヶ月以上寝かせる必要があるため、時間がかかります。
そのため、大きな瓶を使用して一度に大量に作ることが一般的です。
梅酒が好きでブランデーで作ってみたい方は挑戦してみましょう。
スピリッツを使用した梅酒作りについては以下の記事で紹介しています。
ウイスキーを使用した梅酒の作り方は? おすすめの銘柄を3つ紹介
例 | 目安 |
瓶500mlに対する柿 | 1個 |
ブランデーに漬けこむフルーツの中でも糖度が高く、甘く飲みやすいことから実際に漬け込んだ人からの評判が良いのは柿です。
柿の皮を剥いて8つに割る形にカットしますが、漬け込む際はシナモンを加えるのもおすすめです。
漬け込み期間は1日以上で、短い期間で問題ありません。
旬の季節である秋に試したいフルーツブランデーとなっています。
フルーツブランデーに使用するブランデーは、大容量で購入可能である安い銘柄が良いです。
使用するブランデーのおすすめ銘柄を紹介します。
画像引用:https://products.suntory.co.jp/d/4901777302594/
サントリーブランデーV.Oは、640mlの瓶タイプをはじめ、様々な容量で発売されていますが1,800mlの紙パックで販売されているタイプがおすすめです。
低価格で購入しやすいだけでなく、マスカットを思わせるフルーティーな風味がフルーツの漬け込みに適しています。
特にフルーツブランデーを複数の瓶で作る人にとって、フルーツブランデー用の容量の大きな紙パックは重宝することでしょう。
また4,000mlの容量のボトルタイプのサントリーブランデーV.Oも発売されているため、作る量に合わせて購入しましょう。
画像引用:https://www.asahibeer.co.jp/products/whisky_brandy/brandy/nikkabrandy/41351.html
ドンピエール V.S.Oは、ニッカウヰスキーから販売されているコニャックの原酒も使用した4,000mlの容量を持つブランデーのボトルです。
すっきりとした軽やかな味わいであることから、フルーツブランデーのベースに向いています。
サントリーブランデーV.Oなど、フルーツブランデーのベースとなるブランデーの銘柄は低価格で購入できる国産ブランデーを選ぶことをおすすめします。
フランス産の印象が強いブランデーですが国産ブランデーについて詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
国産ブランデーのおすすめ人気ランキング! 安く入手しやすい銘柄もご紹介
フルーツブランデーは、爽やかな味わいからソーダ割り(ハイボール)と相性が良いです。
単体で飲んでも甘く美味しく、食中酒にもなるため飲む場面を選びません。
他にも紅茶割りなどのカクテルのベースにも使用できるため、様々な飲み方で試すことをおすすめします。
また、アイスクリームにフルーツブランデーを直接かけて食べることもできるため、デザートに使用するのも最適です。
飲み方に迷うならソーダ割りから試してみると良いでしょう。
ブランデーのソーダ割り、フレンチハイボールについてはこちらの記事で紹介しています。
ブランデーのソーダ割りのフレンチハイボールとは? 作り方・おすすめ銘柄
最後にフルーツブランデーで漬けた後に残る果物をどうするべきか解説していきます。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
フルーツブランデーを作った後に取り出したフルーツは、ブランデー漬けの果物としてそのまま召し上がることができます。
もちろん、アルコールを含んでいるため、運転を控えている場合や子どもが口にする場合は、加熱してアルコールを飛ばしてから食べるようにしてください。
漬け込んだ果実もブランデーの影響を受けて、風味豊かで美味しく食べられることから味わってみましょう。
そのまま食べる以外にも代表的な再利用方法には、煮詰めてジャムやコンポートへの加工が挙げられます。
アルコールを飛ばしたうえで、ブランデーの風味を残したままフルーツの保存食を作ることが可能です。
また、ケーキやマフィンなどの焼き菓子に混ぜ込むことでお菓子作りなどの料理にも使用できます。
フルーツを再利用する方法も多いため、漬け込んだ後に捨てることなく、どのように食べるか考えてみましょう。
フルーツブランデーは、ブランデー、フルーツ、密閉できる瓶があれば簡単に作れます。
フルーツのアレンジや、飲み方のアレンジがしやすいことから、様々なバリエーションで楽しめることが魅力です。
お好みのフルーツを見つけてフルーティーで爽やかな風味が魅力のフルーツブランデーを作ってみましょう。