ラフロイグ 10年とは? スモーキーな味わいとおすすめの飲み方を紹介
- ウイスキー銘柄
アイル・オブ・ジュラというウイスキーはスコットランドに属するジェラ島という小さな島で、人口はわずか160名ほどしかいません。
ジュラという名前は北ゲルマン語群で「鹿」を意味するところからきており、実際野生のアカシカが約5,000頭も生息しています。
スコッチウイスキーは各地域のこだわりも強いため、スコットランド内でも明確に産地で分けられていますが、ジェラ島はアイランズモルトに属します。
アイラエリアに近いので味わいにアイラの要素がかなり入っているかと思いきや、全くといっていいほど違うので面白いです。
このように小さな島の蒸留所でありながらスコットランドでは3番目に消費されているブランドであり、その味はお墨付きです。
島の大自然を生かしたジュラ蒸溜所で造られるウイスキーのおすすめの種類をご紹介しましょう。
この記事のポイント
前述でもご紹介しましたが、スコッチウイスキーは各地域のこだわりも強いため、スコットランド内でも明確に産地で分けられています。
ハイランドやローランド、スペイサイド、キャンベルタウン、アイラ、そしてアイランズと6つに分類されています。
ジェラ島はアイランズモルトに属し、ジュラ蒸留所はジュラ島で唯一の蒸留所となります。
この章では特徴や全体的な味わいについて解説致します。
ジェラ島からアイラ海峡を挟んで向かい合う島で造られているアイラモルトなどはピートによるスモーキーな香りと地方独特の磯の香り。
深い味わいから、ウイスキーを飲み慣れていない人にとっては香りが強すぎるきらいがあります。
ただ、中でもラガヴーリンは比較的のみやすいといえますが、スモーキー感は健在です。
位置的に非常に近いアイル・オブ・ジュラはどうかというとフルーティさがたっていて、ハイランドモルトに似ている味わいであり、甘口で初心者にも飲みやすくなっています。
香りはアイラモルトと反対でスモーキー感がなく、嫌味なく軽めで上品なプルーンやブドウなどのフルーティ感、その後に柑橘系のマーマレードのような香りが樽の熟成感と合いまって非常に深く芳醇な香りを楽しめるのではないでしょうか。
ラガヴーリンについてはこちらの記事で紹介しています。
アイラウイスキー「ラガヴーリン」ってどんな味わい?おすすめの飲み方や種類も解説!
ジュラ蒸溜所は1810年に創業した長い歴史をもつ蒸留所です。
しかし、200年の間順風満帆に営業していたというわけではなく1901年に地主との土地代のことで混乱が起こり、一時期閉鎖となります。
その後1963年頃に再建しますが、理想的な味は再現できず、島民の支持は得られませんでした。
1963年、設立当初はインバーゴードン蒸留所系列でしたが1995年にホワイト&マッカイ社の手に渡り、2007年インド最大のUBグループの参画に入ります。(ホワイト&マッカイ社も2007年にUBグループに買収されたことをご存知の方もいるでしょう。)
更にその後、2014年にはフィリピン大手の種類メーカーであるエンペラドール社によって買収され現在に至ります。
アイル・オブ・ジュラは原料としてノンピートの麦芽のみを使用しています。
スモーキーさがないのはそのためともいえるでしょう。
ピートを使わずに個性的な味わいを出していくためとも言われていますが、現在では1年間に7~8月の4週間だけヘヴィーピート麦芽での蒸留も行っているそうです。
ちなみにピートは泥炭のことを指し、野草や、水生植物が自然に炭化した物のことです。
ジュラ蒸留所が使う仕込み水は、マーケットロッホ(マーケット湖)の水であり、この水は、ピートの色が濃く、まるでコーヒーのような色合いだそうです。
一回の仕込みに使う麦芽の量は5tで8mを超える巨大なポットスチルが再留釜も含めて4基あります。
巨大なスチルを使用することで、クリアですっきりとしたアイル・オブ・ジュラが生まれるのです。
ウイスキーのピートについてはこちらの記事をチェックしてください。
ウイスキーのピートとは? ピート香の強いウイスキーの飲み方も解説!
