サーデイヴィス シグネチャーとは? 味わいとおすすめの飲み方を紹介
- ウイスキー銘柄
響は、国産のウイスキー、とりわけブレンデッドウイスキーの部門では最高峰に位置するウイスキーです。
現に、権威ある世界的な酒類コンペティションで数々の受賞歴を誇ります。
今や日本国内のみならず、世界中に熱烈なファンを持つまでになりました。
では、なぜここまで高い人気を誇るようになったのでしょうか。
この記事では、響が誕生した背景や高い人気を誇る理由を紹介し、種類ごとに異なる味の特徴、魅力を堪能できる飲み方などについて解説します。
響とは、サントリースピリッツが製造、販売するブレンデッドウイスキーの名前です。
「人と自然が響き合う」というサントリーの企業理念から、「響」と名付けられたと言われています。
他にも、ブラームスの「交響曲第1番第4楽章」をイメージしたのだという説もあり、複数の意味を持たせて名づけられたというのが本当のところかもしれません。
サントリースピリッツが、自社の創業90周年を記念して売り出したのが「響17年」です。
サントリーの創業者かつ初代マスターブレンダーの鳥井信治郎氏は、「日本人の感性で、世界で愛されるウイスキーをつくる」という夢を持っていました。
その夢は、信治郎氏の次男であり、二代目マスターブレンダーとなった佐治敬三氏に受け継がれ、1989年「響」を誕生させるに至ったのです。
響はボトルを見ただけでもかなり個性的だと感じるのではないでしょうか。
珍しい24面カットのボトルです。この24という数には、季節の移ろいを示す二十四節気と、1日を表す24時間の両方の意味が持たされています。
原酒が樽の中で過ごす長い年月や、サントリーがウイスキーづくりにかけてきた長い歴史を象徴している数字です。
また、ラベルには1500年の歴史を持つ伝統工芸品、越前和紙が用いられています。容器にすら気品あふれる細かいこだわりを見せるところが、多くの人に愛される理由なのでしょう。
サントリーは3つの蒸溜所を保有しています。
山崎蒸溜所、白州蒸溜所、知多蒸溜所の3つです。
響は、この3つの蒸留所でつくられた原酒を掛け合わせてつくられています。
山崎蒸溜所は大阪府の北東部、京都府に程近い場所にある蒸留所です。
宇治川、桂川、木津川の3つが合流する地域で、ウイスキーに適した水が採れることからこの地が日本最初の蒸留所に選ばれたと言われています。
華やかかつ上品な香味が、山崎蒸留所で育まれるモルト原酒の特徴です。
白州蒸留所は、山梨県北杜市、南アルプスの麓に広がる広大な森の中に位置します。
森の中という立地は、実は世界的に見ても珍しいものです。
白州の森は、周辺に連なる山々に降り注いだ雨や降り積もった雪が地面に染み込み、花崗岩層で長い年月をかけてろ過された地下水が染み出てくる場所で、適度なミネラル分を含んだ軟水が採取できます。
この水を浸かって仕込まれる白州のモルト原酒は、爽やかな香りと軽快な口当たりが特徴です。
山崎蒸留所と白州蒸溜所は、いずれも原酒を造る工程にさまざまな工夫が凝らされています。
なかでも、熟成に使用する樽へのこだわりは特別です。
容量や材質が異なる樽をいくつも使い分けることで、多彩な原酒仕上げています。
山崎蒸留所、白州蒸留所でつくられたモルト原酒の個性をうまく引き立てながら、全体の調和を取る役割をするのが、知多蒸留所でつくられるグレーン原酒です。
知多蒸留所は、愛知県の知多半島に位置します。
知多蒸溜所でも、異なる性質を香りや味わいのグレーン原酒を多数つくっているため、響は、80万以上ある樽の中から選び抜かれた原酒を組み合わせてつくられていることになるのです。
2021年8月現在、通常のルートで購入できる響は、ノンエイジ2種類と、熟成年数が異なるエイジドが2種類の計4種類です。
それ以外に、既に出荷が終了しているものもあるので、手に入る可能性があるものはここで紹介しておきます。
響ジャパニーズハーモニーは、響のレギュラーボトルです。
「日本の四季、日本人の繊細な感性、日本の匠の技を結集したウイスキー」というコンセプトのもとつくられました。
