山崎 ノンエイジ/NV(ノンヴィンテージ)とは? 味わいとおすすめの飲み方を紹介
- ウイスキー銘柄
世界中から「北の巨人」と言わしめるウイスキー、『ハイランドパーク』をご存知でしょうか。
ハイランドパークというウイスキーはスコットランド最北に位置するオークニー諸島で生まれました。
このような北欧の凍てつくような寒さの土地にスコッチモルトウイスキーを代表するハイランドパーク蒸溜所は位置しています。
カークウォールの市街地よりも高所にあるため、「ハイパーク」 という地名が転じて蒸溜所名となったようです。
また、ハイランドパークはシングルモルトウイスキーです。
1つの蒸溜所のみで作られる大麦麦芽のみを原料としたウイスキーで蒸留所によって味の個性が顕著に表れます。
『ハイランドパーク』は北の巨人、ハイランドという言われ方から荒々しい山を思い浮かばせ、スモーキーで強い舌触りや味わいをイメージするのではないでしょうか。
実際、『ハイランドパーク』の種類、味わい、おすすめ、飲み方をご紹介します!
この記事のポイント
ハイランドパークは凍てつくような寒い土地柄とは裏腹に他にはない熱い情熱を持った人々によって支えられています。
そこには伝統を重んじるヴァイキングの血統が深く関係しています。
ヴァイキングとは海賊や略奪を働く戦士であるとされていますが、後世の半ば過大なイメージを植え付けた部分がありますので、実際には交易民でもあり、故地においては農民・漁民もいました。
ヴァイキングは北ヨーロッパに広く進出しましたが、13世紀頃までには消滅しました。
しかし、その熱い魂だけは残り続け、ハイランドパークを支持する人々に愛されています。
ヴァイキングの情熱が根強く残るウイスキーでありながらその味わいは華やかで飲みやすいバランスに富んだ味わいです。
個性的なモルティーな味わい、ピート香、シェリー樽で熟成した穏やかな甘味が特徴的です。
ヘザーピートを使用しているためハーブの香りもほのかに感じられる崇高さもあります。
ハイランドパークが最重要しているのが、味わいのバランス。
そのために、工程にも特殊な製法が生かされています。
ハイランドパークの特殊工程
まず、オークニー諸島特有のピートですが、4000年の歴史を経てはぐくんでいる※ヘザーの花を元にしたヘザーピートを原料としています。
※荒れ野(ヘザー)や湿原に生息します。
このピートによりフローラルな香りをウイスキーにもたらすことになります。
次にフロアモルティング製法です。
これは麦芽を発芽させる製法ですが、ハイランドパークでは手作業で伝統的な製法を崩さずに続けています。
ウイスキーを造るためには、大麦を発芽させ麦芽にしてから糖化することが必要になります。
重労働なので限られた蒸留所でしかこの製法をとっておらず、手間暇はかかりますがフロアモルティング製法によって発芽がバランスよく生産できます。
3番目のフルタイムのシェリー樽熟成ですが、初めて熟成に使う樽、俗にいう『ファーストフィル』を使用しています。
スコッチウイスキーの熟成にはシェリー樽・バーボン樽を使用しますが、その古樽を初めて熟成にしようすることを『ファーストフィル』といいます。
ファーストフィルを使用するとどんなメリットがあるのかというと古樽の個性が強く残っているため、ハイランドパークのスピリットにフルーティなシェリーの味が移るのです。
かといって、誤解しないでいただきたいのがセカンドフィルやサードフィルの味わいが薄くなるとか、格が落ちると誤解しないでください。
それぞれに良さがあります。
ファーストフィルは強い甘味の主張が強い場合が多いですがセカンドフィルではまろやかで丸みを帯びたような甘味に転じたりします。
「セカンドフィル」では、樽から受ける影響が少ないため、ウイスキー本来の性格をより深く味わえるという利点もあるのです。
