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グレンスコシアとは?種類や味わい、おすすめの飲み方

2022.04.29 / 最終更新日:2023.02.06

グレンスコシアはスコットランドウイスキー、通称スコッチの産地分けされたエリアの中でも敷地面積は小さいキャンベルタウンに属しています。

スコッチのシングルモルトは産地によって味わいの特色は様々で同じ国でありながら各エリアは自分たちの味わいにプライドを持ってウイスキー造りをしています。

キャンベルタウンは人口約5000人の小さな港町ですが、かつては「ウイスキーの首都」ともよばれ、30ほどの蒸留所があったほどでドウイスキー、通称スコッチの産地分けされたエリアの中でも敷地面積は小さいキャンベルタウンに属しています。

しかし、今では3か所、(スプリングバンクとグレンスコシア、グレンガイル)のみになっています。その一つがグレンスコシア蒸留所です。
スプリングバンクの特徴とは?種類や味わい、おすすめの飲み方

長い歴史を生き残ってきたウイスキー、グレンスコシアを徹底分析します。

この記事のポイント

  • グレンスコシアの特徴や味わいを紹介
  • グレンスコシアの種類とおすすめの飲み方を解説

グレンスコシアってどんなウイスキー?


グレンスコシア蒸溜所は、スコットランドにあるキンタイア半島の南端、キャンベルタウンにあります。

かつてキャンベルタウンはニッカウヰスキーの竹鶴政孝氏がウイスキー造りの留学に行ったことでも知られているほど当時は栄えており、30ほどの蒸留所がひしめき合っていましたが、その後不況で少しずつ閉鎖の憂き目にあいました。

そういった状況の中、生き残ったグレンスコシアは2014年のオーナー変更によって生まれ変わり、
グレンスコシアならではの味わいを作り上げます。

グレンスコシア10年などはノンピートモルト原酒を1st フィルのバーボン樽で 10 年間熟成した、蒸溜所の個性と樽由来の風味が完全に調和したシングルモルトです。

その他ピートを効かせた銘柄もあり、海沿いの街ということもあって潮風の塩味とピートの奥にコクのある柑橘系のフルーティさやミントの爽快感などを感じられるといった特徴があります。

グレンスコシアの製法


グレンスコシアは独自の個性的な味わいの「潮風の塩味とピートの奥にコクのある柑橘系のフルーティさやミントの爽快感」といった部分に非常にこだわりをもっているため、ボトリングの工程でチルフィルターをおこなわない、すなわちノンチルフィルタードという工程を採用しています。

ノンチルフィルタードは、冷却ろ過の工程をしていないということです。

通常のウイスキーの工程では樽から出したそのままの状態だと温度が低くなった時に、溶け込んでいたうま味成分を含む沈殿物がでます。

そのため、チルフィルタード(冷却ろ過)を行うのですが、グレンスコシアは冷却ろ過をしません。

常温の状態でフィルタリングを行うので、ウイスキーの味がダイレクトに味わえるのです。

ウイスキーの工程チルフィルタリングについてはこちらにもご紹介しております。
ウイスキーの製造方法は? 原料からボトル詰めまでの流れを解説

グレンスコシアの歴史

グレンスコシア蒸溜所は1832年に創業しました

同じキャンベルタウンにあるスプリングバング蒸留所の約4年後です。

グレンスコシア蒸溜所のあるキンタイア半島は、ウイスキーづくりに必要な淡水、大麦、燃料、泥炭が豊富な土地で、1795年には、違法な蒸溜所が21もあり、町で正式に認められた蒸溜所は1817年に設立されたキャンベルタウン蒸溜所のみでした。

当時のキャンベルタウンのウイスキー生産がブームになったのは蒸気航法によるところが大きかったといわれています。

しかも、キャンベルタウンには港があり、大麦も豊富に収穫できており、ピートも豊富だったので、ウイスキー作りに適していたのです。

蒸気航法によって、短時間でウイスキーを大都市グラスゴーに直接出荷することができました。

しかし、1923年、ドラムレンブル炭鉱が掘りつくされてしまい閉鎖に追い込まれ、地元の安価な燃料供給が終了しました。

さらに追い打ちをかけるようにアメリカの禁酒法や世界恐慌によってキャンベルタウンから人口が流出していく事態となります。

それとともに禁酒法時代に質の悪いウイスキーを造っていた蒸留所は閉鎖を余儀なくされ、30か所あった蒸留所はスプリングバンクとグレンスコシアの2か所のみとなります。

その後、グレンスコシアは度重なるオーナー変更とともに閉鎖と再開を繰り返してきましたが、2014年にロッホローモンドグループが巨額の投資をして所有し、設備投資にも力を入れ生産量を増やしました。

