山崎 ノンエイジ/NV(ノンヴィンテージ)とは? 味わいとおすすめの飲み方を紹介
- ウイスキー銘柄
グレンタレットは、スコットランドのハイランド地方で造られるシングルモルトウイスキーです。
ウイスキー造りに関してはスコットランドの蒸留所の中でも最古であるといわれており、ギネスブックにも載った最高のネズミ捕獲数を誇るウイスキーキャットのタウザーがいた蒸溜所として知られています。
クリームのような滑らかさとオイリーな口あたりが同居しているのが特徴ですが、風味は複雑でありバランスが良いことから完成度の高いウイスキーです。
この記事では、グレンタレットの種類と味わい、おすすめの飲み方を紹介します。
この記事のポイント
グレンタレット蒸溜所のウイスキーキャットであるタウザー
画像引用:https://scotchwhisky.com/magazine/features/15258/distillery-cats-scotch-s-legendary-mousers/
グレンタレットは、ハイランド地方の最古の蒸溜所といわれることもあるグレンタレット蒸溜所で製造されています。
創業は1775年であり、明確な裏付けはありませんが、1717年からウイスキー造りを始めていたと主張していることから、グレンタレット蒸溜所は最古の蒸溜所であることを誇りにしています。
柑橘系のフルーティーな風味を中心に複雑な風味を持ちますがバランスが良く、クリーミーでオイリーな口あたりとなっている銘柄です。
グレンタレットの歴史と製造方法について詳しく見ていきましょう。
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スコットランド最古の蒸溜所と呼ばれるグレンタレットは、ウイスキーの密造時代から続く蒸溜所になります。
密造蒸留所の名称はザ・ホッシュ蒸溜所であり、起源として1717年からウイスキー造りを開始したと主張しているため、これが本当であればグレンタレット蒸溜所はスコットランド最古の蒸溜所です。
しかし、この主張には裏付けがないため真偽は不明となっていますが、グレンタレットはスコットランドの最古の蒸溜所であることを誇りにしています。
また、正式に記録が残っているのは1763年の賃貸契約書であり、賃料が未納であることが記録されていたようです。
ザ・ホッシュがグレンタレットに名称を変更したのは1875年のことです。
アメリカの禁酒法の影響で打撃を受けると、1928年には一度解体され、1960年に再建されて復活しています。
起源には証拠がなく、歴史上では解体されて一度姿を消しているため、純粋に300年以上の歴史がある蒸溜所ということはできないかもしれませんが、現在において生き残っていることは間違いありません。
また、製造される原酒のほとんどがフェイマスグラウスのキーモルトとして使用されています。
長い歴史を持つ蒸溜所ですが、シングルモルトとしてオフィシャルでボトリングが検討されたのは2015年以降のことであり、近年になってシングルモルトの味わいが堪能できるようになりました。
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グレンタレットは長い歴史の中で閉鎖されていた歴史もあることから、拡張がほとんど行われることがなく年間生産力が34万リットルほどの小規模生産の小さな蒸溜所です。
そのため、伝統を重んじた職人による手作業を重視した製造方法が現在も守られています。
また、グレンタレット蒸溜所の製法を語るうえで重要な存在は、蒸溜所で飼われているウイスキーキャットの存在です。
ウイスキーキャットは原料に大麦を扱うことから、ネズミなどの野生動物から原料を守るために飼われるネコのことです。
かつてグレンタレットで飼われていたウイスキーキャットのタウザーは、生涯のネズミ捕獲数が約3万匹であったことからギネスブックに載ったことで有名になります。
タウザーはネズミはもちろん、敷地内のウサギやキジなどの野生動物も捕食していたようです。
ウイスキーキャットのなかでもトップクラスの知名度を持ち、グレンタレットの知名度向上にも一役買ったネコであり、1987年に亡くなった際には全英で報道され多くの人々が悼みました。
現在のグレンタレットにもウイスキーキャットは導入が続けられており、ネズミから原料を守っているようです。
グレンタレット蒸溜所の詳細についてはこちらのページで紹介しています。
グレンタレット蒸留所 - Glenturret DISTILLERY
グレンタレットの種類と味わいについて紹介します。
画像引用:https://likaman.net/shopdetail/000000011927/
グレンタレットは近年、ボトルデザインがリニューアルされましたがその中でも最も安く入手できるノンエイジのボトルがトリプルウッドになります。