最後にマリイングですが、異なる原酒同士をひとつの容器で融合させる行程を指します。
マリッジ(結婚)という意味合いももつのでこのようになづけられていますが、樽貯蔵を行ったウイスキーから市販規格のウイスキーを製造する際には、通常、何種類もの原酒樽からのブレンドが行われます。
ブレンドが終了したウイスキーは、風味を向上させ、品質を安定させるため、びん詰めされる前に、再度、数週間から数ケ月程度の貯蔵を行います。
この貯蔵工程を後熟といいます。
ウイスキーの熟成期間による味の変化とカスク(樽)の役割について
ハイランドパーク蒸留所は1798年にマグナス・ユンソンという人物によって営業開始されましたが、この人物は表向きはウイスキー製造の傍ら肉屋と聖職者を兼業しつつ、密造という形でウイスキーを製造販売していました。
マグナスの勤勉な性格ゆえに寒冷地の低木ヘザーを生かした独特のフローラルな甘みを持ったウイスキーの完成に辿り着いたといえるでしょう。
他に頼ることなく強い自分だけの信念をもったヴァイキングとしての精神が今でも引き継がれて言えるといえるでしょう。
商品名 | 希望小売価格(税別) | 香り | 味 | 内容量 | アルコール度 |
ハイランドパーク12年 ヴァイキングオナー | 4,200円 | ・ヘザーハニーの甘さ ・ピート香のスモーキーさ |
・まったりと丸みのある甘さに大麦麦芽の香ばしい味わい | 700ml | 40度 |
ハイランドパーク18年 | 15,000円 | ・南国の華やかな花 ・はちみつ漬けフルーツ |
・マーマレードジャム ・スパイシー |
700ml | 43度 |
ハイランドパーク25年 | 76,639円 | ・熟成感のあるオーク ・チョコレート ・ファッジのニュアンス |
・ハニー、ナッツ入りのタフィーの豊かな甘みと、スモーキーな優しさ | 700ml | 46度 |
ハイランドパーク40年 | 619,310円 | ・リッチでバランスの取れた芳香 | ・ナッツのようなフルーツで満たされたシェリー | 700ml | 43.2度 |
ハイランドパーク ヴァルキリー | 7,500円 | ・バニラの甘さの中ほのかに感じるスパイシーさ | ・ビターチョコの中にジンジャーのようなスパイスを感じる ・りんごの味わい |
700ml | 45.9度 |
ハイランドパーク ヴァルクヌート | 7,500円 | ・香ばしいバニラビーンズ ・挽いた胡椒 ・アニス ・クローブとアロマティックなスモーク感 |
・アロマティックな甘さの余韻が長く続く | 700ml | 46.8度 |
ハイランドパーク ヴァルファーザー | 9,289円 | ・クリーミーなヴァニラ ・トーストした杉の木の香 |
・クリームブリュレ ・フローラル |
700ml | 47度 |
ハイランドパーク フルボリューム | 11,000円 | ・ヴァニラ ・ココナッツ ・南国のフルーツ ・スギの香り |
・レモンピール ・ヴァニラ ・ライトスモーク |
700ml | 47.2度 |
ヴァイキング族 | 6,657円 | ・甘いバニラ ・ピリッとした柑橘類 ・コショウのスパイス ・ 芳香族 ・泥炭煙 ・フルーティ |
・甘いバニラ ・レモン ・スモーキー |
700ml | 46度 |
ハイランドパーク エイナー | 5,622円 | ・ ライトなスモークさ ・パイナップル ・ヘザー ・新鮮なバナナ |
・ライトなスモーク ・香辛料 ・ヘザー ・柑橘系の皮、 ・オーク ・ナッツ ・南国のフルーツ |
1000ml | 40度 |
ハイランドパーク ハラルド | 4,800円 | ・バニラ ・ショウガの根 ・ピート ・スモーク ・ドライ ・ストロベリー ・ビャクダン |