アイル・オブ・ジュラの種類でも選りすぐりをご紹介しましょう。
お好みの味をみつけてみてください。
画像引用:Jura Single Malt Scotch Whiskey
アイルオブジュラ ジャーニーは2018年4月にリリースされました。
ジャーニーという名前は創業からこれまで紆余曲折あったジュラ蒸留所の道のりを旅に例えて付けた名前になります。
香りは、バニラとオレンジなどの柑橘類でシナモンのようなスパイシーさもほのかに感じられ、樹液やほんのりと漂うスモーキーさがあります。
味わいは、芳醇な瑞々しいフルーツや蜂蜜のようなシナモンとクローブのスパイスも感じます。
甘味だけでなくスモーキーさも少しは欲しいという方には導入編といった感じでよろしいかと思います。
画像引用:Jura Single Malt Scotch Whiskey
アイルオブジュラのスタンダードともいえる銘柄です。
アイルオブジュラ 10年のテクスチャはライトで飲みやすく、アメリカンオークのバーボン樽熟成によりバニラの香りが特徴的です。
スモーキーさはうっすらと効く程度でほとんど無く、バニラや洋ナシの香りに包まれます。
その割に味わいは香り程の甘さは感じられず、飲みやすいです。
2018年にリニューアルして、更に香りはバランスよく味わいは飲みやすくなっていますが、以前はオイリーなテクスチャで代表的なところがありましたが、リニューアル後はすっきりとした爽快感でクセが抜けクリアになりました。
ウイスキーが飲めないという人にも好印象でウイスキー特有の臭みがないというレビューもみかけるほどでした。
新バージョンは人気もあり、市場にまだ少ない場合もありますので見かけたら是非お試しください。
こちらはアイルオブジュラ10年のリニューアル前のスタンダードボトルとなります。
一応終売していますが、まだ購入できるお店もあったりします。
香りはアップルシナモンや、プルーンのフルーツが入り混じったというところで、リニューアルバージョンより甘い香りがきつめですが、さっぱりとした爽快感で同じく水のように飲みやすいです。
味わいはバニラウエハースや洋ナシのような薄い甘味が感じられ、フィニッシュにかけては角砂糖や氷飴のようなさらりとした甘さで終わります。
在庫があるうちにリニューアル後のものと飲み比べても楽しいでしょう。
画像引用:Jura Single Malt Scotch Whiskey
アイル・オブ・ジュラ セブンウッドは、ファーストフィルのバーボン樽で熟成を行っています。
ファーストフィルとはバーボンウイスキーの熟成に使用したバーボン樽を使用して他のウイスキーを熟成させることで、スピリットへの香りの影響度も大きくなります。
その後、6種類のフレンチオーク樽(リムーザン、トロンセ、アリエ、ヴォージュ、ジュピレス、レベルトランジェ)で追加熟成させてつくられたので、そこからセブンウッドという名前はきています。
香りはキャラメルポップコーンのような甘いお菓子から次第に南国のフルーツのトロピカルな甘味へ移り変わっていき、ほのかにワインの香りが漂います。
味わいは初めはとろけるような蜂蜜の甘さからビターチョコレートへうつり、ドライアップルとハーブやシナモンが混ざったような刺激が少し感じられます。
画像引用:Jura Single Malt Scotch Whiskey
アイル・オブ・ジュラ 12年はアメリカンホワイトオークのバーボンバレルで12年間熟成後、スペイン、ヘレスのオロロソシェリー樽でフィニッシュを行なっています。
ウイスキー熟成におけるフィニッシュとは一度他のウイスキー樽で熟成させた後に再度熟成させることです。
香りは蜂蜜、チョコレートからトロピカルなフルーツ、味わいにはフルーティ感はぬけ蜂蜜やビターチョコ、麦芽の香りに仄かなピートを感じさせます。
スモーキーさが苦手な方にはうってつけでありながら、熟成12年を感じられる濃厚さもあるのが素晴らしいですね。
このクオリティで3,000円~4,000円程度とコスパがいいところも魅力的です。
画像引用:Jura Single Malt Scotch Whiskey
こちらはアメリカンホワイトオーク バーボンカスクで18年間熟成し、第1級グラン・クリュ・クラッセのボルドー樽でフィニッシュされています。
追加熟成を最高峰のレッドワイン樽で行ったということですね。
香りは、蜂蜜に浸したプラムやレーズン、トロピカル・フルーツにシナモンのスパイスが感じられます。
味わいは、ビターチョコレート、ジンジャー、ブラック・フォレスト・フルーツ、カシス、メープルシロップと非常に濃く肉厚な濃厚さが特徴です。
アイル・オブ・ジュラは全体的にスモーキー感が薄く、甘さの方が際立っており、くどさもなくさっぱりとしているので、ストレートでそのまま味わうことをおすすめいたします。
アイル・オブ・ジュラ18年については熟成感と芳醇で濃厚な感じがあるので加水してみてもいいでしょう。
非常に飲みやすいので、適量をまもり、チェイサーやおつまみを忘れないようにしましょう。
一見、地味で小さな島でありながら、他のスコッチとは差別化を図るという強いこだわりをもったアイル・オブ・ジュラ。
個性を追随しながらも、誰にでも飲みやすいウイスキーを生み出すという探求心には頭が下がります。
今回ご紹介した以外でも女性や初心者のかたでも入りやすいスコッチウイスキー、アイル・オブ・ジュラを是非試してみて下さいね。