アメリカンオークのシェリー樽、ヨーロピアンオークのシェリー樽、そしてバーボン樽の3つの原酒をヴァッティングさせ、バニラが香る甘くフルーティーな味わいに仕上げています。
グレンタレットを初めて飲む方で新たなスタンダードに位置するボトルを試したい方におすすめです。
画像引用:https://likaman.net/shopdetail/000000011928/
グレンタレットの10年物ではありますが、ピートモルトを使用していることが特徴であり、液体の色もトリプルウッドや12年物と比較して明らかに異なります。
その名のとおり、スモーク香をはっきりと感じられますが、カスクストレングスでボトリングしていることからグレンタレットの甘い味わいも健在です。
スモーク香のあるグレンタレットを飲んでみたい方におすすめになります。
画像引用:https://store.shopping.yahoo.co.jp/dragee-wine/whi-21071811.html
グレンタレット 12年は、近年にリニューアルされたボトルで熟成年数が表記されたシングルモルトです。
ナッツの風味を感じるフルーツケーキの味わいに、ジンジャーのスパイシーさも感じられる銘柄となっています。
熟成年数の表記があるスタンダードな銘柄を選ぶならこちらのスタイリッシュなデザインのボトルを探してみることをおすすめします。
画像引用:https://likaman.net/shopdetail/000000014458/
グレンタレット 15年は、グレンタレットの定番商品の中でも最も熟成年数の高いボトルになります。
トフィーとりんごの香味に桃のシロップとココナッツの味わいが感じられるだけでなく、スパイスの余韻がある一定の完成度を持つ銘柄です。
12年物よりもワンランク上のボトルを飲んでみたくなった方はこちらのボトルを試してみましょう。
画像引用:https://www.theglenturret.com/whisky/2022-release/25-years-old-2022
ここまでの定番の商品とは異なり、在庫が限られた希少なボトルがグレンタレットの25年物になります。
軽くスパイスのかかったオレンジなどの柑橘類にビターチョコレートの苦味が絡む非常にバランスの取れた複雑な風味が特徴です。
定番商品ではないことから、いつもとは違う特別な日に飲むウイスキーとしておすすめになります。
画像引用:https://www.theglenturret.com/whisky/2022-release/30-years-old-2022
最高クラスの熟成年数を持つ高級なグレンタレットが30年物になります。
トロピカルフルーツの塊のような甘みが押し寄せる風味であり、クリーミーな口あたりとトリュフを感じる苦味が同居したリッチで完成度の高い銘柄です。
最高レベルのグレンタレットを飲みたい方はこちらの銘柄を探してみることをおすすめします。
画像引用:https://store.shopping.yahoo.co.jp/viva-vino/5010314040406.html
かつてのスタンダードボトルであったグレンタレットの10年物であり、オールドボトルになります。
10年物とは思えないほど複雑な風味となっており、クリーミーでオイリーな口あたりが特徴です。
過去のグレンタレットが気になる方は、こちらの形のグレンタレットを探してみることをおすすめします。
グレンタレットのおすすめの飲み方を解説します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
グレンタレットは加水しても香りや味わいが楽しめるため、水割りで飲むと場面を選ばず飲めるようになります。
食中酒として楽しむなら加水多め、単体で楽しむなら数滴ほどの加水にするのが良いでしょう。
水割りの作り方とおすすめ銘柄についてはこちらの記事で紹介しています。
ウイスキーの水割りでおすすめの銘柄をご紹介!作り方やポイントなど
グレンタレットはハイボールにすることで、さっぱりとして爽快感のある味わいに仕上がります。
ピートスモークドや、甘みが強すぎるウイスキーはハイボールにするほうが飲みやすくなる場合もあるので、少し合わないと感じた場合は試してみるのも良いでしょう。
シングルモルトをハイボールにするのがもったいないかどうかはこちらの記事で紹介しています。
シングルモルトをハイボールで飲むのはもったいない? その理由とは
グレンタレットは、ハイランドらしい甘い味わいを持ちながら風味が複雑でバランスが良いことから完成度の高いシングルモルトとして人気を集めています。
ただし、ボトルのリニューアルでどのボトルから飲めばいいのか分からない方もいるかもしれません。
初めて飲むのであれば、スタイリッシュな新ボトルのトリプルウッドまたは12年を選んで飲むのが、入手難易度も含めて最適になります。