・ヴィクトリア ・スポンジケーキ ・ナツメグ ・少しラベンダー |
700ml | 40度 |
ハイランドパーク リーフエリクソン | 4,785円 | ・スパイシーなオレンジブロッサム ・ハチミツ ・熟したマンゴー ・メロンをほんの少しの芳香 |
・オレンジブロッサムハニー ・新鮮なバニラポッド ・熟したマンゴーとメロン ・グレープジュース ・黒砂糖 |
700ml | 43度 |
ハイランドパーク シグルド | 16,478円 | ・南国の果実 ・糖蜜のスポンジケーキ、 ・香り豊かなスモーキーっぽさ |
・マーマレードジャム ・シナモンの皮 |
700ml | 43度 |
※実勢価格は相場により変化し、確定されたものではありません。
濃厚なピートとヘザーの花の華やかな香りがバランスのいいハイランドパーク12年はハイランドパークの中では初心者向けで飲みやすい仕上がりになっています。
個性的でありながらクセがないのが飲みやすいと好評です。
はちみつのとろりとした甘さにそっくりの香りなのに口にすると甘さの中に潮っぽさも感じられ長い余韻が魅力的。
フィニッシュでヘザーの花とスモーキーな香りがマリアージュします。
Spirits Journal誌の「ベスト・スピリッツ・イン・ザ・ワールド」に 2度輝いたハイランドパーク 18年は12年に比べて価格が高いにもかかわらず、ファーストフィルのシェリーカスク比率が45%で、12年のように突出したところがなく、繊細さがあります。
強い果実の酸味のかおりと濃い黒蜜が際立っており、チョコレートの香りに近いです。
ハイランドパーク蒸留所の銘柄は、非常に種類が多くこちらに書ききれない免税品や限定品などもありますが、ハイランドパーク25年は中々お目にかかれない高級品となっています。
フィニッシュはスモーキーで樽のウッディーな余韻を感じられます。
世界的なウイスキー評論家であるデイヴ・ブルーム氏は、
ウイスキーマガジン2008年6月号で「ハイランド パーク40年」を
「たいへんエキゾチックで驚くほどセクシー、長期熟成のものの中で最も優れた第一級品である」
と賞賛し、極めて高い評価を与えました。
日本割当て数量350本限定なので、中々飲むことは難しそうですが、リッチでバランスの取れた芳香がダークフルーツやダークチョコレートのような香りと表現する人もいます。
Jim Murray, Malt Advocateを受賞したこちらのウイスキー。
「ヴァルキリー」は、「ヴァイキング レジェンド シリーズ」の第一弾という位置づけのハイランドパークで、今後さらに2つのハイランドパークが発表される予定です。
ヴァイキング文化の特徴を色濃く反映したデザインでアメリカンオークのシェリーカスクとバーボンカスクを使用しています。
食事と合わせるなら断然ソーダ割り、水割りなら魚介類テリーヌや燻製などがおすすめです。
「ハイランドパーク ヴァルクヌート」は、前作「ヴァルキリー」に続く「ヴァイキング レジェンド シリーズ」第二弾となります。
ヴァイキング文化を強く意識したデザインとなっており、ヴァイキングを祖先にもつジム・リングビルド氏がパッケージを手掛けています。
「ヴァルクヌート」とは「戦闘で殺されし者達の結び目」を意味し、3つの三角形が絡み合うシンボルは、ヴァイキングの時代から数多くの工芸品に表現され、このボックスにも描かれています。
ピート香が若干他より強めに表現されており、スパイシーさとフルーティーさがバランスよくミックスされています。
オークニー諸島で栽培される「タータン種」の大麦も一部使用しており、スモーキーなエッジを際立たせています。
「ヴァイキングレジェンド」シリーズの最後を飾る第三弾です。
ヴァルファーザーとは、北欧神話の最高神オーディンを表し、その力をモチーフとしたハイランドパーク蒸溜所の中で最もピーティなウイスキーです。