以降は精力的なリリースが続いています。

グレンスコシアの種類

グレンスコシアはノンピート麦芽を使用しているウイスキーもあり、ピート香が苦手なビギナーの方にも対応していてラインナップが豊富です。

中でもおすすめの銘柄をご紹介します。

グレンスコシア 10年

ノンピートのモルト原酒をファーストフィルバーボン樽で10年熟成しており、樽由来の風味がしっかりと詰まった一品です。

柔らかな潮の香り、青い柑橘類、クリーミーなバニラ、ミントの爽快でピリッとしたドライさ。

グレンスコシアの風土を感じられる銘柄です。

グレンスコシア キャンベルタウンハーバー

ファーストフィルのバーボン樽を100%使用した原酒です。

熟成期間を記載していないノンエイジのボトリング

特有の潮の香りに加えて、ラベンダーやバニラのフローラルなアロマ。味わいはフ
ルーティでカスタードのような甘み。ピートの余韻は海を感じさせます。

熟成にファーストフィルのバーボン樽のみ使用、ノンエイジでボトリングされています。

甘みと塩気が同居していながら調和がよくとれているウイスキーです。

グレンスコシア ビクトリアナ

画像引用元:グレンスコシアオフィシャルサイト

ビクトリアーナは樽のチャーリングを強めに行ない、樽の抽出物を前面に出していくという試み

で造られた意欲作です。

ウイスキー樽の内面を焦がす「チャー」を行う理由と熟成の効果とは

後熟はオーク樽で、カスクストレングス、つまり加水によるアルコール度数の調整が行われずに瓶詰めされたウイスキーなので原酒本来の味わいや、原酒ならではの高いアルコール度数を堪能できるのが魅力となっています。

ちなみにこちらはアルコール度54.2度となっています。

しかし、こちらの銘柄はチャーリングを行っていることもあり、アルコールの高いウイスキー特有の刺激は抑えられていてアロマにバニラやキャラメルの風味が感じられ、続いてスパイシーさを持つ果実、最後ににスモーキー感を堪能できます。

味わいはトフィやハチミツ、焦がした砂糖などの甘味と濃厚さ。

カカオのビターと酸味を伴う長めの余韻が見事です。

グレンスコシア 25年


画像引用元:グレンスコシアオフィシャルサイト
グレンスコシア25年は特別に選別されたアメリカンオークバレルに24年熟成され、追熟でファーストフィルバーボンバレルでさらに12カ月熟成をしています。

まず、バニラオークの香りや熟したフルーツのアロマ、続いて沿岸の塩風、ドライ感また、新鮮なリンゴとオレンジのオイリーさとともに微かなミントの爽快感も感じます。

味わいは熟成期間にしては軽く飲みやすさがあります。

完熟したフルーツ、レーズン、麦芽の甘さ続いてミントから、塩気を帯びたオーク。

サンフランシスコワールドスピリットコンペティション2021でベストインショーウイスキーを受賞

グレンスコシアのおすすめの飲み方

グレンスコシア10年はストレート・ロック・トワイスアップ・ハイボールどれもおすすめです。

また若いノンヴィンテージのキャンベルタウンハーバー、ダブルカスクと10年はハイボールが美味しいです。

全部共通しての飲み方はやはりストレート、特にフィニッシュにスモーキーさのある、銘柄はマニアのかたなら飲みやすくグイグイと言ってしまいそうになるので要注意です。

まとめ

かつては30か所もあったキャンベルタウンのウイスキーの聖地がわずか3か所。

その一つがグレンスコシアですが、現在スプリングバンクの海の塩気を含んだウイスキー人気が価格上昇してきているので、グレンスコシアも油断できません。

いまのうちに試してみてはいかがでしょうか。

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