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山崎・白州・知多・響の違いは?サントリーの主要ウイスキー4銘柄!

2021.09.29 / 最終更新日:2024.10.09

サントリーのウイスキーといって思い浮かぶのは何かという質問をされたら、どの銘柄を挙げますか。「山崎」「白州」「知多」「響」のいずれかを挙げる人が多いのではないでしょうか。

このクラスになると、自分で飲む以外に誰かへのプレゼントとして選ぶこともあるでしょう。主要4銘柄にどのような違いがあるのか、きちんと理解していると安心です。この記事では、山崎、白州、知多、響の4銘柄にはどのような違いがあるのかを解説します。

この記事のポイント

  • 山崎・白州・知多・響の違いを解説
  • それぞれの銘柄に適した飲み方も紹介

山崎とはどのようなウイスキー?

「山崎」は、日本で最も古いウイスキー蒸溜所でもある山崎蒸留所でつくられるシングルモルトウイスキーです。世界に通用する国産ウイスキーづくりにこだわった、サントリーの創業者・鳥井信治郎氏が、ウイスキーづくりに適した場所として選んだのが山崎の地でした。

サントリーは、信治郎氏新年に基づき、日本人の口に合うブレンデッドウイスキーを次々と売り出し、ヒットさせてきましたが、1980年代になり、変革の時を迎えました。

鳥井信治郎氏の次男で、2代目マスターブレンダーとなった佐治敬三氏が、価値観の変化に目を付け、これからは個性を持ったシングルモルトが日本でも受け入れられると考えるようになったのです。山崎蒸留所に貯蔵されている数十万樽の中から原酒を選び、配分や組み合わせを変えては試飲を繰り返しました。その結果生まれたのが、日本独自のシングルモルトウイスキー「山崎」です。

山崎の特徴は、多彩な樽に貯蔵された原酒を、緻密な計算で組み合わせて独自の味わいをつくり出している点です。山崎蒸留所らしさは、ジャパニーズオークとも呼ばれるミズナラの樽の使用にあります。ミズナラ樽の原酒はごく一部ですが、山崎らしい香りや味わいを生み出す源です。

また、一部の原酒が突出した個性を発揮するのではなく、すべての原酒が調和を保ちながら複雑な香りや味わいを醸し出している点も山崎らしさといえます

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山崎について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。

山崎は世界の頂点を取ったウイスキー!味の特長やおいしい飲み方は?

白州とはどのようなウイスキー?

白州蒸留所でつくられるシングルモルトウイスキーです。白州蒸留所は、南アルプスの麓に広がる約82万平方メートルという広大な森の中に位置します。「森の蒸留所」と呼ばれるほどの環境は、世界中見ても類がありません。唯一無二の自然環境の恵みを受けて育まれる白州は、山崎蒸留所でつくられるものとは香りも味わいも違います。

中でも、仕込み水は白州らしさを生み出す鍵になっているものです。南アルプスの山々に降り注いだ雨や雪どけ水が染み込み、長い歳月をかけて花崗岩層でろ過され、地上に湧き出てきます。適度なミネラル分を含んだ軟水が白州のクリアな味わいの元になるのです。

原酒の作り方も山崎蒸留所とは異なっています。まず、発酵は、管理が難しい昔ながらの木樽発酵です。乳酸菌や微生物の働きで、白州らしさが生まれます。蒸留に用いるポットスチルも山崎蒸留所とはサイズも形状も異なるものです。

ポットスチルのサイズや形状が異なると、蒸留の際に含まれる雑味に違いが出ます。もうひとつの違いは、熟成に使用する樽の違いです。白州蒸留所は樽の材質だけでなく、サイズや前歴も可能な限り多彩なものを揃え、使い分けることで原酒選びの幅を広げています。同じメーカーのシングルモルトウイスキーでありながら、山崎と白州では香りや味わいに差があるのはそのためです。

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白州について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。

白州は森が育んだウイスキー!種類と味の特徴を活かす飲み方を紹介

知多とはどのようなウイスキー?

知多は、先に紹介した山崎や白州とは原料が異なります。山崎や白州がモルトウイスキーなのに対して、知多はグレーンウイスキーです。モルトウイスキーは大麦を発芽させアルコール発酵させたものですが、知多はトウモロコシなどの穀類を原料としています。

山崎や白州のようなモルトウイスキーはそれぞれが強い個性を持っていて、奥深く複雑な香りや味わいを楽しむウイスキーです。それに対して、グレーンウイスキーは個性をあまり主張しない穏やかなものが多く、クセもあまりありません

実は、個性を主張せずクセもあまりないグレーンウイスキーの存在が、サントリーの得意とするブレンデッドウイスキーづくりを長く支え続けてきました。グレーンウイスキーは、モルトウイスキーの個性を引き立てつつ、全体を調和させ飲みやすくする影の立役者です。つまり、さまざまなブレンドを可能にする多彩なグレーン原酒の貯蔵場所が知多蒸留所ということになります

知多というウイスキーは、シンプルでクセのないグレーンウイスキーだけを組み合わせたにもかかわらず、豊かな味わいに仕上げられている点が画期的です。それを可能にしたのは、グレーン原酒を多彩に作り分ける知多蒸留所の技術力の高さでした。

原料の配合を変えたり、蒸留方法を変えたりすることにより、ヘビータイプ、ミディアムタイプ、クリーンタイプの3種類にグレーン原酒をつくり分けます。そして、熟成に使用する樽も複数用意して使い分けるのです。ホワイトオーク樽、スパニッシュオーク樽、ワイン樽などを使い分け、香りや味わいの異なるものに仕上げています。

同じシングルモルトの山崎と白州を飲み比べよりも、山崎と知多、白州と知多を飲み比べは簡単です。香りも味わいも違いがはっきりしています。どちらが上か下かではなく、どちらが好みかという判断になるでしょう。知多は飲み口が軽くクセも少ないので、ウイスキーに苦手意識を持っている人でも飲みやすいのは魅力です。しかし、モルトウイスキーの複雑さや強い個性を好む人には物足りないかもしれません。

知多について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。

「知多」はどんなウイスキー?種類や味、おすすめの飲み方を解説

響とはどのようなウイスキー?