熟成年数に関係なく適した原酒を選んで掛け合わせたノンエイジのウイスキーです。
琥珀色のボディ、ローズやライチの奥に、ほのかに香るローズマリー、かすかに熟成樽の香りと白檀の香りもします。
蜂蜜のすっきりした甘さとチョコレートをまとったオレンジピールのビターな甘さ、余韻は長く穏やかです。
アルコール度数は43度と高めですが、アルコールの刺激は少なく、ストレートでも十分飲めます。
2016年にSWSC最優秀金賞、2019年、2020年、2021年にISC金賞を受賞したボトルです。
1989年、サントリーの創業90周年を記念して発売された、最初の響です。
熟成年数17年の原酒の中から選び抜いたモルト原酒とグレーン原酒をブレンドし、更に樽に移して後熟しています。
カラメルとバニラの奥に、ほのかな白檀香。白檀の香りは、山崎蒸溜所でつくられたモルト特有のもので、ミズナラ樽に由来しています。
口に含むと感じるのはローズ、ジャスミン、桃などの爽やかな香りです。
キャラメルやカスタードクリームなど甘くクリーミーな味わいの後に、青リンゴやプラム、洋ナシといった甘酸っぱいフルーツ感が来ます。
いくつもの風味が主張しながら響き合い、絶妙なハーモニーを奏でるボトルです。
IWSCで金賞を1回、ISCで金賞を5回受賞しています。
響ジャパニーズハーモニーに山崎シェリーカスク原酒をブレンドしてつくられています。
免税店のみで購入できる限定ボトルです。山崎シェリーカスク原酒をブレンドすることにより、響ジャパニーズハーモニーとは、まったく別の表情を持ったブレンデッドウイスキーに仕上がっています。
濃厚な甘さとウッディな樽香が余韻に加わりました。
ローズにシロップ漬けしたプラムの香りが、甘く繊細に感じられます。2017年にISC金賞を受賞しているボトルです。
3つの蒸留所にある多種多様な樽の中から、熟成期間や熟成樽の特徴が異なるものを厳選し、匠の技でブレンドしたウイスキーです。
シェリー樽やバーボン樽の他に、ワイン樽で後塾させた原酒を加えると、響の甘く柔らかく華やかな香りに、適度な酸味やほろ苦さが加わります。
野イチゴや白桃、パイナップルなどよく熟れた果実にクリームブリュレを連想させる甘く香ばしい香り、甘酸っぱさが心地よく感じられるボトルです。
一般用ではなく、BARなど飲食店で楽しむことを想定して開発されました。
しかし、ネット販売などでは、個人でも入手できます。
ノンエイジですが、平均して用いられているのが、熟成期間15年前後のモルト原酒やグレーン原酒です。
中には、30年を超えるような超長期熟成の原酒も含まれているため、円熟味が感じられます。
熟成期間21年以上のモルト原酒とグレーン原酒を厳選し、ブレンドしたウイスキーです。
3つの蒸留所に多彩な原酒を持っているサントリーだからこそ、つくりだすことができたとても贅沢な逸品といえます。
最初に感じる香りはレーズンや杏、いちごジャムといった甘く濃厚なフルーツ系ですが、続いてくるのはバニラの甘美な香りです。
ビスケットやトフィーのようなしっかりとした甘さ、更に甘酸っぱさとピリッとしたスパイスも感じます。
奥行きのある味わいです。
長期熟成特有の濃厚さ、重厚さもありつつ、滑らかな口当たりで、余韻が心地よく続きます。
2018年にはISC最高賞「トロフィー」、2019年にはWWA最高賞を受賞。
2004年から2017年にかけては18もの賞を受賞した世界的な評価を得ているウイスキーです。
熟成期間30年以上のモルト原酒とグレーン原酒のみを掛け合わせてつくるため、年間数千本しか作ることができません。
数量限定生産の、貴重かつ希少なウイスキーです。
莫大な数の樽原酒を持つサントリーでも、響30年に用いる原酒は特別です。
秘蔵の超長期熟成樽の中から、熟成年数が30年以上のモルト原酒とグレーン原酒を入念に選びます。
選び抜いた原酒を丁寧にブレンドしてつくり上げた逸品です。
量が非常に少ないため、全行程の作業を手作業で行っています。
手間暇かけてつき売られた贅沢な逸品です。
マンゴーなど南国のフルーツを感じさせる香り、いちごジャムや杏を思わせる甘美な香り、熟成期間の長さによるコクやとろみがあります。ちなみに、響 30年のボトルは特別仕様です。