クリーミィなクリームブリュレに杉の木の香りが抜けていく。
華やかなフィニッシュが長くたのしめるのが特徴のウイスキーです。
数量限定ボトルとなっています。
外観はミステリアスな漆黒のボトル、ボックスにはクラシックなギターのアンプからインスピレーションを得たデザインが施されています。
ボックスの側面には、ピートやヴァニラ等のフレーバーの強さをボリュームのつまみで表現し、「フルボリューム」の名の由来を示しています
南国のフルーツと杉の木を思わせるフレーバーが特徴です。
アマゾンで独占的に入手可能なこのシングルモルトウイスキーはヴァイキングの魂を秘めた オークニー・シングルモルトです。
ボトルの外側には13世紀のバイキングアートにインスパイアされたシンボルがあり、統一を意味します。内側のウイスキーはバニラポッドとレモンの皮、ペッパースパイス、スモーキーピートのおいしいノートを表しています
アメリカンオークとヨーロピアンオークのシェリー樽で熟成され、オレンジピールや南国のフルーツを思わせる味と温かみのあるクリーミィな味わいが絶妙の逸品です。
免税店向けにリリースされた、「ザ・ウォリアー・シリーズ」の1本です。
同シリーズは熟成樽等の違いでコンセプト分けされており、ハラルドは、アメリカンオーク樽、ヨーロピアンオーク樽で熟成。
ハラルドとは、オークニー伯を造ったノルウェーの王。ヴァイキングの歴史の中で最も重要な人物で、有名かつ英雄です。
香りに仄かに白檀を感じられる品の良さがあります。
免税店向けにリリースされた、「ザ・ウォリアー・シリーズ」の1本です。
同シリーズは熟成樽等の違いでコンセプト分けされており、リーフ・エリクソンは、バーボン樽やアメリカン・オーク材のシェリー樽で熟成。
リーフ・エリクソンとは、北アメリカの大地に足を踏み入れたヴァイキングの名前です。
こちらは瓶の猛々しい男の絵と反対に南国のフルーツ熟したマンゴーやメロンといった甘い香りとスポンジケーキやラベンダーの味わいが魅力の一品です。
こちらも免税店向けにリリースされた1本ですが、神話になぞらえて造られた激レアな1本です。
シグルトは北欧神話のヴォルスング・サガに登場する最も有名な伝説の英雄です。
シグムンドの子で、砕かれたしまった父の剣から名剣グラムを作り、竜となった敵ファフニールを殺害します。
後に結婚したブリュンヒルドの計略により、悲劇的な結末を迎えますが、最も恐れられたバイキングの雄であるシグルトは強く勇敢で、いつも傍らに携えていた後の剣と同じくらい鋭い戦士の本能を持っていました。
その剣はボトルに描かれており、その剣と同じくらい丹念に作り込まれたことを表現し、シグルトという名前が名付けられたのです。
香りは糖蜜のスポンジケーキのようでありながら、南国のフルーツとスモーキーさを調和させており、味わいは香辛料とマーマレードがあわさったような絶妙な味わいが表現されています。
ハイランドパークのおすすめの飲み方はロックかストレートでダイレクトに味わうことです。
ハイランドパークはバランスの良い味を最も重視しているので初心者の方でもストレートで飲みやすく造られています。
13世紀前後のヴァイキング時代の力強いパッケージが手に取るのを躊躇してしまいがちですが、実際はまろやかで甘味や華やかさも十分に加えられている飲みやすいウイスキーとなっています。
『ハイランドパーク フルボリューム』は、ウイスキー造りも音楽創作も「バランス」が大切であるという共通点に基づいて開発されました。
ウイスキーのブレンディングを、音楽創作において重要である音の周波数のファインチューニングになぞらえ、個々の樽の個性とフレーバーの波を組み合わせて最良のバランスを作り上げています。
力強さの中に秘められた繊細なウイスキー、ハイランドパークを是非ご賞味ください。