響はサントリーが得意とするブレンドの技術を集結してつくった最高傑作ともいえるブレンデッドウイスキーです。山崎も白州も知多もそれぞれの名前が付く蒸留所でつくられた原酒だけでつくられています。

しかし、響はサントリーが誇る3つの蒸留所でつくられた原酒すべての中からベストなものを選び抜き、組み合わせてつくられている点が最大の違いです。1989年、サントリーが創業90周年を記念して発売した銘柄で、その時に発売されたのは、響17年でした。

四季のある日本にふさわしいブレンデッドウイスキーとしてつくり上げられた響は、諸外国のブレンデッドウイスキーとも一線を画しています。諸外国のブレンデッドウイスキーは、キーモルトのみどこの蒸留所のものかを公表し、それをベースに他の原酒も組み合わせるという方法です。

そのため、いくらでもテーマを決めて種類を増やせます。しかし、響の場合は、自社の3つの蒸留所でつくったものだけを使っているわけです。それぞれの蒸留所で多彩に作り分けていることで、3つの蒸留所だけの組み合わせでも深みを出すことが可能になっています

響の味わいを表現するなら、まさにサブタイトルの通りジャパニーズハーモニーです。風味も味わいも余韻もすべてが調和のとれたものに仕上がっています。キーモルトの山崎と白州がお互いに個性を主張するわけでなく、お互いのよいところを出し合っている感じです。

甘いだけでなく、スパイシーさもほどよく、まろやかで、食べ物との相性のよさも感じられます。ストレートで飲んでも飲み応えがあり、水で割っても味が薄いと感じません。

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響について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。

響はブレンデッドウイスキーの最高峰!種類や味とおいしい飲み方は?

山崎・白州・知多・響の違いを活かした飲み方

山崎、白州、知多、響はそれぞれ持ち味が異なるウイスキーです。ですから、それぞれの魅力を最大限に引き出す飲み方は違います。たとえば、複雑で深い味わいを持つ山崎の場合は、上品ながらも輪郭がしっかりしているので、どのような飲み方をしても崩れません。

もったいないかどうかは別として、どのような飲み方もできる万能型のウイスキーです。じっくり味わいたいならストレートかロック、食事と一緒に楽しむなら水割りやハイボールでも美味しく飲めます。

それに対して白州の場合は、かすかにスモーキーな風味があり、爽やかでクリアな口当たりです。加水すると飲みやすくなるので、水割りやハイボールならウイスキー初心者でも飲めるでしょう。ただし、辛口か甘口化で分けると、白州は辛口の部類に入ります。しかし、白州ならではの味わいをしっかり味わうなら、ストレートかロックでじっくり楽しむのがおすすめです

知多は、シングルグレーンウイスキーです。モルト原酒とは異なるクセがあるので、ストレートやロックはあまり向きません。濃厚な甘味やマイルドさは、多少余韻が残ってもスッと消えていきます。それ水割りハイボールにして楽しむとよいでしょう。

響はブレンドの妙を楽しむウイスキーです。柔らかさと華麗さが魅力で、突出した個性はありません。しかし、味わいに厚みがあり香りも余韻もしっかりしているので、ストレートでも十分味わえます。日本の四季を表現しているというだけあって、幾重にも重なって味わいが押し寄せてくるので、ストレートかロックで持ち味をダイレクトに味わうのがおすすめです

山崎も白州も、響も原酒不足のため、なかなか手に入りにくくなっています。4銘柄を一度に味わうのは難しいかもしれませんが、少しずつ同じ飲み方をして比べてみると、こんなに味わいや香りに違いがあるのかと新たな発見ができるはずです。普段モルトウイスキーやブレンデッドウイスキーしか飲んでいないという人は、シングルグレーンの味がどれだけ違うかを味わってみてもよいでしょう

更に味わうなら、山崎、白州、響はそれぞれ熟成期間の違うものを飲み比べたり、エイジドノンエイジを飲み比べたりするのもおすすめです。熟成期間が進むと、山崎、白州、響の違いはますます大きく感じられるでしょう。響の中に山崎や白州が感じられるかどうかを味わってみるのもおもしろいかもしれません。山崎も白州も響のキーモルトです。それぞれがどの程度主張しているか、自分の舌で確かめられるかチャレンジしてみてもよいでしょう

同じメーカーの違う銘柄というだけではない

山崎、白州、知多、響は、単に同じメーカーの異なる銘柄というだけではありません。シングルモルトウイスキー、シングルグレーンウイスキー、ブレンデッドウイスキーというそもそもの違いがありました。

原料が異なれば味わいに違いが生まれるのは当然です。そのうえ、製造方法や原酒の選び方にもこだわりがあります。違いを理解して、自分の好みはどれなのかを確認してみましょう。

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