他エディションで使用されている24面カットではなく、30面カットでより高級感のある仕上がりになっています。
2004年~2007年にかけて5つの賞を受賞、2008年にはWWAのワールド・ベスト・ブレンデッドウイスキーと、ISCの最高賞「トロフィー」を受賞しました。
2013年に発売された本数3,500本の限定ボトルです。響17年をベースとして、そこにシャトーラグランジュの赤ワイン樽で後熟させた「白州1996」と、スパニッシュオーク材のシェリー樽で後熟させた「知多グレーン1988」などを、絶妙なバランスでブレンドさせています。
香りは、キイチゴのような甘酸っぱさと、ベリーシロップやマロングラッセを感じさせる濃厚な甘味、樽由来のウッディな香りです。甘みの中からほのかな渋みが感じられます。
ワイン樽とシェリー樽に由来する由来のシロップやベリージャムなどの甘とにタンニンの苦さがのほのかに香ります。
色はやや赤みがかった深い琥珀色。ドライフルーツの甘味、や味わい、バニラを混ぜ込むようなな濃縮感のある甘酸っぱさがあります。
アルコールはほとんど感じることなく、甘味と果実感がメインです。余韻にビターな刺激があります。
響は、複数の原酒を絶妙にブレンドしてつくられているウイスキーです。
基本的にどのような飲み方をしてもおいしく飲めます。
ですから、飲む人が好きなように飲むのがおすすめといってもよいのかもしれません。
あえて響の持ち味である香りを存分に味わうなら、ストレートかロックです。
ストレートなら、響の華やかな香りを存分に楽しめます。
刻一刻と変わる味わいの変化を楽しむならロックでしょう。
響はさまざまな樽から原酒を選び抜いたうえで組み合わせています。
それぞれの樽由来の香りもしっかり移っているので、表に引き出して味わいたいところです。
ウイスキーは加水すると、モルト原酒やグレーン原酒の香り、味わいなどが変化します。奥に隠れていた香りや味わいが表に出てくるので、水割りもよいでしょう。
響ならではの香りや味わいを引き出すなら、常温の水と1:1で割るトワイスアップです。
テイスティングの際に行う飲み方なので、ウイスキーの香りや味わいがよくわかります。
ウイスキーは1滴加水するごとに、表情が大きく変化するので、普通に水割りにするなら、少しずつ水の量を加減して、自分好みのところでストップして味わいましょう。
基本の水割りはウイスキー1に対して水2の割合です。
芳醇な香りを強く感じたいならお湯割りにしましょう。
沸騰したお湯ではなく80度前後のお湯を使います。
香りがきつく、主張が強すぎるウイスキーではお湯割りはできません。香りが強くなりすぎるからです。
響の場合、香りがしっかりしていても心地よい香りです。
お湯割りにしても、きつすぎて飲めなくなるようなことはありません。
ゆっくり味わいたいなら、ロックもおすすめです。
表面が滑らかな大きな氷を1つ入れると、ゆっくり溶けだしていくので長く楽しめます。
できるだけ不純物の入っていない純氷を用意しましょう。
家庭の製氷機で作った氷は、直ぐに氷が割れてウイスキーが薄まりやすいので、急激に味が変わっていってしまいます。
氷はウイスキーを冷やす役割だけでなく、加水によって香りや味わいを変化させる役割もするのです。
ウイスキー初心者が響を飲むなら、ハイボールもよいでしょう。
炭酸水で3~4倍に割るだけです。
グラスにいっぱい氷を詰めたら、先にウイスキーを入れ、続けて炭酸を入れます。
マドラーを底まで入れて氷を持ち上げるように1回だけかき混ぜたらでき上がりです。
ウイスキーがあまり得意でないという人でも飲みやすい飲み方です。
響は特徴の異なる数多くの原酒の中からブレンダーが絶妙な組み合わせを見つけて掛け合わせたウイスキーです。
甘い香りがしますが、甘すぎないので、食事との相性もピッタリです。
シングルモルトのようにクセが強いウイスキーは飲みにくいと感じている人には、響をおすすめします。
ブレンデッドウイスキーは比較的飲みやすくできているからです。
とくに響は口当たりが柔らかいので、誰でもおいしく飲めるでしょう。